2022/10/14

BtoB向けコンテンツマーケティング実践のポイントを紹介

コンテンツマーケティングとは、潜在顧客や顧客に対し、有益なコンテンツを継続して提供することで、見込み顧客を醸成し、購買につなげるためのマーケティング手法です。このコンテンツマーケティングがBtoBでも注目されています。

インターネットの普及による購買行動の変化は、BtoBも例外ではありません。これまでのように営業担当者を呼び、商材の説明を受けるというケースは少なくなり、多くの顧客は興味を持った商材について、インターネット上で自ら情報を探す傾向が強くなっています。

そのため、顧客が必要とする情報を適切なタイミングで提供できるコンテンツマーケティングが有効な方法としてBtoBでも取り入れられつつあります。

ではBtoB向けコンテンツマーケティングはどのように行えばよいのでしょうか。基本的な手法から、実施する際のポイントなどを紹介します。

コンテンツマーケティングとは?

前述の通り、コンテンツマーケティングとは、潜在顧客や顧客に対し、有益なコンテンツを継続して提供することで、見込み顧客を醸成し、購買につなげるためのマーケティング手法です。

ニーズが顕在化している顧客への情報提供はもちろん、まだ、ニーズが顕在化していない「潜在層」に対しても情報提供を行い、段階的に顧客を育成(ナーチャリング)し、購買、ファン化へと導くことが可能です。

コンテンツマーケティングでは、顧客や見込み顧客に情報を伝える手段として、主にWebサイト上のコラムやブログ、メールマガジン、ホワイトペーパー(DL資料)、動画などさまざまなアウトプットが活用されています。いずれにしても顧客にとって「価値のあるコンテンツを作成すること」が重要です。

コンテンツマーケティングはBtoB企業にとって有効なマーケティング手法ではある一方で、即効性が望める手段ではありません。そのため、コンテンツマーケティングを行う場合は、社内の体制を整え、じっくり腰を据えて取り組む必要があるでしょう。

BtoB向けコンテンツマーケティングが注目される理由

コンテンツマーケティングはなぜ、BtoB企業の間で注目されているのでしょうか。

その理由のひとつが、インターネットの登場による顧客の購買行動の変化です。インターネット上にはさまざまな情報が溢れており、一説にはBtoBビジネスにおいて買い手側の約6割が、購買意識の決定プロセスを営業担当者との接触前に済ませているといいます。

そのため、見込み顧客による事前のインターネットでの情報収集を前提として、BtoB企業は、顧客が求めるであろう有益なコンテンツを用意しておく必要があります。こうしたインターネット上のコンテンツを拡充しておかなければ、検討対象にすら挙げてもらえないかもしれません。

もうひとつの理由が、BtoCに比べ、BtoBでは検討期間が長くなりやすいという点です。もし、顧客にとって良い商材があったとしても、BtoB企業が購買に至るまでには、複数の意思決定者に稟議を通さねばなりません。こうしたBtoB企業の購買プロセスに対し、顧客が必要な情報を継続的に提供できるコンテンツマーケティングは、相性の良い方法のひとつと言えるでしょう。

BtoB向けコンテンツマーケティングのメリット

潜在顧客を獲得できる可能性がある

これまでBtoB企業の営業・マーケティングでは、潜在顧客を開拓するために、展示会への出展や飛び込み営業といった、自社の商材を認知してもらう場を設けることが一般的でした。しかし、コロナ禍の影響もあり、顧客の購買プロセスはリアルでの情報収集からインターネット上での情報収集に変化しています。

そのため、BtoB向けコンテンツマーケティングを実施し、インターネット上に有益なコンテンツを公開しておけば、潜在顧客は欲しい情報を自ら探して、自社の商材に接触する可能性があります。BtoB向けコンテンツマーケティングは、従来のように展示会への出展や飛び込み営業などを行わなくても、潜在顧客を獲得できる有効な方法です。

コンテンツが資産として残る

たとえばWeb広告の場合、出稿期間や予算消化が完了すれば、インターネット上から非表示になってしまいます。一方で、BtoBコンテンツマーケティングを実施するために制作したコンテンツは、Web上に存在しつづけるため、自社の財産になります。さらに、良質なコンテンツであれば、掲載期間中はコストをかけることなく、長期間にわたってアクセスを稼ぎ続けます。そのため常に潜在顧客獲得の可能性があると考えてよいでしょう。

低コストでもはじめられる

BtoBコンテンツマーケティングでは、コンテンツを制作し、自社が保有するWebサイトに公開してしまえば、それ以上に費用がかかることはありません。ほかにもX (旧Twitter)やFacebook、InstagramなどのSNSを活用すれば、Web広告やマスメディアに広告を出稿するよりも、安価にマーケティング活動を展開できるはずです。

もし、紙の自社商材のカタログやダイレクトメールを顧客に送っているのであれば、BtoBコンテンツマーケティングの一環として制作したコンテンツを、メールマガジンなどで周知することで、配送費や印刷コストの削減も見込めます。

BtoB向けコンテンツマーケティングの注意点

効果が出るまで時間がかかる

BtoB向けコンテンツマーケティングは、BtoB特有の「検討が長期間におよぶ」という購買プロセスにより、効果が出るまで時間がかかります。さらに良質なコンテンツを制作するためにかかる時間や、検索エンジンから評価されるための時間も必要です。一般的に、BtoB向けコンテンツマーケティングの効果がでるのに、6カ月程度かかるとも言われており、腰を据えて取り組む必要があります。

専門知識が必要となる

そもそもBtoB向けの商材は、専門性が高いケースが多いため、良質なコンテンツを制作するためには、商材の理解と知見が不可欠です。ほかにも、ライティングスキルや撮影スキル、施策によっては、アクセス解析やSEOスキルが必要になることも少なくありません。

もし、自社に適した人材がおらずノウハウがない場合、専門スキルを有する外部の協力会社に依頼するのもひとつの方法です。

費用対効果が把握しにくい

BtoBコンテンツマーケティングは、良質なコンテンツを用意した上で、潜在顧客からのアプローチを待つのが基本的なスタンスとなります。ターゲットを決め、商材を深く理解した上でコンテンツを制作するのは当然ですが、一方で、どのようなコンテンツを制作すれば、どの程度の効果が見込めるかといった、予測は困難なのが実情です。さらに前述の通りBtoB企業は購買までの検討期間が長い傾向にあります。そのため、潜在顧客がコンテンツにアクセスしても、すぐに成果に結びつかない可能性があることを認識しておくべきでしょう。

BtoB向けコンテンツマーケティング実践フロー

課題を明確にする

BtoBコンテンツマーケティングを行う上で、ポイントとなるのが良質なコンテンツを制作することです。そのためには、コンテンツマーケティングの対象となる商材を理解することが重要です。商材にどのような課題があり、それはコンテンツでどのように解決可能なのか。あるいは商材の強みを、コンテンツでどのように訴求していくのか、棚卸しを行い検討することが必要です。

商材に関する情報が不足する場合は、マーケティング部門だけでなく、商材の主管部門や営業担当者、あるいは実際に商材を購入し、利用している既存顧客にヒアリングを行うのも有効な手段です。

ターゲットを選定する

BtoBコンテンツマーケティグを行うのであれば、どのようなターゲットに対して、商材訴求を行うのかを考えることが必要です。ターゲットとなる潜在顧客が有する課題を把握し、それを解決できるコンテンツを制作できれば、有益な情報提供ができたといえるでしょう。

特にBtoBコンテンツマーケティングの場合、実際にコンテンツにアクセスする担当者はもちろん、購買プロセスのなかで決裁権を有する責任者もターゲットとして有効です。商材のヒアリングを通して、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成すれば、ターゲット像はより明確になるでしょう。

内製にするか外部に依頼するかを決める

自社でBtoBコンテンツマーケティングを実施すれば、コストは抑えることができます。その場合、担当者はターゲットとなるペルソナの設定から、目標設定や効果測定、場合によってはコンテンツ制作までを担う必要があるため、他の業務との兼ね合いによっては、運用が継続できなくなってしまうケースも少なくありません。

BtoBコンテンツマーケティングは、効果が出るまでに時間のかかる施策です。もし自社で、BtoBコンテンツマーケティング施策を継続的に実施するリソースがまかなえないのであれば、外部の専門企業に依頼するのも良いでしょう。質の良いコンテンツを継続して制作できるチームを作ることが大切です。

コンテンツマーケティング施策を決定する

訴求する商材の課題を明確にし、ターゲットを設定したら、コンテンツ制作の方針を決める必要があります。どのようなコンテンツを制作し、どのようなチャネルで発信するのかを検討しなければなりません。自社サイトやオウンドメディア、メールマガジン、SNSなど設定したペルソナと親和性の高いチャネルを選ぶ必要があるでしょう。

そして、潜在顧客をどのように優良顧客への転換していくのかも考えなければなりません。複数のコンテンツを通して潜在顧客を徐々にナーチャリングしていくなど、BtoBコンテンツマーケティング全体の施策のなかで戦略を立案していきます。事前に設定したペルソナや、カスタマージャーニーマップをもとに最適なBtoBコンテンツマーケティング施策を策定しましょう。

コンテンツを制作する

BtoBコンテンツマーケティングで最も重要な役割を担うのがコンテンツです。購買プロセスのさまざまなフェーズにいる潜在顧客が、どのような情報を求めているかを考え、その期待に応えるコンテンツを制作しなければなりません。そのためには潜在顧客を惹きつけるための「キーワード選定」が重要です。設定したキーワードで良質なコンテンツが制作できれば、検索エンジンでの順位も上がり、より多くの顧客創出が期待できます。

そして忘れてはならないのが、売り手目線にならないことです。従来の広告のように自社商材の優れた点を押し出すようなコンテンツでは、潜在顧客の共感は得られません。BtoBコンテンツマーケティングは時間を掛けて、潜在顧客との信頼関係を構築し、ファン化してもらうためのマーケティング手法です。そのため、課題を解決したり、業界に関連する最新情報といった、顧客目線での情報提供を心がけましょう。

まとめ

BtoBコンテンツマーケティングは、BtoB企業の購買行動と相性のよいマーケティング手法のひとつですが、すぐに効果が出るものではありません。もし、BtoBコンテンツマーケティングを実施するのであれば、成果が出る前に施策が中断することのないよう、しっかりとした準備や体制を構築する必要があります。もし、自社のリソースや専門スキルが足りないのであれば、BtoBコンテンツマーケティングを支援する会社に依頼するのも有効な方法です。

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