パレート図とは?
ビジネスにおける分析事例と注意点を解説

「売上の80%は上位20%の顧客が生み出している」「製品の不具合の80%は特定の20%の工程で発生している」といった現象を視覚的に表現し、重要な問題解決や意思決定に役立つ分析方法が「パレート図」です。
「製品の品質管理」「顧客からのクレーム分析」「営業戦略」など、様々なビジネスシーンで活用されています。この記事では、パレートの法則、ビジネスへの活用事例に基づき、作成方法から注意点までを解説します。

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パレート図とは?

パレート図は、どの要因が結果に最も影響を与えているかを理解するのに役立つ強力なツールです。これは、「結果の 80 パーセントが原因の 20 パーセントから生じる」というパレートの法則に基づいています。パレート図は、この法則をグラフィカルに説明しています。

パレートの法則

この原則は、80/20 ルール、重要な少数の法則、要素希薄性の原則としても知られています。ジョセフ・ジュランは 1937 年にこの概念を公表し、19世紀後半にこの現象を最初に記録した有名な経済学者、ヴィルフレド・パレートにちなんでこの法則に名前を付けました。

この法則の本質は、多くの減少において、わずか20%の要因が全体の80%の結果を生み出すということです。最初の観察は、人口と富に関するものでした。パレートは、イタリアの土地の80%が人口の20%によって所有されていることを発見しました。他の国々での調査でも、同様の分布パターンが明らかになりました。

また、この富の分布は現在でも当てはまります。1992年に国連開発計画が発表した報告書によると、世界の人口の20%が所得の約80%を獲得していることを明らかにしました。この驚くべき不平等な分配は、ビジネス、テクノロジー、スポーツ、安全性など、人間活動のほぼすべての領域に適応できます。

スポーツ

野球選手の15%が、勝利の85%を生み出しており、これはすべてのスポーツに当てはまると理論づけられています。また、トレーニング方法の20%が成果の80%を生み出すとも言われています。

コンピューティング

Microsoftは、報告されたバグの20%を修正することで、エラーの80%を解決できることを発見しました。つまり、コードの20%にエラーの80%が含まれているということです。逆に、最も難しいコーディングの20%に、開発者の時間の80%が費やされていることもわかっています。

安全性

労働安全衛生の専門家は、危険の20%が傷害の80%を引き起こすことを認めています。

健康と社会福祉

患者の20%がリソースの80%を使用していますし、犯罪の80%は、20%の犯罪者によって引き起こされています。このリストは、人間のあらゆる属性にわたって適用されます。

ビジネスにおけるパレートの法則の適用

パレートの法則は、ビジネスの世界でも同様に適用されます。営業担当者の20%が売上の80%を生み出し、20%のマーケティングキャンペーンが、80% の結果をもたらします。工場では20%のプロセスが80%の欠陥の原因となり、クレームの80%もまた20%のプロセスに起因しています。基本的に、ビジネスのほぼすべての側面がこのルールを反映しており、このルールを表示するグラフは、組織が問題を特定し、解決するのに役立ちます。

基本的に、何かの20%が最も良い結果をもたらすことがわかっていれば、時間、エネルギー、お金を無駄にするのではなく、その20%にさらに多くのリソースを投入できます。パレート図で、ビジネスの80%がFacebook広告から来るものであることが分かれば、どこに力を注ぐべきかがわかります。

パレート図を使用するタイミングとは?

パレート図は、次のような場合に最適です。

  • 重要な問題を関係者に簡単に伝える必要がある
  • タスクに優先順位を付ける必要がある

パレート図には、期間、コスト、頻度のデータが必要です。また、発生した期間も必要です。データの頻度は左側の軸に表され、問題やその他の測定値は横軸に棒で表されます。折れ線グラフで表される累積パーセンテージ曲線の目盛りは右側にあります。

よりわかりやすくするために、20%のデータは、別の色で強調表示したり、ラベルを付けて、注意が必要な領域であることを示すことができます。

パレート図の作成方法

パレート図は基本的には、折れ線グラフが重ねられた縦棒グラフです。棒には左側の軸に沿ったデータが表示され、折れ線は右側の100%までの軸上のパーセンテージが表示されます。

たとえば、ある企業が電気店で最も多くのお金を使った顧客の年齢を分析した場合、年齢ごとに棒グラフが表示されます。パレート図では、常に最も大きな項目を左に配置し、残りの棒グラフは左から右へ降順で配置します。次に、折れ線グラフは左下から始まり、グラフの右上で100%に達するまで累積的に大きくなります。

製造業では、これと同じ方法で、欠陥の種類の頻度をプロットできます。1つまたは2つの製品の製造エラーを解決すると、大量の欠陥が解決されることがすぐに明らかになります。

パレート図の代替手法

パレート図に代わるものはありませんが、問題に対処する総合的な方法の一環として、パレート図を含む 7 つの基本的な品質管理ツールがあります。

  • チェックシート:データを収集して分析するための構造化された方法を提供します
  • 管理図:プロセスが時間の経過とともにどのように変化するかを調べます。
  • ヒストグラム:データセット内の値がどのくらいの頻度で発生するかなどの頻度分布を表示します。
  • パレート図:要因の重要性を示します。
  • 散布図:関係性とパターンを特定します。
  • 特性要因図:特性と要因の関係を系統的に線で結んで(樹状に)表します
  • グラフ:データセット内のある変数でサブグループに分割し、サブグループどうしをグラフで比較観察します。

これらのツールを組み合わせて使用することで、組織の品質を保証する基盤が形成されます。

パレート図の利点

問題解決に焦点を当てる

組立ラインに100個の製品があり、さまざまな欠陥、不具合、問題がある場合、どの問題から先に解決すべきか、どのように判断すればよいでしょうか。パレート図では、最大の問題がすぐにわかるため、最初に解決すべきプロセスまたは製品がわかります。1つの欠陥部品が問題の大部分を占める場合、修正の優先順位付けが容易です。

機会を与える

パレート図は、欠点や問題点だけでなく、強みを特定するためにも使用できます。そこから、強みを活用する計画を立てることができます。たとえば、トップセールスマンや最も優秀な支店に、成功の背景にある実践方法を尋ね、それを他の支店でも再現できるようにするのです。また、チームが部分的に効果的であれば、そのテクニックや方法を会社全体に展開することができます。

意思決定の強化

リーダーシップチームは組織にとって最善の選択をしたいと考えていますが、何が最大の影響を与えるかを把握するのは難しい場合があります。 機械学習 と人工知能は別として、パレート図は最も役立つツールかもしれません。最大のメリット (または問題) がどこで発生するかを明確に把握できれば、効果的でデータに基づいた的を絞った決定を下すことができます

パレート図の欠点

根本原因の分析は無い

パレート図は結果を示しますが、データの背後にある原因をはっきり見る方法ではありません。たとえば、会社の特定の部門の業績が非常に好調だったとしても、その根本理由をグラフから簡単に理解することはできません。

【解決策】

分析と数値が確定したら、これらの結果がどのように発生したかを示す徹底的な調査を行う必要があります。なぜその支店は成績が良かったのか? 工場で製品の製造時に特定の部品が常に壊れるのはなぜか?これらの疑問に答えるためには、パレート図で特定された傾向の背景になる根本理由を深く掘り下げる追加の調査が不可欠です。

定量データは無い

パレート図は、純粋に定性的なものです。欠陥や問題の重大度を示すものはありません。そうした情報を見つけるには、徹底的に調査し、分析する必要があります。

過去のデータのみ表示

パレート図には過去のデータしか表示されません。損害や問題はすでに発生しており、変更することはできません。また、このデータに基づいて行われた変更が、必要な肯定的な結果をもたらすかどうかは正確には予測できません。たとえば、機械学習を使用すると、X を変更すると、Y も影響を受けるという予測にも役立ちます。

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