更新日:2023/06/30(公開日:2021/10/28)

ソーシャルリスク対策

UGCとは?マーケティングに重要な理由や活用方法・事例を紹介

SNSや口コミサイトの情報を収集する「ソーシャルリスニング」は、企業のマーケティングに欠かせないプロセスだといえます。そこで注目したい概念に「UGC」があります。消費者の本音を知るために、UGCはとても大切なマーケティングの情報源となるでしょう。この記事では、UGCの意味やソーシャルリスニングとの関係について解説していきます。

UGCとはユーザーによるコンテンツのこと

そもそもUGCとは「User Generated Content」の略で、直訳すれば「ユーザー生成コンテンツ」となります。つまり、UGCとは企業側ではなく、ユーザーが主体となってインターネット上で生み出していくコンテンツの総称です。UGCの意味する範囲は広く、SNSやブログ、動画から電子掲示板まで、ユーザーが自主的に生み出したコンテンツはすべて該当するでしょう。イラストの投稿サイトやレビューサイトもUGCの一部です。これらの媒体に投稿された中心的なコンテンツだけでなく、それらに対するコメントや引用もUGCに含まれます。

UGCが注目されている理由

ここでは、UGCが注目されている主な理由3つについて解説します。

デバイスの発達

その種類も投稿数も膨大になったUGCは、ネットユーザーにとっての日常の風景だといえます。これほどまでにUGCが広がったのは、「デバイスの発達」が挙げられるでしょう。インターネットに接続するためのデバイスが高性能化し、大容量コンテンツも気軽に見られるようになりました。そのうえ、ユーザーはコンテンツを鑑賞するだけでなく、自らでも簡単に作ることが可能となったのです。

X (旧Twitter)やInstagramなどのSNSの隆盛

SNSの隆盛も無視できない要因でしょう。X (旧Twitter)やFacebook、InstagramといったSNSでは、無料登録すれば誰でも発信を行えます。21世紀に入って、インターネットユーザーの大半がコンテンツの受け手にも送り手にもなれる環境は進化し続けています。

ユーザーの購買行動の変化

インターネットありきのライフスタイルが広まったことも、UGCの重要性に影響しました。もはやネットユーザーにとって、SNSやレビューサイトで商品の評判をチェックしてから購入する流れは当たり前になっています。逆をいえば、UGCで取り上げられていない商品やサービスにお金をかけたいと思うネットユーザーはごく少数です。さらにUGCでの評価が芳しくない商品やサービスについては、ネットユーザーから敬遠されてしまうでしょう。

アライドアーキテクツ株式会社が実施した消費者のSNS利用実態調査によると、約30%の人が「外出する時間を減らすために、事前にSNSでサービス内容やクチコミを検索・収集することが増えた」、28%の人が「通販やデリバリーを利用する機会が増え、SNSを通じてサービス内容・クチコミを検索・収集することが増えた」との結果に。このことからも、外出や買い物の情報収集源としてSNSのUGCが重要視されていることがわかります。

消費者のライフスタイルに応じ、企業もUGCを意識しながらマーケティングすることが必須となってきました。望まない風評被害にさらされないためにも、自社に関係するUGCの動向を見守る必要があるのです。

出典:echoes|ニューノーマル時代、企業はSNSをどう活用すべき?「新型コロナがもたらした【新しい生活様式】における消費者のSNS利用実態調査」結果発表

UGCをマーケティングに活用するメリット

ここからは、UGCをマーケティングに活用するメリットについて見ていきましょう。

消費者の本音を参考にできる

企業にとってもUGCは押さえておきたい概念です。なぜなら、UGCには消費者の本音が盛り込まれているからです。商品やサービスの何に惹かれ、どのように満足しているかの感想がUGCからは伝わります。これらの情報は企業が商品開発、宣伝を行っていくうえでの貴重な資料となるでしょう。さらに、外部からアイデアを獲得する際にもUGCは有効です。膨大なネットユーザーが毎日、商品やサービスについての意見をUGCとして拡散させています。具体的なニーズについて言及している投稿もあるでしょう。これらの意見に耳を傾けることで、企業が斬新な企画を思いつくケースも出てくるのです。

コストがかからない

UGCを使った活動にはほとんどコストがかかりません。人気のSNSは原則的に登録無料で、ほとんどの機能を利用できます。動画サイトやレビューサイトの多くも無料で使えるでしょう。これらの媒体で大々的なキャンペーンを行ったとしても、企業からの支出はありません。それでいて、方法次第では宣伝にかなりの反響を得られます。効率的に潜在的な顧客へとリーチできる手段として、UCGは積極的に利用したいコンテンツなのです。

ユーザーからの信頼性を高められる

企業がマーケティングにUGCを利用すれば、ユーザーからの「信頼性」を高められます。なぜなら、UGCとは商品やサービスの担い手ではなく、一般消費者が広めている情報だからです。ネットユーザーの多くはコンテンツの読解力が高まっており、企業が主導する宣伝に対して拒絶反応を示すことも珍しくありません。あからさまな宣伝コンテンツを「押しつけがましい」と感じるケースもありえるのです。しかし、UGCは一般消費者の間で自然に広がっていく情報です。ネットユーザーからすればすんなり受け入れやすい意見であり、自分でも「体験したい」「人に伝えたい」と考えられます。

多角的な宣伝が生まれる

宣伝の「多角性」もメリットです。企業側が発信するだけのコンテンツでは、どうしても訴求が一面的になってしまいます。あくまでも企業が伝えたいポイントばかり発信されるので、消費者にとっての新しい発見が生まれにくいといえます。また、画一的な宣伝が増えて、他社との差別化も起こりにくいでしょう。しかし、UGCには開発者すらも思いつかなかった、斬新な観点からの意見があふれています。これらの意見をスムーズに引用し拡散すれば、インパクトのある宣伝にすることも可能なのです。

UGCをマーケティングに利用する活用方法を紹介!

ネットユーザーの意見をビジネスに生かせるよう、マーケティング担当者や経営者ならUGCに注目しましょう。ここからは、UGCをマーケティングに利用するときの方法について説明します。

SNSは外せない

WEBマーケティングではSNSを無視できない時代となりました。大量の消費者と接点を持てて、情報を収集も拡散できるSNSは押さえておきたいUGCです。ソーシャルリスニングによってネットユーザーの声を収集すれば、企業側でも予想していなかったような本音に触れられるでしょう。そのうえで、好意的な感想やレビューはどんどん拡散するようにします。企業のランディングページやオウンドメディアにUGCを引用するのも、説得力のある宣伝になるでしょう。

また、SNSで簡単にできるキャンペーンとして「ハッシュタグ」もあります。ハッシュタグ付きで商品名、キャッチコピーを拡散してもらうキャンペーンはほぼコストが不要です。そのうえで、抽選でプレゼントを贈ったり、サービスを割引したりするなどの特典をつければ、キャンペーンを拡大させることも可能です。

ユーザーの参加を促す

企業が巧みにUGCと関われば、消費者自身もマーケティングの戦力になってもらえます。過去の例だと、人気映画の宣伝部が一般のネットユーザーに対して、「関連フィギュアの写真」というテーマでSNS投稿を募ったことがありました。その結果、多くのファンがフィギュアを使って作品の名場面を再現し、写真をネットに投稿しました。このキャンペーンは功を奏し、作品の雰囲気が見ていないネットユーザーにもユニークな方法で伝わっていったのです。ファンの心理をくすぐるマーケティングを行ったことで、宣伝チームの信用が高まるという効果もありました。

クリエイティブをユーザーから集める

マーケティングの世界では、広告の製作物を「クリエイティブ」と呼びます。そして、WEBマーケティングでは大量のクリエイティブを投稿し、ネットユーザーにの訴求することが肝心です。ただし、クリエイティブには素材の調達や撮影で、手間と費用がかかってしまいます。こうしたデメリットを解消するために、UGCを利用する企業は増えてきました。SNS上に投稿された写真をクリエイティブとして拡散させれば、宣伝費削減につながります。さらに、消費者からの使用感がある写真を使うことで、ネットユーザーへの説得力も強くなるでしょう。

ソーシャルリスニングツールを利用する

商品やサービスについて、SNS上での正確なUGC数を把握するために使われるのがソーシャルリスニングツールです。たとえば、SNS上で宣伝ツイートをしたとして、どれほどの反響を得られたのかがツールによって判明します。また、ネットユーザーが自社商品、サービスにどれほどの関心を抱いているのか知りたいときにもツールは役立つでしょう。ツールで示された数値を今後のマーケティングに利用することで、企業はPDCAサイクルをまわせます。マーケティングの成果が出ないときの問題点を探る際にもツールは非常に便利です。

SNSに散らばっている言葉は、アンケート調査やメディアの記事には載せにくい、むきだしの意見が大半です。だからこそ信憑性が高く、商品やサービスの価値が露になります。リアルタイムの意見をすぐ確認できるのも、ソーシャルリスニングの大きな強みです。

UGCを活用する手順とポイント

ここからは、UGC活用の手順とポイントについて解説します。

1|UGCの生成を促す

企業はUGCが生み出されるのをただ待つのではなく、UGCの生成を促す環境づくりやユーザーへの働きかけが必要です。例えば、ハッシュタグキャンペーンやリツイートキャンペーンなども有効でしょう。キャンペーン時にオリジナルのハッシュタグを付けることで、UGC収集の手間が省けます。ポイントは参加方法がわかりやすく、誰でも気軽に参加できるキャンペーン内容にすること。キャンペーンに参加したユーザーへインセンティブを用意すれば、ユーザーのモチベーションもアップします。

また、SNSなどでユーザーと積極的にコミュニケーションを取ることも重要です。ユーザーとの接点を増やすことでUGCが生成されやすくなります。自社の商品やサービスを知ってもらい、「発信したい」と思ってもらえるような環境づくりを目指しましょう。

2|UGCを収集・分類する

目的を決めずに大量のUGCを収集するのは、作業に時間がかかり非効率的です。キャンペーンなどを通じてUGCを収集する際には、訴求ポイントや目的などをあらかじめ明確にしておく必要があります。例えば、認知の拡大であればインパクトのあるUGC、新たな価値の創出であれば変わった使い方をしたUGCなど、目的によって収集すべきUGCは変わってきます。商品の継続購入率を上げたいのか、ECサイトへの新規訪問者数やCVRをアップしたいのかなど、自社の課題・目的に応じて最適なUGCを検討し、活用しやすいように分類しておきましょう。

3|UGCの活用・効果測定をする

UGCは運営するさまざまなチャネルで活用できます。SNSでのリツイートや自社サイトへの掲載、広告や商品開発、マーケティングなど、複数のチャネルを横断して活用するとより効果的です。ユーザーとの接点となるチャネルを意識し、自社の目的に合わせて最適なチャネルを選択しましょう。

また、UGCを活用したあとは、効果測定を行い改善していくことも重要です。UGCの活用前後でユーザーの反応にどのような変化があったか、売り上げアップにつながったかなどの観点からデータを検証します。改善点を洗い出すことで、UGCのより有効な活用方法に気づくことができるはずです。

UGCを活用する際の注意点!担当者が押さえておくべき対策とは?

マーケティングにUGCを取り入れたにもかかわらず、思うように業績向上へとつながらないこともあります。そうならないよう、UGCを利用したマーケティングでは注意点も押さえておきましょう。ここからは、担当者が知っておきたい注意点を挙げていきます。

拡散されやすい商品やサービスを選ぶ

ネットユーザーには、進んで情報を拡散させたいタイプの商品やサービスとそうでないものがあります。UGCをマーケティングに利用するなら、ネットユーザーの欲望を刺激できる商品、サービスが必要です。たとえば、音楽や映像作品などは感想を述べやすく、「人にも見せたい」という気持ちになれるコンテンツです。食品や美容品、衣服もビジュアル面の理由で、消費者がSNSに投稿したくなります。その一方で、感想が難しく、見た目も地味な商品はUGCとの相性がよくありません。体質やルックスに関わる、コンプレックスを改善するようなタイプの商品も「人に見てほしい」とは思いにくいでしょう。

希少価値の高い商品もまた、UGCで拡散されにくいといえます。専門的だったりマニア受けが強かったりする商品は、絶対的な流通数が多くありません。すなわち、それらを映した画像や動画の数も少ない状態です。投稿する素材がない以上、UGCが広がるのも難しいのです。UGCで情報を拡散させたいのであれば、ターゲット層が広い商品やサービスを選ぶのが得策でしょう。

ルールを守る

UGCでよくある問題として、「著作権侵害」が挙げられます。特にSNSでは簡単に画像や動画を投稿できてしまうので、ユーザーが意図しないまま被写体の著作権や肖像権を侵害していることも少なくありません。こうした投稿を企業が拡散してしまうとトラブルに巻き込まれかねないでしょう。また、UGCを利用した広告も薬機法の対象に含まれています。美容品や健康食品、医薬品などを宣伝するなら、薬機法に抵触していないかどうか注意してから投稿しましょう。

ステルスマーケティングを避ける

インフルエンサーに宣伝を依頼し、商品やサービスを広めてもらうのはマーケティングの世界でよくあることです。ただし、企業とインフルエンサーの関係性は必ず明示しなければなりません。関係を公表しないまま宣伝に関わってもらうのは、「ステルスマーケティング」にあてはまります。ステルスマーケティングそのものは違法行為にあたらないものの、消費者からの信用を失ってしまうのはデメリットです。また、過剰な宣伝文句が使われていた場合は景表法に抵触します。とてもリスクが高い行為なので、ステルスマーケティングだと解釈できるようなマーケティングは避けましょう。

ネットユーザーとの接し方に気をつける

UGCを拡散させる際には、企業と消費者の距離が近くなることもあります。企業が消費者の投稿を引用したり、感想に返信したりすると、両者の絆が強くなる可能性も高まります。その一方で、「企業から不快な接し方をされた」と感じるネットユーザーもゼロではありません。こうしたネットユーザーが事態を深刻化させれば、風評被害を招く危険も生まれます。「企業とお客様」という関係性を忘れず、ネットユーザー側の気持ちを考えながらマーケティングに努めましょう。

UGC活用の成功事例

ここでは、UGCを活用した企業の成功事例を紹介します。

Instagramを活用した「三井ホームアンバサダー」

まずご紹介するのは、三井ホームのInstagramでのUGC活用事例です。三井ホームは、三井ホームのオーナーである「三井ホームアンバサダー」を対象としたキャンペーンを実施。「夏の暮らしを楽しむお気に入りの空間」をテーマに投稿を募集し、9名の応募者にソニーのスピーカー、もしくはルームフレグランスデュフューザーをプレゼントするといった内容でした。

キャンペーン終了後には、選ばれた投稿がキャンペーンページで紹介されています。投稿写真によって三井ホームでの生活をイメージしてもらいやすいというUGC効果を狙った施策で、三井ホームの実際のオーナーが投稿する点が強みとなりました。

X (旧Twitter)を活用した「きの山さん・たけ里ブラザーズ」

続いては、お菓子「きのこの山」と「たけのこの里」のキャラクター「きの山さん」「たけ里ブラザーズ」が運用するX (旧Twitter)アカウントで実施されたキャンペーン事例です。こちらは毎年実施されているもので、どちらのお菓子が好きかを投稿するといった内容になっています。

投稿者にはプレゼントが用意されているほか、X (旧Twitter)から指定のハッシュタグを付けて応募した人全員にオリジナルパッケージ画像を配布するというもの。ユーザーへのインセンティブによってUGC投稿の促進を図りました。X (旧Twitter)の拡散力を活用したキャンペーンで、毎年参加する人はもちろん、拡散された情報を目にして参加するという人も多いようです。

UGC活用にはソーシャルリスニングツールの「Buzz Finder」

UGCを効果的に活用するためには、ソーシャルリスニングツール「Buzz Finder」がおすすめです。Buzz FinderにはX (旧Twitter)公式全量の投稿をほぼリアルタイムで収集し、分析・通知する機能があります。また、InstagramやFacebook、掲示板などの複数メディアの投稿や過去投稿を分析することで、さまざまなSNSユーザーの生の声を分析し、改善点を見つけることが可能です。

抽出条件設定サポート機能も充実しているので、自社に必要な情報を効率的に収集できます。さらに、前日のツイート量とその概要などが毎日メールで届く「デイリートピックメール(弊社独自特許)」を搭載しているため、システムにログインする手間なく変化を把握できるのも魅力です。

ソーシャルリスニングツールを使いながらUGCをマーケティングに活用しよう

UGCには消費者の本音が隠れています。また、商品やサービスの信頼性を高めるためにもUGCは重要だといえるでしょう。企業がUGCの数や反響を正しく把握し、マーケティングに役立てるならソーシャルリスニングツールを利用することがおすすめです。マーケティングの問題点もすぐに分析できて、今後の宣伝で改善していけるからです。効果的なUGC施策のためにも、ぜひBuzz Finderを活用してみてはいかがでしょうか。

Buzz Finderの詳細はこちら

Buzz Finder無料トライアル

関連記事

資料ダウンロード資料ダウンロード

閉じる閉じる