2021/01/26

帳票、書類の電子化

ペーパーレス化で業務効率改善!導入方法と注意点

仕事をするうえで紙の書類は必要不可欠な存在だといえます。しかし、従来の方法では業務が長期間に及ぶとその量が膨大なものになってしまうという欠点があります。そこで、新たな業務の形として注目されているのが、書類の電子化によって極力紙を使わないようにするペーパーレスという方法です。実際にペーパーレスの導入を検討しているという人のために、その際の課題や具体的な手順などについて解説していきます。

ペーパーレス化の必要性と導入前の課題

ペーパーレス化を進めていくには、まずそれがなぜ必要なのかをしっかり理解しなければなりません。そのうえで、適切な準備を行うことが大切です。本段落ではペーパーレスの必要性やそれを優先して行うべき書類、さらには、導入前に克服しなければならない課題などについて解説していきます。

ペーパーレス化の必要性

働き方改革関連法の施行などにより、現代のビジネスは昔以上にコスト削減と業務の効率化が求められています。そして、その効果的な手段の一つとして挙げられているのがペーパーレスです。たとえば、会議で使用する資料や勤怠管理に用いるタイムカードなどを廃止して電子データ化すれば管理する手間が省けますし、紙を使わないのでコストダウンにもつながります。ちなみに、ここでいうコストというのは紙代だけではありません。印刷機のメンテナンスや維持のための費用、あるいは文書破棄の際にかかるコストも大幅に削減することができるのです。そのうえ、電子データ化することにより、印刷やスキャンといった非効率な作業は不要となり、調べものをする際にも検索機能を用いれば、一瞬で答えを得られます。

また、昔と比べてエコ意識が高まっている点も見逃せません。紙を大量に使用すれば、それだけ森林が伐採されていきます。しかも、このままでは森の再生が追い付かないことから、森林保護が叫ばれるようになってきているのです。もし、ペーパーレスを徹底すれば、伐採される森林の面積を大幅に減らすことができますし、CO2排出量の削減にもつながります。そのため、エコ意識を持つことが企業に求められるようになったというわけです。

さらに、新型コロナウイルスの流行以降、その対策として急速に導入が進んでいるテレワークの存在もペーパーレス化の主要な要因の一つになっています。テレワークの場合は各自が離れた場所で働くため、従来のように書類を1カ所に集めていたのでは活用が困難になってしまいます。そのため、時と場所を問わすにアクセスできる電子データへの移行が必要になっているのです。実際、多くの企業がテレワーク化と並行してペーパーレス化を進めています。

ペーパーレス化が必要な書類とその選別方法

ベーパーレス化に取り組む際には最初に優先順位を検討し、何から電子データ化していくかを決める必要があります。そうしなければ、移行の手間ばかりかかって大した効果が上がらなかったということにもなりかねません。まず、部門ごとの紙の使用量及び、保管に必要なスペースやコストを調べ上げ、何からペーパーレス化するのが効率的なのかを確認しておきましょう。具体的な候補としては、会計帳簿・財産目録・社債原簿・信憑書類・振替伝票・事業報告書・営業報告書・組合員名簿・総会議事録・定款などが挙げられます。特に、名簿や財務状況関連書類などのように、あとから何度も見直す可能性が高いものを優先することをおすすめします。

また、初めてペーパーレスに挑戦するという場合はコストや業務効率だけでなく、電子化しやすいものから試してみるのも一つの手です。そのうえで改めて本格的なペーパーレス化に取り組めば、スムーズに移行できる可能性が高くなります。さらに、対象書類の選別は1度行えば終わりではなく、年に1度、あるいは数年に1度といった具合に定期的に見直すことが大切です。そうすることで、業務のさらなる効率化とコストダウンが期待できるようになります。

ペーパーレス導入までの課題

日本は他の先進国に比べてペーパーレス化が遅れているといわれていますが、その主な理由の一つに、高齢社会ということもあってIT機器に対する苦手意識や抵抗感を持っている人が多いという点が挙げられます。したがって、導入を決めたのなら、まず社内の理解を得ることが大切です。たとえば、経営幹部や役職者には業務の効率化やコスト削減といったペーパーレス化のメリットを説明します。現場の従業員の場合はそれに加えて、具体的な方法について周知徹底する必要があります。また、電子化された書類を扱うには一定以上のIT知識が不可欠であるため、基準を満たしていない従業員に対しては講習などを行い、誰でも使えるようにしておかなければなりません。

次に、書類の洗い出しも必要です。社内で使用されている書類をすべてリストアップし、それぞれの書類がどのように使用されているかを明確にしていきます。それによって、どの書類をどういった手順で電子化していくのが効率的であるかがある程度見えてくるはずです。それと同時に、書類に関する業務フローを見直し、無駄な部分があれば改善に努めましょう。そうすることで、ペーパーレス化への移行もスムーズに進み、導入後の効果を高めることにもつながります。

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ペーパーレス化のメリットとデメリット

ペーパーレスには多くのメリットがありますが、逆に、デメリットも存在します。したがって、導入の際には両者を天秤にかけ、よりメリットの多い方法を模索していかなければなりません。その参考になるように、本段落ではペーパーレス化によってもたらされる主なメリットとデメリットについて紹介していきます。

ペーパーレス化のメリット

会社では資料や書類を作成するために大量の紙が使用されています。1枚ならコピー代を合わせても数円~数十円程度ですが、それを数百人の社員が毎日何枚も使用していると仮定した場合、年間のコストは数百万円規模に達します。しかし、ペーパーレスを導入すれば、紙代及び印刷代の大幅な削減が可能なのです。また、意外とバカにならないのが書類の保管費用です。領収書のように法律で一定期間の保管を義務づけられている書類は少なくないため、場合によっては専用の倉庫を借りる必要がでてきます。一方、ペーパーレスを実行すれば、そうしたスペースは不要になります。

さらに、必要な書類をすぐに見つけることができるのも大きなメリットの一つです。大量の書類の中から必要なものを探すのは一苦労ですし、段ボールの山に埋もれていたりすると、1日仕事になってしまいます。その点、それらの書類を電子化しておけば検索機能を用いて一瞬で見つけることができます。そのうえ、情報漏洩のリスクを軽減できるという点も見逃せません。万が一、顧客情報や機密情報が漏えいしたり、あるいはそうした情報が記載された書類が紛失したりすると大問題になります。電子化していれば紛失するおそれはありませんし、漏洩する可能性もゼロではないものの、紙で保管するよりセキュリティは遥かに堅牢です。

それに、いつどこにいても閲覧ができますし、電子印を採用すれば場所を選ばずに承認作業が可能となります。その他にも、紙の使用量が激減するので環境に優しい、オフィスの美化につながるといった点もメリットとして挙げることができます。

ペーパーレス化のデメリット

ペーパーレスを導入するうえで、大きな障害となるのが初期コストの問題です。まずパソコンやタブレットといった情報端末を揃えなければなりませんし、既存の書類をデータ化するのにも人件費がかかります。そのうえ、システムを快適に利用できるようにするべくネット接続の強化や社内ネットワークの構築を行ったりすると、コストはさらにかさみます。もちろん、新たなシステム導入に伴う規約や体制作りも欠かせません。したがって、最初に導入に必要なトータルコストを計算し、それが導入効果に見合うものであるかどうかの見極めが大切になってきます。

次に、パソコンやタブレットなどの画面の大きさによっては、書類の文字が読みにくくなるという問題があります。それに、紙なら複数の書類を並べて見比べることができますが、同じことを情報端末で行おうとすると一つ一つのデータを縮小しなくてはなりません。そうなると、ますます文字が読みづらくなってしまいます。また、文書が複数枚に及んだ際、紙ならパラパラとページをめくり、全体を敷衍しながら細部を理解していくことができるのに対し、電子データの場合はそれが難しいのもデメリットだといえるかもしれません。

さらに、電子化された書類はサーバーなどで管理されているため、システム障害が起きたときには閲覧不能になってしまうのも大きなデメリットです。必要なときに書類が見られなくなるのは困りますし、最悪の場合、データそのものが喪失することにもなりかねません。滅多に起こらないことだとはいえ、そうなった場合の損失はかなりのものになるでしょう。したがって、書類を電子化する際には定期的にバックアップを取るなどの対策が必要になってきます。

ペーパーレス化の手順と注意すべき法律

ペーパーレスとはどういったものなのかを一通り理解し、従業員の心構えもできたのなら、いよいよペーパーレス化を進めていくことになります。ただし、正しい手順を知らなければ余計な手間がかかってしまいますし、知らぬ間に法律違反をしてしまっていたなどといったことにもなりかねません。そこで、本段落ではペーパーレス化の正しい手順と注意すべき法律について解説をしていきます。

ペーパーレス化で注意すべき法律

ペーパーレスは働き方革命の一環として国も推進していますが、だからといってすべての書類を電子化できるわけではないので注意が必要です。たとえば、宅建業法における重要事項説明書や賃貸契約書は書面での交付が原則となっており、電子化が認められていません。もっとも、こうしたペーパーレス化に関連した法律は年々改正されているため、一度確認して終わりではなく、常に最新の情報をチェックする必要があります。

なかでも最優先で確認すべき法律が「e-文書法」です。ただし、この呼び名は通称で、正確には2005年に施行された「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の2つから成っています。そして、この法律によって決算書類・契約書・領収書・請求書などを電子データとして保存してもよいことを保証されているのです。逆に、電子データ化が認められないものとしては船舶に装備すべき手引書などといった緊急時に必要とされるものや免許証・許可証といった現物性が求められるものが挙げられます。

また、e-文書法に似た法律に1998年施行の「電子帳簿保存法」があります。こちらは正式名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といい、会計帳簿や国税関係書類の電子化に関する法律です。もともとこの法律では画面上で作成した電子データのみを認め、紙面上のデータをスキャンして保存したものに関しては正式な書類として認めていませんでした。ところが、e-文書法の成立に伴い、それに合わせる形で改正が行われたという経緯があります。その結果、棚卸表・貸借対照表・損益計算書などの決算関係書類はスキャナ保存が不可の一方で、領収書・契約書・請求書・納品書・見積書・注文書などに関してはスキャナによる保存が認められるようになったのです。

ちなみに、e-文書法と電子帳簿保存法の最も大きな違いは運用時の許可の有無です。e-文書法に関連する書類の電子データ化は各社の判断で自由に行えるのに対して、電子帳簿保存法に基づいて国税関係書類を電子化する場合は税務署長などに申請して承認を受けなければなりません。その際には「真実性の確保」と「可視性の確保」といった要件を満たす必要があります。それに対して、e-文書法に基づく場合はクリアに視認できて必要なときにただちに書面として出力可能な「見読性」の他に、ケースバイケースで「完全性」「機密性」「検索性」が求められます。こうした違いもしっかりと理解しておきたいところです。

ペーパーレス化の手順

ペーパーレス化の作業でやってしまいがちなのが会社にある書類を片っ端からスキャンしていくというやり方です。しかし、そんなことをすれば余計な人件費がかかってしまいますし、保管する必要のない書類までデータ化してサーバーの容量を無駄に消費してしまいます。そこで、まずはどの分野の書類をどこまで電子化し、何年保管するのかといった事柄をきちんと決める必要があります。そのうえで、不必要な書類は処分し、残ったもののうちで使用頻度の高い順にスキャンしていくことが大切です。

また、スキャンをする際には分野ごとに保存するフォルダを決め、一定のルールに基づいてテキストの名前を付けていきます。たとえば、「西暦から始まる日付・顧客名・書類の内容」といった具合です。そして、スキャンしたのちにデータが保存されていることを確認し、不要になった書類を処分すれば完了です。あとは、実際に運用しながら不具合がないかをチェックし、その都度修正を加えるようにしていきましょう。

ペーパーレスの導入を成功させるには全従業員の理解が不可欠

ペーパーレスには多くのメリットがありますが、実行にはさまざまな困難が予想されます。仕事のやり方が抜本的に変わるため、経営陣や現場のスタッフの理解が欠かせませんし、移行作業も会社全体で取り組む必要があります。ペーパーレス化のメリットを享受するためにも、まずは自分自身が十分な知見を得るとともに、導入の必要性を全員に理解してもらうところから始めてみてはいかがでしょうか。

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