2021/08/18

データによる生存競争:新しいダーウィニズムの形

企業は短命化している

1950年代、企業の平均持続年数は約60年でした。それが2017年には、20年以下と大幅に短命化しました。その後のパンデミックと経済活動の停滞により、企業の短命化はますます加速するでしょう。

しかし、一方では業績を落とさないまま経営を続けている企業や、他社よりも素早く経営回復しつつある企業も存在します。そうした成功を勝ち得た企業の共通点は何でしょうか?

それは、データからビジネスバリューを引き出す能力です。データは顧客満足度の向上、オペレーションの最適化、ビジネスモデルの変革や製品のイノベーションなど、今日の変化の激しい経営環境やテクノロジーの変化への対応に役立ちます。

TIBCOの最近のレポート「How CDO Turn Data into Competitive Advantage(英語)」では「IDC (International Data Corporation)の最近の調査によると、2023年までに約200ゼタバイト (2千億TB)の新しいデータが作成される」と述べられています。同時にIDCは、作られたデータの21%しか分析されていないと推定しており、データドリブンな企業にとって見逃すことができない未開拓の領域となっています。

データドリブンな競争をダーウィニズムの視点から捉える

ダーウィニズムとはよく知られるように「個体の競争力、生存力、繁殖力を向上させる小さな突然変異による自然淘汰」です。

つまり、最も現在の環境に適した者が生き残るのではありません。今日のパンデミックにような事態におけるビジネスやテクノロジーの激変などの変化に最も追随できるものが生き残るのです。

今、あなたのビジネスは変化に素早く適応することができていますか?それとも古い手法に固執するあまり他の企業に適応力で差をつけられ、絶滅の危機に瀕しているでしょうか?

厳しい時でもデータへの投資は止めてはならない

経営的に困難な状況に陥ったとき、あるいは何らかの手に負えない事態が発生したとき、データへの投資が最初に削減されがちです。もちろん、経営には慎重さや、十分な調査に基づくコスト削減も重要です。しかし過剰な反応をしないことも重要です。

マッキンゼーによると「業績を上げている企業は、そうでない企業に比べて『データ&アナリティクスに関する取り組みによって、利益(EBIT)が20%以上改善した』という回答が約3倍ある」ということです。

データ&アナリティクスだけで利益の20%向上は驚異的です。データ&アナリティクスへ継続投資する必要性を示す重要な証拠といえます。

より深いインサイトを提供する新しいタイプのアナリティクスは、新たな機会の発見に役立ちます。新しいタイプのインサイト、つまり自動化され、リアルタイムで、予測そしてアクションにつながるインサイトは、生存競争に勝ち抜き、さらに成功するためにも必要不可欠です。

データへの投資に賛同を得るために

データのビジネスバリューの意味は、ステークホルダーによって異なります。正しく推進するためには、ストレートに以下のような問いかけましょう
我々の提供する顧客体験で、どのようにして競合他社に勝てるのか?
ビジネスプロセスをさらに効率化する余地はどこにあるか?
革新的な新製品をより早く市場に投入するために、何をすべきか?
もし行動しなければ、どのような機会損失があるだろうか?

このような質問に対する答えが得られれば、それはそのままデータへの継続的な投資が企業の成功に必要だという根拠になるはずです。継続的な投資がなければ、新しいテクノロジーを活用する機会を逃し、変化への対応に必要な改革が困難になり、競争に耐えられなくなっていきます。適応できないということは、組織の衰退を加速することにつながります。

「10 Factors Impacting Your Data and Analytics ROI(英語)」を読んで、ビジネスケースの作成にお役立てください。

Bob Eve

本ブログは2021年5月17日にBob Eveが執筆した“Competing Through Data: A New Form of Darwinism”の日本語翻訳です。原文(英語)はこちらをご覧ください。

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