2023/02/14

ソーシャルリスク対策

ソーシャル分析が重要な理由とは?5つの活用方法と各SNSの特徴を解説

多くの人々に利用され、今や生活の一部とも呼べるソーシャルメディア。気になる商品・サービスの情報を検索したり、実際に利用している人の評判や口コミを調べたりと、SNSをはじめとするソーシャルメディアはユーザーの消費行動に大きな影響を与える存在です。

SNSの投稿を分析し、マーケティングやプロモーションに活用するソーシャル分析は現在の企業にとって必須といえるでしょう。

この記事では、ソーシャル分析が重視される理由や効果的な活用方法、各SNSの特徴、ソーシャル分析に欠かせない分析ツールなどを解説します。

ソーシャル分析とは?

ソーシャル分析は、ソーシャルメディア分析またはSNS分析とも呼ばれ、ソーシャルメディアで発信されるユーザーの声や投稿を分析し、広告やキャンペーンの最適化、トレンド調査、顧客満足度・ブランドイメージの向上などマーケティング戦略に役立てる手法です。

広義にはSNSだけでなく、ブログや動画共有サイトなど、ソーシャルメディア全般に対する分析を指す用語ですが、この記事では主に、X (旧Twitter)やInstagram、FacebookといったSNSにおける分析方法を解説します。

ソーシャル分析が重要視される理由

ソーシャル分析は、現代の企業、特に消費者の声が大きな価値をもつBtoC企業のマーケティング活動において欠かせない存在となっています。ソーシャル分析の導入は企業にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。企業がソーシャル分析を重要視する理由について解説します。

ユーザーの具体的なニーズを把握できる

ソーシャル分析の活用により、企業はユーザーが商品やサービスに抱いている具体的なニーズや意見を汲み取れるようになります。従来、ユーザーの声VoC (Voice of custmer)を聞くために用いられてきたアンケートでは、本音を答えてもらえない場合もありました。

しかし、SNSでの投稿はユーザーが自発的に発信しているため、企業向けの回答とは異なるリアルな意見や潜在的なニーズを把握しやすくなります。また、SNSならアンケートに回答しない消費者も利用している可能性があり、より広いユーザーの声を集められるのもメリットです。

SNSが購買のきっかけになる

近年では、web上にある消費者の口コミや評判などを参考にして商品・サービスを購入するユーザーが増えています。特にSNSは、色のつかない本音が見える場所として、単なる情報収集だけでなく、購買のきっかけにもなっています。そのため、SNSは商品開発やマーケティングの大きなヒントにもなるでしょう。

例えば、ユーザーからの意見に返信したり、不満の声があった部分を改善したりするなど、自社の商品・サービスに対する発信に適切な対応を行えば、売り上げやブランドイメージの向上といった効果をもたらす可能性があるのです。

競合他社の情報をマーケティングに活用できる

自社だけでなく、競合他社の情報が入手できるのもSNSがもつ大きなメリットです。問い合わせやアンケートで得られるのは自社への意見のみのため、従来、他社に対する消費者の声を把握できる機会は限られていました。

しかし、SNSなら他社製品・サービスに対するユーザーの反応、口コミ、クレームなどの内容も分かるため、自社との比較分析や業界全体の動向把握が可能になります。消費者の声に対する他社の対応を観察すれば、類似商品を扱う企業のマーケティング手法としても参考にできるでしょう。

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ソーシャル分析5つの活用方法

企業マーケティングで重要となっているソーシャル分析ですが、活用するためには、何のために使用するのか、明確な目的を設定しておく必要があります。続いては、ソーシャル分析の主な5つの活用方法についてみていきましょう。

1|ブランドイメージを調査する

ソーシャル分析を使えば、ユーザーが抱いている自社に対する実際のブランドイメージを調査できます。ブランドイメージはあくまでも消費者側が持つもののため、企業側が定義しているイメージが正確に伝わっているとは限りません。

SNSを利用したブランド調査により、自社が設定したイメージがきちんとユーザーにも共有されているか、これまでのPR戦略が正しかったかどうかが分かります。

ソーシャル分析のメリットは、仮にブランドイメージが消費者に正しく伝わっていない場合でも、原因を特定する際に役立つ点です。また、自社の客観的なブランドイメージや他社との比較による業界でのポジショニングを認識できれば、今後もマーケティングに大いに活用できるでしょう。

2|競合を分析する

ユーザーの声をもとにした競合他社の分析も、SNSをマーケティングに活用する方法の1つです。消費者の投稿を見れば、自社やライバル企業のどういった点が評価を受けており、逆にどこが不満点になっているかが把握できます。

複数の競合を分析すれば、他社の強みや弱み、自社との共通点、評価の傾向など多様なデータから、社内では分かりづらい世間の評価を相対的かつ客観的に読み取れるでしょう。

さらに、これらの分析から、取り入れるべき他社の施策や競合と差別化できそうな部分、逆に自社のアイデンティティーとなっている、変えてはいけないポイントなどのあぶり出しが可能になります。

3|市場の動向やトレンドを分析する

SNSにおける消費者の声は、市場調査を行って需要やトレンドを見つけ出す際にも活用できます。ユーザーが特定の商品やサービスを購入するタイミングの把握や消費者が価値を感じるポイント、求められている商品の傾向、業界全体の流行など、市場の動向やトレンドを分析する上で、SNSの投稿は大きな価値を持つといえるでしょう。

特に一般消費者向けの商品やサービスなら、幅広い消費者からの生の声を利用して、他の調査方法より高い精度でのマーケティングが可能になります。

新製品の研究・開発や発売のタイミングなどで、ユーザーへ適切にアプローチできるため、収益性の向上も期待できるでしょう。

4|新商品の発売・プロモーションの効果測定を行う

SNSを利用して新商品の発売やプロモーションの効果測定を行えば、次回実施する際のブラッシュアップに活用できます。従来のアンケートでは、ユーザーが体裁を気にするため、どうしても本音の感想や不満などは受け取りにくくなっていました。

しかし、SNSなら、リアルタイムでの反応を収集でき、さらに分析ツールを活用して性別や年代・年齢など属性ごとのデータも把握できるため、より具体的な効果測定が可能です。

また、顧客による商品の斬新な利用方法など有益な情報を得たり、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用したりする使い方もあり、実際にマーケティングの成功に結び付いた事例も存在します。

5|リスクモニタリングを行う

SNSにある顧客の声をリスクモニタリングに利用すれば、クレームやネガティブな意見に対して従来よりも迅速な特定・対応が可能です。

これまで、消費者からの不満点はコールセンターへの問い合わせなどでキャッチするしかありませんでしたが、SNSなら商品名+「不良品」や「異物混入」などのワードで検索を実施し、クレームの原因を早い段階から見つけ出せます。

実際にトラブルが起きた場合も、対処する時間的余裕が生まれるため、真摯な対応や品質改善などによって炎上などのリスクを回避できるようになるでしょう。

ソーシャル分析実施の前にSNSの特徴を把握する

ソーシャル分析を実施する際には、各SNSの特徴を把握するのが重要です。ひとくちにSNSといっても、機能や利用者数、メインユーザー層などが異なっているため、それぞれの特徴を理解していなければ、適切な分析やターゲティングが行えません。ここからは、日本で利用されている代表的なSNSの特徴をみていきましょう。

なお、各SNSの月間アクティブユーザー数は、「ガイアックスソーシャルメディアラボ」の調査を参考にしています。

(参考:ガイアックスソーシャルメディアラボ「2022年11月更新!性別・年齢別 SNSユーザー数(X (Twitter)、Instagram、TikTokなど13媒体)」

X (旧Twitter)(リアルタイムの情報が得られる)

10代~20代の若者を中心に幅広い年齢層に利用されている短文SNSです。投稿できる文字数が140文字以内と制限されているものの、それが手軽さにつながっており、毎日数多くのつぶやきが発信されています。

匿名性が高いため本音での投稿がしやすく、リアルタイムで広範な情報が流れてくるため、「商品・サービスを使ってみた感想」のように、消費者が日常で感じるちょっとしたニーズや不満などを拾い上げるのに適しています。

2022年11月時点の日本における月間アクティブユーザー数(MAU)は「4,500万人」。日本のX (旧Twitter)ユーザー数はアメリカに次ぐ世界第2位となっており、ソーシャル分析を行う上では欠かせないSNSといえるでしょう。

Instagram(画像から分析できる)

この数年で一気に利用者数を増加させており、10代・20代のユーザーを中心として、広い世代から支持されているSNSです。Instagramでは画像投稿がメインとなっており、検索も主にハッシュタグで行われるのが特徴で、ソーシャル分析でも画像とハッシュタグの分析が重視されます。

80%以上の高いアクティブ率を誇る一方、シェア機能がないためフォロワー以外への拡散性は低く、おしゃれな投稿が好まれるなど、マーケティングで利用するには、Instagramが持つ独自の特徴やユーザーの嗜好をしっかり把握することが大切です。

2022年11月時点の日本における月間アクティブユーザー数(MAU)は「3,300万人」となっており、すべての年代で女性が男性の利用者数を上回っています。

Facebook(情報の信頼性が高い)

実名登録を原則としているSNSで、情報に対する信頼性の高さが特徴です。30代~50代の購買力が高い年齢層から多く利用されており、ビジネスパーソンをターゲットにした市場調査に適しています。10代の利用者はかなり少ないため、ターゲットの年齢層によっては他のSNSを利用するのが適切かもしれません。

ユーザーの平均年齢が高いため、比較的厳しい意見も多くみられ、商品・サービスや企業ブランドに対する消費者の本音を知る上でかなり有効といえるでしょう。また、企業ホームページのように使えるFacebookページの機能があり、分析だけでなく、マーケティングや販売など幅広い活用が可能です。

2022年11月時点の日本における月間アクティブユーザー数(MAU)は「2,600万人」となっています。

LinkedIn(ビジネスに特化したSNS)

2003年にリリースされたアメリカ発のビジネス特化SNS。全世界のユーザー数は8億人以上といわれ、日本でも年々認知度が高まってきています。登録は実名・顔出しが原則で、Facebookのビジネス版といった印象です。

自身の学歴や職歴などを入力して自己紹介に使えるほか、法人向けのページも作成可能。就職活動や人材探しなどの利用が一般的ですが、ソーシャル分析にも活用でき、特にBtoB商材を扱っている企業の分析に向いています。自分の知り合い以外ともつながりやすくなっているため、人脈づくりや情報収集に適したSNSといえるでしょう。

2022年11月時点での日本における登録ユーザー数は300万人ですが、今後はさらなる増加が予想されます。

ソーシャル分析にはSNSの分析ツールが必要な理由

企業がSNSを利用したソーシャル分析を行い、マーケティングやプロモーションに活用したい場合、重要になるのがデータの分析ツールです。

SNSをはじめとするソーシャルメディアには、数百~数千万人の利用者がおり、日々膨大な量の情報が投稿されているため、手作業で自社にとって有益な情報を収集・分析するのは困難といえます。

そのため、ソーシャル分析を実施する上で、専用の分析ツールは欠かせない存在です。SNSの投稿をリアルタイムに収集・分析してくれるソーシャルリスニングツールなどを活用すれば、ソーシャル分析に関わる業務の大幅な効率化や社内リソースの確保、効果的な広告やマーケティング施策の立案が可能になります。

自社でのソーシャル分析活用をお考えの際は、分析ツールの導入を検討すると良いでしょう。

ソーシャル分析の効率化には「Buzz Finder」

「Buzz Finder」はユーザー情報の収集・分析はもちろん、ブランドセーフティーまで促進できる、高い費用対効果をもったソーシャルリスニングツールです。

「Buzz Finder」は、業界最高水準のX (旧Twitter)の情報収集速度により、公式の全量データから直近投稿をリアルタイムで収集。日々のツイート量やトピックを毎日メールで通知してくれるほか、トレンド分析、関連語分析、クチコミのポジネガ分析なども可能です。

ユーザーの生の声やSNSの動向を肌で感じられるようになるため、マーケティングやプロモーションの施策改善に最適。さらに、風評被害や炎上などでツイートの急増を検知した場合には、アラートメールを送信し、迅速なリスク回避につなげます。

X (旧Twitter)に加え、InstagramやFacebookなど他のSNSをはじめ、ニュース、掲示板まで幅広いメディアに対応でき、キーワード収集時にスパムを省くノイズ除去や専門コンサルタントの分析レポートなどサポート体制も充実。SNSを利用したソーシャル分析を活用したいとお考えの際は、ぜひ「Buzz Finder」の利用をご検討ください。

ソーシャル分析はマーケティングの精度向上に有効

現代では日常生活になくてはならない存在といえるSNSなどのソーシャルメディアは、企業がマーケティング活動を行う上でも重要になっています。

リアルタイムで非常に多くの情報が投稿されるSNSを上手くビジネスで活用するには、自社にとって有益な情報を収集して分析を行うソーシャル分析が欠かせません。従来のアンケートでは集めにくかったユーザーの生の声に触れられるソーシャル分析は、マーケティングやプロモーションの精度向上につながる有効な手段です。

ぜひNTTコムオンラインのソーシャルリスニングツール「Buzz Finder」を利用して、自社のマーケティング活動にソーシャル分析を導入してみてください。

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