2021/09/29

ビジュアルIVR

放棄呼率を低くするには?コールセンターの悩みを解決!

企業と顧客の接点として、コールセンターは非常に大切な役割を果たします。少しでもUX(ユーザー体験)を充実させるためには、ユーザー視点に立ったサービスが求められるでしょう。その中でも、「放棄呼」は無視できない問題のひとつです。この記事では、放棄呼が発生する原因や対策、放棄呼率などについて解説していきます。

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放棄呼の意味!あふれ呼や待ち呼とはどう違う?

そもそも放棄呼とは、コールセンターがしっかり機能しているかの基準となる要素です。放棄呼が多いコールセンターは、ユーザーの要望に応えられていないといえるでしょう。この段落では、放棄呼の意味について説明します。

アバンダンコールのこと

放棄呼は別名で「アバンダンコール」とも呼ばれています。その意味は、「オペレーターに対応される前に中断された電話」のことです。放棄呼は主に2種類あります。まずは、ユーザー自身の意思や手違いで切ってしまった電話です。もしもコールセンターで長く待たされた場合、ユーザーは我慢できずに電話を切ってしまうでしょう。あるいは、操作を間違えて電話が意図せずに切れてしまうケースもあります。

もう一方は、コールセンター側の原因で電話が切れてしまう場合です。システムに何らかの不具合があると、オペレーターにたどり着く前に電話は切れてしまいます。また、かつては入電が込み合っているとき、一度電話を切って後からかけ直してもらうようお願いするパターンも少なくありませんでした。ただ、どのような原因であれ、放棄呼が起こってしまうとユーザーの問題は解決されません。そのことでUXが低下する可能性は高く、コールセンターが向き合わなくてはならないテーマのひとつです。

あふれ呼や待ち呼との関係は?

放棄呼と関係した入電に、「あふれ呼」「待ち呼」などが挙げられます。まず、あふれ呼とは、コールセンターからあふれてしまい誰にも応答されないままつながらない電話のことです。あふれ呼が起こる原因は、「忙しさ」や「人手不足」などさまざまです。コールセンターの忙しさがピークを迎えると、すべての入電にオペレーターが対応しきれません。結果的に、どうしても入電の一部が無視されてしまいます。また、そもそもオペレーターの絶対数が少ないコールセンターでもあふれ呼は起こりやすいといえるでしょう。

あふれ呼はユーザーをずっと待たせ続けていることから「待ち呼」とも呼ばれます。あふれ呼(待ち呼)はやがて放棄呼に変わる可能性が高く、コールセンターはできるだけその数を少なくしなくてはなりません。だからこそ、コールセンターでのワークフローの見直し、適切な応答システムが求められているのです。

放棄呼のデメリット!顧客満足度や利益とどう関係してくる?

コールセンターの放棄呼は企業の不利益につながっています。そのため、放棄呼がもたらすデメリットを意識しながら、コールセンターの業務改善に取り組まなければなりません。この段落では、放棄呼のデメリットについて解説します。

機会損失

もっとも大きな放棄呼のデメリットのひとつです。ユーザーがコールセンターに連絡してくるとき、何らかのトラブルを抱えている場合が大半です。あるいは、オペレーターに疑問を答えてもらいたい状態だといえるでしょう。それなのに電話がつながらないと、ユーザーの問題は放置されてしまいます。そうなればユーザーは、別の企業で問題を解決しようと考えます。こうして、企業にとって利益を出す機会が失われていくのです。電話をしてきたユーザーに、商品やサービスの宣伝をできないのも痛いところです。

仮に放棄呼が起こらなかったとしても、待ち呼になっている段階でユーザーは不満を抱きかねません。自然にUXは低下し、「もうこの企業でものを買いたくない」と考え始めます。顧客を囲い込んでいくうえで、放棄呼やあふれ呼は企業の弊害になりえるでしょう。

顧客満足度

仮に放棄呼が起こると、ユーザーの満足度は著しく低下します。本来なら解決してもらうはずだった問題が放置され、長い時間、同じストレスを感じなくてはならないからです。また、「時間を無駄にした」「面倒な操作をやらされた」といったさまざまな不満も引き起こされ、企業に悪印象を覚えてしまうでしょう。もちろん、放棄呼に対しては後からかけ直すという方法で対応できます。しかし、ユーザーの望むタイミングではない以上、コールバックではなかなか信用を回復できません。そのまま、別の企業に乗り換えられてしまう可能性も高いのです。

オペレーター側の負担

放棄呼の数が多いと、オペレーターの仕事も増えていきます。放棄呼に対してコールバックするのはオペレーターの役目だからです。電話番号を調べてかけ直すだけでも、かなりの労力を割かれます。しかも、コールバックをしている間は新しい入電に対応できません。次々に放棄呼が起こってしまう悪循環になってしまいます。

社会的信用

何度も放棄呼が起こると、世間から企業に向けて悪いイメージが生まれかねないでしょう。社会的信用を失うと、取り返すことは大変です。むしろ、「コールセンターの対応が悪い」という風評だけが一人歩くしてしまい、どんどん顧客を失う事態に陥りかねません。そうならないよう、そもそもの放棄呼を防ぐ工夫が必要なのです。

離職率の増加

放棄呼が多い職場には、根本的な原因があるといえます。オペレーターの数が少なかったり、業務マニュアルに欠陥があったりするから放棄呼を防げないのです。そして、こうした職場では往々にしてオペレーターの仕事がきつくなりがちです。ワークフローの弱点をオペレーターの仕事ぶりで取り返そうとするので、過剰な負担が個人にかかってしまいます。こうした状況が常態化すると、オペレーターの不満はピークを迎えるでしょう。離職率が高まるだけでなく、「あの職場は待遇が悪いらしい」という噂にもなります。その結果、人材募集しても有能なオペレーターが集まりにくくなってしまうのです。

情報収集

コールセンターは顧客の声を聞くことにより、マーケティングに必要なデータを集める場所でもあります。すなわち、放棄呼が多いと情報収集が適切に行われません。商品の感想やサービスの不備、顧客層などの重要なデータが十分に得られないのです。そうなると、マーケティングの精度も下がっていきます。データ不足からターゲットを深く分析できず、効果的な戦略を立てられなくなってしまうでしょう。

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どうして放棄呼は起こる?原因と対策をチェックしよう

放棄呼が起こる背景には、コールセンター内のさまざまな問題があります。これらの原因を踏まえたうえで的確に対策を練っていきましょう。そうしないと、企業の利益機会が大幅に減ってしまうこともありえるからです。以下、放棄呼の主な原因と対策を紹介していきます。

待ち時間が長い

コールセンターに電話して長い間待たされれば、多くのユーザーが離脱してしまいます。しかも、それからかけ直してくれるユーザーは一部です。別のサイトに電話したり、問題解決そのものをあきらめたりするユーザーも少なくありません。つまり、待ち時間が長くなれば、企業はその分だけ機会を損失していくのです。

対策としては、顧客とのチャネルを見直してみましょう。チャネルとは、コールセンターと顧客の接点を意味します。チャネルが少ないと顧客は一点に集中するので、自然に待ち時間は長くなっていきます。電話だけでなくパソコンやスマホの画面も利用できるようにすると、顧客に対応できるチャネルが増えて待ち時間も減っていくでしょう。

顧客の忍耐力が低い

どれほどオペレーターの数が多くても、あふれ呼を完璧に防ぐのは至難の業です。オペレーターの手が空くまで、ユーザーに待機してもらう場面は出てくるでしょう。このときは自動音声で待機をお願いし、ユーザーにそのままの状態を保ってもらうのが普通です。しかし、ユーザーの忍耐力がないとすぐに電話を切られてしまいます。それに、何もせずひたすら待っている時間を苦痛に感じるユーザーもいるでしょう。

こうしたユーザーに対しては、「何もしない」状態から解放してあげることが大切です。たとえば、「IVR(Interactive Voice Response)」というコールセンター用システムでは、あふれ呼に自動音声が応答します。ユーザーはプッシュボタンを通して自分の意思を伝え、オペレーターの手が空くまでにリクエストを発信可能です。ときには、IVRだけですべての問題を自己解決できることもあります。

(関連記事:IVRとは何か?コールセンターに導入するメリットや導入方法

オペレーター不足

そもそものオペレーターが少ないのも放棄呼を生み出す原因です。特に、着信が多いコールセンターなのに相応のオペレーターを用意できていないときには、放棄呼は増えていく一方です。だた、オペレーターの人材不足にはいろいろな理由があり、すぐに解決できるとは限りません。急にオペレーターが止めてしまったり、人件費を削減したかったりするコールセンターでは、簡単に人手を増やせはしないでしょう。

そこで、IVRやビジュアルIVRの導入がおすすめです。これらの自動音声応答装置なら、オペレーターでは対応できないあふれ呼を機会が受け持ってくれます。しかも、ある程度の情報をヒアリングしてからオペレーターに引き継いでくれるので業務効率も改善されます。少ない人数でもコールセンターの応答率を高められ、放棄呼を生み出さずに済むのです。

(関連記事:ビジュアルivrとは?メリットや導入事例を解説!

平均処理時間の長さ

オペレーターの処理時間が長く、回転率が悪いコールセンターでも放棄呼は増えていきます。もちろん、入電内容によっては丁寧に説明しなければユーザーに理解してもらえません。しかし、すべての電話への対応が長いと、1日に処理できるユーザーの数が限られていきます。ユーザーからの悪評につながり、顧客ロイヤリティを育みにくくなっていくのです。

対策としては、応答率を増やすことです。コオペレーターの業務フローを見直し、ユーザーと無駄なやり取りが発生していないかを確かめましょう。また、入電内容に対して、専門のスキルを有しているオペレーターが対応しているかどうかもポイントです。もしも入電内容に対し、適材でないオペレーターが対応しているようなら、振り分けに問題を抱えています。IVRやビジュアルIVRなら、自動音声がヒアリングを進めている段階で適材のオペレーターをシステムが見極めます。そのうえでオペレーターへの引継ぎが行われるので、担当者のミスマッチが起こりにくいのです。

コールセンターの業務改善の参考に!放棄呼率の計算式とは

かかってきた電話のうち、放棄呼が起きた割合を示す指標が「放棄呼率」です。放棄呼率が少ないほど、多くの入電に対応できているといえます。それにともなって顧客満足度も向上している可能性は高く、コールセンターの業務改善において放棄呼率は重要な数字となりえます。放棄呼率の計算式は「放棄呼の数÷コールセンターへの着信の数」です。仮にコールセンターへ1万件の着信があったとします。そのうち100件が放棄呼になったのだとすれば、計算式は「100÷1万」で、放棄呼率は「1%」です。すなわち、100件に1件の割合で放棄呼が起こっています。

企業が放棄呼率を下げるには、コールセンター内の問題を一つひとつ改善していくしかありません。オペレーターの数を増やしてあふれ呼をなくすことは効果的な手段です。業務マニュアルを見直し、オペレーターの質を向上させて、1件当たりの対応時間を短くするのも結果につながります。そして、スムーズに放棄呼率を下げる改善策として注目されているのがIVRやビジュアルIVRといったコールセンター向けのシステムです。

これらの自動応答システムを導入すれば、オペレーターの手がふさがっている状態でもとりあえずの対応ができます。自動音声がユーザーを案内し、放棄呼にすることなく問題解決へと導きます。オペレーターの手が空くまでの時間稼ぎとしても、IVRやビジュアルIVRは役に立つでしょう。しかも、ビジュアルIVRはSMSによってURLを送信することで、特設サイトへとユーザーを誘導可能です。ユーザーはサイト内でFAQを見たりチャットボットを利用したりできます。たとえオペレーターが忙しくても放棄呼は生まれず、ユーザーは問題を自己解決できる仕組みです。

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放棄呼率低下のためにIVRの見直しをする際にはビジュアルIVRの検討を

コールセンターの業務改善にはIVRが用いられてきました。ただ、IVRだけでは音声案内の長さをストレスに感じるユーザーもいます。言葉だけでは説明を理解できない人もいるでしょう。そこで、IVRを見直し、ビジュアルIVRを導入することがおすすめです。ビジュアルIVRならコールセンターの入電対応をよりスマートにでき、放棄呼を減らせます。