2022/12/27

MAツール8製品を徹底比較、選び方も解説

コロナ禍の影響もあり、マーケティングオートメーションツール(以降、MAツール)を活用したデジタルマーケティングに注目が集まっております。MAツールとは「マーケティング活動の自動化・効率化」や見込み顧客の育成などを支援するツールです。主に、既存顧客の維持・活性化、見込み顧客の育成において自動化・効率化する目的で活用されます。インターネットを使う時間が増加する近年では非常に役立つツールであるものの、どの製品を選べばよいのか選択することが難しいことも実情としてあります。その背景としては、機能が多岐に渡ることや様々な企業から提供されていることも関係しています。

そこで、今回はMAツールの紹介と選ぶ際のポイントをご紹介いたします。

MAツールとは?

MAツールとは、「マーケティング活動の自動化・効率化」や見込み顧客の育成などを支援するツールです。主に、既存顧客の維持・活性化、見込み顧客の育成において自動化・効率化することができます。

企業のマーケティング活動は非常に幅広く、複雑です。そのため、定型的な業務はMAツールで自動化させ、非定型な仕事、イノベーション、戦略的意思決定、クリエイティブな業務に、人を専念させること、それが多くの企業がMAツールを導入する理由の一つでもあります。

また、顧客の購買行動の変化もMAツールに注目を集める理由の一つです。これまでは、企業の営業担当から情報を仕入れて、購買の意思決定をすることが一般的でした。しかしながら、インターネットの普及により、顧客自身が、情報収集を簡単に行えるようになりました。営業担当がアプローチしたときには、顧客の中では意思決定や選定が終わっているということも少なくありません。なので、いかに早く、顧客一人ひとりに適した情報を戦略的に届けることがより重要になっています。

MAツールの選び方

BtoC向けか、BtoB向けか

まず、自社商品がBtoC向けなのかBtoB向けなのかを確認し、それに適したMAツールを選ぶことが重要です。BtoCは消費者個人が決定権をもち、リードタイムが短めであることから、多くの消費者に対して効率的なマーケティングを行うことが求められます。そのため、多くのリードを管理し、集客で活用するツールとの連携ができるツールが多い傾向にあります。マルチチャネルで、メール以外でもLINEやSNS、SMSなど様々なチャネルを活用することができるのも特長の一つです。したがって、BtoCの場合は、リード数が多くなるためそのリード数に対応可能なMAツールを選ぶこと、さらにX (旧Twitter)やLINEなどへの対応可否についても確認しておきましょう。

一方、BtoBは複数の意思決定者が関わり、リードタイムも長めであることから、顧客の興味関心のフェーズにあわせたコミュニケーションが求められます。そのため、見込み顧客のWebの行動履歴やコミュニケーション履歴の可視化やニーズが顕在化した見込み客をキャッチアップする機能などを保有するツールが多い傾向にあります。また、SFAツールとの連携ができるのも特徴の一つです。

したがって、自社が活用したい機能がきちんと搭載されているのか、SFAツールとの連携が可能なのかを確認しておきましょう。

サポート体制

導入後にツールのサポートをしてほしいタイミングはよく発生します。その際に、自社にマッチしていないサポート体制であると、想定以上に解決に時間がかかったりします。導入後も定期的なサポートはあるのか、メールのみとなるのか、電話対応も可能なのか、24時間365日対応可能なのか、追加費用は発生するのかなどを確認する必要があります。

自社のビジネス形態や運用担当者のスキルに合わせて選択することが大事です。ツールを使いこなすことがマーケティングで成果を出す第一歩です。

料金

初期費用、月額費用、オプション費用、サポート費用などを確認し、予算に合ったものを選択するようにしましょう。また、MAツールを導入すると初期費用や月額費用のほかに運用のための人件費などのランニングコストがかかります。とくに、BtoBの場合はリードタイムが長くなる傾向にあるため、より慎重に調べる必要があります。導入後想定以上に費用が掛かってしまったというケースが多く見受けられます。
また、一般的に高機能なMAツールほど高価になるので、自社がMAツールを利用して実現したいことを見極めてオーバースペックとならないようにすることが重要です。費用対効果と理想的なマーケティング活動の実現に必要な機能や不要な機能の見極めが非常に大切です。

おもなMAツール紹介

Adobe Marketo Engage

  • BtoB、BtoC両方向け
  • 初期費用:要問合せ
  • 月額費用:要問合せ
  • 提供企業:アドビ株式会社
  • 特徴:網羅的な機能実装により、BtoB、BtoC、業種業界を問わずミドルレンジを中心に広く導入されているMAツール。機能が豊富で複雑なシナリオ配信に対応。フィルタが圧倒的に豊富。広範なエコシステムにより、高度な運用が必要となった場合に機能追加できる。

    また、様々なチャネルでの行動をトリガーにしてマーケティング施策が打てる。メールの開封、イベント参加、LP訪問等さまざまな顧客のアクションをもとにしたマーケティング活動が可能。

    SFAとの連携もでき、営業とのスムーズな連携が可能。マーケティング部⾨とセールス部⾨が緊密に連携し、優れたカスタマージャーニーの構築が実現できる。

Salesforce Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)

  • 主にBtoB向け
  • 初期費用:無料
  • 月額費用:165,000円~(税込)
  • 提供企業:株式会社セールスフォース・ジャパン
  • 特徴:スモールからミドルレンジビジネスを中心に、国内MA市場でシェアで高い実績を有すBtoB向けMAツール。シームレスなSalesCloud連携(SalesCloudのオプション的位置づけ)ができ、シンプルなユーザビリティなどに定評があり、導入から運用にも乗りやすい。

    特定のユーザ行動や時間を設定することで適切なタイミングでメール送信などが可能。豊富なテンプレートで簡単に高品質なコンテンツを作成できる。テンプレートが用意されているため、1から作成する手間やスキルが必要ななく簡単に高品質なコンテンツを作成できる。

    SFA連携により、成約した案件の分析やマーケティング施策との紐づけでどのマーケティング施策が成果に影響を及ぼしたかを可視化することもできる。

Oracle Eloqua Marketing Automation

  • 主にBtoB向け
  • 初期費用:要問合せ
  • 月額費用:要問合せ
  • 提供企業:日本オラクル株式会社
  • 特徴:大量リードの処理やきめ細かな権限管理も可能な、エンタープライズ向けBtoB向けMAツール。様々なデータへアクセスできるユーザーや、組織間でのアクセス制限など厳しい権限管理が可能。多事業部やグローバルなど、規模が大きく複雑なマーケティング戦略の実現に最適。

    SFAやウェブ広告、ウェビナーなど各種ツールとの連携を多岐に渡って可能。MAツールを活用するとさまざまなツールと連携が必要になるシーンは多いので、大きなメリットといえる。

    また、Eloquaは全世界で毎日平均約300億件のデータを処理しており、膨大なデータ量でも耐えられる。大量なデータを取り扱う企業でも安心して活用することができる。

BowNow

  • BtoB、BtoC両方向け
  • 初期費用:0円
  • 月額費用:5,500円~(税込)
  • 提供企業: クラウドサーカス株式会社
  • 特徴:シンプルな画面設計と操作性で、現場が使いこなすまでのスピードが早い特徴がある。ほかの製品と比べ、運用担当者の学習期間が少ない傾向あり。費用も安価。デジタルマーケティングをこれから始める、社内にあまりナレッジがない等の悩み抱える企業にも使われている。

    過去に運用支援してきた3,500社のデータを活用したテンプレートを活用できる。自社で設定をしなくても、効果が期待できる設定がテンプレートでできることが大きな強み。

    フリープランがあり失敗のリスクを抑えられる。また、フリープランでもサイトに訪れたユーザの企業情報がわかり、行動データが可視化できる。フォーム作成、アクセスログ解析、商談履歴管理まで、月間のリード数1,000件やPV5万件までなら使用可能。

Hubspot Marketing hub

  • 主にBtoB向け
  • 初期費用:0円
  • 月額費用:5,400円~(税込)
  • 提供企業:HubSpot Japan株式会社
  • 特徴:
    インバウンドマーケティングに必要なツールがすべて揃った、「ワンストップ」のソフトウェア。

    SFA機能なども一部備えており、マーケティング活動から営業フォロー活動まで一元的に管理できる。また比較的安価なのも特徴。フリープランもあり失敗のリスクを抑えられる。有料版は3種類あり、ビジネスの成長にあわせた形で活用ができる。

    マーケティングコンテンツが豊富。Google広告を管理でき、効果の出ている広告を把握することができる。また、SEO対策等さまざまな切り口で潜在顧客へのアプローチが可能。webサイト上で商品に興味を示しているユーザがいた場合、リアルタイムでチャットできる機能も搭載。

SATORI

  • 主にBtoB向け
  • 初期費用:330,000円(税込)
  • 月額費用:162,800円~(税込)
  • 提供企業:SATORI株式会社
  • 特徴:インターフェースは初心者でも使いやすい仕様で使いやすさの面が大きな特徴。見込み顧客の獲得~商談までの全てのフェーズに対応しており、営業強化や改善をしたい企業には最適なMAツール。計測タグの埋め込みだけで即日運用可能。

    匿名リードにもアプローチ可能で、見込み顧客の獲得に強みを持つ。サイトに訪れるユーザーの大部分は匿名のユーザで、その匿名リードの行動情報を保有し続け、マーケティング活動に活用することが可能。

    サポートが充実。導入直後のウェルカムミーティングや2回のフォローアップミーティングや別途セミナーの受講などあり、初めてMAを活用する方でも安心して活用できる。また、国産の企業であり日本人スタッフや日本語で使い方や設定のサポートをしてくれる安心感もある。

Kairos3 MA

  • 主にBtoB向け
  • 初期費用:11,000円(税込)
  • 月額費用:16,500円~(税込)
  • 提供企業: カイロスマーケティング株式会社
  • 特徴:他のMAツールと同様、営業対象の顧客の見える化が可能で、リードのwebでの行動情報収集、自動スコアリングなど基本的な機能を搭載。(各行動のスコアは自由に設定可能)スコアの高いリードを抽出し、営業担当に通知する機能もある。これらを低コストで使うことができる。

    開発なしでZoomとの連携が可能。Kairos3で作成したウェビナー情報などを直接Zoomに連携でき、オペレーションミスを防ぐことができるのも特徴。

List Finder

  • 主にBtoB向け
  • 初期費用:110,000円(税込)
  • 月額費用:43,780円~(税込)
  • 提供企業:株式会社Innovation & Co.
  • 特徴:名刺情報の取り込みが可能。1枚あたり40円で代行も可能で、東京23区であれば直接訪問して回収してもらえる。Sansanを利用している場合は、直接名刺データを取り込むこともできる。

    Salesforceの顧客情報自動取り込みも可能。スムーズな連携が実現できる。運用支援サービスも充実しており、メルマガやランディングページの作成やメール配信などを依頼することも可能。

まとめ

MAツールの導入は目的や自社商品、自社の運用体制等に合わせて選択していくことが重要です。また、MAツールの中でも各社特徴は多岐にわたります。まずは、自社の状況や何が必要かどのような組織体制で取り組むことが大事かを整理することも大事です。また、全てを自社のみで判断・選択することは難しい企業が多いです。自社のリソースですべてを解決することに固執せず、協力会社等の他社のリソースを借りることも手の一つになります。

また、弊社でもMAツールに関する様々なお悩みを解決するソリューションのご提供が可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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