2022/02/01

ビジュアルIVR

【2021年度版】コールセンターの自動音声ガイダンスでSMS受信を希望しない人の理由とは

前回のレポートでは、コールセンターの自動音声ガイダンスでSMS送信を希望する人の割合とその理由を分析し、幅広い年代の顧客が早く課題を解決したいために、SMS送信を希望し、問題解決の手段としてSMSはよいイメージを持ってることが分かりました。

今回は、コールセンターに電話をかけた際に流れる自動音声ガイダンスでSMS(ショートメッセージサービス)を送信しWebでご案内が可能という旨のメッセージを流した場合、SMS送信を希望しない人の理由を調査しました。

このレポートは、日常生活において、コールセンターに電話をすることがある20代以上の男女1099名の回答をまとめています。

このレポートはこんな方におすすめです。

  • コールセンター部門の企業担当者の方
  • 応答率の低さにお悩みの方
  • ビジュアルIVRに興味はあるが、お客様の年齢層が高く効果に不安を抱いている方

コールセンターに電話をかけた顧客がSMSを希望してWebでの課題解決を希望しない人の割合

前回のレポートでは、コールセンターに電話をかけた際に、自動音声ガイダンスで「24時間利用・ご案内ができるWebサービスをご用意しております。ご希望の方にはSMSをお送りします。」というメッセージが流れたら、SMS送信を希望する顧客がどのくらいいるのかをご紹介しました。

【前回レポート】ビジュアルIVRの導入は効果的なのか。SMS受信を希望する人の割合とその理由

ビジュアルIVRに関する調査レポート 2021 無料ダウンロード

なぜ顧客はSMS送信を希望しないのか

今回はSMS送信を希望しないと回答した人の理由を調査した結果をご紹介します。

2020年 SMS送信を希望しない理由(MA)
2021年 SMS送信を希望しない理由(MA)

2020年と2021年を比較すると、Webサイトを確認済みの割合が3.3%も増えており、電話問い合わせの前に、Webでの検索が一般的な行動となっているようです。
さらにそれぞれの理由を性年代別に分析してみました。

2020年性年代別 電話で解決したかったからと回答した人の割合
2021年性年代別 電話で解決したかったからと回答した人の割合

2021年も2020年同様に電話解決を望む顧客が多いことが見受けられます。若年層(20代)では必ずしも電話解決を望んでいるというわけでなく、4割がオペレーターとの会話以外の解決でも抵抗がない世代であることが確認できました。
また、注目すべき値として高齢者層(60歳以上女性)でも電話での解決を求める数が少なくなっていることです。このデータを読み解くと、世代を問わず電話対応を求める需要は存在するが、電話以外の解決方法を求める割合も増えている世代、性別があることが分かりました。言い換えると電話に代わる適切な解決手段が用意できれば入電を削減できる可能性があると考えられます。

2020年 性年代別 Webサイトはすでに確認済みで、Webサイトでは解決できないと思ったからと回答した人の割合
2021年 性年代別 Webサイトはすでに確認済みで、Webサイトでは解決できないと思ったからと回答した人の割合

2021年の回答結果を2020年と比較すると、40~60代の顧客が「電話問い合わせの前に、Webでの検索」しており、一般的な行為となっていることが確認することができました。
また、Webサイトで解決できないと思っているという回答から、公式サイトを改善してわかりやすくする、お問い合わせに特化したWebサイト/コンテンツを用意するといった対策が必要だと考えられます。

2021年性年代別電話番号に対してメッセージが着信があることに抵抗があるから

2021年の新たな調査となります。
2020年はパケット料金を設問に含みましたが、大手通信キャリアもサブブランドによるローコスト大容量のパケットサービスを始めたため、本年は設問から除外し、SMSの受信意識を確認したところ、電話番号に対してメッセージが来ることに対しては、8割以上の顧客がそれほど抵抗ないと回答しました。

2020年性年代別 SMS(ショートメッセージ)が何か分からなかったからと回答した人の割合
2021年 性年代別 SMS(ショートメッセージ)が何か分からなかったからと回答した人の割合

この設問でごく一部の世代を除いて、SMSは一般的な手段になっていることが確認できました。今後もさらにSMSの利用シーンが広がれば、SMSを用いた顧客とのコミュニケーションが増えていくと予想されます。

実際にコールセンターに電話をかけてSMSを受信したことがある人の割合

ここからは、実際にコールセンターに電話をかけてSMSを受信したことがある人の割合をご紹介します。

2020年コールセンターに電話をかけてSMSを受信したことがある人の割合
2021年コールセンターに電話をかけてSMSを受信したことがある人の割合

前回のレポート「【2021年度版】ビジュアルIVRの導入は効果的なのか。SMS受信を希望する人の割合とその理由」では顧客がSMSの送信を希望する値が対前年で下がってることからコールセンター側の問い合わせ対応におけるSMS誘導の対応内容で顧客が課題解決できる適切な対応手段が必要そうです。
具体的には最適なWebコンテンツやチャットボット等で課題を効率的に自己解決できる手段を用意する等、現状の対応手段・内容の改善をしていく状況だと考えられます。

おわりに

今回のレポートでは、自動音声ガイダンスでSMS送信によるWebでのご案内を希望しない顧客についてその理由をご紹介しました。

電話問い合わせの前には、世代を問わず、Web検索を行っていることが一般的になってきています。Web検索で満足のいく回答が見つけられなかった、解決できなかった場合に、解決を諦めて、電話問い合わせを行う流れができているようです。
このような背景の中、問題解決をオペレーターの会話に依存する傾向が高まると、Webサイトの不備に対するクレームにもつながり、電話対応を行うオペレーターの更なる負担となる可能性があります。

オペレーターとの会話での解決だけでなく、定型的な問い合わせ対応を効率的に対応して応答率を向上するためには、Webサイトに顧客の求める情報があることが不可欠です。そのためには、日ごろから、適切なサイトへ案内できるように最適な導線づくりをすること、Webのご案内ページやFAQサイトは常に「顧客の声」を反映し最適化しておくことが重要です。

「顧客の声」は、現場のオペレーターにヒアリングを行い、お客さまが迷ってしまったのはどのような点なのか、どのように説明すると、ご理解いただけたのかなどの顧客が感じた問題点を導線の情報として集めるとより良い改善ができます。

この有効な導線をWebサイト上で顧客に提示することで、Webで検索をして自己解決を試みる可能性が高くなり、結果として電話オペレーターの負担も軽減されます。

また、電話窓口でもオペレーターとの会話の前に、音声ガイダンスで24時間のお手続きやご案内が可能であることをアナウンスしてビジュアルIVR画面のURLをSMSで送付することで顧客を適切なWebサイトへ誘導することができます。この方法は問題解決にオペレーターとの会話による解決を求めないお客様に有効な手段となります。

モバイルウェブのビジュアルIVRなら、管理画面のみでWEBサイトの更新が可能で、顧客の声をスピーディに反映することが可能です。また、管理画面上でアクセス数を把握することができるため、しっかり下層ページまで顧客に見られているかリアルタイムで把握できます。
NTTコム オンラインでは、モバイルウェブ ビジュアルIVRだけでなく、SMS(送信サービス「空電プッシュ」も合わせてご提供いたします。
次のレポートでは、「オペレーターとの会話以外での問題解決手段とはなにか」について実例を交えてご紹介します。

ビジュアルIVRに関する調査レポート 2021 無料ダウンロード

調査概要

  • 調査テーマ:日常生活に関する調査
  • 調査対象:20代以上の男女1099名
  • 調査実施期間:2021年11月4日~11月6日
  • 総回答数:1099サンプル
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査機関:
    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
    NTTコム リサーチ

このレポートにはこんな設問が記載されています。

  • 日常生活において、コールセンターへ電話をすることはありますか。
  • 電話を掛ける前にどんな行動をとりますか。
  • 日常生活において、コールセンターに問い合わせても問題が解決しなかったことがありますか。
  • 解決しなかった理由は以下のどれにあてはまりますか。
  • コールセンターに電話をかけた時に、もし営業時間外だった場合、どのような誘導を期待しますか。
  • コールセンターへ問い合わせした際に音声ガイダンスが流れた後に、効率よく回答が得られた対応は。
  • コールセンターに電話をした際に、SMSを案内するガイダンスを聞いたことがありますか。
  • SMS送信を希望しますか。
  • 実際にコールセンターに電話を掛けてSMSを受信したことがありますか。
  • コールセンターに電話を掛けた後に応対品質を問うアンケートを依頼されたことがありますか。

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