2026/08/17

ビジュアルIVR

【2025年度版調査レポート】コールセンターに問い合わせた際の用件について

はじめに:すべての改善は「顧客の用件」を知ることから始まる

企業のコールセンターは、顧客と直接対話する、重要な顧客接点です。コールセンターの応対印象は、顧客が企業を評価する上で、重要な指標となります。顧客の声に真摯に耳を傾け、課題を解決することで、顧客満足度を向上させ、ひいては顧客との長期的な関係構築に大きく貢献します。
しかし、多くのコールセンターが、人材不足による応答率の低下、さらには営業時間外の機会損失といった課題に直面しています。これでは、せっかくの顧客接点が、かえって顧客体験(CX)を損ねる原因になりかねません。

こうした課題を解決するために、多くの企業がデジタルチャネルの導入やFAQの拡充、自動化などを進めています。しかし、ここで一つの疑問が生じます。私たちは、そもそも顧客が「どのような用件で、あえて電話という手段を選んで問い合わせてきているのか」を、正しく把握できているでしょうか。

顧客のニーズや困りごとの傾向を正確に掴むことは、応対の効率化だけでなく、導線設計やチャネル配置、ひいては根本的な呼量(入電数)削減を進めるための大前提となります。
果たして、現代の顧客はどのような用件でコールセンターに電話をかけているのでしょうか。
NTTドコモビジネスXでは、日常生活において、コールセンターに電話をすることがある20代以上の男女を対象に意識調査を実施しました。

第1回となる今回は、まずその原点として「コールセンターに問い合わせた際の用件」について、分析した結果を報告します。顧客が本当に求めているサポートの正体は何なのか、データからその実態を紐解いていきましょう。

このレポートはこんな方におすすめです

  • 企業のコールセンター部門・CX(顧客体験)推進担当者
  • 電話の応答率の低さや、呼量(入電数)削減に頭を悩ませている方
  • 顧客の問い合わせ傾向を把握し、サポート体制の最適化を図りたい方
  • 自社に集まる「問い合わせの理由」が市場のトレンドとどうズレているか知りたい方

顧客はコールセンターへどのような用件で電話するのか

コールセンターのデータが示す、世代別「電話に頼る理由」の分岐点

デジタル化が進む現代、あえて「コールセンター(電話)」に頼る瞬間とはいつなのでしょうか。問い合わせ用件のクロス集計データから、世代間で異なるニーズが浮き彫りになりました。

コールセンターに問い合わせた際の要件について、当てはまるものを選択してください。(複数回答)

1. 全世代共通の関門は「契約・料金」

全体のトップは「契約内容の確認(新規・変更・解約・料金など)」で53.2%にのぼります。 これは性別・世代を問わず半数前後を占める共通の課題です。お金や契約が絡む手続きは、「損をしたくない」「間違えたくない」という心理が強く働くため、公式サイトなどのWebチャネルによる確認・手続きではなく、確実性を求めて有人対応の電話を選ぶ人が多いことが想定されます。

コールセンターに問い合わせた際の要件について、当てはまるものを選択してください。(複数回答)
コールセンターに問い合わせた際の要件について、当てはまるものを選択してください。(複数回答)

2. シニア層の「操作説明」、30代の「突発トラブル」

性・世代別にに見ると、電話をかける「目的」に明確な違いが現れました。

  • シニア層(60歳以上):デジタル苦手意識に伴う「操作説明」の用件回答が高い傾向。 20代では10%台前半にとどまる「操作説明」の割合が、60歳以上では男性29.4%、女性37.5%へと急増します。また、60歳以上女性は「注文・予約」も33.9%と高く、ECサイト等での手続きを電話で完結させたいという強いニーズが見られます。
  • ミドル層(30代):緊急性を要する「トラブル」全体平均が29.7%である「トラブル(紛失等)」ですが、30代男性は42.1%、30代女性は37.6%と突出しています。ライフステージの変化が激しく多忙な30代は、紛失などのアクシデントに遭遇しやすく、即時解決のために電話へ駆け込んでいる様子が伺えます。

まとめ:これからの窓口戦略

顧客が電話をかける裏には、必ず「Webでは解決できなかった理由」があります。
30代のトラブル対応は、入電後にWebへ誘導しビジュアルIVR、FAQやチャットボットを強化して「自己解決」へ導くことで、入電数を抑える対策が考えられます。一方で、シニア層が頼る操作説明や注文については、無理なデジタル移行をせず、「丁寧な電話対応」というセーフティネットとしてコールセンターの有人対応の価値を高めていくことも重要です。
顧客の世代特性に合わせ、デジタルチャネルと有人対応を最適に組み合わせ、配置することこそが、今後のCS(顧客満足)向上の重要な施策と言えます。

問い合わせの「用件」を分析すると、デジタルチャネルで自己解決できそうな内容が少なくありません。ではなぜ、結果としてコールセンターへの入電に繋がってしまっているのか。その謎を解く鍵は、顧客が電話をかける「直前の行動」に隠されています。

次回は、「コールセンターに電話を掛ける前に、どんな行動をとりますか」について、報告します。

*次回レポート 設問一覧*

  • コールセンターに電話を掛ける前に、どんな行動をとりますか。
  • なぜWeb検索にて解決を試みましたか。
  • なぜAIに質問して解決を試みましたか。

調査概要

  • 調査テーマ:性年代別にみるコールセンターへ問い合わせた時の顧客行動
  • 調査対象:20代以上の男女
  • 調査実施期間:2025年9月22日~23日
  • 総回答数:1114サンプル
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査機関:NTTドコモビジネスX株式会社
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