2025/01/28

ソーシャルリスク対策

X(旧Twitter)の企業アカウントの炎上を避けるには?有効な対策・対処法を解説

昨今、拡散力の高いX(旧Twitrer)をマーケティングに活用している企業が多くみられます。SNSはとても便利なツールである一方、社員の不適切な発言やユーザーの告発などによる投稿の炎上も増加しています。炎上が起こると企業は大きなダメージを受け、信頼を一瞬にして失うことになりかねないため、適切かつ慎重な運用が必要です。

本記事では、X(旧Twitter)の炎上の原因やリスク、炎上を防ぐための対策、炎上した際の対処法などについて解説します。X(旧Twitter)での炎上を回避したい企業の担当者様は、ぜひ参考にしてください。

この記事の内容
  • X(旧Twitter)の炎上原因には、不適切な発言や配慮のない発言、情報漏洩、誤爆、内部告発などがある
  • 炎上により、企業・ブランドイメージの低下、信用の低下といったリスクが起こりえる
  • 炎上を防ぐためには、SNSリテラシー研修の実施や投稿内容の複数人チェック、リスク対策へのフロー策定、ソーシャルリスニングによるSNS監視などが有効

X(旧Twitter)での炎上とは?よくある原因を紹介

SNSで起こる炎上とは、ユーザーの投稿に対して誹謗中傷が集まり、収拾がつかない状態になることです。特に、拡散力のあるX(旧Twitter)では情報が瞬く間に広がりやすいため、炎上が起こる危険性も高くなります。企業がX(旧Twitter)で炎上する原因には以下のようなものがあります。

  • 不適切な発言(政治・宗教やジェンダーに関する内容、二項対立になりやすい話題など)
  • 配慮のない発言(表現や言葉使いなど)
  • 個人情報や機密情報に関する投稿
  • いわゆる誤爆により、企業や団体の公式アカウントで、従業員による内部告発のようなプライベートな内容が投稿されてしまうケース
  • 従業員の関係者からの情報漏洩
  • 従業員やアルバイトによる不適切な行為(悪ふざけ動画の投稿など)
  • 不満を持ったユーザーの投稿 など

従業員がX(旧Twitter)をプライベートでも利用している場合、公式アカウントでも気軽に投稿してしまい、炎上につながる恐れもあるため注意が必要です。また、公式アカウントや従業員の投稿以外に、自社の製品・サービスに対するユーザーの投稿による炎上も起こりえます。

【関連記事】企業のSNSアカウントが炎上する理由とリスク回避の対策とは

X(旧Twitter)の炎上事例:投稿が高圧的だと批判され炎上

2024年12月、靴下の企画・製造・販売を行うA社のX(旧Twitter)公式アカウントへの投稿が拡散され、炎上しました。炎上の発端となったのは「破れないストッキングを作る技術力はあるが、消費者に買わせるために穴が開く生地にしている」などの可能性を指摘する内容でした。

その後も、企業の「破れないストッキングを作れるなら作っている」「何度も何度も言いますが、耐久性を求めるなら、肌色タイツ、ストッキング感覚の靴下を使ってください」などの投稿が高圧的だとし、多くの批判が集まりました。

該当の投稿は3日後に削除され、不適切な投稿であったとして企業は公式アカウントで謝罪しています。

【関連記事】SNSにおける企業の炎上事例9選|炎上の対処法・事前対策を紹介

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X(旧Twitter)の炎上による企業のリスクは大きい

X(旧Twitter)の炎上には、企業・ブランドイメージの低下、企業への信用低下などのリスクがあります。イメージの低下により顧客離れが起これば、売上の減少につながってしまいます。また、既存従業員の離職や就業希望者の減少なども起こりえるでしょう。一度悪くなってしまったイメージを回復するには時間がかかるため、大きな打撃となります。

さらに、顧客だけでなく取引先や銀行などの信頼も失うことになれば、取引の停止や融資の打ち切りといった状況にも陥る可能性があるためX(旧Twitter)の運用には十分な注意が必要です。

企業がX(旧Twitter)を活用する利点

X(旧Twitter)の活用にはリスクもありますが、以下のような利点もあります。

  • 影響力、拡散力がある
  • リアルタイム性が高くプロモーションに効果的
  • 顧客ロイヤルティの向上につながる
  • 競合他社との差別化につながる

X(旧Twitter)は影響力・拡散力があるプラットフォームなので、自社の製品やサービスを迅速に広めることができます。ユーザーと直接コミュニケーションを取ることもでき、返信やリツイート機能などを活用することでエンゲージメントの向上にも期待できます。

また、トレンドをいち早く把握できるのもX(旧Twitter)の特徴です。消費者が何に関心を持っているのかを掴み、マーケティングに活かすことができます。

【関連記事】SNSマーケティングとは?効果的な手法と7つの成功事例を解説

X(旧Twitter)の炎上を防ぐための対策

炎上が起きてしまうと収拾がつかなくなるので、炎上を未然に防ぐことが重要です。ここでは、X(旧Twitter)の炎上を防ぐための対策を解説します。

SNSのリテラシー研修を実施する

X(旧Twitter)での炎上を防止するには、X(旧Twitter)ならびにSNSへの理解が必要です。研修を通してX(旧Twitter)の特性や炎上に至る原因、経路、事例などを学び、炎上しない運用方法を身につけましょう。

リテラシー研修のカリキュラムには、以下のような項目を含むとよいでしょう。

  • SNSの使い方
  • 個人情報の取り扱い方
  • コンテンツの著作権(画像、動画、引用など)
  • 情報セキュリティ(分類、パスワード管理など)
  • ウィルスについて(ウィルスの種類、被害の実態、感染時の対応方法など)
  • インターネットの危険性(フリーwifi・添付ファイル、フィッシングメール、ハッカーの手口など)

また、企業のSNSガイドラインを全社で共有し、浸透させることも重要です。適切なSNSの投稿方法やリスク管理の方法などを学ぶことで、炎上リスクを軽減できます。

X(旧Twitter)運用の方向性を明確にする

公式アカウント運用の方向性を明確にすることは、炎上リスク対策につながります。アカウントを作成する段階で、目的や目標、投稿内容の方向性、表現の仕方などを定めておくとよいでしょう。たとえば家電メーカーの方向性であれば、顧客へのサポートのために家電の機能を上手に使う方法を発信する、目的はロイヤルティの醸成、自社コミュニティへの参加促進などが考えられます。

担当者に一任すると属人化してしまうため、チームで方向性を決めることが大切です。

投稿内容を複数人でチェックする

X(旧Twitter)に投稿する内容を複数人でチェックすることで、炎上のリスクを抑えられます。

投稿内容から受け取るメッセージは個人の感覚で異なります。担当者が問題ないと思っていても、人によっては不快に感じ炎上につながることもあるでしょう。「いいね!」や「リポスト」数をかせぎたいために、内容が過激になってしまう投稿も少なくありません。

投稿前には、不適切な発言ではないか、誤解を招く表現がないかなどを複数人でチェックすることをおすすめします。そうすることで多様な視点から投稿内容を確認でき、よりリスクの少ない運用ができます。

誤爆を防ぐアカウント管理を行う

従業員が個人のアカウントで公式アカウントを運用していると、誤ってプライベートな内容を投稿してしまい、誤爆してしまう可能性も高まります。そのため、従業員個人のアカウントと、企業の公式アカウントはしっかりと切り分けて運用することが重要です。

公式アカウント専用のスマートフォンを用意する、公式アカウントは会社のパソコンでのみ操作できる環境にするなどの対策を講じると、誤爆のリスクはほぼなくなるでしょう。

リスクへの対応フローを策定しておく

X(旧Twitter)は拡散力の高いSNSです。炎上の火種を見つけた時の対応が遅れてしまう、また、不適切な対応により本格的な炎上につながるなどのリスクがあります。

炎上リスクのある投稿を発見した際の対応マニュアルを策定しておくことで、スムーズかつ適切な対応を取ることが可能になります。対応フローや役割の明確化を行い、実際にリスク投稿を発見したケースや、投稿が拡散されてしまい、炎上した場合を想定して訓練しておくとよいでしょう。

ソーシャルリスニングでSNSを監視する

炎上を未然に防ぐためには、ソーシャルリスニングの活用が効果的です。ソーシャルリスニングとは、SNS上の消費者の声を拾い集めて分析するマーケティング方法を指します。

炎上対策においては、自社の製品やサービスに関する投稿の急増を迅速に見つけることが急務です。ソーシャルリスニングを活用することで炎上しそうな投稿を見つけやすくなり、迅速な対応が可能となります。

ただし、手作業で消費者の声を拾い上げるのは、効率・精度の面からもあまりおすすめできません。専用のソーシャルリスニングツールを活用することで、効率的かつ高い精度で投稿を監視できます。

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X(旧Twitter)が炎上した際の対処法

万が一、X(旧Twitter)が炎上した際には迅速な対応が必要です。ここでは、炎上した際の対処法を解説します。

事実確認を行う

炎上してしまった場合には、まず事実確認を行い、それに応じた対応を検討しましょう。事実確認をせずに誤った対応をすると、さらなる炎上につながる恐れがあります。

どのような内容の投稿であるか、ユーザーはどのように受け取っているのかを明確にし、状況を整理することが大切です。担当者の話を直接聞き、正確に事実を把握したうえで、謝罪などの対応に進むべきです。

いざ炎上してしまうと焦ってしまいますが、客観的な視点を持って冷静に対応することが必要です。

状況に応じて説明や謝罪を行う

事実を確認した後に、状況に応じて説明や謝罪を行います。企業側に非があれば、率直に謝罪しましょう。訂正が必要な部分があれば、あわせて説明することも大切です。説明する際には、言い訳や責任転嫁にならないよう注意します。

また、謝罪する段階で投稿を削除するのは、炎上を大きくする恐れがあるため、避けたほうがよいでしょう。焦って問題となった投稿をすぐに削除してしまうと、隠ぺい行為と捉えられる可能性があります。また、たとえ投稿を削除したとしても、ユーザーのスクリーンショットなどで残るケースもあります。

謝罪や企業側の対策を発表し、状況が少し落ち着いてから削除するほうが安全です。

風評被害の場合は削除依頼や法的手段も検討する

他ユーザーの投稿により炎上し、かつ内容が事実と異なる場合は、投稿の削除依頼や法的手段を取ることも検討します。

投稿の削除は、該当の投稿を公開しているメディア・サイト運営者に依頼します。依頼する際には、個人情報保護法やプロバイダ責任制限法といった法令に抵触することを明示することが重要です。

また、投稿が名誉毀損や誹謗中傷に該当する場合や、削除依頼に応じてもらえない場合などは、法的手段も検討すべきでしょう。

風評被害の場合、上記の対応と共に、風評被害であることを積極的に発信したり、顧客からの質問に真摯に対応したりなどで、状況の改善に取り組むことも大切です。

運用方法を見直す

炎上の対応後は、再発防止のために社内で話し合い、運用方法を見直すことが大切です。炎上の原因を明確にし、社内のSNSガイドラインや運用マニュアルなどに対策を盛り込みます。あわせて、ルールを社内にしっかりと浸透させることも重要です。

また見直しをきっかけに、他に考えられるリスクがないか社内で意見を出し合い、より安全な運用方法を構築することも大切です。

X(旧Twitter)の炎上対策に有効なNTTコム オンラインの「Buzz Finder」

「Buzz Finder」は企業のリスク・炎上対策やVOC(Voice of Customer:顧客の声)分析に活用できるツールです。

X(旧Twitter)公式全量の投稿をほぼリアルタイムで収集・分析でき、炎上などによりツイートが急上した際にはすぐにアラートメールでお知らせします。SNS上の異変を検知してすぐに通知が届くため、迅速に炎上への対応ができ、顧客の不満を即座に把握・改善することができます。

また、前日の主な話題やツイート量をメールで配信するため、ツールにログインせずに顧客の声を収集することも可能です。さらに、イベントプロモーションの把握やポジネガ分析などの便利な機能も備えています。

導入事例|情報通信サービス業 様

情報通信サービス業様は、以前以下のような課題をお持ちでした。

  • 万一ネットで炎上した際、SNSの反応を踏まえてメディア対応に備えたい(広報)
  • SNS上のお客様の声をサービス改善に活用したい(顧客サービス)
  • トラブル・炎上時の入電影響を事前に把握しておきたい(お客様センター)

ソーシャルリスニングツール「Buzz Finder」を導入後は、以下のような効果を実感されています。

  • 迅速なプレスリリースやメディア対応が可能になった(広報)
  • SNSで拾ったお客様の声を全社で共有でき、社員の意識が変わった(顧客サービス)
  • ソーシャルの反応を定点把握できることで、対応力が上がった(お客様センター)

対策・対処法を策定してX(旧Twitter)の炎上リスクを軽減しよう

X(旧Twitter)はSNSの中でも拡散力が高いプラットフォームのため、一度の炎上で企業活動に致命的な影響を与えてしまいます。投稿を行う際には慎重に、不適切な発言や情報漏洩などに十分気をつけましょう。炎上リスクを防ぐためにも、日頃からしっかりと対策をし、万が一炎上してしまった場合には迅速な対応を取ることが求められます。

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