2023/04/27

VOCマネジメント

SNSのインバウンド集客に成功した事例8選|各SNSの特徴や成功のポイント

コロナ禍の出入国制限が緩和されるなか、海外からの観光客は再び増加傾向にあります。訪日外国人向けの情報発信に注力する自治体や企業も多く、特にSNSを活用したインバウンド集客が注目を集めています。

この記事では、SNSのインバウンド集客に成功した事例を8つ紹介します。あわせて、インバウンド対策に有効なSNSの特徴、SNSによるインバウンド集客を成功させるポイントなどについてもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

外国人観光客のインバウンドにはSNSが有効

観光庁が2019年に実施した「訪日外国人の消費動向 2019年年次報書」によると、外国人観光客が旅行の出発前に得て役立った情報源は1位が「SNS」(24.6%)、続いて2位は「個人のブログ」(24.4%)となっています。リアルな情報源を得て、旅行プランを立てたいと考える観光客が増えているようです。特に画像や動画などがメインとなるInstagramでは外国語の利用が最小限に抑えらえ、海外へ魅力を伝えやすいというメリットがあります。

また、「#(ハッシュタグ)」を効果的に活用することで、検索表示されやすくなるのも特徴。SNSユーザーへ効果的にアピールできることに加え、コストをかけずにインバウンド集客ができることもメリットです。

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SNSを活用したインバウンド戦略の成功事例8選

ここからは、SNSを活用したインバウンド戦略の成功事例を紹介します。

1|舞妓変身スタジオ四季【Instagramの運用】

京都観光で人気の舞妓体験ができる「舞妓変身スタジオ四季」は、公式Instagramアカウントをうまく活用し成功を収めています。投稿は日本語が中心ですが、「#kyoto」「#maiko」「#japan_trip」「#discoverjapan」など、英語のハッシュタグを多用しているのが特徴です。日本を訪れる外国人観光客にもアピールでき、実際に英語でのコメントも多数寄せられています。

SNSでの投稿は基本的に日本語を使用していますが、SNSから公式サイトに飛ぶと英語もしくは中国語も選択できる仕様です。完全に外国人向けのSNSアカウントの運用となると敷居の高さを感じますが、ハッシュタグをうまく活用することでそれほど気負わずに始められるのがメリットです。

2|がんこ【Weibo(微博)での情報発信】

関西・関東を中心に店舗を展開する和食料亭「がんこ」は、増加傾向にある訪日中国人をターゲットにしたSNSの運用で成功を収めました。中国国内ではネット検閲を行うためのシステム「グレートファイアウォール」の影響により、国外のWebサイトやSNSへのアクセスが制限されています。そのため、中国人を狙うマーケティングには中国独自のSNSを活用するのがおすすめです。

がんこは中国で圧倒的人気を誇るSNS「Weibo(ウェイボー/微博)」の公式アカウントを開設することで、訪日中国人の獲得に成功しました。実際に店舗を訪れた客の投稿がシェアされて拡散されるなど、最適なSNSを選択した成功事例といえます。

3|ヤキニクバル 韓の台所【Facebookによる口コミ促進】

東京渋谷に店舗を構える「ヤキニクバル 韓の台所」は、トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本のレストラン ランキング」で2018年、2019年の2年連続1位を獲得しています。インバウンド対策ではキャンペーンを実施するなどして、来店客へFacebookやトリップアドバイザーへの口コミを促進させる動きが見られます。

店舗が積極的にSNSで情報を発信せずとも、サービスや接客に満足いただいたお客様に口コミでお店の魅力を拡散してもらうことに成功した例です。

4|小野川温泉登府屋旅館【SNSの毎日更新】

山形県米沢市にある「小野川温泉 鈴の宿 登府屋旅館」は、若旦那の遠藤さんが毎日ブログを更新していることで注目を集めています。またブログを軸に、FacebookやX (旧Twitter)、You TubeなどのSNSを活用したインバウンド対策も実施。投稿は旅館や周辺観光情報の紹介にとどまらず、旅館の経営方針やSNS活用に関する情報・考察、どのような投稿が広く拡散されたかなどについても更新し続けています。

また、ブログやSNSを企業としてではなく代表が個人名で運営し、詳細な情報を届けているのも魅力です。常に学ぶ姿勢を持ち、得られたノウハウをSNSを通じて提供することで良い循環を生み出している例です。毎日ネタを提供するのは難しいと悩んでいる方の参考になるでしょう。

5|加賀屋【ハッシュタグやキャンペーンの活用】

石川県七尾市和倉温泉にある創業1906年の歴史ある「加賀屋」は、Facebookで「いいね!」を1.5万件、フォロワー数1.5万人を獲得している旅館です。多いときには1,000件以上の「いいね!」がつくこともあり、伝わりやすい文章や美しい写真にコメントも寄せられています。

宿泊プランや施設の紹介、周辺観光情報、オリジナル商品の紹介などが主な投稿内容となり、時にはハッシュタグを活用したキャンペーンなども実施。また、Facebookほど更新はされていませんが、InstagramやX (旧Twitter)も活用し、ハッシュタグを使用してアピールしています。

6|岐阜県【君の名は。を活かしたSNSでの発信】

岐阜県高山市は「Visit Hida Takayama」というFacebookページを英語で運用し、インバウンド対策に取り組んでいます。Facebookのフォロワー数は4.6万人で、「#hidatakayaam」「#takayamagram」などのオリジナルハッシュタグを使用しています。また、3日に一度は更新するなど、他の自治体と比べても更新頻度が多いのが特徴です。

高山市は映画「君の名は。」の聖地としても有名で、映画に出てきたスポットの写真を投稿し話題を集めています。この映画は特に中国や台湾、香港などのアジア圏で人気となり、中国人や台湾人の観光客の誘致に成功しました。また、FacebookはInstagramの投稿とも連動しており、飛騨高山の古い街並みの写真なども紹介しています。

7|高知県【外国人目線の情報発信】

2015年に開設された高知県の外国人向け観光情報サイト「Visit Kochi Japan」。アジア・東南アジア圏からの観光客を主なターゲットとし、英語、中国語、韓国語、タイ語の4ヶ国語で対応しています。Webサイトを中心に、FacebookやInstagram、You TubeなどのSNSでも積極的に発信しており、特に好調なFacebookのフォロワー数は28万人を突破しています。

記事の執筆や写真撮影の依頼は高知県在住の英語ネイティブへ依頼し、データを基に投稿ノウハウを蓄積するなど、サイトを訪れる人にとって魅力的かつ有益な情報を提供しているのが成功の要因と考えられます。また、訪日外国人に実際にヒアリングを行い、生のデータを取り入れることにも注力しています。

8|埼玉県【インスタグラマーの招待】

埼玉県は県の魅力を世界へ発信するため、「LOVE SAITAMAアンバサダー」制度を設置しています。2023年現在はニュージーランドと香港出身の外国人2名がアンバサダーとして委嘱しており、うち1名はInstagramで8.7万人のフォロワー数を有するインフルエンサーです。外国人目線でなぎなたや弓道などの日本伝統文化を魅力的な写真とともに紹介し、たくさんの「いいね!」を獲得しています。

インバウンド対策に有効なSNSの特徴

以下の表は、インバウンド対策に有効なSNS5つの特徴についてまとめたものです。

SNSの種類 アクティブユーザー数(世界) 特徴
X (旧Twitter) 5億5,600万人
  • 拡散性がある
  • 動画や記事と連動できる
Instagram 20億人
  • 写真や動画が中心なので言語の壁がない
  • ハッシュタグにより拡散されやすい
Facebook 29億5,800万人
  • 世界で最も多く利用されているSNSなのでマーケティング効果大
  • ハッシュタグにより拡散されやすい
  • ユーザーとのつながりの強さ
You Tube 25億1,400万人
  • ストック型で過去の情報も検索できる
  • 情報量の多さ
  • 動画による視覚効果
Weibo(微博) 5億8,400万人
  • 中国語圏で圧倒的なシェアを誇る
  • 拡散力が高い

自社の商品・サービスや目的に応じて、どのツールを運用するかを選択することがポイントです。また、複数のSNSを併用することにより相乗効果も狙えます。

参考:
Most popular social networks worldwide as of January 2023, ranked by number of monthly active users

Weibo Reports Fourth Quarter and Fiscal Year 2022 Unaudited Financial Results

「関連記事」
【変化するSNS運用】メリットと成功事例

SNSによるインバウンド集客を成功させるポイント

ここでは、SNSによるインバウンド集客を成功させるポイント5つについて解説します。

SNS運用の基本を押さえる

インバウンド目的であっても、SNS運用における基本は変わりません。まずは、運用体制の構築やルール作り、ポリシーの理解などを、運用者がしっかりと理解しておきましょう。これらが曖昧になってしまうと、十分なマーケティング効果が発揮できません。運用の属人化を防ぐため、コンテンツのコンセプトや返信対応、ハッシュタグなどをマニュアル化するのもおすすめです。

そのうえで目的に沿った一貫性のある投稿や、十分な投稿頻度の確保などを行い、投稿しながら仮説検証を繰り返すことが必要です。

ターゲットの国に合わせた運用を行う

SNSではターゲットにする国の言語を使う、文化を理解するなど、ターゲットとなる国に合わせた運用を行うことが欠かせません。日本語でいくら有益な情報を発信しても、日本語が理解できない外国人には魅力が伝わりにくいものです。

また、ターゲット国におけるアクティブユーザー数が多いSNSを使うこともポイントです。中国ではX (旧Twitter)やFacebookなどのSNSに規制がかかっているため、アクティブユーザー数の多いWeiboを活用しましょう。

ハッシュタグを効果的に使う

ハッシュタグを効果的に使うことで、新たな顧客にアプローチが可能です。英語での投稿を行わない場合でも、ハッシュタグを工夫すれば十分なリーチが見込めます。以下は、外国人旅行者が多く検索すると見込まれるハッシュタグの一例です。

  • #japan_trip
  • #beautifuljapan
  • #instatravel
  • #kyoto
  • #kimono
  • #geisha
  • #shrine

ただし、投稿数の多いハッシュタグをつけると他の投稿に埋もれてしまいやすいため、多数の人に見てもらえる適切なハッシュタグを選ばなければなりません。他には見られない、独自のハッシュタグをつけるのもおすすめです。

インフルエンサーとコラボレーションを行う

特にターゲットとする国がある場合は、その国で活躍するインフルエンサーとコラボレーションする方法もあります。埼玉県のように、フォロワー数の多いインスタグラマーをアンバサダーとして起用することで、ターゲット国の言語で情報を伝えられるのが魅力です。知名度のあるインフルエンサーにPRしてもらうことで、幅広い層から認知してもらえるでしょう。

データ分析による改善を行う

SNSを運用するうえでは、データ分析による改善が必須です。SNSによるPRだけでは現実的にリピーター化は難しく、アンケートで十分な情報を収集しきれない傾向にあります。とはいえ、手作業での情報収集・分析は負担が大きく精度にも問題があるため、ソーシャルリスニングツールの導入がおすすめです。作業を効率化し、長期的な改善と施策の立案を繰り返すことが重要になります。

インバウンド集客の情報収集には「Buzz Finder」

「Buzz Finder」とは、X (旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSから情報収集が可能なソーシャルリスニングツールです。X (旧Twitter)に関しては公式全量データから直近の投稿をリアルタイムで収集できるため、最新のトレンドを把握することはもちろん、素早いアクションや改善が期待できます。

また、主な話題と前日のツイート量が届くデイリートピックメールやアラート通知機能なども備えており、費用対効果が高いのも特徴です。ダッシュボードやCSV出力による詳細分析、ビッグワード収集条件最適化など、充実した機能に満足の声を多くいただいています。

SNSによるインバウンド集客は適切な情報収集と戦略が重要

デジタルシフトが加速するなか、いまや世界中で活用されているSNSによるインバウンド集客。SNSをうまく運用することで新規のインバウンド客を集めることはもちろん、リピーター化に成功した自治体や企業も多くあります。

SNSマーケティングを成功させるためには、適切な情報収集と戦略が欠かせません。圧倒的な情報収集力を誇るソーシャルリスニングツール「Buzz Finder」を活用して、効率的にインバウンド集客を行いましょう。以下からインバウンド戦略向けの資料をダウンロードできるのでぜひお役立てください。

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