2021/11/22

ソーシャルリスク対策

SNSフォロワーを増やすノウハウやその注意点を一挙に解説

せっかくビジネス用にSNSアカウントを作っても、一定数のフォロワーを集めて的確に運用できなければ、SNSマーケティングで成果を上げることはできません。この記事ではX (旧Twitter)の活用をメインに、アカウント作成直後に取り組むべきポイントから、フォロワー増加につなげるための効果的なSNS活用方法、さらにそれに伴うリスクや対策について解説していきます。

SNSアカウント運用時フォロワー獲得の前にやるべきこと

ビジネスシーンでSNSを活用する以上、プライベートのように漫然と投稿を始めるのではなく、しっかりとした目的や方向性を定めて戦略的に運用しましょう。まずは、SNS運用の初歩の段階でやるべきことを解説します。

ペルソナの設定

「ペルソナ」と聞くとターゲットの設定と同義に捉えられる傾向もありますが、ペルソナの場合はそれが実在する人物であるかのように、より詳細にイメージを組み立てる点が特徴的です。ネット上の検索や営業職からの情報収集などを通じて、自社の商品やサービスに対してどんなニーズがあるのか調査し、できる限り客観的データに基づいてペルソナを作り上げます。

ペルソナを明確にするメリットとして、具体性が高いことから、チームメンバー間でぶれのない目的を共有できる点、さらに、ユーザー目線で議論しやすくなり、より相手の購買意欲を揺さぶる投稿を考案できるという点も期待できます。もちろん、ペルソナは状況に応じて、修正や見直しが必要になり得る要素です。しかし、スタートの時点でペルソナの設定が適切に行われていれば、根本的な運用ミスなどを冒すリスクは大幅に軽減できるでしょう。

ペルソナを意識したプロフィール設定

次に、入念に設定したペルソナ像を意識して、より魅力的なプロフィールを作成します。プロフィールの3大要素は、アカウント名、アイコン画像、自己紹介文の3点です。

アカウント名の設定

アカウント名は、企業の公式アカウントとしての用途なら会社名をそのまま入れると、確実にユーザーからの信頼度は高まります。場合によっては、会社の「広報担当」のような形式でSNSアカウントを作るケースがあるかもしれません。その際もできれば本名を入れるのが望ましいですが、抵抗があればニックネームやカタカナ表記で登録しましょう。部署名だけで済ませるよりも、より親近感をアピールできる可能性が高くなります。フリーランスなど個人名で登録する場合は、自身の特徴や強みが分かる表現をアカウント名に含めるのもおすすめです。もちろん一言程度しか記入の余地はありませんが、自己紹介文内に書き込むよりも、幅広いユーザーの目に留まりやすくなるのは確かです。

アイコン画像の設定

アイコン画像はアカウント固有の外見の中で、最も瞬間的に目立たせることができる要素と言っても過言ではありません。アカウントがどんな内容なのかできる限りイメージしやすい画像を選びましょう。企業アカウントであれば、会社やブランドのロゴを貼付するのが最有力となります。ロゴがロゴ本来の役割を果たせるよう、最も認知度の高いありのままのデザインで掲載してください。個人の場合は、信頼性を高める意味でも、余計なエフェクトのかかっていない顔のはっきり分かる画像の掲載がおすすめです。事実、800枚の写真を用いた60,000以上の評価に基づくリサーチによると、「笑みを浮かべた明瞭な顔写真」が最もビューワーからの好感度や信頼度が高いという結果が出ています。

自己紹介文の設定

漠然と興味や関心を持ったユーザーが、最終的にフォローするか否か決めるために自己紹介文に目を通す可能性が高いです。そういった点を考慮し、200文字未満のスペースですが、充実した内容を盛り込んでおく必要があります。まず、1文目は企業であれば、「〇〇の公式アカウントです」と紹介すれば、ユーザーの信頼や安心感も一気に高まるはずです。

続いて、自身のPRポイントや、誰を対象にどんな関心事を呟いているか、どんな有益な情報が得られるかといった点を満遍なくまとめます。各業界でのキーワード、検索ワードも紹介文に含めるよう工夫しましょう。先に設定した、ペルソナ像にアピールする視点で作成するのがベストです。最後に、URLや位置情報をプロフィール欄に設定できるので、公式Webサイトのリンクや店舗の位置情報を忘れずに付加します。

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SNSフォロワーを増やすためのノウハウやテクニック

次に、順調にSNSフォロワーを増やしていくにはどのようなノウハウやテクニックがあるのか網羅的に説明していきます。

定期的に十分な量をツイートする

SNSのなかでもX (旧Twitter)は特に、数分・数秒刻みで次々に新しい投稿がタイムライン上で入れ替わっていくのが特徴です。そのため、一定のツイート量を担保しない限りは、投稿がユーザーの目に留まることもままなりません。また、ツイートのないアカウントや、過去のツイートが数カ月以上前のアカウントを見ると「フォローしても無価値」と判断してユーザーがフォローを止めてしまう確率が高くなります。専用ツールで、自動ツイートなどの機能に頼るのも方法の一つですが、完全自動(bot)アカウントと見られてはかえって印象が良くありません。そこで、手動のツイートと組み合わせて、自動一辺倒とならないようにするのが最適な運用法です。

関心がありそうなアカウントを自らフォローする

フォロワーが増えるのをひたすら待ち続けるのではなく、関心を持ってくれそうなアカウントを自らフォローしていくのもおすすめです。そうすることで、フォローバックしてもらえる確率も高まり、自社の商品やサービスに興味があるフォロワーを効率よく増やしていくことができます。もちろん、闇雲にフォロワーを増やせばいいわけではありません。数値上のフォロワーだけ増えたとして、マーケティングの面で長期的に効果が出るのかは疑問が残ります。また、投稿内容には無関心、単なるフォローバック目当てのユーザーも一定数いるのでフォロー時には注意が必要です。

いいねやRT、タグ付けをする

いいね、RTやタグ付けは、フォロワーや他のユーザーと交流できる最も手軽な方法です。リプライするほどではなくても、何かしらの共感や感謝の意を相手に示す効果があり、隙間時間を利用して少ない時間で操作できるのも魅力です。自らアカウントをフォローする際と同じ要領で、会社に興味関心がありそうなアカウントにいいねなどを付けていくと、高確率でフォローやフォローバックを期待できます。また、タグ付けや引用リツイートの投稿方法を用いれば、自身の投稿文の中に相手ユーザーのアカウントやツイート内容を紹介することも可能です。相手から感謝され、自身も投稿文をアピールできるので一石二鳥の効果があります。

リプライ機能で商品やサービスの利用者に感謝を伝える

あまりに多くのユーザーに逐一リプライを投稿していては、かなり時間を消費してしまいますが、企業やブランドを支持する声や高評価の口コミに対して感謝の意を一言コメントするのはおすすめです。少なくとも、直に感謝されてマイナスな気分になる人はいません。会社に対する好感度が上がり、「他のフォロワーにもっと勧めよう」「またすぐにリピートしよう」といった自身のファンを増やすきっかけにもなるでしょう。

ハッシュタグを活用する

ハッシュタグを伴ってツイートすると、効率よく投稿へのレビュー回数を増やすことにつながります。ハッシュタグに関するリサーチによると、ユーザーは1つのハッシュタグを付けてツイートするだけで、ハッシュタグなしと比べて平均12.6%も多くのエンゲージメントを獲得できることが分かったそうです。もちろん、自身の投稿内容と関連性の高いハッシュタグを使用すると、その効果は倍増します。例えば、SEOについてツイートするならば、文中に「#SEO」と記載するだけで適切なハッシュタグの設定は完了です。もちろん、特定のトピックに興味があるユーザーは「#検索ワード」で検索をかける確率が高く、投稿後しばらく時間が経過した後でもエンゲージメントの増加が見込めます。

ビジュアルコンテンツを多用する

無数のツイートが絶え間なく流れるタイムライン上で、手っ取り早くユーザーの目を引く効果を与えてくれるのが、画像や動画を伴うビジュアルコンテンツです。裏を返すと、せっかく良い投稿文でもビジュアルが何もないと、ユーザーに認知されない可能性が高いので、積極的にビジュアルコンテンツをツイートするようにしましょう。一般的傾向としても、ビジュアルコンテンツの方が文字だけのツイートより、明らかにいいねやリツイートを得やすいことがわかっています。

投稿する時間帯を工夫する

出来の良いツイートを投稿しただけで満足していては、SNSマーケティングは成功とは言えません。良質なツイートが確かな意味を持つのは、多くのユーザーが実際に目にしてくれた場合に限ります。そこで注目してほしいのが、SNS上に投稿する時間帯です。SNSマーケティング界の定説として、基本的に21時から22時の間にアップするのが最も多くのビューを獲得できると言われています。ただし、主要なフォロワーの動向に合わせて、最適な投稿時間を模索する姿勢も大切です。異なる時間帯でツイートしてインプレッション数を自ら比較するか、分析ツールを用いて時間別のインプレッションデータを収集するという方法もあります。

X (旧Twitter)のリスト機能を活用する

フォロワーが増えるにつれ、求めているツイートがどこにあるのか徐々に収拾がつかない状況に陥る可能性があります。そんな時はX (旧Twitter)に元々実装されているリスト機能を活用すると便利です。顧客、競合他社、パートナー、親しいアカウントなど利用しやすい分類を設け、膨大な数のアカウントを的確に管理することができます。

既存のネットワークを用いてフォロワー候補を探す

インターネットメールなどの連絡先リストをX (旧Twitter)に同期することで、過去に何らかの形で関わりがあるがSNS上で縁のないユーザーとスムーズにコンタクトできます。手動でも決して無理な作業ではありませんが、同期リストをもとにX (旧Twitter)側が「知り合いかもしれないアカウント」として提案してくれるので実に有用です。

インフルエンサーと交流する

インフルエンサーとは、SNS上で大量のファンを抱えている影響力の大きなアカウントの運用者です。X (旧Twitter)だけにとどまらず、他のSNSや動画配信サービスでも大きなコミュニティーを形成していることも少なくありません。インフルエンサーにとってのフォロワーとはまさに「ファン」という表現が相応しく、インフルエンサーが何らかの商品の良さを発信するだけで、企業レベルで見ても絶大な宣伝効果を生み出す場合があります。最近では、インフルエンサーの側から「〇〇の大ファン」と公言しているケースも見られます。自社の商品などを支持するインフルエンサーがSNS上にいないか、自らリサーチしてみるのもおすすめです。

X (旧Twitter)外からもフォロワーを引き込む

店舗に来店してくれた顧客やウェビナーに参加してくれたリード客にも、積極的にX (旧Twitter)などのフォローをアピールすることは重要です。実際に自社の商品やサービスに関わる行動を取っているユーザーなので、引き続き有用な情報を得ようとSNSでつながってくれる可能性は高いでしょう。交流を1度限りで終わらせることなく、SNS上での末永い関係性へと移行できます。

分析ツール用いてツイート内容の最適化を図る

投稿時間帯の説明でも軽く触れましたが、専用ツールで分析しながら運用することで、フォロワーへのアプローチ法やSNSマーケティングの効率性を高めることができます。各種ツールによって分析できる内容は多岐にわたり、フォロワーの年齢・性別はもちろん、効果的なツイート内容やフォローされやすいユーザー像まで把握することが可能です。客観的なデータに基づき企業SNSを運用するという観点では、こうした分析ツールが果たしてくれる役割は非常に大きくなっています。

フォロワー「数」だけでなく「質」が重要な理由

フォロワー数の増加は、目に見えて把握できる最も身近な指標です。ただし、純粋にフォロワー数を増やすことだけが目的化するのは決して望ましくありません。

カギを握るアクティブフォロワーの存在

実は、フォロワーといってもその価値が全て均一とは限りません。例えば、自己の宣伝のみが目的の自動アカウント。あるいは、ほとんどX (旧Twitter)を使わないユーザーのアカウント。こうしたケースついては、せっかくフォローされても、インプレッションやいいね・リツイートなど実効的アクションが期待できないので、フォロワー数を増やしてくれる以外には利を生まないアカウントです。

よって、例えば1000人フォロワーができたとして、果たしてその何割がアクティブなアカウントだろうか?と考察する視点は常に持ち合わせておく必要があります。短期間でフォロワーを増やしたが、その8割が非アクティブアカウントだったという事態にならないためにも、フォロワーの質にも焦点を当てながらSNSを運用しなければなりません。

ユーザー作成コンテンツの重要性

SNSマーケティングでは、口コミなどのユーザー作成コンテンツ(UGC)の重要性がますます高まりつつあります。なぜなら、SNSプラットフォームにおいても検索エンジン同様アルゴリズム変動の影響が大きく、安定したインプレッションを確保するのはなかなか難しい状況だからです。そうした事態をカバーすべく広告を検討する場合、クエリ次第では非常に広告単価が上がるのが問題点として浮上します。そうした困難な状況を多いに助けてくれるのが、ユーザー作成コンテンツの存在です。

口コミを発信してくれるユーザーは、企業とは全く別個のアカウントのため、企業がアルゴリズム変動などで被るマイナスの影響とは、完全に独立して動いています。そこで、企業アカウント側が思うようにビューを獲得できない状況でも、良質なフォロワーが独自に宣伝活動を展開するという構図ができあがっているのです。こうした点を考慮すると、特に大きな役割を果たしてくれるのが、多くの熱心なフォロワーを抱えるインフルエンサーだとわかります。

また、マーケティング会社の調査によると、口コミと指名検索数に相関が見られ、さらに、その指名検索数は売上との相関関係を成していると明らかになっています。一見関係性が乏しいように見えますが、一般ユーザーが口コミを書くだけで、業務成績の向上にも少なからず貢献してくれるという解釈も可能です。

SNS運用・フォロワー獲得時の注意点とソーシャルリスニングの活用

最後に、SNS運用時のその他の注意点もまとめておきます。

アカウント凍結に注意する

X (旧Twitter)では運営ルールに違反すると、アカウント凍結の措置を受けることになるので注意が必要です。凍結されると、アカウント操作が行えなくなるのはもちろん、他のユーザーからも怪しいアカウントだと信用を一気に失ってしまいます。例えば、手早く企業アカウントを大きくするためフォロワーを購入する行為は、ルール違反に該当し発覚次第凍結の処分となります。もっとも、フォロワーの質の話題で触れたように、上辺だけの数の操作はマーケティングの観点からもマイナスの影響を招く行為です。また、手動であっても、1日に400以上のアカウントを新規フォローしてしまうとやはり凍結の対象となります。

加えて、ツイート内容が過激・暴力的であったり、ヘイトスピーチに触れる内容だったりすると、やはりアカウント凍結となる可能性があります。これは、単にX (旧Twitter)との関係性にとどまらず、SNS上のユーザーを広範に巻き込む炎上騒動に発展しても不思議ではありません。

風評被害やネット炎上に注意する

過激な発言や誹謗中傷がネット炎上につながるのは、個人・企業を問わず起こりうることです。企業の場合はそれ以外にも、従業員が無断でアップした不適切な画像や動画、または、利用客が拡散した不良品や接客トラブルの動画などがきっかけで、全国トップニュース扱いの大騒動に発展するケースも見られます。こうした事態は全て防げるにこしたことはありませんが、SNSという性質上、そうした可能性を全て根絶するのは容易ではありません。

ソーシャルリスニングサービスの有用性

実は、消費者の幅広い声やニーズを自動で収集・分析してマーケティングやリスク管理に活用できる、ソーシャルリスニングサービスというツールがあります。こうしたサービスを利用すると、ユーザーの包括的な動向や局所的ながら特異な兆候を察知してリスク管理や炎上防止にも役立てることが可能です。盲目的にフォロワー数を増やすだけのようなツールは推奨できるものではありませんが、マニュアルではどうしても限界がある多角的な分析を代行してくれるツールは、SNSマーケティングで他社と差別化を図りたい企業にとって有効な選択肢となりそうです。

分析ツールも駆使しフォロワーを量・質共に的確に増やしていこう

認知度アップのための苦労が多そうな企業SNSですが、意外にフォロワーを増やすためのシンプルなノウハウが豊富にあると実感できたのではないでしょうか。フォロワー数が増えるのは望ましいことですが、質が伴っているかどうかも配慮したうえでマーケティングの成果に直結するSNS運営を目指してください。その際、ソーシャルリスニングサービスのような万能型の分析ツールは、運営中のリスク管理を含めて大きな貢献が期待できます。

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