2021/08/04

サスティナブルなITを求めていますか?データ仮想化を使いましょう

グリーン・イズ・ザ・ゴール

省エネルギー、カーボンニュートラル、再生可能エネルギー活用。

今日の企業にとって、サスティナブルなビジネス・プラクティスを採用することは、ほぼ共通の目標となっています。しかし、電力を大量に消費するノートPC、デスクトップPC、サーバー、ネットワークなどに責任を持つITグループにとっては困難な目標となります。

世界では未だに、環境に配慮したITプラクティスを採用し、環境への影響を低減するための道筋はまだ明確ではありません。しかし、次の3つの質問が役に立つはずです。

・サスティナブルにITを改善していく最善の方法は何か?
・より環境に優しい手法を適用できる場所はどこか?
・より迅速に、より環境に配慮できるようになるにはどうすればよいか?

サスティナブルITへの改善に関する最良の機会

1.データコピーの撲滅

方法1は、最も効果的な方法です。IDCは、毎年発表している「Worldwide Global Datasphere Forecast, 2019-2023」の中で、年間のデータ増加のうち、本当の意味で新規のデータの割合はわずか15%であると予想しています。つまり、85%のデータは既に保持しているデータのコピーであるということです。

データコピーが増えることは、ストレージが増えることです。つまり、より消費電力の大きいサーバーが必要になることです。そう考えると、この数値は過剰と言えないでしょうか。 もちろんバックアップは必要です。しかし、もし新規データのバックアップを2回取るとしても、データコピーが1つあれば、その保存のために50%のエネルギーが必要になるということです。

2.クエリの効率化

データ増大の根本原因は、ビジネスがデータをアナリティクスによるインサイトを得るための燃料としているためです。分析ツールの中にはデータを効率的にクエリできるものもありますが、多くはそうではありません。大抵の場合、可視化などの他の側面に最適化されています。効率の面で最適化されていないクエリは、より多くの処理リソースを必要とするため、エネルギ―消費量が増大します。

これは特に多種多様なシステム間で連携したクエリの場合に当てはまります。例えば、マスタデータ管理、受注管理、売掛金、セールス&サービス・オートメーション、マーケティング・オートメーション、顧客データウェアハウスから顧客の活動状況の360度ビューを把握する場合などです。

3.個人持ちデータセットと目的別のデータマートの廃止

組織がよりデータを頼るようになると、ビジネスユーザーはIT部門と共に、重要かつデータドリブンなビジネス目的に重点的に取り組むようになります。ビジネス目的の達成が共通の目標ですが、サスティナブルなリソース活用は後回しになりがちです。

その結果、新たな機会が生まれるたびに、ビジネスチームはその目的に適したデータマートを新たに構築します。データセットについても同様で、誰もが個人の上位顧客リストや好みのカテゴリーコードなどを管理しているようです。このような個人的なデータセットや目的別のデータマートはストレージやバックアップリソースを消費しながら存在し続け、多くの場合で目的が無くなった後もそのままの状態で放置されます。

4.クラウドへの移行

AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの大手クラウドプロバイダーは、ワールドクラスのクラウドデータセンターを構築してきました。そうした企業の推進するサステナビリティのレベルを一般的な企業が達成するのは困難です。

・彼らはサーバーのパフォーマンスと使用量を需要に応じて弾力的に最適化し、必要のないものは電源を落とします。
・彼らのサーバーの利用率の高さは、必要最小限のサーバー台数で、環境への影響を低減していることを意味します。
・彼らのクラウドデータセンターは、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)認証を取得しており、風力、太陽光、水力などの再生可能エネルギーを利用しています。

データ仮想化:4つの方法に共通する、グリーンな手法

データ仮想化は、データサイロを統合し、すべてのデータのアクセス、結合、プロビジョニングを実行する単一の仮想レイヤーを提供します。ビジネスフレンドリーなデータビューは、アクセスを簡素化し、ITの複雑性を隠します。アジャイルなデータエンジニアリングは、問題解決までの時間を短縮し、コストを削減し、最新で完全な情報をビジネスユーザーに提供します。詳しくは、「データ仮想化について知っておくべき10のこと」をご覧ください。

データ仮想化によってデータコピーが削減できる理由

データ仮想化は、ETLと数多くのデータコピーを伴う物理的なデータ統合に対して、はるかにサスティナブルなデータ統合方式です。
一時的なステージングエリア、大規模な集中型データウェアハウス、そこから派生する複数のデータマートなどは、本来必要のないコピーの典型例です。

データ仮想化がクエリを最適化する方法

データ仮想化は、最先端の最適化技術と最新のテクノロジーインフラを組み合わせ、クエリをインテリジェントに最適化し、一般的な分析ツールよりもはるかに効率的に処理します。
大企業では1日に何千ものクエリを実施するため、最適化によるエネルギー削減効果は計り知れません。また、特にクラウド環境では、ワークロードの増加に応じて費用が発生するため、コスト削減の効果も期待できます。

データ仮想化が、個人持ちデータセットと目的別のデータマートを廃止する方法

データ仮想化利用による最大のビジネスメリットは、ビジネスユーザーがアクセスでき、理解しやすく信頼性の高い一貫性のあるビジネスフレンドリーなデータセットを提供できることです。仮想化されたデータセットは多くのユースケースで再利用可能であり、個人持ちデータセットや目的別のデータマートの需要を減らすことに繋がります。

例えば、ある大手エネルギー企業では、データ仮想化を利用して、数千人のユーザーが共有する600以上の標準データセットを提供しました。その結果、数千の個人持ちデータセットと100を超えるデータマートを廃止し、ストレージとエネルギーを大幅に削減することができました。

データ仮想化が、クラウド移行を加速する方法

クラウド環境への移行はエネルギー節約につながるため、早期に移行するほどサスティナブルITの成功を加速します。しかし、オンプレミスからクラウドへの移行とは、データソース、プロセス、アプリケーションそれぞれ移行のたびに繰り返さねばならない、骨の折れるプロセスです。

つまり、繰り返されるクラウド移行に適した手法やツールに投資する意味があるということです。データ仮想化は、データ移行にも有効であることが証明されています。データ仮想化を利用してクラウド移行を加速する方法については、「Accelerating Workload Migration to the Cloud Using Data Virtualization(英語)」 をご覧ください。

データ仮想化はグリーンITへの最短距離

アメリカの環境保護活動家、作家、活動家であるPaul Hawken(ポール・ホーケン)氏は、「サステナビリティの第一のルールは、自然の力に合わせるか、少なくとも逆らおうとしないことである」と述べています。データ仮想化は、以下のような自然の力をITに提供します。

・データコピーの削減
・クエリの最適化
・個人持ちデータセットや目的別データマートの削除
・クラウド移行の高速化

ITサスティナビリティに関心があり、組織がより早く環境に優しくなるよう支援したいと考えている方は、マハトマ・ガンジーの言葉に耳を傾け、「Be the change you wish to see in the world(あなたが見たい世界の変化にあなた自身がなりなさい)」を実践してください。データ仮想化は変化を支援します。

Bob Eve

本ブログは2021年4月22日にBob Eveが執筆した“Seeking Sustainable IT? Use Data Virtualization”の日本語翻訳です。原文(英語)はこちらをご覧ください。

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