2024/05/23

ソーシャルリスク対策

企業のPRに効果的なSNSとは?各SNSの特徴や成功事例を紹介

近年、多くの企業がSNSを活用したPRを実施しています。なかには影響力の大きいインフルエンサーとタッグを組み、大々的なPRに成功した企業も見られます。売上アップや認知度向上に効果的なSNSによるPRですが、ターゲットや目的によって適したSNSを選ばないと効果は半減してしまうでしょう。

本記事では、企業におけるSNSのPRによる効果やPRに使えるSNSの特徴、SNSでのPRを成功させるためのポイントなどについて解説します。あわせてSNSをPRに活用した企業の成功事例も紹介するので、自社のPRにSNSを活用したい企業の担当者さまは、ぜひ参考にしてください。

この記事の内容
  • SNSのPR = SNSを運用して自社商品やサービスを広く宣伝すること
  • SNSによるPRには、拡散力があり多くの認知を獲得できる、費用対効果が高い、双方向のコミュニケーションが取れる、などの効果が期待できる
  • PRの際には景品表示法や薬機法などの法律に抵触しないよう注意が必要

企業におけるSNSのPRとは?

SNSのPRとは、SNSを運用して自社の商品やサービスを広く宣伝することです。自社アカウントの運用やキャンペーンの展開、広告の配信、インフルエンサーとのタイアップなどでPRを行います。X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどのSNS媒体を使うPRは「SNSマーケティング」の一種で、商品やサービスの認知度アップ、ブランド力の強化、売上の促進などの効果が期待できます。

SNSの投稿は日常的に消費者の目に留まりやすいのが魅力です。また、インフルエンサーとのタイアップ投稿ではインフルエンサー自身の視点を交えて商品やサービスを紹介するためフォロワーの共感を得やすく、消費者にポジティブな印象を与えることができます。

【関連記事】
SNSマーケティングとは?効果的な手法と7つの成功事例を解説

Buzz Finder無料トライアル

SNSをPRに使うべき理由

SNSをPRに使うべき理由は、SNS利用者の増加にあります。令和4年通信利用動向調査によると、個人のSNS利用状況は全体の約80.0%です。13~19歳で92.0%、20~29歳で91.7%、30~39歳で90.8%と、若い世代で特に高い割合を占めています。このことからも、SNSを活用することで多くの消費者に商品やサービスをPRできることがわかるでしょう。

また、SNSがきっかけで商品を購入する消費者も増加傾向にあります。SNSを見て商品を購入した人に実施されたアンケート調査では、約6割以上が「購入の予定はなかったがSNSを見て購入した」と回答しています。特に、商品の紹介動画や口コミ投稿などが購入の決め手になっているとのことです。

さらに、SNSは検索ツールとしても活用されるようになっています。Googleなどの検索エンジンに加え、昨今SNSも情報収集のツールとなり、PRに効果的に活用できます。

出典:
総務省|令和4年通信利用動向調査
PR TIMES|「SNSでの商品購入に関する調査」~Instagramで購入したユーザーの7割以上が“購入予定がなかった商品”を購入!Pinterestユーザーの約5割がSNS上で商品購入!~

SNSをPRに活用して得られる効果

ここからは、SNSをPRに活用して得られる効果について解説します。

拡散力があり多くの認知を獲得できる

SNSの魅力として挙げられるのは、その「拡散力」です。リツイートやリポストなどで広く拡散されれば、自社の商品やサービスが多くの消費者の目に留まることになります。特にバズが起きれば、1つの投稿で多くの認知を獲得できるでしょう。

また、拡散によってテレビや新聞、インターネットなどのマスメディアで取り上げられる可能性もあり、さらに話題性が高まります。特にインフルエンサーとのタイアップでは、インフルエンサーに関心のあるフォロワーの関心を得ることができ、効果的にリーチすることができます。

費用対効果が高い

SNS広告はマス広告に比べて安価で運用でき、Web広告に比べてインプレッションが多い傾向があります。かつ、拡散力が高く大きな効果を生み出す可能性もあるので、費用対効果が高いといえます。

特に企業のアカウントを社内の人材が運用する場合、人件費はかかるものの、広告を使わなければ無料でPRできる点も魅力です。SNSで継続的に発信を続ければ、ブランディングにも活用できるでしょう。

双方向のコミュニケーションが取れる

SNSは「いいね」を押したり、直接メッセージをやり取りしたりなど、企業と消費者が双方向のコミュニケーションを取れるツールです。消費者は商品やサービスの感想や問い合わせなどを送りやすく、企業側も直接消費者とコミュニケーションを取ることで、改善点や新たなアイデアの創出につながります。双方向のコミュニケーションは顧客ロイヤルティの醸成やリピーターの獲得にも効果的です。

一般的なWeb広告より共感されやすい

SNSによる発信は、一般的なWeb広告より共感されやすいといったメリットがあります。特にインフルエンサーを活用したPRにおいて、インフルエンサーの評価に基づく投稿は共感を得やすく、消費者の購買意欲を高める効果が期待できます。また、SNSでは通常の投稿に混じって広告が配信されるため、自然と目に留まりやすいのも特徴です。

効果測定がしやすい

SNSによるPRを魅力的なものにするためには、KPIを設定したうえで効果測定を行い、改善を繰り返すことが重要です。SNSは効果測定の機能が充実しているものが多くあります。フォロワー数やインプレッション数、いいね数、コメント数、リンクのアクセス数などを計測し、設定しておいた目標を達成できているかを確認しましょう。SNSは頻繁に投稿するものなので、効果測定による改善効果を確認しやすいのも特徴です。

PRに使えるSNSの特徴と機能性

続いて、PRに使える各SNSの特徴と便利な機能を紹介します。

拡散力が高い「X(旧Twitter)」

X(旧Twitter)は国内のユーザー数が多く、幅広い年齢層にリーチできるSNSです。フォローしているアカウントのツイートはタイムラインに次々に表示され、常に最新の情報を取得することができるうえ、SNSの中でも特に拡散力が高いのが魅力です。新製品の発表やイベントの告知などを効果的に行えます。

PRに使える機能としては、通常のスレッド投稿や引用リツイートなどが挙げられます。スレッド投稿とは、複数のツイートをつなげて表示する機能です。通常、1つのツイートは140字以内といった制限があるため、情報が長くなる場合や話題を展開させたい場合などには、スレッド投稿でツイートをつなげて表示すると見やすくなります。また、引用リツイートにより、他ユーザーや自社の過去のツイートに新たなコメントをつけて投稿することも可能です。

【X(旧Twitter)の広告の種類】

プロモ広告 Twitterのタイムライン上に表示されるインフィード型の広告。クリック率が高い
Amplify コンテンツ配信パートナーの動画前に再生される動画広告
テイクオーバー広告 トレンド欄にハッシュタグやキーワードを表示させ、ユーザーに多くの情報を届けられる広告
ライブ広告 ライブ配信を活用する広告
ダイナミック商品広告 ユーザーの行動履歴をもとに自動生成される広告
コレクション広告 メイン画像とサムネイル画像で構成される広告
(商品やサービスの情報をより詳しく伝えることが可能)

【関連記事】
X (旧Twitter)のビジネス活用方法や注意したいポイントなどを解説

写真や動画が主体の「Instagram」

Instagramを活用することで、テキストに加え、写真や動画などで視覚的にアプローチできます。ビジュアルコンテンツに強いことから、新製品のビジュアル紹介やイベントの告知、ウェブサイトへのリンク共有などのPRに効果的です。Instagramはブランドの世界観やインパクトが伝わりやすく、文字では表現しにくい魅力が伝わりやすいのが特徴です。主な機能にはフィード投稿やストーリーズ、タイアップ投稿(ブランドコンテンツ)などがあります。

フィード投稿とは、フォロー中のアカウントの投稿が流れてくるメイン画面へ投稿することです。フィードはアプリを開いてすぐに表示されるので、ユーザーにリーチしやすいでしょう。ストーリーズは写真や動画がフルスクリーンで表示される、スライドショー形式の機能です。24時間で自動削除されるのが特徴で、リアルタイムな情報の共有に活用できます。タイアップ投稿とは、企業がインフルエンサーに依頼して自社商品やサービスをPRしてもらう投稿です。

【Instagramの広告の種類】

画像広告 画像とテキストによる広告
動画広告 動画とテキストによる広告
(商品の使い方などを紹介する際に便利)
カルーセル広告 複数の写真や動画、テキストによる広告
(複数の商品やサービスを紹介したい場合に便利)
コレクション広告 メイン画像と複数のサブ画像からなる広告
(メイン画像で認知してもらい、サブ画像で購入に誘導するなどの使い方ができる)

利用者が多い「LINE」

LINEは国内の利用者が多く、性別問わず幅広い年齢層の人が利用しているSNSです。2023年12月末時点でユーザー数は9,600万人に達し、SNS利用者において高い利用率を誇っています。また、毎日LINEを使用する人の割合は86%と、アクティブ率の高さも強みといえます。

企業がLINEを活用する場合、LINE公式アカウントの友だち登録で集客しPRするのが一般的です。登録ユーザーに対して最新情報やクーポンの送付ができるうえ、1対1のコミュニケーションを取ることも可能です。

【LINEの広告の種類】

LINE広告 LINE内に広告を表示
LINEプロモーションスタンプ 企業や商品などのオリジナルLINEスタンプを配布
LINEチラシ LINEでデジタルチラシを配布
LINEで応募 LINE経由でユーザーがキャンペーンに応募できる
LINEポイントAD 特定の要件を満たしたユーザーにLINEポイントを付与
LINEミニアプリ オリジナルアプリ(ダウンロード不要)を提供
LINEで予約 ユーザーが来店予約などをLINE上で行える

出典:LINE広告

炎上リスクが比較的低い「Facebook」

Facebookは実名登録が必要なSNSなので信頼性が高く、ユーザーとリアルなつながりを持てるのが特徴です。ユーザーは30~40代が多く、海外向けのマーケティングにも適しています。新商品やサービスの紹介をはじめ、キャンペーンの告知やライブ配信などにも活用できます。

また、インサイトで投稿の詳細分析が行える、予約投稿ができるなど、PRにも活用できる機能が充実しています。匿名性の高いSNSではコメントが攻撃的になるケースもありますが、Facebookは実名登録が必要なため、他のSNSに比べて炎上リスクが低いのもポイントです。

【Facebookの広告の種類】

画像広告 画像とテキストによる広告
動画広告 動画とテキストによる広告
(商品の使い方などを紹介する際に便利)
スライドショー広告 2~15枚の画像や音楽などからなるスライドショー形式の広告
(ブランドイメージを伝えたいときなどにおすすめ)
カルーセル広告 複数の写真や動画、テキストによる広告
(複数の商品やサービスを紹介したい場合に便利)
コレクション広告 メイン画像と複数のサブ画像からなる広告
(メイン画像で認知してもらい、サブ画像で購入に誘導するなどの使い方ができる)
リード獲得広告 広告からFacebook上の入力フォームに誘導できる広告
クーポン広告 ECサイトや実店舗で使用できるクーポンを配布する広告

PR動画を投稿できる「YouTube」

動画に特化したYouTubeはストック型のSNSです。再生回数が増えるおすすめ動画になれば多くのユーザーの目に留まり、さらにアクセスが集中して認知度も高まります。視覚効果を用いて商品やサービス、ブランドストーリーなどを広く伝えることができます。YouTubeはアフィリエイトリンクや商品リンクを設置してPRできるのも特徴です。

【YouTubeの広告の種類】

インストリーム広告 動画の再生前、再生中、再生後に流れる広告
(スキップ可能、スキップ不可の2種類)
インフィード広告 動画の右側に表示される関連動画や検索結果一覧に表示される広告
バンパー広告 動画の再生前、再生中、再生後に流れる広告
(スキップ不可)
アウトストリーム広告 YouTubeパートナー認定を受けたアプリやサイトで配信されるモバイル専用の広告
マストヘッド広告 ホーム画面最上部に表示される広告
オーバーレイ広告 動画の下部に表示される広告
(画像、テキストのみの2種類)

若年層へのPRに最適な「TikTok」

TikTokはショート動画を作成して配信するSNSです。特に若年層やZ世代のユーザーが多く、若者の認知度を高めたいという企業から活用されています。アプリの機能を使えば簡単に編集や投稿ができ、フォロワーが少なくても動画がバズることで注目を集められる可能性があります。

【TikTokの広告の種類】

起動画面広告 アプリ起動時に表示され、ユーザー全員にリーチ可能
ハッシュタグチャレンジ広告 企業が特定のハッシュタグを作成し、ユーザーがそのハッシュタグを使用して動画作成を行う広告
(ユーザー参加型)
インフィード広告 アプリの「おすすめ」に表示される広告
運用型広告 自分で専用のアカウントを作成して運用する広告

SNSをPRに活用した企業の成功事例

ここからは、SNSをPRに活用した企業の成功事例を6つ紹介します。

【Twitter】岩谷マテリアル

岩谷マテリアル株式会社は、合成樹脂や金属など、さまざまな素材を用いた商品やサービスを展開している企業です。同社は2018年からTwitterのアカウント運用をスタートし、人気商品「アイラップ」の宣伝に成功しています。当初はテスト運用の予定でしたが、運用開始から1カ月ほどであるツイートが1万件以上もリツイートされ、認知度が一気に広がりました。

アカウントの運用を担っているのは社員の1人で、他社製品を使用した感想ツイートや美味しかった食べ物のツイートなども人気とのことです。また、他社とコラボレーションしたプレゼントキャンペーンを月に1~2回のペースで実施しています。

【Instagram】Zala Hair Extensions

ヘアエクステンションブランド「Zala Hair Extensions」は、新規顧客の獲得とオンライン売上の拡大を目指し、Instagramを活用したPRを展開しました。同社はInstagramマーケティングミックスにAdvantage+ ショッピングキャンペーンを追加したところ、わずか20日ほどでウェブサイトでの購入が1.5倍に、広告対費用効果は79%向上、購入単価は37%減少という成果を得ました。

同キャンペーンは動画広告や写真広告、カルーセル広告を組み合わせ、商品の使い方を実演するクリエイターや顧客を登場させて展開し成功を収めた事例です。

【LINE】ビームス

ファッションアイテムや雑貨を取り扱うセレクトショップBEAMS(ビームス)では、2022年に「LINE STAFF START」を導入しました。以前、店舗で接客中に十分な電話応対をするのが難しく、そのような課題を解決したいと考えたのが導入のきっかけでした。LINE STAFF STARTは店舗スタッフ専用のLINE公式アカウントで、ユーザーに直接メッセージや情報を届けられるのがメリットです。

導入後はお客様との言葉のキャッチボールができ、継続的なつながりに発展しているといいます。またあわせて、コーディネート紹介やブログ更新案内、イベントの告知などにはメッセージ配信を行うなど、活用の幅が広がっています。

【Facebook】Tactile Games

モバイルゲーム開発会社の「Tactile Games」は、Facebook用ハロウィン向け広告アセットの作成を行いたいと考えたものの、時間や人手の不足が課題となっていました。そこで、Meta Creative Shopとアニメーション制作用のモーションキャプチャスーツを活用し、短期間で作成することに成功します。

キャンペーンではAdvantage+配置を使用し、ターゲットを絞って動画広告を展開しました。結果、費用対効果が通常時よりも42%向上、リーチ数が45%向上といった成果を出しました。

【YouTube】William Painter

サングラスをオンラインで販売する「William Painter」は、店舗で販売される商品との差を縮めるためにYouTubeを活用しています。YouTubeのTrueView アクション広告を使用し、自社商品の質の高さと魅力的なデザインをアピールすることに成功した事例です。

同社が投稿したある動画の再生回数が6,500万回に達し、ブランドの認知度は一気に高まりました。SNSの運用後3カ月でビジネスは大きく拡大し、サイトの訪問者の増加率1500%、コンバージョンの増加率1300%、販売収益の増加は前年比の13倍といった数字を出しました。

【TikTok】資生堂

「資生堂」はロングセラーブランド「マキアージュ」の主力商品の話題化とシェア拡大を広めるべく、2023年にTikTokの本格的なフルファネルキャンペーンを展開しました。キャンペーンではコンテンツ間に表示されるインフィード広告と、アプリ起動時に表示されるTopViewの2つを活用したのが特徴です。

広告では訴求したいメッセージを絞り、ユーザーに簡潔に伝えることを意識したといいます。また、インタラクティブアドオン機能の中の「スーパーライク」を採用し、ユーザーが「いいね」を押すとブランドロゴのハートが浮かび上がる仕様に設計したのも話題となりました。

結果、キャンペーン当月・翌日の売上は前年同期比で120%、さらにターゲットとしていた20~30代の構成比も4.4%アップするなど、目に見える成果が出ました。

SNS活用はステマ防止のPR表記も重要

SNSでインフルエンサーにPR依頼をする場合、ステマ防止の目的で、投稿にはインフルエンサーと企業の関係性や広告であることを表記する必要があります。投稿には便益タグを表記するのが一般的です。以下は、便益タグの一例です。

  • #Promotion
  • #Sponsored
  • #Ambassador
  • #プロモーション
  • #スポンサード
  • #アンバサダー
  • #協賛
  • #提供
  • #タイアップ
  • #プレゼント企画
  • #プレゼントキャンペーン

便益タグは大量のハッシュタグに紛れさせたり故意に見づらくしたりすると、表記していないと判断されるため注意しましょう。以下は、投稿の際に気をつけるべきポイントです。

主体の明示 広告主(企業やブランド名)を明示する
便益の明示 インフルエンサー(情報発信者)に提供される物品や金銭、サービスなどの便益を明示する
広告主の問合せ先の明記 消費者が商品やサービスについて問い合わせできるよう、責任を負う広告主の問い合わせ先を明記する

SNSでPRする際に把握しておくべき法律

続いて、SNSでPRする際に把握しておくべき法律「景品表示法」と「薬機法」について解説します。

景品表示法

「景品表示法」とは、企業が商品やサービスを販売する際に「不当な広告表示をする」「過大な景品の提供を行う」などの行為を禁止する法律です。不当な顧客誘引を禁止し、消費者の利益を保護することを目的としています。PR投稿ではインフルエンサーとのタイアップ時に宣伝とわかるようタグづけをするなどし、誤解を招かないようにする必要があります。

【規制される表現の例】

  • 「国産牛肉」を「国産有名ブランド牛」のように表示する
  • 自動車の走行距離を実際と異なる走行距離であるかのように表示する
  • 適正な比較をしていないにも関わらず、No.1・日本一などと表示する
  • 他社と同じ内容量であるにも関わらず、他社商品より内容量が多いように表示する
  • 追加費用が必要であるにも関わらず、初診料だけで歯列矯正ができるかのように表示する
  • 商品やサービスを来店者全員に提供する など

一般的に最上級、絶対的表現は使用禁止ですが、広告掲載基準を満たしていれば問題ありません。

2024年3月、消費者庁は客観的な裏付けがないにもかかわらず、広告で「満足度No.1」などといった表示をしていた企業6社に対し、景品表示法に違反するとして再発防止などを命じる措置命令を出しました。このように、景品表示法に違反した企業に対しては、再発防止を命じる措置命令や罰金が科されるケースもあります。

薬機法

「薬機法(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」とは、医薬品などの品質や有効性、安全性を確保し、消費者の生命や健康を守ることを目的にする法律です。化粧品やスキンケア製品などは標ぼうできる効果として56個の表現が定められています。以下は、標ぼうできる効果の一例です。

  • 頭皮、毛髪をすこやかに保つ
  • 肌にツヤを与える
  • 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ
  • 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ
  • 口臭を防ぐ(歯みがき類)など

薬機法違反となる表現の例と問題のない表現への言い換え例は次のとおりです。

NG表現 OK表現
美白効果あり
  • 日やけによるしみ、そばかすを防ぐ
  • 明るい肌を演出
アンチエイジング、若返る
  • 年齢肌にうるおいを与える
  • 年齢よりも若く見られる肌
痩せる、スリムになる 健康な体づくりをサポートする
便秘解消 朝からスッキリ(気分的な表現)

薬機法に抵触しないためには、インフルエンサーを含めた社内教育の実施やチェック体制の強化が必要です。

出典:化粧品の効能の範囲の改正について

SNSでのPRを成功させるためのポイント

ここでは、SNSでのPRを成功させるためのポイントについて見ていきましょう。

入念なアカウント設計を行う

SNSは運用目的やターゲット、投稿の方向性などのアカウント設計を行うことが重要です。思いつきの投稿では成果を出すことが難しいため注意しましょう。またあわせて、ユーザーとどのようにコミュニケーションを取るかの方針も決めておくことをおすすめします。

さらに、フォロー数やインプレッション数など、目的に合ったKPIを設定して数値を確認することも大切です。日々の投稿データからKPIの進捗を確認し、問題があれば軌道修正を行います。アカウント設計に基づいた一貫性のある投稿を行いつつ、データを基に改善していくことが大切です。

【関連記事】
SNSマーケティングのKPIとは|運用時の設定方法や効果測定方法を解説

拡散しやすいコンテンツを作る

SNSはユーザーに拡散してもらうことで効果を高められるツールです。企業はどのような投稿が拡散されるかを考えてコンテンツをつくる必要があります。エンタメとして面白い、共感できる、学びになる、インパクトが強いなど、ユーザーの心理を理解してコンテンツを制作しましょう。

また必要に応じて、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を利用したキャンペーンやインフルエンサーへのPR依頼、広告出稿などを検討するのもおすすめです。ただし、拡散を狙うために過剰な表現を使うのは炎上につながるため注意が必要です。

【関連記事】
SNSにおける企業の炎上事例9選|炎上の対処法・事前対策を紹介

適切なインフルエンサーを選ぶ

効果的にPRするためには、自社の商材に適したインフルエンサーを探すことが重要です。自社で探す方法に加え、インフルエンサープラットフォームでの検索、キャスティング会社からの紹介などで見つけることもできます。

商材や目的をもとに適したインフルエンサーの条件を挙げておき、選ぶ際には過去の投稿やインサイトデータ、フォロワーの属性などを確認するバックグラウンドチェックを行うことが大切です。あわせて、景品表示法や薬機法の観点からリスクがないかも確認しましょう。

ソーシャルリスニングを行う

「ソーシャルリスニング」とは、SNS上の情報を収集・分析し、ビジネスに活用するマーケティング手法です。投稿から消費者の本音を拾い上げることで、自社の商品やサービスへの評価を可視化でき、課題解決に役立てられます。SNSでのPRが炎上につながりそうな場合に知らせてくれるアラート機能を搭載しているツールであれば、迅速に状況把握をしたうえで適切な対応が可能です。

また、ソーシャルリスニングは自社に適したインフルエンサーを探す際にも役立ち、トレンドや口コミなどの確認にも利用できます。

SNSのPRにおけるリスク低減に役立つ「Buzz Finder」

「Buzz Finder」は企業のリスク・炎上対策やVOC分析に活用できるツールです。X(旧Twitter)公式全量の投稿をほぼリアルタイムで収集・分析でき、炎上などによりツイートが急上した際にはすぐにアラートメールで知らせます。SNS上の異変を検知してすぐに通知が届くため炎上への迅速な対応ができ、顧客の不満を即座に把握・改善できる点が特長です。

また、前日のツイート量や主な話題をメールで配信するため、ツールにログインすることなく顧客の声を拾えるのも便利です。ポジネガ分析やイベント・プロモーション効果の把握など、充実した機能を備えています。

導入事例|消費財メーカー 様

消費財メーカー様はソーシャルリスニングツールの導入以前、以下のような課題をお持ちでした。

  • 自社製品についてのSNS上のネガティブな投稿を早期に把握し、トラブルを最小限に抑えたい
  • インフルエンサーの影響度や動向を把握し、顧客対応やメディア対応に活かしたい
  • 社内各部署で情報共有・連携を図りたい
  • 導入後は以下のような効果を実感されています。
  • 炎上につながる可能性がある事象をリアルタイムで把握でき、体系的なアクションが取れるようになった
  • 社外のステークホルダーの意見を集め、社内で対策が立てられるようになった
  • SNSの声を共有し業務フローを整理することで、部門間の連携が高まった

SNSでのPRは重要なマーケティング施策

SNSを活用して効果的なPRを行うことで、消費者に自社商品やサービスを広く知ってもらうことができ、ブランド力の強化、売上の向上などが期待できます。SNSは拡散力があるうえ、効果測定をしやすいツールです。重要なマーケティング施策の1つとしてうまく活用しましょう。

自社商品やサービスのPRにSNSを活用していきたいと考える企業さまには、ソーシャルリスニングツールの「Buzz Finder」がおすすめです。顧客の本音を拾い上げられるほか、ポジネガ分析や炎上対策にも対応しています。無料トライアルも実施していますので、まずはお気軽にご相談ください。

関連記事

資料ダウンロード資料ダウンロード

閉じる閉じる