データサイエンティストとは?
資格や仕事内容、将来性を解説

データサイエンティストは、企業が抱える問題を解決するために、大量のデータを分析し、そこから有益な情報を見つけ出す専門家です。 数学や統計学、プログラミングなど、幅広い知識とスキルを活用し、ビジネスの意思決定をサポートします。

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データサイエンティストとは?

データサイエンティストとは、ビジネス課題を解決するために、データ活用のさまざまな専門知識とスキルが必要な職業です。彼らは数学者のようにデータを分析し、ビジネスアナリストのように課題を理解し、コンピュータサイエンティストのようにデータを管理します。データサイエンティストはデータ内の隠れたトレンドやパターンを見極め、実用的で成果のある情報を提供します。彼らはビジネスにおいて重要な役割を果たし、私たちの働き方に変革をもたらしています。

DATA SCIENTIST

データサイエンティストの歴史

データサイエンティストの歴史は、2001年にコンピュータサイエンティストのウィリアム・S・クリーブランド氏が「Data Science: An Action Plan for Expanding the Technical Area of Statistics」という記事を書いたことから始まります。この記事では、データサイエンスが応用統計学の一分野として紹介されました。それからわずか20年しか経っていませんが、テクノロジーやビジネスの世界は急速に進化してきました。

データサイエンティストは比較的新しい職業であるため、さまざまなバックグラウンドや専門分野から集まっており、多くの人が統計学者、数学者、またはデータアナリストとしてキャリアをスタートさせています。しかし、コンピュータや人工知能(AI)、データ学習ツールの活用が一般的になるにつれ、その役割は進化しています。データサイエンティストはもはやIT部門にとどまらず、ビジネス全体にとって不可欠な存在となっています。データサイエンティストの役割は拡大し、ビジネスに極めて重要な影響を与えるため、論理的かつ革新的な思考力を持ち、データから得られるインサイトをビジネス戦略に反映できる人材が求められています。

データサイエンティストに必要な資格とは?

ここ10年間で、大学や高等教育機関ではデータサイエンティスト向けの専門コースが多数開設されてきました。この業界で働きたい方は、多くの大学でデータサイエンスの学士号または修士号を取得することができます。

データサイエンティストが受講するコースでは、通常、統計モデリング、データ管理、データ可視化、機械学習、ソフトウェアエンジニアリング、データ倫理、研究デザイン、そしてユーザーエクスペリエンスなどをカバーしています。彼らはSQL、Python、Perl、Rなどのプログラミング言語を学び、また、Hadoop、Pig、Spark、Hive、MapReduceなどにも精通することになります。

ただし、より多くのオープンソースソフトウェアが利用可能になり、より多くのデータサイエンスツールが商用化されると、今日学んでいる内容がすぐに陳腐化してしまう可能性があります。そのため、データサイエンティストには常に業界内で新しいスキルや技術を学び続ける必要があります。

データサイエンティストには学位以上のものが必要

優れたデータサイエンティストは好奇心旺盛で、新しい情報やビジネス上の課題に対する新しいアプローチを常に求めています。直感が強く、証拠を求める習慣も、データサイエンティストにとって優れた特性です。彼らはゼロから答えを見つけ出すクリエイティブさを持ち、インサイトと結果を絶えず追い求める必要があります。

データサイエンティストには、特定の業界やドメインにおける深いビジネス知識も欠かせません。データとプログラミングに関する知識があることはもちろんですが、データから得られたインサイトをもとにビジネス戦略を立てる力をもつことは全く別ものです。彼らには、ビジネスのリスクと機会を見極め、データを活用してビジネス成長のための戦略を提供する能力が求められます。例えば、特定の天候状況で人々がより多くの商品を購入することを知ることも重要ですが、それをどのようにビジネスで活用できるかはまた別の要素です。データサイエンティストの役割は、こうした問いに答えを見つけ、ビジネスを常に新たな高みへと導くことにあります。

優れたデータサイエンティストには、優れたコミュニケーションスキルも不可欠です。ステークホルダーやマネージャーに結果を明確に説明し、データが不完全だった理由や解決するために何が必要かを明示できることも必要です。そして、その結果に基づいた最善の行動方針を提案するスキルも求められます。新しいプログラムや技術は変わるかもしれませんが、批判的思考(クリティカルシンキング)や特定のドメインに関するスキル持つことは常に求められるでしょう。

データサイエンティストの仕事内容とは?

データサイエンティストはデータを取得し、仮説や推論を立て、そのデータ内のパターン、関係性、トレンドを検出するために機械学習を使用します。日常的には、以下のような仕事があります。

  • データセットの分析
  • データのクレンジング
  • ダッシュボードやレポートの作成
  • データの可視化
  • 統計的な推論の実行
  • 統計モデルの開発
  • 複雑な予測モデルの作成
  • 統計ツールの使用
  • 分析結果をステークホルダーに報告
  • 意思決定者の説得

大手小売企業では1日に最大40ペタバイトのデータを生成することがあります。データサイエンティストはこのデータを活用して、人々が特定の商品をいつ、どこで購入するかを予測することができます。これにより、最大の売上を得るためのイベントやセールの計画を立てたり、利益を最大化しつつ在庫を効率的に動かすことが可能となります。

データサイエンティストは通常、ビッグデータから有益な情報を抽出するためにチームで働きます。また、データ収集の方法やデータの解析、その分析結果について経営陣にアドバイスをすることもあります。2017年の調査によれば、データサイエンティストは、彼らの時間の80%をデータ管理に費やしていることがわかりました。これは、データの発見、クレンジング、整理などの作業に大半の時間を費やしており、実際の分析に使える時間はわずか20%ということになります。しかし、これも変化しています。自動機械学習(AutoML)やディープラーニングの登場により、データサイエンティストはデータクレンジングや整理の多くを自動化できるようになり、分析により多くの時間を割くことができるようになっています。

データサイエンティストの役割はなぜ重要なのか?

ビジネスにとって、データサイエンティストは非常に貴重な存在です。彼らは数百万、数十億ものデータポイントを取得し、それを重要な情報に変換して、ビジネスの成長や存続につながる予測を行います。業界別のデータサイエンティストの例を見てみましょう。

マーケティングの最適化

マーケティングにおいてデータサイエンティストは欠かせない存在です。例えば、データサイエンティストは、解約するリスクが高い顧客を抽出し、事前にビジネスサイドに共有することができます。
マーケティングでは、新規顧客を獲得するためのコストは、既存顧客を維持するためのコストを大幅に上回ることはよく知られています。データサイエンティストによって共有された情報により、チームは戦略を見直し、顧客とコミュニケーションを取り、顧客維持に務めることができます。

医療

医療分野は、データサイエンティストにとって多くの機会がある重要な分野です。適切な人員配置やスケジュール管理、患者行動が影響を及ぼすような服薬維持・管理など、データサイエンティストはビジネスの実践や健康状態の改善に大きく貢献することができます。

不正検知

保険業界や銀行では、データサイエンティストにより不正リスクを特定することで、年間数十億ドルを節約しています。例えば、顧客がローンを申請する際、顧客に関する多くのデータポイントが収集されます。これらの情報は、過去の不正行為に関する既知の情報と比較され、即座に顧客に潜むリスクを検知し、アドバイスを行うことができます。

データサイエンティストになるには?

論理的な頭脳を持ち、数字を扱うことが得意で、コンピュータ作業が好きで、ビジネスをよく理解している方は、データサイエンティストを目指しているかもしれません。
データサイエンティストになるための最初のステップは、コンピュータサイエンス、統計学、または関連分野の学士号を取得することです。この学位を取得することで、次のようなスキルが身につきます。

  • 数学(統計学)
  • プログラミング
  • データベース、データレイク、分散ストレージ
  • データクレンジング技術
  • データ可視化とレポーティングスキル

学士号では入門レベルの知識は得られますが、この分野が成長するにつれ、より多くの資格や専門知識が必要となります。データや関連分野の修士号の取得や、興味のある特定のビジネス領域をより深く掘り下げて理解することも検討してみてください。

必要な資格を取得したら、次に、興味のある分野で実務経験を積むことが重要です。医療、マーケティング、政府など、いずれも専門性を高めるには最適な分野です。
データサイエンティストのスキルは教えることができますが、データと現実世界の関係性を理解し、実際のビジネスや現実の問題解決に応用する方法を理解するには、経験と時間が必要です。

データサイエンティストが直面する課題

データサイエンティストは、比較的新しい職業であるため、まだまだ多くの課題に直面しています。現時点では、データサイエンティストは男性が主導しており、STEM(科学、技術、工学、数学)分野の他の職業と同様に、女性が参入し、キャリアを維持するためには、時として新たな課題が待ち受けている場合があります。2019年時点では、データサイエンティストのうち女性の割合はわずか18%でした。アルゴリズムは人間によって作られているため、このように多様性が欠如してしまうと、バイアスの影響を受けやすくなるという問題が出てきます。例えば、銀行では融資を受ける際に、独身女性であることが不利になることがあります。しかし、実際のデータからは女性の方が男性よりもローンの返済能力が優れていることが示されています。銀行は優良顧客を逃し、女性の経済的安定と自立の機会を奪っている可能性があるのです。多様な労働力を確保することは、こうしたバイアスに対抗するのに役立ちます。

新しい業界であるため、統一された用語や標準的な実践方法の整備にも苦戦しています。これらの基準はステークホルダー、データサイエンティスト、そして立法者の合意形成が必要であると言われていますが、現時点ではまだ基準は確立されていません。

また、簡単に解釈できる「説明可能なAI」の普及も進んでいます。オピニオンリーダーたちは、予測は何もないところから引き出された数字ではなく、機械学習モデルの背後にあるロジックを追跡して、簡単に説明できるようにすべきだと考えています。

現在のデータサイエンティストの展望

データサイエンティストは、多くのSTEM関連の職業と同様に、高い人気を誇り、重宝される人材です。現在、適切な分析スキルを持つ有能なデータサイエンティストが不足しています。平均よりも年収が高く、市場の急速な成長とデータサイエンティストに対する価値の理解が高まっているため、今後は雇用における選択肢が多くなることが期待できます。2018年時点では、15万1,000人のデータサイエンティストが不足しているというデータがあり、これは市場が急成長しているということ、それに伴い将来的な需要も伸び続けると言えます。
特に、特定の分野や産業において数的に不足している、または適切に代表されていない過小評価グループの人々がこの分野に参入することが奨励されています。一部の大学では、こうした過小評価グループの方がデータサイエンスプログラムに参加するためのインセンティブを提供しています。企業も偏りのない公正な成果を得るためには、労働力の多様性が必要であると認識しており、データサイエンティストは魅力的で安定した雇用を得るための選択肢の一つとなっています。

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