2022/11/22

インサイドセールスとは?基礎知識から重要性、効果的な利用方法までわかりやすく解説

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、マーケティング・営業プロセスの一貫で見込み客(リード)に対して非対面でおこなう営業手法です。電話やメールなどで見込み顧客(リード)とコミュニケーションをとり、顧客関係性を維持・強化をおこないながら案件化機会を創出することをミッションとしています。

インサイドセールスは、国土が広く訪問営業が困難なアメリカで発祥した手法です。1980年代の欧米でテレマーケティング(テレアポ)と区別し、より複雑でハイタッチな電話ベースの営業手法として登場しました。その後、欧米企業中心に発展をしてきましたが、近年は人的リソースの効率化やDXの推進により日本でも普及が進んでおり、昨今のコロナ渦により更なる普及が加速してきています。

HubSpot (Source: https://www.hubspot.jp/inside-sales)が発表した調査によると、”2021年12月時点における、日本国内のインサイドセールス導入率は40.4%。2020年12月36.4%より+7.0ポイント増加した。 (Source: https://www.hubspot.jp/inside-sales)”
同社の2019年の調査では、”日本企業のインサイドセールスの導入率は11.6%”と3年で約30%と急加速的に普及がすすんでいます。

インサイドセールスは単発で見込み顧客(リード)へ接触をする単発的なコミュニケーションではなく、初回接点で案件化しない場合は継続的に見込み顧客(リード)と情報交換をおこない関係性を強めていく手法のため、購買プロセスが複雑で長期化するBtoBマーケティングと非常に相性の良いセールス手法です。

なぜ、B2Bにおいてインサイドセールスが重要なのか

インサイドセールスがB2Bマーケティングにおいて極めて重要な機能となっている理由は「顧客の購買行動の変化」によるものです。以前は、情報源が乏しかったため必要な情報は専門分野の会社の営業から情報を受けるスタイルでした。しかし、今は高度情報化時代のため、興味があったものは自分で容易に調べることができるようになりました。

つまり、現代では見込み顧客(リード)主導で購買プロセスを進めていくことができるようになったという事です。以前であれば、営業との接触時に情報をもらい営業のペースにのって購買検討をおこなう必要がありましたが、ほとんどの製品/サービスは情報源がウェブ上に展開されたことによって見込み顧客(リード)自身が自分のペースで情報収集や購買検討、意思決定を進めていくようになりました。

また、一方でBtoBの購買プロセスにおいて、顧客接点のチャネルの増加により、社内の検討プロセスはより複雑になっています。製品/サービスを導入するときには見込み顧客(リード)の社内複数部門が絡み、調整を繰り返しながら進めていくことになります。Gartnerの調査では、BtoBの購入プロセスには6人~10人の意思決定者が関与しているとの調査結果もでています。

その結果、従来型の営業スタイルでは見込み顧客(リード)の購買プロセスに寄り添っていくことが難しくなり、個々の見込み顧客(リード)の状況に応じた柔軟性のある見込み顧客(リード)支援体制が重要視されました。そこで、社内で電話やWeb会議などを使って徐々に見込み顧客(リード)をナーチャリング(購買意識の醸成)をしていく専門チームとしてインサイドセールス部門を持つ企業が増えてきています。

インサイドセールスの目的と役割

機械的な見込み度判断の限界

インサイドセールスは、マーケティング・営業プロセスの一貫として機能し、マーケティング部門が獲得した見込み顧客(リード)を育成し、案件化準備が整った有望リードを対面営業部門と連携することが主な目的となります。

現代のビジネスプロセスでは見込み顧客(リード)のライフサイクルをステージ化しマーケティング部門と営業部門で分業する体制をとっている企業が一般的になってきました。マーケティング部門ではマーケティングオートメーション(MA)を導入しデータを活用した見込み顧客(リード)育成をおこなっている企業も増えてきているのではないでしょうか。

以前は、マーケティングは見込み顧客(リード)獲得し、そのあとのフォローは営業部門が対応する役割分担が一般的でしたが、MAの導入によって見込み顧客(リード)の状態をデータ化することによって、定量的なデータを分析し個々の見込み顧客(リード)に応じたリード育成やスコアリングを活用し、有望リードを営業に送客することが一般的になってきました。MAの導入によりデータドリブンなマーケティングが主流となってきましたが、定量的な情報をベースにしているためマーケティングが創出リードを営業がフォローすると十分にHotではなかったということが実際の現場では少なくありません。実際にアプローチしたものの、顧客の興味関心の度合いが思ったほど高くなく、商談に至る程度ではなかったということです。

MAなどのテクノロジーを活用することで育成シナリオにそった施策の自動化やスコアリングを活用した有望リードの送客が可能なります。MAでは何千、何万といった顧客データベースのなかから案件化の可能性高そうな見込み顧客(リード)を抽出することは得意ですが、定量データを情報元としているためやはり見込み顧客(リード)の質が粗くなってしまいます。

人による見込み度把握が重要

実際の購買プロセスのなかで見込み顧客(リード)は様々な心理状態を抑揚しながら案件化に向かっていきます。さらに、BtoBにおいては購買プロセスも複雑化しておりその人が本当に決裁者なのかなどの情報を入手しデジタル上で確認することは非常に困難です。そのため、生身の人間(アナログ)が見込み顧客(リード)と接点を持ち、細かな情報を入手していくことが案件化の確率をあげるために重要になってきます。

従来の営業スタイルではこういったアナログの接点を対面営業が担っていますが、営業は商談の対応が最優先となるため、見込み顧客(リード)に対するフォローアップまでを十分におこなうことができませんでした。そこで、インサイドセールスがマーケティングと営業をつなぐ役目として見込み顧客(リード)と関係の維持・強化の役割を担っています。

インサイドセールスを導入で期待される効果

インサイドセールス機能を持つことにより期待される主な効果は以下です。

リソースの効率的な活用

従来の営業スタイルで見込み顧客(リード)へのコンタクトを行う場合は、客先訪問や商談の合間を縫ってコンタクトをおこなうためコンタクトできる数に限りがあります。一方でインサイドセールスであれば、まだニーズが顕在化していない見込み顧客(リード)に対して実際に訪問せず電話やメールでアプローチをする方法のため圧倒的にアプローチできる数が多くなります。分業制により見込み顧客(リード)のフォローに専念できるため一人で同時に複数の見込み顧客(リード)を担当することが可能になります。そのため、対面営業はインサイドセールスから送客されたニーズが顕在化した見込み顧客(リード)との商談に集中できます。

コンバージョンの向上

インサイドセールスを導入するとニーズが顕在化するまでの見込み顧客(リード)の管理をインサイドセールスが担当します。インサイドセールスが見込み顧客(リード)とコミュニケーションすることによって案件化のタイミングを見極めるため案件化のコンバージョンが向上します。また、インサイドセールスではMAのように一方的に情報を提供するのではなく、見込み顧客(リード)との双方のコミュニケーションを通じておこなうため、より詳細な情報を得ることができます。見込み顧客(リード)を受け取った営業担当者は、漠然とした情報でなく顧客の細かなリアルな情報をもとに提案活動をおこなうことができます。

業務標準化

すべてのプロセスを一人の営業が担当する従来のスタイルの場合、見込み顧客(リード)との関係構築が属人的になり、営業担当者の異動や転職により顧客関係が不安定になるリスクがあります。インサイドセールス機能を導入する場合は分業制により業務プロセスの標準化をおこなうため、見込み顧客(リード)との関係構築プロセスが整備されます。そのため、属人化によるリスクが軽減し見込み顧客(リード)の状態や履歴の管理ができるようになります。また、プロセスが整理されることにより、売上の金額や確度見込みを立てることがより容易になり、営業パイプライン管理ができるようになります。

インサイドセールスが機能するためのポイント

インサイドセールスを持つことで期待できる効果は魅力的ですが、実際にインサイドセールスを機能させるためには大切なポイントがあります。

分業プロセス構築と数値設計

インサイドセールスはマーケティング・営業プロセスの一貫であり、マーケティングと営業の橋渡しの役割も持ちます。そのため、インサイドセールスは、対面営業が商談までの流れを頭にいれて効果的なアプローチを考えている一方でマーケティング的な視点を持つことが要求されます。インサイドセールス機能をプロセスに組み込むことは、リード獲得~クロージングまでのファネルをどのようにマーケティング部門と営業部門と分業していくかの分業プロセスを構築することになります。これまでのプロセスの整理をおこない、見込み顧客(リード)のステージと役割を再定義していきます。

また、今のステージから次のステージに見込み顧客(リード)がコンバージョンすることで部門間での見込み顧客(リード)の受け渡しがおこなわれるため、リードコンバージョンに関してマーケティング部門/営業部門と細かなところまで協議が必要になります。

また、リードがコンバージョンすることが成果になるため受注から逆算してKPIの数値設計をおこなっていきます。また、数値設計を行う際は単純に逆算するだけでなく現在の体制や人員のレベルで達成できるのかも考慮して設計することが必要になります。

マーケティング/営業連携

インサイドセールス部門はマーケティング部門と営業部門との橋渡しをする位置にあり、マーケティング部門から送客された見込み顧客(リード)を育成し案件化確度が高まった段階で対面営業にトスアップしていくことになるため、見込み顧客(リード)の質と量について部門間連携が非常に重要なポイントとなります。分業体制をとった場合に陥る落とし穴として自部門の数値目標を達成するために見込み顧客(リード)の数を達成しようとするあまり、未熟な見込み顧客(リード)を送客してしまうといった現象が発生してしまうことがあります。そうすると後工程の部門で非効率な案件を抱えてしまい業務効率が悪化につながってしまいます。実際に営業部門がインサイドセールスが送客してくる見込み顧客(リード)への優先度を低くしたり、最悪見込み顧客(リード)を放置してしまうというケースも発生しています。

そうなってしまうと信頼関係を薄れ分業プロセス自体が崩壊してしまうため、送客される見込み顧客(リード)の状態や付帯情報について双方で合意形成をし、定期的に会話をする機会を設定し現状のレビューやフィードバックといったPDCAをまわしていくことが大切です。また、トレードショーなどイベントがある時期はマーケティングからの見込み顧客(リード)送客が多くなるため、マーケティングカレンダーをマーケティング部門と共有し状況に応じた送客の調整や体制組みをおこなっておくことが運用において必要になってきます。

円滑な部門間連携は日々のコミュニケーションを通じた情報の連携が重要になります。情報連携については、メールやExcelベースでおこなうことも可能ですが、ある程度の規模の組織ではSFAなどのシステムやツールを活用するのが有効です。ただ、ツールはプロセスや情報の管理を支援するためのものでしかないので、情報を活用するための枠組みを作ったうえでツールの選定や導入することが重要です。枠組みをツール導入後に整備してしまうと改修コストが膨大になったり、最悪の場合ツールの仕様上で対応できないということがおこってしまいます。

人員配置と育成プログラム

インサイドセールスは見込み顧客(リード)と関係性を構築し強化していくことが重視されます。テレアポでは、リストの見込み顧客(リード)から顕在化済みのニーズがある人を見つけて営業にパスすることを目的としていますが、インサイドセールスにおいては、見込み顧客(リード)と双方向のコミュニケーションをおこないながら、顧客の業務問題の整理や気づきをあたえて課題解決に向けて寄り添っていけるパートナーとしての役割が求められます。電話という手段は同じですが全く目的が違う職能がもとめられます。特にBtoBにおいては物売りからコト売りのソリューション営業が主流となってきているため、見込み顧客(リード)の情報を集め、自社の製品やサービスを活用してどういった課題解決を提案できるかを考える高度なコミュニケーション能力と提案力のある人員の配置が重要とされます。そのため、特にインサイドセールス立ち上げの初期段階ではエース級の営業を配置することが成功のカギとなります。

インサイドセールスでは対面営業のように客先訪問はせず、電話やWeb会議などをつかって見込み顧客(リード)とコミュニケーションをおこなうため、対面営業に比べて多くの顧客接点機会があります。営業経験の少ないメンバーは、ベテランメンバーの電話対応からトークのアプローチや切り返しの方法を学ぶことで実践的なコミュニケーションの型をつくっていくことができます。最近では録音や録画を育成コンテンツに活用することが主流となってきています。メンバー同士で応対の録音を聞いてレビューやコーチングを取り入れている企業も多くあります。

まとめ

顧客の購買行動はより複雑になってきており、売る側としては購買行動の早い段階から見込み顧客(リード)と接点をもっておくことが案件化率を高めるために非常に重要になってきています。MAを導入することで有望顧客の抽出はできますが、多くの場合、定量データの活用だけでは案件化につなげることは難しいといえます。いままで述べたようにインサイドセールスという機能を持つことで見込み顧客(リード)と双方のコミュニケーションを通じて関係構築と維持に努め、見込み顧客(リード)のパートナーとることがインサイドセールスのカギであります。とはいえ、理想的なインサイドセールスに求められる職能は高いので、お手本となるエースをまねたり、外部のリソースやコンサルティングを受けることで効率的にコストを抑えて導入することができるでしょう。また、インサイドセールスはマーケティング・営業プロセスの一貫であります。企業規模にもよりますが、一定規模以上の企業になると、分業体制が必要になってきます。分業する場合は特に、見込み顧客(リード)受け渡しにおいて量や質など細かな部門間連携と信頼関係が重要となるので、その点を意識して組織として運営していくことが必要です。インサイドセールスをうまく活用して、効率的に新たな案件を獲得し、売上向上を狙っていきましょう。

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