2020/12/21

R連携

TERR連携-1(Rの分析結果を取得する)

SpotfireではTERRと呼ばれるR言語のランタイムエンジンが搭載されており、単体でR言語を走らせることができます。今回はTERRをテーマに3回に分けて説明します。第1回目は、TERRに関する概要と、TERRのデータをSpotfire本体側で取得するSpotfireとの連携方法について説明します。
なお、本コンテンツで利用したSpotfireのバージョンは10.10/11.4です。ご利用環境によって、一部画面構成が異なりますので、ご了承ください。

探索的分析/原因分析の領域で
高い評価と実績
TIBCO Spotfire

TIBCO Spotfire®は分析に必要な機能を単一製品でカバーするビジュアルアナリティクスツールです。

TERRとは

TERRは「TIBCO Enterprise Runtime for R」の略で、R言語のランタイムエンジンです。このエンジンを使用することで、Spotfireの可視化と高度な統計解析、数理モデルを用いた分析が可能になります。
TERRを利用するためには、TERRとSpotfire本体との連携が必要となります。次の3つの操作を紹介します。

1. TERRのデータをSpotfire本体で取得する
2. Spotfire本体からTERRにパラメータを渡す
3. Spotfire本体からTERRにデータテーブルを渡す

本コンテンツでは、「1. TERRのデータをSpotfire本体で受け取る」について記載します。

事前準備

まず初めに、SpotfireにバンドルされているTERRを使用する設定になっていることを確認します。Spotfireを起動後、「ツール」メニューから「オプション」を選択してください。「オプション」ダイアログが表示されますので、「データ関数」タブを選択してください。

画面の中段に「ローカルにインストールされたTIBCO Enterprise for Rを使用」というチェック項目があります。この項目がチェックされていることを確認し、「OK」でダイアログを閉じてください。

次に、「ツール」メニューから「TERRツール」を選択してください。

「TERRツール」ダイアログが表示されます。「ローカル TERRエンジンのパス」項目が自身のクライアントPC端末のファイルパスとなっていることを確認してください。問題なければ、「閉じる」をクリックしてダイアログを閉じてください。これで事前準備は完了です。

データ関数

このセクションのゴールは、TERRで作成したデータをSpotfire本体で受け取り、データテーブルとして表示することです。これを実現するには、R言語で作成したスクリプトを含む関数を、Spotfireに登録する必要があります。この機能をSpotfireでは「データ関数」と呼んでいます。データ関数を登録するステップをご紹介します。

Rスクリプトの登録

まず、Spotfireの「ツール」メニューから「データ関数を登録」を選択してください。「データ関数の登録」ダイアログが表示されます。

中段の「タイプ」を「R スクリプト – TIBCO Enterprise Rutime for R」に選択してください。

今回は正規分布に従ったランダムな値を100件発生させ、そのデータをSpotfire本体に渡します。
「スクリプト」タブを選択し、余白に下記のRコードを挿入してください。このコードはrnorm_datatableに100件のランダムな値を格納するソースコードとなっています。

rnorm_datatable = rnorm(100)

次に、「出力パラメータ」タブを選択してください。ここでは、Rスクリプト上で作成したデータをSpotfire本体に渡す設定をします。画面右側の「追加」ボタンをクリックします。

出力パラメータの設定

「出力パラメータ」ダイアログが表示されました。先程作成したrnorm_datatableというR上のテーブルデータを、rnormという名称でSpotfire側に渡す設定を行います。以下のとおり入力し、「OK」でダイアログを閉じます。

 
設定項目 概要
結果パラメータ TERRから取得するパラメータ名 rnorm_datatable
表示名前 出力パラメータでの表示名 rnorm
タイプ 結果パラメータのデータ形式
(値、カラム、テーブル)  
テーブル

1つ前のダイアログに戻り、「パラメータ項目」に登録した出力パラメータが登録されていることがわかります。それではこのスクリプトを実行するために、ダイアログ右上の「実行」ボタンをクリックしてください。

パラメータの編集

「パラメータの編集」ダイアログが表示されます。ここでは、TERRから渡すパラメータをSpotfire本体側でどのように受け取るかを指定します。
中段の出力パラメータでは、先程設定したrnormがテーブル形式のデータとして認識されています。
「出力」タブを選択し、出力ハンドラで「データテーブル」を選択してください。Spotfire側でデータテーブルとして受け取ることができます。
「新しいデータテーブルの作成」が選択されていることを確認し、「OK」をクリックしてください。これでスクリプトが実行されました。

Spotfireでのデータの確認

Spotfireの左中段画面のノートマークをクリックし、インポートされているデータを確認してください。rnormが確認できますので、データテーブルで表示させてください。テーブル名がrnormとなっており、100件の乱数が生成されていることがわかります。

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