2022/04/08

ソーシャルリスク対策

バズマーケティングとは?手法やメリットを徹底解説!

自社の取り組みや商品を世の中にアピールし認知度や好感度を上げることを目的にSNSを活用する企業は少なくありません。そのような企業がしばしば取り入れている手法の一つに「バズマーケティング」があります。一体、どのような手法なのでしょうか。本記事ではバズマーケティングの基礎知識から、メリット・デメリット、手法、そして成功事例まで徹底解説します。

バズマーケティングの基礎知識

まずは、「バズマーケティング」という言葉の意味について整理していきます。この言葉からおおよそのイメージができる人もいるでしょう。そのイメージを改めて明確化することで、より戦略的に取り入れられるようになるはずです。

バズらせるマーケティング手法

SNS上では、「バズる」という言葉がしばしば使われます。ある話題や出来事が極めて短い期間で爆発的に拡散され、多くの人から注目を集める現象のことです。こうした現象を意図的に起こし、企業や商品の認知度・評判を上げるマーケティング手法が「バズマーケティング」です。ときにネガティブな情報や口コミをあえて利用して注目を集めることもあります。しかし、これは一般的に炎上商法と呼ばれるものです。バズマーケティングはどちらかといえばポジティブなイメージを害することなくマーケティングを行う点に一つの特徴があります。

バイラルマーケティングとの違いは?

同じように、口コミにより企業や商品の情報・評判・認知度などを広げる手法にバイラルマーケティングがあります。ほぼ同じような意味で捉えられ、また、使用されることも少なくありません。バイラルは英語では「viral」と表記され、「ウイルス性の」という意味をもちます。つまり、感染症のように広がる様を表しているわけです。バイラルマーケティングは情報や評判が人から人へと自然と伝わっていくための仕掛け、あるいは仕組み作りと考えるとよいでしょう。

バズマーケティングは企業自らがバズらせる動きを積極的に行い、バイラルマーケティングは自然と広がるように種をまく、そのようなニュアンスの違いがあります。企業が前面に出てアピールに参加する(バズマーケティング)か、製品やサービスに注目させて口コミで自然と広がるように戦略を練る(バイラルマーケティング)か、という違いと捉えるとわかりやすくなるのではないでしょうか。

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バズマーケティングのメリット・デメリット

多くの企業が取り入れているバズマーケティングには、当然ながらいくつかのメリットがあります。一方で、デメリットもないわけではありません。具体的な戦略を練る前に、まずはこのマーケティング手法のメリットとデメリットを認識しておきましょう。

バズマーケティングのメリット

まずは、バズマーケティングのメリットについて解説します。業種や商品によっては非常に相性がよく、大きな恩恵を享受することができるでしょう。自社で取り扱っている製品やサービスとの相性も考慮した上でメリットを理解することが重要です。

認知度や評判を瞬間的に上げられる

バズマーケティングはSNS上で投稿した内容や企業・商品に関する情報を拡散させる手法であるため、成功させることができれば企業や商品の認知度・評判などを一気に広げることができます。有名企業であれば新商品を、知名度の低い中小零細企業であれば企業・店舗そのものや特殊な技術等を、世界中に向けてアピールすることが可能なのです。企業のイメージや認知度が昨日とはまるで異なるものへと一変してしまうことすらあるでしょう。

消費者のリアルな声を広げることができる

バズマーケティングは、SNSなどで一般消費者が情報を拡散することで成立します。消費者が興味や関心をもったからこそ情報や口コミ等が拡散されるのです。実際にバズらせることができれば、そこから消費者のリアルな声を聞くことができるでしょう。同時に、そうした声を広げることで、消費者が企業の代わりに製品やサービスのアピールに貢献してくれるのです。企業のみがいくら懸命にアピールをしても、消費者にはどこか信用しきれない部分もあるでしょう。しかし、一般消費者が気に入ったり利用したりしていれば他の消費者も信用しやすくなる効果が期待できます。これもバズマーケティングのメリットの一つです。

コストパフォーマンスがよい

SNSに情報を投稿する最大のメリットは、街中やネット上に出す広告と比べると、はるかにコストが安く済む点にあります。手法によっては費用が膨らむ可能性はあるものの、前述のようにSNSで拡散を手助けしてくれるのは一般消費者です。上手に戦略を練りあげることさえできれば、あとは消費者が拡散の後押しをしてくれます。実際にバズることができ認知度やイメージのアップが図れれば、大きな費用対効果を発揮してくれるでしょう。

バズマーケティングのデメリット

メリットをある程度理解したところで、バズマーケティングのデメリットも認識しておきましょう。SNSは使い方を間違えると企業や商品の信頼失墜に直結しかねないツールでもあります。SNSを活用したマーケティングを効果的に実践するためには、デメリットやリスクも理解したうえで適切に取り入れていくことを忘れてはいけません。

瞬間的な注目で終わってしまう可能性がある

流行ったり注目されたりするスピードが早ければ、廃れたり忘れられたりするスピードもまた早いものです。バズマーケティングでもそれと似たような現象が起こることがあります。しばしば一発屋と呼ばれる人や物のように、瞬間的な注目で終わってしまう可能性があるのです。本当によい企業や商品であればそのようなことはないでしょう。しかし、バズマーケティングを活用するのであれば、一瞬で終わってしまう可能性も考慮しながら、それを避けるための戦略を立てていく意識は常にもっておきたいところです。

ネガティブな面が拡散されるリスクがある

企業や商品のポジティブな面のみが拡散されるとは限らない点にも注意が必要です。もし一般消費者がネガティブな面に目をつけ拡散してしまえば、バズマーケティングは企業の意図とはまったく逆の結果をもたらすことになるでしょう。バズるというよりも、むしろ炎上してしまうリスクがあるのです。一旦炎上してしまうと、消費者からの信用を一気に失い、大きな損失を出してしまうリスクもあります。炎上は、過去の投稿にさかのぼる事もあるため、確実に防ぐことは困難です。しかし、ネガティブな声を迅速に発見し、事実関係の確認を行い、誠意ある対応を行うことで炎上リスクを回避することが可能です。事前に炎上対策の体制を整えておくのはもちろんの事、このようなデメリットがあることも理解したうえでバズマーケティングを仕掛けていく必要があるでしょう。

炎上対策はこちらもご覧ください。
(関連記事:【ソーシャルリスク対策】 炎上対策とは?企業における主な炎上原因と対策

コントロールが難しい

SNS上での拡散のスピードや規模などを企業側がコントロールすることはできません。例えば、バズマーケティングを仕掛けたところポジティブな反響が増え、結果的に受注が急増したとしましょう。しかし、想定以上の注文に適切に対応できなければ、逆にネガティブなイメージを与えたり、それがきっかけで客離れへとつながったりする可能性も出てきます。事前にすべてを想定することはできませんが、コントロールができないマーケティング手法であるという点は頭に入れながら企画や戦略を考えていく必要があるのです。

バズマーケティングの代表的な手法

バズマーケティングでは、具体的にどのような手法や戦略が用いられるのでしょうか。よく活用される代表的な手法を紹介・解説します。

キャンペーンの企画・実施

商品のプレゼントなどのキャンペーンを企画し、SNS上で実施することでバズマーケティングを仕掛ける手法があります。非常に直接的ではありますが、SNSのユーザーはフォローやリツイートなどをするだけでよいので、短期間で情報を拡散させる効果が期待できるでしょう。高価な商品を少人数の人に当たるようにするのか、それとも少額の商品を多くの人に当たるようにするのかなどの戦略は慎重に考える必要があります。また、人や企画内容によっては企業に対し「プレゼントで釣っている」という印象を抱きかねないため、頻繁に行うとイメージが悪くなるリスクがあることも認識しておきましょう。新商品の発表時や創業10周年など特別なタイミングで行うと、より効果的なバズマーケティングとなるはずです。

インフルエンサーの起用・活用

インフルエンサーと呼ばれるSNSやインターネット界隈の有名人を活用し、バズマーケティングを仕掛ける手法もあります。自社商品をインフルエンサーに試してもらうことで、多くの消費者へよいイメージを与えることが可能です。起用するインフルエンサーの選別が大きなポイントとなるでしょう。認知してもらいたい年齢層などのターゲットにマッチした人選を行う必要があります。インフルエンサーを起用・活用したバズマーケティングを仕掛ける場合には、ステルスマーケティングにならないような配慮も重要です。ステマはバズマーケティングに利用される手法の一つではありますが、ステマであることがバレるとイメージや評判が逆転してしまうリスクがあるので注意しなければいけません。

口コミやネタの投稿・募集

企業や商品に対する口コミあるいはネタを、企業のSNSアカウント自ら発信するバズマーケティングもあります。もしくは、SNSの利用者へと口コミやネタの投稿を促すことも可能です。口コミは企業が一方的に発信するよりも、SNSの特性を活かしユーザーに投稿してもらう形の方が、より大きな効果が期待できるでしょう。企業側が開発秘話や歴史、注意喚起を面白おかしく投稿することで、消費者の興味や関心を掻き立てる手法も試してみる価値があるのではないでしょうか。ただし、狙いすぎると炎上するなど逆効果となってしまうこともあるため、ネタの内容や構成には十分に配慮する必要があります。

画像や動画の投稿・募集

ネタの投稿や募集と重なる点もありますが、SNSならではの画像や動画を活用する手法もおすすめです。文字のみよりも画像や動画があれば、ユーザーはより興味や関心をもつことができるでしょう。文字での投稿と比べるとコストはかかりますが、宣伝やバズるための効果としては非常に大きなものが期待できます。ここまで紹介したキャンペーンの企画やインフルエンサーの起用、あるいは口コミやネタなどを画像や動画の形で投稿する方法も効果的です。あらゆる手法を組み合わせることで相乗効果も期待でき、バズマーケティングの効果を最大化させることができるでしょう。

オリジナルのハッシュタグやフレーズの活用

投稿の際には、ハッシュタグも積極的に活用するとよいでしょう。あるいは、文章や画像・動画の中にオリジナルのフレーズやワードを盛り込むことで、その投稿を目にした消費者の印象に残すことがしやすくなります。キャッチフレーズなどを作っておくと投稿のたびに活用できるのでおすすめです。耳に残ったり消費者が日常で使いたくなったりするようなフレーズを生み出すことができれば、より拡散効果が高まりバズマーケティングを成功させることができるでしょう。かつてはテレビCMなどの広告でも使われていた手法を、ハッシュタグや動画の形でSNSでも活用することができるのです。

バズマーケティングの成功事例を紹介

実際に、ある企業が行ったバズマーケティングの成功事例を紹介します。アイデアなども参考にしながら、自社のSNSマーケティングの参考にしてみましょう。

飲料メーカーで新商品の感想を募集

ある飲料メーカーでは、新商品の感想をSNSで募集しています。オリジナルのハッシュタグをつけることで消費者が興味をもち口コミを次々と投稿。新商品をまだ知らない層にまで情報を届けることに成功しています。特徴は、ハッシュタグを特定の商品に限定していない点です。新しい商品が出ると、そのハッシュタグをつけて消費者が飲んだ感想をSNSへと投稿しています。バズマーケティングを一時的なものとせず、新商品をリリースするたびに“プチバズり”を起こさせる戦略です。企業が呼びかけずとも定期的に消費者に感想を投稿させる現象を生み出していることを考えると、非常にうまい戦略であり成功例の一つといえるでしょう。

お菓子メーカーが「買わない理由」を買取

あるお菓子メーカーでは、かつて人気があったにもかかわらず現在ではあまり売れていないお菓子を取り上げ、「買わない理由を買い取ります」というキャンペーンを展開。消費者がなぜそのお菓子に手を伸ばさないのか、その理由を直接的に聞こうと試みたのです。この手法はお菓子を買わない率直な理由を聞けるとともに、面白い試みとして注目されたことでバズマーケティングとしても成功しています。企業のイメージアップにもつながる素晴らしいマーケティングといえるのではないでしょうか。

携帯会社が「一生分の利用料金」が当たるキャンペーンを実施

国内のある携帯電話会社が行ったキャンペーンは、一生分の携帯利用料金を1名にプレゼントするというものでした。その金額は実に500万円以上。高額商品を少ない人数にプレゼントする例の中でも、非常に極端かつ稀な試みです。稀ということは注目も集めやすく、実際にとても大きな話題となりました。バズマーケティングとしては大成功といえるでしょう。インパクトを残すことはバズマーケティングの基本です。このキャンペーンは、その代表的な事例となりました。

バズマーケティングは企業や商品の価値を上げる重要なツール

SNSで話題となり注目されることで企業や商品の認知度などを上げるバズマーケティング。戦略やアイデアがよい方向へと働けば大きな効果が期待できるでしょう。しかし、デメリットやリスクも考えながら活用しなければいけません。消費者心理も読みながら、いかに他社とは異なるインパクトを残せるのかがポイントです。バズることのみではなく、その先も考えながらマーケティングの一つとして取り入れてみましょう。

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