2021/08/11

データファブリックとは何か?なぜ必要なのか?

データソースの増加、データサイロの増加、複雑性の高まり、そして絶え間ないのない変化。現在のこうした状況に、従来のデータ基盤では対応することが困難です。今日のデータドリブンな企業にとって、経営リスクにつながる大きな問題となりつつあります。
こうした問題に対応すべく、データドリブンな企業はデータファブリックを導入しています。データファブリックは、今日のデータマネジメント分野のアナリストやベンダー界隈で最も注目されている用語であり、データ&アナリティクスの分野で最も成長しているトレンドの1つです。

データファブリックとは?

データファブリックとは最新の分散型データ基盤です。データが共有化され、最適化されたデータファブリック・パイプラインで連携することで、さまざまな今日のデータ問題に統一的な対処をすることができます。

本当に対処できるのか

しかし、企業におけるデータ需要は爆発的に増加しており、手に入るデータはますます広範かつ複雑になっています。そんな状況で、データファブリックはどのようなデータやデータソース、それにユースケースに有効なのか?以下のリストをご覧ください。

あらゆるユーザーとユースケースが必要とするデータ:アナリティクス、オペレーション、ガバナンスなど幅広いユースケースに向けて、タイムリーで整合性があり、信頼できるデータを提供します。データはビジネスユーザーがセルフサービスで取得可能です。
あらゆるデータソースからのデータ:メタデータとモデル、そしてパイプラインを活用し、あちらこちら分散したデータ配置を、伝票であれリアルタイムデータであれ、自在にアクセスし、統合し、変換することが可能です。
あらゆる環境に対応するデータ:オンプレミス、ハイブリッド、マルチクラウドなどあらゆる環境に置かれたデータを活用します。

データファブリックと他のデータ基盤との違い

データファブリックは、今日のより広範囲に分散したデータをすべて対象として、現代的なデータマネジメントおよびデータ統合機能を適用することができます。データファブリックを構築することで以下のことが可能になります。

より多くのユースケースをサポート:アナリティクス、オペレーション、トランザクション、ガバナンス、セルフサービスなどさまざまなユースケースで使用するデータをすべて、単一の情報源として一元管理することができます。
より多くのデータタイプと方法に対応:オンプレミス、クラウド、IoTデバイス、およびサードパーティのデータソースなどから得られる、伝票データおよびリアルタイムデータに対応します。
データファブリック・パイプラインを最適化:データファブリックはインテリジェントなデータマネジメントおよびメタデータマネジメントの機能を備え、データの流通および配信までのパイプラインを最適化します。
柔軟な拡張性:データファブリックは段階的な拡張が容易です。分散したオンプレミス、ハイブリッド、マルチクラウド環境に対して順次、展開することができます。

データファブリックがもたらすビジネスバリュー

データファブリックは技術的な観点では理にかなっていますが、実際のビジネスケースは個々に検討する必要があります。データファブリックは様々な方法でビジネスバリューを提供します。

データドリブンなビジネスを加速する:最新の分散データ環境、共有データ資産、多種多様なユーザーやユースケースに対して、データファブリックによるデータ流通プロセスを最適化します。
Time to valueを加速する:オンプレミス、クラウド、ハイブリッドクラウド環境に分散しているデータを所在にかかわらず利用可能にし、ビジネスの要求するスピードで提供することで、Time to Valueを短縮します。
タイムリーで整合性のある信頼できるデータでユーザーを支援:データアクセスを民主化することで、ビジネスユーザーは迅速かつ正確な意思決定に必要なすべてのデータを得ることができます。
ビジネスプロセスの最適化:ビジネスプロセスで求められるタイムリーなデータを提供することで、生産性と効果を最大化します。
テクノロジーイノベーションのメリットを素早く手に入れる:新たなデータ&アナリティクステクノロジー(データサイエンス、リアルタイムデータ、クラウドなど)を素早く取り入れることができ、競合他社に先んじることができます。
時間とコストを削減:AI/ML、ビジネス向けのセルフサービス機能を組み込んだインテリジェントな機能群を最適に組み合わせることで、データとメタデータの管理、統合、配信のパイプラインを整流化します。
データガバナンスの確保と守秘義務要件への準拠:適切なデータガバナンス、コントロールによって、適切なデータを適切なタイミングでセキュアに提供し、また規制の変化にも素早く対応することができます。

次のステップ

データファブリックとその必要性を学んだ後の次のステップは、データファブリックを評価する方法です。ここではいくつかのリソースをご紹介します。

Data Fabrics for Frictionless Data Access(英語)
10 Things You Need to Know About Data Fabrics(英語)

Bob Eve

本ブログは2021年6月2日にBob Eveが執筆した“What is a Data Fabric and Why Would You Want One?”の日本語翻訳です。原文(英語)はこちらをご覧ください。

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