2023/11/15

帳票、書類の電子化

文書自動配信サービスとは?導入の効果と注意点を解説

文書自動配信サービスを利用すれば、帳票類を電子化するとともに、作成や発送・保管にかかるコストを削減できて、会社の業務効率化につながります。ただ、具体的にどのようなサービスなのか、内容について分からない部分も多いのかもしれません。

そこでこの記事では、文書自動配信サービスの概要や利用できる機能、導入の効果と注意点などを解説します。文書自動配信サービスの導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の内容
  • 文書自動配信サービスとは、発注書や納品書、請求書など企業の発行する書類を電子化し、取引先などに自動的に送付してくれるサービス。
  • 文書自動配信サービスを利用すると、書類の作成・配信からファイルの一元管理、送信履歴の確認、API連携などの機能が利用できる。
  • コスト、リードタイム、保管スペースの削減やヒューマンエラーの防止、セキュリティ強化、リモートワークへの対応などの効果がある。
  • 導入時の注意としては、運用環境整備や取引先の理解促進、セキュリティ対策やトラブル時には利用できない点などがある。
無料資料ダウンロード
はじめての請求書電子化
インボイス制度・電子帳簿保存法対応編
送信者向けの「インボイス制度とは」「保存義務」「請求書変更例」の概要や対応方法を解説

文書自動配信サービスとは

業務に関する書類を決められた期日で取引先へ自動的に送付してくれるサービスを文書自動配信サービスといいます。

発注書や請求書、納品書など毎月・毎週送信しなければならない書類を相手先と配信方法を設定して自動送信でき、印刷や封入作業、メール・FAXなどでの送信といったコストをかけずに実施できて人件費を削減可能です。文書自動配信サービスは、帳票類を自動配信できるシステムのため、電子帳票システムとも呼ばれます。

電子帳票システムの機能等について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
「電子帳票システムの機能やメリット・注意点を徹底解説」

文書自動配信サービスの重要性が高まる背景

現代の企業では、DX(デジタル・トランスフォーメーション:ITやデジタル技術の活用による業務改善・競争力向上)の推進が求められており、文書自動配信サービスの重要性が高まっています。

請求書や納品書、帳簿など業務に必要な文書を紙で管理する場合、印刷や保管などのコストが高く、共有や検索も難しいため業務効率が低くなるのがデメリットです。さらに、簡単に書いたり、消したりできるため、改ざんも容易で紛失・盗難の危険もあるなど、セキュリティ面にも不安が生じるでしょう。

文書を電子化すれば、コストを削減できるのはもちろん、配達などに時間をかけずに共有でき、暗号化やアクセス制御などによるセキュリティの向上も期待できます。

請求書、領収書、給与明細などあらゆる帳票を電子化 電子帳票ソリューション ナビエクスプレス サービス内容はこちら

文書自動配信サービスを利用してできること

文書自動配信サービスを利用すれば、次のようなサービスが可能になります。

  • 文書の自動作成・配信
  • FAX・メールでの送信
  • ファイルの一元管理
  • 送付履歴の確認
  • 既存システムとのAPI連携

それぞれについて詳しくみていきましょう。なお、利用するサービスによって細かな機能は異なるため、ここでは代表的な機能について解説しています。

文書の自動作成・配信

発注書や納品書、請求書など業務に使用する文書をシステムにアップロードして自動送信できる機能です。日時指定ができ、毎日や毎週、毎月など決まった日付で時間を問わず配信ができます。

PDFやWord、Excelなど複数のファイル形式に対応しているサービスが多く、さまざまな文書がファイル変更なしで簡単に送付可能。CSVファイルから自動でPDFを作成・送信できるサービスなどもあり、事務作業にかかる手間も削減してくれます。

FAX・メールでの送信

文書自動配信サービスでは、文書を送付する際は取引先や自社の都合に合わせて、さまざまな送信方式を選択できます。多くの文書配信サービスは、メールやインターネットFAX、Web配信などに対応しており、郵送を除けば普段利用している方法でそのまま継続してやり取りできるため、取引先に新しく配信方式に対応してもらう手間などもかかりません。

ファイルの一元管理

文書自動配信サービスを利用すれば、アップロードしたファイルを一元管理できるため、検索性が向上します。保管期限を自由に設定でき、期間が過ぎると書類が自動削除されるシステムもあります。毎月の書類が膨大なファイルとして溜まっていく心配もなく、容量を効率的に使用可能です。

送付履歴の確認

文書自動配信サービスでは、書類をアップロードして送信するだけでなく、各文書がいつ、どこへ送られたか、システム上で簡単に送付履歴を確認可能です。ほかに、送信状況や開封状況などをリアルタイムで確認できたり、不達の場合にメールで通知されたりする機能もあって、送信忘れやミスなどの防止に役立ちます。

既存システムとのAPI連携

文書自動配信サービスでは、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を利用した既存システムとの連携も可能です。現在社内で使用しているシステムから発行する帳票をそのまま送れるため、いちいち手作業でアップロードする手間も省いて業務を効率化できるのが魅力です。さらに、システム連携をカスタマイズできるサービスもあります。

文書自動配信サービス導入の効果

文書自動配信サービスを業務に活用すると、企業にさまざまなメリットをもたらします。文書自動配信サービス導入の効果について詳しくみていきましょう。

コスト削減ができる

文書自動配信サービスを使えば、紙で文書を管理するよりも業務コストを削減できます。紙を使った文書の場合、書類を作成するための紙代や印刷費、発行後の保管・整理にかかる費用、取引先への郵送費や各事務作業の人件費など、さまざまなコストがかかってしまうのが難点です。

文書自動配信サービスを活用すれば、紙の書類発行に伴う費用が必要なくなるため、大きなコスト削減が見込まれるでしょう。

業務を効率化できる

紙で帳票類を作成する場合と比べて業務を効率化できるのも文書自動配信サービスがもつメリットです。従来は、文書の作成から印刷、封入、投函と送付するために複数の作業を行わなければならず、すべて人の手で行う必要がありました。

しかし、文書自動配信サービスであれば、一定の作業を自動化できるため効率的です。さらに紙の書類と違って、保管や整理に伴う手間もなくなるうえ、検索性も向上して必要な文書をすぐに見つけ出せるようになります。

ヒューマンエラーを防止できる

文書自動配信サービスなら、決められた日時に設定した宛先へと自動送信されるため、誤送信の恐れがなくなります。たとえ文書が電子化されていても、人がメールなどで送っている場合、送信日や送り先などを間違える可能性はゼロにはなりません。

また、文書自動配信サービスには、アップロードしたファイルや過去のデータから文書を自動的に作成できる機能もあるため、入力ミスなどのヒューマンエラーも防止できます。

セキュリティを強化できる

文書自動配信サービスを利用すれば、紙の書類を使用する場合よりもセキュリティ強化が期待できます。紙の文書のデメリットは、量が増えるにつれて管理が大変になる点です。また、不正な持ち出しや紛失などが起きても気づかない可能性があるでしょう。

文書自動配信サービスであれば、アクセス制限や改ざん防止機能、パスワードの付与などの機能を利用してセキュリティ対策を実施できるため、大切な情報が外部に漏れるリスクを軽減できます。

書類の保管スペースを削減できる

文書自動配信サービスによって帳票を電子化すれば、紙の書類を削減できるため、保管に使っていたスペースが確保され、効率的に利用できます。

紙の書類の場合、発行するたび保管する文書が増えて社内のスペースを圧迫していくのが大きなデメリットです。オフィス空間の有効活用を妨げ、業務効率の低下にもつながっていました。書類を電子化すれば、保管場所だったスペースを別の用途に使えるようになります。

リードタイムを短縮できる

文書自動配信サービスを利用すれば、時間と場所を問わずに書類を送信できるため、帳票送付にかかるリードタイムを短縮できます。リードタイムとは、作業工程の最初から終わりまでにかかる時間を指す用語です。

文書自動配信サービスなら、文書の再送信を求められた際や内容に誤りがあった際にも迅速な対応が可能になります。書類のやり取りが従来よりも早くなるため、業務スピードの改善にもつながるでしょう。

リモートワークに対応できる

クラウドで操作できるタイプのサービスであれば、どこからでも文書の閲覧や送信ができるため、リモートワークへの対応にも最適です。紙の文書の場合、押印や投函などの作業が生じるため、どうしても出社しなければなりませんでした。

しかし、文書自動配信サービスであれば、自宅からでも作成・送付作業に対応できるため出社の必要がなく、リモートワークの普及に貢献できます。これからの働き方に合ったシステムといえるでしょう。

社内文書の電子化について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
「コロナ禍で注目を集める電子化のメリットや方法とは」

文書自動配信サービスを導入する際の注意点

多くのメリットをもつ文書自動配信サービスですが、導入する場合には注意しなければならない点も存在します。文書自動配信サービスを導入する際の注意点について詳しくみていきましょう。

運用環境を整えておく

文書自動配信サービスを導入する際には、同時に適切な運用環境も整えておく必要があります。社内の業務フローや文書の運用ルールが変化するため、きちんとした運用環境の整備が大切です。

システムや機能を理解しないままだと、十分な効果が得られないだけでなく、トラブルが起こる原因になります。業務フローのマニュアル化や事前の説明会、担当者の配置などを通じて、システムを適切に運用できる仕組みづくりを進めていきましょう。

適切なデータ管理の方法を確認しておく

帳票を電子化して文書データで保管する場合、電子帳簿保存法やe-文書法など、法律やルールに則った方法での管理が求められます。タイムスタンプの付与や検索性を担保した管理システムなど、見やすく安全性の高い管理方式を取り入れましょう。

データ管理はセキュリティにも関わる大切な要素です。データ改ざんや情報漏洩などが起きれば、企業の信用が傷つくだけでなく、損害賠償請求などにつながる恐れもあるため、事前に社内での理解を進めておいてください。

データ管理に関わる電子帳簿保存法について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「【2023年最新】電子帳簿保存法の改正内容をわかりやすく解説|制度の概要から紹介」

システムトラブルがあると利用できない

非常に便利な文書自動配信サービスですが、システムトラブルなどで利用できなくなる恐れがある点には注意が必要です。文書を電子化すると、システム上で運用するため、トラブルやシステムダウンが生じた際には利用できなくなります。

あらかじめ、復旧手順の確認やマニュアル化など対策を準備するとともに、データの消失に備えてバックアップなども取っておきましょう。また、利用にはインターネット環境が必要なため、接続が途切れると使えなくなる点についても認識しておいてください。

取引先の理解を得る必要がある

文書自動配信サービスを導入・運用するには、自社だけでなく、取引先の理解も得る必要があります。利用できれば便利なサービスではあるものの、なかには電子化に対応できない企業があるかもしれません。紙の書類に対応できる体制も継続しておきましょう。

また、導入に際しては、取引先でも対応を進めてもらえるよう、電子化のメリットを具体的に伝えて理解を得ていくのも大切になります。

文書自動配信サービスの「ナビエクスプレス」

文書自動配信サービスの「ナビエクスプレス」は、文書ファイルの送信に利用できる「データ送信サービス」と、帳票類の作成・送信の自動化を実現する「電子帳票ソリューション」があります。ナビエクスプレスの機能について詳しく解説します。

大容量の文書データを送信できる「データ送信サービス」

ナビエクスプレスの「データ送信サービス」は、1送信あたり最大500MBまでと、大容量ファイルの送信にも対応しています。

電子メールでは送信できない容量の大きなデータの送信や、一度で大量の宛先へのデータ送信を実現。さらに、SSL接続、サーバ上の暗号化、パスワードによる受信者認証など各種セキュリティ機能も充実しており、大切なデータをしっかりと保護します。

また、トラッキング機能により、送信先への到達状況やファイル開封状況などをブラウザからリアルタイムで確認可能。メンバーアカウントも柔軟に設定でき、社内担当者だけでなく、取引先などの利用にも対応可能となっています。

帳票類の配信に対応する「電子帳票ソリューション」

ナビエクスプレスは、各種帳票類を電子化し、作成や発送にかかるコストとともに、リードタイムを削減して業務効率化に貢献する「電子帳票ソリューション」です。請求書や納品書、領収書、支払通知書、給与明細など、ビジネスに必要な各種書類の作成に活用できて、人件費や運用保守費、発送費など毎月のコストを大幅にカットします。

さらに、メールやFAXでのスピーディな送信によりリードタイムを削減し、送付にかかる手間や人的ミスによるロスを抑えて業務効率化を実現するツールです。高いセキュリティと万全のサポート体制、確かな効果によって、さまざまな業界で多くの企業様に採用していただいており、これまでのご利用実績は数万社に上ります。

今回は、多数ある導入事例のなかから、トーハツ株式会社様のケースをご紹介します。

導入事例|トーハツ株式会社 様

トーハツ株式会社様は、船外機や過般消火ポンプを手掛けるトップメーカーです。国内外に多数の取引先をもち、年間に発行する帳票類は3万以上。月末月初の事務手続きには膨大な手間と時間を消費していました。そこで、業務効率化のためナビエクスプレスを導入。先行して導入していた工場で改善結果が出ていた点や、紙文書をそのままのフォーマットで電子化できて取引先への負担が少ない点などが採用の決め手になりました。

ナビエクスプレス導入により、以前は2人で月160時間かかっていた納品書や請求書の発行・発送業務が現在では1人で70時間程度と大幅に短縮。従来と比べてコストを7割程度削減でき、さらに書類の保管場所も必要なくなりました。今では顧客への理解も進み、徐々に電子帳票に切り替える取引先も増えています。

文書自動配信サービスを活用して事業の効率化に取り組もう

文書自動配信サービスを利用すれば、納品書や請求書、明細など、ビジネスに必要な書類の作成を電子化できるだけでなく、取引先への送信やデータ管理などを自動化できます。紙や印刷にかかる費用や封入・発送費、文書の整理・保管費用などのコストをカットし、業務の効率化に貢献してくれる有用なツールです。

ナビエクスプレスでは、最大500MBの対容量データ送信に加え、セキュリティ対策やトラッキング機能、アカウント設定、サポート体制など各種機能・サービスが充実しています。書類作成や発送など、毎月の文書業務に費やす多くの時間をなんとかしたいとお考えの方は、ぜひナビエクスプレスの利用をご検討ください。

ナビエクスプレスの見積・お問い合わせ、資料ダウンロードはこちらから

帳票、書類の電子化
最新のコラム

資料ダウンロード資料ダウンロード

閉じる閉じる