2021/04/12

請求書の電子化

請求書とは何か?請求書の書き方や送り方などを解説

取引先に支払いを請求するためには請求書が必要です。法律的に義務付けられているわけではありませんが、取引先とのトラブルを避けるためにも請求書を送付しておくと安心です。請求書には、請求する金額だけでなく請求書を発行する期日や支払期限などを記載する必要があります。また、請求書を送る方法には郵送やFAXだけでなく自動送信サービスもあります。このコラムでは、請求書の書き方や軽減税率との関係などを解説します。

請求書とは?その書き方や見積書との違い

ここでは、請求書の基礎知識や見積書との違いとともに、請求書を作成する際の注意点などを解説します。

請求書とは

請求書とは、金額の他に請求先の会社名や振込先などの必要事項を記載したうえで、契約時に交わしておいた期日までに送付して支払いを求める書面のことです。商品やサービスの支払いに関する請求は電話や訪問による口頭でも構いませんが、請求書の送付はビジネス上の慣例になっているため、可能な限り発行する必要があります。請求書を発行するメリットには、料金の請求忘れや金額に関する取引先との食い違いの発生の防止などが挙げられます。なお、請求書の発行には、請求される側にも「請求書を発行されることによって税務調査時の支出の証明に役立つ」というメリットがあります。

見積書との違い

ビジネスで使用される料金に関する主な書面には、請求書の他に見積書があります。どちらも取引先に提出する大切な書面ですが、その役割には明確な違いがあります。請求書は取引の完了後に料金を請求するために必要な書面です。一方の見積書は、取引の契約前に契約後に発生する料金の額を提示するための書面です。見積書には商品やサービスの購入または導入に必要な料金の内訳が記載されているため、取引先は見積書を見て契約の可否を検討することができます。そのうえで交渉を行い、お互いに了承すれば契約が締結されることになります。

請求書の必須項目

請求書の必須項目は、請求先の氏名または会社名・請求元の情報・発行日・取引内容・取引金額です。なお、取引金額は「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」を記載します。また、これら必須項目の他にも、請求書番号・請求者の捺印・特記事項や備考・振込先・振込手数料・振込期限といった記載しておくべき項目があります。必須項目以外の6項目は必ず記載する必要はありませんが、慣例として多くの企業が記載しているため、できる限り記載を心がける必要があります。なお、請求書番号は請求書に付ける番号のことで、付け方に決まったルールはないため付けなくても問題ありません。ただ、請求書番号を付けることで請求書の管理が容易になるというメリットがあるため、取引先が複数ある企業では請求書番号を付けることが慣例になっています。番号の付け方に決まりはないため、自分たちが管理しやすい数字を付けることができます。

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請求書の書き方

一般的には、まず請求書の左上に請求先の氏名または会社名を記載します。住所はその下に記載しますが、住所を省いても問題ありません。請求書の右上には請求書番号と取引年月日を記載します。取引年月日は取引が行われた年月日というより、請求書発行日を記載するほうが一般的です。取引年月日の下に請求元の情報を記載します。具体的には、住所・電話(FAX)番号・メールアドレス・担当者名などです。電話(FAX)番号・メールアドレスは記載しなくてもかまいませんが、不備や不明な点があった場合に請求先がすぐに問い合わせできるように、記載しておくことが通例となっています。捺印をする場合は、請求先情報の横に押します。

取引内容と金額は最も大切な情報であるため、請求書の中央にわかりやすく記載する必要があります。具体的には、取引をした商品名やサービス名・数量・単価・小計・消費税・合計です。取引金額の下には、振込先の銀行名・口座番号・振込期限を記載しておきます。なお、振込手数料が請求先の負担になっている場合は、振込手数料の記載が必要です。上記以外に告知したい特記事項や備考情報がある場合は、最下部の空白欄に記載します。

請求書を作成する際の注意点

請求書に記載する発行日とは、請求書の作成日ではなく締日のことです。間違えて作成日を記載してしまうことがあるため注意が必要です。一般的に、商品の代金やサービス料などは期間を決めたうえでまとめて請求します。このまとめて請求する場合の期日が締日です。締日は請求書の必須項目の1つであるため、忘れないように必ず記載しておくことが大切です。また、基本的に請求書への捺印は必要ありませんが、印鑑によって自社の請求書であることの証明になったり偽造の防止にも役立ったりするため、ほとんどの請求書には捺印があります。捺印をする際の注意点としては、署名の文字に少しでも掛かるように押すことです。まったく掛かっていないと請求書が無効になる可能性があるためです。なお、法人では原則として「法人の認印」と呼ばれる角印が使われますが、個人の場合は認印ではなく印鑑を使うことが一般的です。

請求書と軽減税率の関係とは

ここでは、軽減税率導入に伴う請求書の様式変更について解説します。

軽減税率とは

軽減税率とは、消費税が8%から10%に引き上げられた際に導入された制度です。具体的には、消費税率の上昇による消費者の負担を軽減するために、酒類と飲食料品(外食を除く)と定期的に購読契約を結んでいる新聞(週2回以上発行)を対象に、税率を8%に据え置く措置のことです。

請求書の様式変更

消費税を納付する必要のある事業者(課税事業者)には、消費税確定申告書の作成が義務付けられています。この申告書を作成するためには、日々の仕入れ代や経費を税率によって区分したうえで帳簿に記載する区分経理が必要です。区分経理には、課税仕入先の氏名や会社名・取引年月日・取引の内容・取引の対価の額を記載します。これが請求書等保存方式です。消費税率の上昇に伴う軽減税率の導入によって、この請求書等保存方式の様式が変更されています。これは、2023年10月1に適格請求書(インボイス)が導入されるまでの期間限定措置です。仕入れ代や経費に軽減税率の対象品目がある事業者が用いる請求書が対象です。この区分記載請求書等保存方式には、請求書等保存方式の記載項目に加えて「軽減税率の対象品目である旨」を記載します。なお、消費税を申告する際に仕入税額控除の適用を受けるには、原則として区分整理を行った帳簿を保存しておく必要があります。

請求書を作成する方法

ここでは、電子ベースと紙ベースそれぞれの請求書の作り方を紹介します。

電子ベース

電子ベースで請求書を作成する場合には、主にEXCEL・Wordを使ってテンプレートを作成します。EXCEL・Wordで請求書を作成するには、まず必要項目をWordに記入しておきます。そのうえで、Wordに記入しておいた必要項目をEXCELに入力していきます。これは、必ず罫線を引く前に行うことが大切です。この際には、必要項目をテキストボックスに入力しておくとレイアウトの際に便利です。続けてレイアウトを行います。テキストボックスで縦書きか横書きかを選択して、文字サイズや各項目を囲む図形を選びます。次に、入力した必要項目に適した長さのセルを設定したうえで罫線を引いていきます。この際に重要なのは罫線を引く前にセルの統合を行っておくことです。この作業を行うことで、統合されたセルをもとに罫線を引くことが可能になります。

罫線を引き終えたら色をつけていきます。請求書を見やすくするための色づけであるため、使う色は1色が2色で十分です。あまり多くの色を使うと逆に見難くなってしまうため注意が必要です。最後に、完成したテンプレートを印刷プレビューで確認します。必要項目の誤入力があったり、色やレイアウトが気に入らなかったりする場合は修正します。なお、印刷プレビューで文字や図形の線がかすれている場合は、テキストボックスでフォントサイズを調整すれば修正できます。

電子ベースには、コンピューターに文章構成などを指示できるHTMLを使って請求書を作成する方法もあります。HTMLで請求書を作成するには、まずHTMLで作業を行うためのコードエディターのダウンロードが必要です。そのうえで、参考にしたい請求書のサンプルコードをダウンロードします。次にコードエディターを起動させ、インターネット上に掲載されているコードを参考にしながら、HTMLファイルとCSSファイルを作成していきます。続いて、コードエディターの拡張機能である簡易的なローカルサーバーを起動させ、作成したファイルを表示させます。印刷された際のイメージ画像が表示されるため、あとはサンプルコードを見ながら記述していくだけです。必要であればデザインの調整も行います。

紙ベース

文房具店やホームセンターなどで紙製の請求書を購入することができます。ノーカーボン紙タイプであれば手が汚れずに、書いた文字は時間をおかずにクリアに発色します。手書き入力が必要なのはデメリットですが、紙製の請求書しか受け付けない取引先もあるため、とりあえず購入しておくと安心です。

請求書の送り方と送付状について

ここでは、請求書の送り方を紹介するとともに添付する送付状の役割についても解説します。

郵送で送る

請求書を郵送する際には、封筒への封入の仕方に注意が必要です。請求書は、一般的に3つ折りにして封入します。請求書はA4サイズであることがほとんどなので、3つ折りにしたA4サイズの請求書がきれいに納まる長形3号(長3)の封筒を使います。3つ折りにする際には、「請求書」と書かれた面が上になるように折ります。封筒には宛名とともに請求書在中と書いて投函します。

FAXで送る

FAXで送る場合はいきなり送信せずに、事前に請求先にその旨を伝えて了解を得る必要があります。そのうえで、EXCELで作成したテンプレートに必要項目を書き入れて送信します。ただし、FAXによる請求書の送信は早急に請求書を送る必要がある場合といった、あくまで緊急時の方法として利用することが基本です。

メールで送る

メールで送信する場合は、EXCELで作成したテンプレートに必要項目を入力後にPDF化して送信します。もちろん、事前にメールによる送信の可否を請求先に尋ねることが必要です。なお、メールに直接請求金額などを書いて送信する方法は、請求先のプリントアウトが難しいため推奨できません。

自動配信

自動配信サービスでは、CSVファイルを送信するだけで、請求書をPDF化して自動で配信します。また、利用している請求先のデザインを変えずにフォーマットを作成できます。自動配信のため24時間配信可能で、配信日時を指定することもできます。誤送信や送信忘れといった人為的なミスが防げるのも自動配信のメリットです。自動配信で請求書を送信する場合もFAXやメールと同様に、事前にその旨を請求先に伝えて了解を得ておくことが大切です。

送付状を添付する

郵送・FAX・メールで請求書を送る際には、送付状(送り状や添え状ともいう)を添付したり同時に送信したりします。送付状とは、請求書の送付担当者名や宛名の他、ちょっとした挨拶文などを添えた文書のことです。送付状は、特にFAXやメールで請求書を送信する際に同時に送信しておくことで、ビジネスマナーとして有効に働きます。" 請求書と法律の関係とは "ここでは、請求書の保存に関する法律について解説します。

請求書発行に関する法律

請求書の発行には特に法律上の規定はないため、請求先と請求元の両者が了承すれば請求書を発行する必要はありません。ただし、口頭での約束やメモ程度では、支払いを忘れてしまったり支払金額と請求金額の相違によるトラブルが発生する可能性があります。また、税務上も請求書が発行されていると資料の1つとして有効に働くことがあるため、企業間では請求書を発行することが慣例になっています。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法とは、国税に関する請求書や見積書などの全部か一部の電子的保存を認めた法律のことです。この法律が施行されるまでは、国税に関する書面はすべて紙の状態で保存しておく必要がありましたが、施行後はDVDやCD、COM(電子計算機出力マイクロフィルム)、スキャンによる保存が可能になりました。7年間という保存期間は変わりませんが、書面をすべて印刷する必要がなくなったことで、法人や青色申告者の帳簿に費やす手間は大きく低減しています。また、PDF化した請求書をメールに添付して送信したりWeb上でデータ化して送信したりできるため、印刷代とともに送付に掛かるコストの削減が可能になっています。

電子保存に必要な要件

電子化された請求書を保存するためには、e-文書法と電子帳簿保存法の規定に従って、3つの要件を満たす必要があります。1つ目は、税務署長の許可を得ることです。電子化された請求書を保存するためには、電子保存を開始する3カ月前までに住所地の税務署長に承認申請書と関係書類(使用するシステムの仕様書や操作説明書など)を提出します。2つ目は請求書の真実性の確保です。電子化された請求書の内容が真実であることを証明するための、作成や更新の日付と時刻を証明するタイムスタンプが必要になります。3つ目は請求書の可視性の確保です。文字がはっきりしない書面の電子化は認められないため、電子化する前に電子機器の性能を確認しておくことが大切です。3つ目の要件の中には、使用するシステムの関係書類(仕様書や操作説明書など)の備え付けること、記録事項が画面や書面に整然及びクリアで迅速に出力できること、取引年月日や取引金額などがその帳簿の種類に応じて記録項目から検索できること、日付及び金額の範囲を指定して検索できることといった要件も含まれます。

請求書の送信方法はコストや手間などを考慮して選ぶ

請求書は取引に欠かせない書面の1つです。以前は紙の請求書の発行が主流でしたが、電子帳簿保存法の施行によって請求書を電子データ化して発行する企業が増加傾向にあります。また、電子化された請求書を送る方法にはメールや自動送信があります。選択に迷った場合は、コストと手間の軽減や人為的ミスの防止などを考慮して選ぶのも1つの方法です。

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