2021/01/22

帳票、書類の電子化

書類の電子化に向けての課題、メリットを徹底解説

紙の書類が多い職場では、文書管理が煩雑になりやすいです。請求書、給与明細などの書類を電子化することで、情報の共有や業務効率の向上が期待できます。しかし、書類の電子化は取引先の承諾や法律も関係してくるので一筋縄ではいかない面もあるでしょう。本記事では紙の書類を利用し続ける場合の課題にまずふれ、書類電子化のメリット・デメリット、電子化を実現するための具体的なアプローチなどについて解説を行います。

紙の書類を利用し続ける場合の課題とは

紙の書類でも工夫の仕方によってはある程度管理できますが、量が膨大になってくるといつか限界がきます。なぜなら、書類は仕事を続ける限り、際限なく発生するからです。紙の書類の場合、不要なものを定期的に処分しなければ保管スペースは圧迫される一方でしょう。書類のほとんどは半年もすれば不要になる内容です。しかし、本当に不要かどうか判断するには時間がかかりますし、シュレッダーなどで作業する手間も発生します。

紙で文書管理する弊害として、社内文書の私物化も挙げられます。社員が書類をデスクやロッカーで管理してしまうと情報共有がされません。その書類を所持する本人からすると保管しやすく作業が捗るのかもしれませんが、社内文書は会社全体で共有化するのが原則です。個人で管理すると紛失のリスクがありますし、セキュリティの観点からしても問題があります。書類の量が膨大になるほど、社内文書の私物化を防ぐのが難しくなります。

ちなみに、書類の電子化とは、すでに作成された書類や資料をスキャンし、PDFとして残す方法が代表的です。社内に特殊なツールを導入しなくても、複合機があればスキャンは簡単にできるでしょう。電子化したファイルは社内ネットワークで管理し、文書管理のルールを定めて企業全体で共有できるようにします。

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書類電子化のメリットとデメリット

書類電子化のメリットについて、6点紹介します。

書類電子化のメリット1:書類の印刷、封入、送付にかかるコストの削減

紙媒体で書類管理をしようとなると、データを印刷する必要があるため、様々なコストがかかります。具体的には、用紙・インク・プリンターの維持費、捺印・封入などの作業工数、切手などの費用などが発生します。これらにかかる費用は小さいかもしれませんが、毎月発生する業務となります。そのため、コスト削減の観点でも書類の電子化は有意義です。

書類電子化のメリット2:オフィスのスペースを有効活用できる

書類を電子化すると、サーバーやクラウドに保存することになるので、オフィスから書類が大幅に削減されます。その結果、キャビネットなどの収納スペースがほとんど必要なくなるでしょう。空いたスペースは他のことに有効活用できます。保管スペースを確保するためにレンタルしていた場合は、その費用も不要になります。

書類電子化のメリット3:必要な書類を瞬時に探せる

膨大な書類の中から、必要な情報をみつけるのは容易ではありません。電子化しておけば、データはきっちり整理できますし、キーワード検索することで関連する情報もすぐに出てきます。資料を探す時間が紙媒体に比べて大きく減るでしょう。

書類電子化のメリット4:書類の紛失や盗難の防止

書類が紙の場合、勝手に持ち出したり、間違えて処分したりというリスクが高いです。紛失する可能性もゼロではありません。紙の書類は一度駄目になってしまうと復元が困難です。一方、電子書類はクラウド上にバックアップを用意できます。クラウドのデータは物理的な干渉をほぼ受けませんので、再発行も簡単に出来ます。

また、紙の書類は閲覧可能な人物を制限するのが難しく、情報漏えいのリスクがあります。電子化であれば、システム上で閲覧やダウンロードなどを簡単に制限できます。ログが残るようにすれば、なにかトラブルにあったときの追跡も可能です。紙の書類よりも情報セキュリティを強化しやすいのが電子書類の特徴といえます。

書類電子化のメリット5:スピーディな書類発行、処理が可能

紙の書類を取引先に送ろうとした場合、郵送して受け取りまで数日はかかるのが普通です。書類を電子化しておけば、発行してすぐに、請求書や領収書などをメール添付して取引先に送信できます。契約・支払いに関連する毎月の経理業務をスピードアップしたいのであれば書類の電子化が適しています。年度末の決済にも有効です。

書類電子化のメリット6:情報の共有や編集作業が捗る

紙の書類を複数人で共有しようとすると、同じ文書を人数分印刷して配らなくてはならず面倒です。電子書類であれば複数人で同じファイルをみたり、編集したりする仕組みを簡単に用意できます。更新履歴をチェックすれば、バージョンも一目瞭然ですので、紙の書類のように最新バージョンがわからず混乱するような事態も避けられるでしょう。

このように、書類の電子化はさまざまなメリットがありますが、デメリットや注意点にも目を向けてください。よいことばかりと思い込んでいると、書類の電子化が上手くいかない恐れがあります。ここからは、デメリットについて4点紹介します。

書類電子化のデメリット1:書類電子化の初期コスト

書類電子化のアプローチは、少量であれば社内で取り組み、大量の書類であればセキュリティレベルを確保した外部サービス活用が考えられます。
初期コストとしては、取引先/送付先へ電子化の承認・メールアドレスの取得、配信・保管フローの策定などが挙げられます。

書類電子化のデメリット2:電子化による業務改革への適応

書類の電子化を行うと、業務のやり方が今までとは大きく変化します。例えば、書類を直接受け渡しする機会や封入作業がなくなりますし、書類を取引先に送るときはオンラインが基本です。従来の担当者では電子化による業務改革になかなか対応できず、混乱を招く可能性もあります。そのため、電子化による業務改革について、なくなる業務、発生する業務を洗い出し、適材適所を検討していきます。

書類電子化のデメリット3:書類を電子化したあとのデータ管理

書類を電子化したあとは、必要な情報が見つけやすくなりますが、それは勝手に実現されるわけではありません。電子化されたファイル名に規則性があり、定められたフォルダにデータが正しく格納されていてこそ、情報のスムーズな検索ができます。

書類電子化のデメリット4:システム障害、セキュリティの課題

電子化された書類はサーバーやクラウドに保存されています。こういったシステムに障害が起きてしまうと、書類にアクセスできなくなるケースもあるでしょう。また、インターネットの接続環境が不調な場合も影響を受けます。当然のことかもしれませんが、パソコンやタブレットなどのハードが故障した場合も閲覧が不可になる可能性があります。バックアップなどを行い依存しない環境構築も検討していきます。

書類電子化に向けての具体的なアプローチ

会社で使用される書類の大半は電子化できます。会計帳簿、契約書や納品書などの証憑書類、稟議書、さらに医療関係書類なども電子化可能です。ただし、免許証や認可証など、一部電子化の対象外の資料もあります。書類の電子化については「e-文書法」で定められているため、電子化の前にルールをよく確認しておくようにしてください。

e-文書法

書類の電子化をするにあたって、「e-文書法」の理解は欠かせません。書類は本来、紙媒体で保存する義務が定められているものがたくさんありました。しかし、パソコンやインターネットの普及により書類の電子化を求める企業が増加し、紙文書の破棄が可能になる法律が誕生したのです。つまり、e-文書法は企業のニーズに応える形で作られたといえます。この法律のおかげで書類の電子化がスムーズに行えるようになりました。

e-文書法の対象となる資料は保存の義務がある書類全てです。法人税法、商法、証券取引法などに基づき、紙で原本を保存する必要がある書類を電子化できます。ただし、保存のやり方については基本要件が4点あり、これらに従う必要があります。下記にその内容を記します。

見読性

パソコンやスマートフォンなどで、電子化されたデータが明瞭な状態で表示されること。また、書面を整然とした形式で作成できること。

安全性

保存義務期間中に損失しないための防止措置を用意していること。故意にデータを改ざんしたり、ミスで消去したりすることがないように、変更や消去のログを残すこと。

機密性

重要書類にアクセスできるメンバーを限定し、許可されていないメンバーのアクセスを禁止すること。

検索性の要件

必要なデータを即時検索し、引き出せるような仕組みを構築すること。

書類の電子化についての法令はひとつではなく、法令ごとに満たすべき要件が変わることに注意してください。書類によってはひとつの要件だけを守ればよいものもありますし、4つすべての要件を満たさなくてはならない書類もあります。

e-文書法に関連が深い法律として「電子帳簿保存法」があることも覚えておきましょう。電子帳簿保存法とは国税関連の書類電子化について定めた法律です。具体的にいうと、契約書、請求書、注文書などが該当します。e-文書法は複数の省庁により管轄されていますが、電子帳簿保存法は国税庁の管轄です。

電子化できる書類を把握し、e-文書法の理解も深まったのであれば、いよいよ書類の電子化を始めていきましょう。書類電子化の手順として、まず最初に行うべきなのは不要な書類の処分です。電子化する書類が多くなるほど、コストは高くなります。すべての書類に対してなにも考えずに電子化すると多くの無駄が発生するでしょう。実務担当者とよく相談して、活用頻度が高く利用者が多い書類の選定を行ってください。また、書類を処分する際には情報漏洩に気をつけることも重要です。

不要な書類の処分が一通り終わったら、データの管理方法を決めていきます。ファイルの名前の付け方や分類方法をはじめとし、書類のサイズや解像度なども検討すべき項目です。整理された環境を用意できれば、検索がしやすくなりますし、業務効率の向上も期待できるでしょう。

ファイルの保存方法も大切です。社内のファイルサーバーやクラウドストレージなどを利用するのが一般的といえます。ファイルサーバーであればバックアップを用意できますし、クラウドストレージであれば、モバイル端末からのアクセスがしやすいメリットがあります。どちらか片方ではなく、両方を併用して使い分けるのもよいアイディアです。

これらの準備が一通り整ったのであれば、複合機でスキャンを実行します。ホッチキス、クリップなどが書類についているとスキャンの邪魔になるので取り外すようにしてください。

いきなりすべての書類をスキャンするのではなく、綺麗にスキャンできるかどうか、テストを事前に行うようにしましょう。同時に、スキャン時のファイルサイズを計算し、保存する予定のファイルサーバーやクラウドの容量をチェックするのも忘れないでください。スキャンが終わった後、紙の書類は必要に応じて元の場所に戻したり、処分したりします。戻す資料が多くなると作業時間がかかりますので、あらかじめ予定に入れておきましょう。

書類の電子化が実現できたとしても、それがゴールではありません。書類を電子化し契約を行うためには、取引先から承諾を得る必要があります。状況によっては取引先がなかなか同意してくれないケースも想定しておきましょう。電子契約に慣れていない企業は業務フローが複雑になるのを懸念します。有料の電子契約システムを使用することで発生するコストを嫌がる場合もあるでしょう。また、電子契約は紙契約ほど一般化していませんので、法的書類としての効果に不安を持つ企業もいます。

電子契約に興味があり、導入に意欲的な企業であれば、電子契約のメリットを積極的に伝えることでその気になってもらえる可能性は高いです。しかし、相手が電子契約に否定的な企業であれば、メリットだけを並べても納得してもらえないでしょう。実際、電子契約はメリットだけではありません。デメリットやリスクなども丁寧に説明し、その対処法を説明するようにしましょう。

例えば、電子契約システム導入のコストがネックになっているのであれば、取引先にかかるコストを自社で負担するのもひとつの手段です。電子化によって得られる効率化と必要なコストを天稟にかけ、判断してみてください。どうしても電子契約をしてもらえないようであれば、電子契約書を自社で管理し、別途用意した紙の契約書を取引先企業に渡す方法もあります。この方法であれば、取引先の要求を満たしながら、契約書を電子保存できるでしょう。

ただし、電子帳簿保存法では国税関係書類を紙と電子媒体が混在した状態で保管すること禁止しています。そのため、電子契約書と紙契約書の混在を実現するためには取引先との直接交渉による手続きをしなくてはなりません。

書類を電子化して作業効率のよい職場を目指そう

書類の電子化は様々なメリットがあるものの、一朝一夕で実現できるものではありません。現状の紙の書類を整理し、e-文書法などに基づきながら少しずつ検討していきましょう。書類の電子化に対して反対する人もいるかもしれませんので、メリットとデメリットを正確に把握し説明する必要もあります。
ナビエクスプレス電子帳票ソリューションでは初期導入支援も行っておりますので、まずはご相談ください。

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