2024/12/17

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タイパとは?具体例やZ世代がタイパを重視する理由を解説

Z世代と呼ばれる若い世代を中心に、「タイパ(タイムパフォーマンス)」の価値が高まっています。費用対効果を意味するコスパ(コストパフォマンス)に対し、タイパは短い時間でいかに効果や満足度を得るかという時間対効果を指します。タイパが高いほど顧客満足度が向上する傾向があり、現代のビジネスやマーケティングにおいてもタイパを考慮することは不可欠です。

本記事では、タイパの意味からZ世代がタイパを重視する理由、メリット・デメリット、タイパを上げるための対策まで詳しく解説します。タイパを重視した行動の具体例も紹介しますので、Z世代に対する効果的なアプローチを実現するためにぜひお役立てください。

この記事の内容
  • タイパ(タイムパフォーマンス)とは、かけた時間に対する効果や満足度のことで、タイパが高いほど短時間で高い成果や満足度が得られることを表す
  • Z世代はデジタルネイティブで、ワークライフバランスや働き方の多様化なども相まって、無駄を避ける傾向が強く、タイパを重視しがちである
  • タイパ重視の具体例には、動画の倍速視聴やながら見、ネタバレ消費、SNS検索、完全栄養食やネット通販の利用、オンライン対話などがある
  • タイパを高めることで、使える時間が増え、生産性の向上につながる一方で、プロセスを軽視しやすく、時間に追われてしまうなどのデメリットもある
  • タイパを上げるには、物事や仕事における優先順位を明確にするとともに、完璧を求めすぎず、選択と集中を意識することが重要

タイパ(タイムパフォーマンス)とは?

「タイパ」とは「タイムパフォーマンス」の略で、費やした時間に対する効果や成果、満足度のことです。短い時間で高い満足度を得られた場合、タイパが高く(良く)、反対に時間をかけたにもかかわらず、満足度が少ない場合はタイパが低い(悪い)ことを表します。

タイパは、いわゆるZ世代と呼ばれる若い世代を中心に使われている言葉です。三省堂主催の『辞書を編む人が選ぶ「今年の新語 2022」』の大賞に選ばれたことで話題となり、他の世代にも広く知られるようになりました。

参考:三省堂「辞書を編む人が選ぶ「今年の新語 2022」」

タイパとコスパはどう違う?

タイパと似た言葉に「コスパ」があります。コスパとは「コストパフォーマンス」の略で、日本語では投資対効果(費用対効果)のことです。少ない費用で高い満足度を得られた場合、コスパが高い(良い)ことを意味します。

タイパとコスパでは、パフォーマンスを評価する基準が異なります。タイパが、かけた時間に対する効果・満足度を指すのに対し、コスパは費やした金銭に対する効果・満足度を判断します。

Z世代がタイパを重視する理由

Z世代とは、1990年代後半~2010年代前半ごろに生まれた人たちを指します。Z世代の新しい価値観としてタイパが受け入れられている背景には、デジタル技術の発展や個人の多様化があります。

Z世代はデジタルネイティブ世代と呼ばれ、生まれたときからインターネットやSNSが身近にあった世代です。物心がつく頃には携帯電話などのモバイル端末に触れており、生まれたときから膨大な情報やコンテンツに囲まれていたため、「必要な情報に短時間でたどり着く」「無駄な時間をかけずに目的を達成する」といったことが判断基準となりやすい傾向が見られます。

また、多様な働き方やワークライフバランスなど、働く人の価値観が大きく変化していることとも、タイパ重視を後押ししています。労働人口が減少し、多くの業界や企業で人手不足が深刻化する中、「少ない労働力でいかに生産性を向上させるか」が企業運営の課題となっており、個人においても短時間で効率良く結果を出すことに価値が高まっています。

タイパを重視した行動の具体例

ここからは、Z世代をはじめとするタイパを重視する人が、実際にどのような行動をとるのか具体的に解説していきます。

動画は倍速で視聴

タイパを重視した行動の代表例が、動画コンテンツの倍速視聴です。タイパを重視する人たちは、自分の知りたいことや動画のあらすじを理解することを優先し、通常の速度で視聴するのは時間の無駄だと考える傾向があります。

そのため、倍速機能を利用して通常よりも短い時間で視聴を完了し、通常の視聴と同程度の満足度を得るのです。また、必要ないと感じたシーンは、スキップして気になる点だけを視聴する、といった行動も見られます。

ショート動画を活用

タイパ重視の人は、動画コンテンツの前後を省略したショート動画を好む傾向があります。長時間の動画の一部を抽出した「切り抜き動画」もその1つです。ショート動画を視聴すれば、元の動画を最初から最後まで見るよりも短い時間で要点を把握できます。

また、限られた時間でより効率的に情報を獲得し、浮いた時間を他のことに充てることが可能になります。TikTokやInstagramのリール機能をはじめ、YouTubeなどのプラットフォームの切り抜き動画も人気があります。

ながら見・スキマ時間の活用

動画を視聴しながら別のことをする「ながら見」や移動中などスキマ時間の活用もタイパを重視する行動です。並行作業により、効率的に作業を完了できます。また、隙間時間に細かなタスクを消化すれば、後でタスクに時間を取られず、まとまった時間を別のことに使えます。

移動中にメールやSNSのコメントへ返信する、ネット通販で買い物を済ませる、などが具体例です。近年は、タイパを高めるためのサービスも多く登場しており、隙間時間で通えるジムやスマホを使った副業なども人気が集まっています。

ネタバレ消費

タイパを重視する人たちは、映画や動画を視聴する前にストーリーや結末を知る「ネタバレ」を好むという特徴があります。商品サービスの購入や消費においても同様に、事前に内容を知った上で利用する「ネタバレ消費」が増加しています。

内容を把握せずに購入、消費した際に思っていたものと違ったために時間が無駄になることを避けたいからです。ネット検索やSNS検索での情報収集、トライアル期間などを利用して「これなら満足できる」という確信を得た上で行動を起こします。

食事は完全栄養食や冷凍食

タイパを維持するために、冷凍食品を利用する人は少なくありません。温めるだけで食べられる冷凍食品は、食材の調達や調理、片付けにかかる時間を節約できます。また、栄養バランスを考えて作られた完全栄養食と呼ばれる弁当や料理なら、健康にも配慮することが可能です。

近年では、これらの定期宅配サービスも人気が高まっており、買い出しに行く時間と手間も省くことができます。

知りたいことはSNSで検索

Googleなどの検索エンジンを使ったインターネット検索が一般的ですが、タイパを重視する人たちは、自分が知りたいことをSNSで検索する傾向が見られます。ハッシュタグ検索の方が、本や資料で調べるよりも求める情報に早く辿り着くことが可能です。

場合によっては、検索エンジンよりも短時間で情報が見つかるでしょう。また、SNSは発信者が明確で、情報の信頼性の判断から取捨選択までスピーディに行えます。トレンドを把握したい場合にもSNSが適しています。

対面よりもオンラインでコミュニケーション

オンラインでのコミュニケーションも、タイパを重視する行動の1つです。スマホやパソコンを使い、インターネットを通じたやり取りで完了できれば、対面で会話するために必要な移動時間や待ち時間を節約できます。

そのため、タイパを重視する人は会議室でのセミナーよりもウェビナー、就職活動の対面面接よりもオンライン面接を好む傾向が見られます。また、通勤時間がなく、休憩時間を家事などに充てられる在宅勤務やリモートワークのニーズも高まっています。

ネットスーパーを利用

インターネット上で注文した商品を、近隣のスーパーから自宅に届けてもらうネットスーパーも、タイパの高いサービスです。短時間で通常の買い物と同じ結果を得られるため、時間の節約につながります。

また、店頭受け取りシステムの場合、店舗には商品を受け取りに行くだけで済み、店内を回って商品を探し、レジに持っていく時間がかかりません。

タイパを高めることのメリット

タイパを高めることでどのようなメリットが期待できるのでしょうか。ここでは、主に4つのポイントを紹介します。

使える時間が増える

タイパを高めることで、業務の効率化が促され、時間を有効活用できます。少子高齢化が進み、多くの企業で人材確保が課題となっている中、限られた人員で業務をこなすために時間を有効活用する必要があります。

短い労働時間で今まで以上の成果を出すことができれば、使える時間が増えます。また、オンライン会議システムやチャットツールなど、タイパを意識したITツールを活用することで、出勤や営業活動における移動時間を節約できます。

生産性向上につながる

タイパを重視した働き方は、生産性の向上にも直結します。タイパを高めるためには、短時間で今までと同等以上の成果を得ることを意識しなければならず、さまざまな業務を効率化するための工夫や努力が求められます。

これまでより短い時間でさらなる成果が出るようになれば、個人だけでなくチームや企業全体における生産性の向上につながります。また、浮いた時間を本来注力すべきコア業務やクリエイティブ作業に充てることで、中長期的な事業拡大にも寄与するでしょう。

ワークライフバランス向上につながる

タイパの向上により、業務効率化や生産性の向上が促され、残業や長時間労働の削減につながります。タイパ向上により生まれた時間は、自分のスキルアップや家族との団らん、趣味など自由に使えるため、ワークライフバランスの向上につながります。

また、生産性が高い働き方をする社員として認められることで、昇給や昇進などのメリットを享受できる可能性もあります。タイパを意識する社員が増えれば、組織全体でも多様な働き方が実現しやすくなるでしょう。

Z世代へのアピールになる

企業がタイパ重視の姿勢を示すことで、Z世代に好印象を与えられます。人材不足が深刻化する中、企業が優秀な人材を確保するためにはZ世代に支持されることが重要です。

Z世代は、デジタルネイティブ世代であり、タイパの高い行動を取ることを当たり前としています。タイパを社内に浸透させる工夫を行うことで、ワークライフバランスや自己成長を重視するZ世代に就職先として魅力を感じてもらえる可能性があります。

タイパを追求することによるデメリット

タイパを高めるメリットが多いですが、デメリットも存在します。ここでは、タイパを追求することで考えられるデメリットについて見ていきましょう。

過程を軽視してしまう

タイパを意識しすぎると、いかに効率的に成果を手に入れるかを重視するため、物事の過程を軽視しやすくなる可能性があります。無駄を省き、短時間で最大限の成果を出すことにフォーカスするあまり、結果が出るまでのプロセスに無関心になりがちです。

タイパを追求すれば効率よく正解を知ることができるとしても、問題を解く手順や考え方までは理解できないでしょう。また、物事を深く考えることや、結果だけでなく過程を含めた全体として捉えること、などプロセスで得られる学びや気付きを取りこぼしてしまうことも考えられます。

時間に追われ疲労感を感じる場合がある

タイパを重視することで、常に時間に追われて疲労してしまう可能性もあります。短時間で済ませようという焦りが生じると、時間に追われすぎて、タイパの本来の目的である満足感が薄れてしまいます。

単なる時短行為の繰り返しでは、タイパを向上させる意味がなくなってしまうため、どの程度タイパを重視するのか、状況に応じて調整することも必要でしょう。

タイパを上げるためのポイント

ここからは、タイパを高めるために意識すべきポイントを紹介します。

優先順位をつける

タイパを向上させるためには、業務の優先順位を明確にすることが重要です。仕事の全体像や作業フローを把握し、優先順位を設定して取り組むことで業務効率が高まり、時短につながります。

具体的には、それぞれの業務や作業を「やらなければならない」「やった方がいい」「やらなくてもいい」の段階に分けます。タスクの重要度や緊急度などを踏まえて優先順位を付けると、効率的にタスクを進められるでしょう。

完璧主義をやめる

タイパを高めるためには、選択と集中が不可欠です。タイパを考える際に、短時間で最大限の成果を出すことを意識することが重要であり、すべてを完璧に仕上げようとすると膨大な時間がかかります。

限られた時間の中で、やるべきことを取捨選択した上で満足のいく結果を出すことにフォーカスする必要があります。前述したタスクの重要度や緊急性の程度を把握した上で、作業ごとに期限を決めて取り組むと、スムーズに遂行できるでしょう。

タイパ重視する顧客への対応のポイント

タイパを重視する顧客へは、以下のポイントを把握した上で対応することが重要です。

  • 信頼が得られる行動をとる
  • 相互的な関係を築く
  • カスタマーエクスペリエンスに力を入れる
  • 自己解決できる仕組みを作る

信頼関係を構築するためには、SNSやホームページでZ世代などに響くような発信が役立ちます。ただし、一方的な情報提供ではなく、双方向でのコミュニケーションを取れるよう意識することが大切です。

さらに、商品やサービスを通じて、良質な体験や良い関係性を提供できるような工夫も有用でしょう。お問い合わせに関しては、FAQやチャットボットなど電話以外の手段を整備することで、利便性を高められます。

タイパ重視の顧客への対応について、詳しくは下記記事で解説していますのであわせてご覧ください。

関連記事:Z世代の顧客対応のポイントとは?注目される理由と特徴も紹介

ビジュアルIVRで顧客対応のタイパを上げよう

タイパとは、短い時間で最大限の効果や満足度を得ることです。タイパを高めることにより、生産性やワークライフバランスの向上、Z世代の人材獲得といったメリットが期待できます。

一方で、結果を重視するあまり、プロセスを軽視してしまい、時間に追われ続けるといったデメリットも考えられます。

顧客対応のタイパを高め、Z世代などタイパを重視する人へ効果的にアプローチするためには、自己解決できるコンテンツが必要です。

NTTコム オンラインが提供する「ビジュアルIVR」は、SMSを用いてIVR(自動音声応答システム)による自動案内を提供するシステムです。SMSのガイダンスからWebへと誘導し、自己課題による顧客対応の効率化を促します。オペレーターの負担軽減にもつながりますので、タイパ重視のユーザーの満足度を高めるために、導入をぜひご検討ください。