2019/07/23
当コラムでは「マーケティングオートメーション(以下MA)を導入したけれど、うまく使えていない」というご担当者様向けに、複数回に分けて、その要因や解決策について、解説をいたします。第1回目の今回は、「BtoBマーケティングの難しさ」です。
弊社では、数々のお客様のBtoBマーケティングのご支援をしておりますが、ご担当者様から「MAをうまく使えていない」というご相談を多く頂きます。ご存じの通り、MAは使いようによって非常に多くのメリットをもたらしてくれますが、現状、単発のメール配信ツールとしてのみでしか使えていないケースが多く、これでは宝の持ち腐れです。
MAを初めとするマーケティングテクノロジーを導入する意義とは、本来「売上を上げる」ことです。
売上を向上していくための手段の一つとしてMAは重要な役割を果たすのですが、「MAを導入する」こと自体が目的になってはいけません。「MA」がバズワードになって早4年程度が経過しようとしていますが、未だに「MAを導入したい」というお問い合わせはございます。
「売上を向上したい」という企業の普遍的な目標から考えて、MAの導入が必要であれば実施するべきですが、その目標を達成するソリューションはMAでないかもしれません。
当コラムでは、BtoBマーケティング施策において、MA運用で成果を上げるためのポイントをお伝えいたします。
ハーバード・ビジネス・レビューの調査によると、BtoBにおける購買プロセスの約60%が顧客側で実施されているというデータがあります。インターネットが発達し、ベンダー企業側のWEBコンテンツが充実してきた昨今では、ベンダー企業側の営業担当に製品カタログ・パンフレットを持参してもらい、「このような機能が追加されました」「このような製品をリリースしました」という説明を受けるような、かつての情報収集経路で情報獲得をしていた顧客は、もはや自ら情報を取得するように変化しました。
WEBコンテンツで情報を取得し、お問い合わせを行った段階で、顧客が欲している情報は「製品情報」でも「機能」でもなく、一般的にコーポレートWEBサイトに掲載されていない、「競合比較」「料金」「導入事例(成功事例、失敗事例双方)」「社内上申の仕方(稟議)」等の情報です。
顧客がお問い合わせをしてくるまでに、何を見ているのか(何を見たいのか)、またお問い合わせを行った後、発注までに何を見ているのか(何を見たいのか)、それぞれのステップに合わせたコミュニケーションが実施できているか、そこがポイントです。
ご存じのとおり、MAにはタグを埋め込んだWEBサイトのアクセスログをトラッキングする機能があります。当該WEBサイトにアクセスした顧客は、個人情報を入力していない状態でも、cookieを取得し、無名の状態でアクセスログをトラッキングします。ある時点でフォームから個人情報を入力した段階で、個人情報とcookie状態で取得していたアクセスログを、過去に遡って紐づけることができるのが、MAの利点の一つです。
要するに、顧客がコンタクト(お問い合わせ)をしてくるまで(先にお話した、購買プロセスの約60%にあたります)に何を見ていたかを、過去に遡って取得することができるのです。
これにより、コンタクト(お問い合わせ)してくるまでに何を見ていたか、コンタクト(お問い合わせ)した後、購買するまで何を見ていたのかが分かるのです。
第2回目の次回は、「BtoBにおけるMAの有用性とは」について、詳しくお話しをいたします。
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