2021/07/29

ビジュアルIVR

コールフローとコールセンターの業務効率の関係とは?

業種に関係なく、コールセンターは顧客とのアクセスポイントとして重要な役割を果たします。そして、コールセンターを運営するうえで欠かせない概念が「コールフロー」です。コールフローはコールセンターの業務効率に大きく影響します。この記事では、コールフローの意味や重要性、作成する際のポイントなどを解説します。

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コールフローとは何か?コールセンターにおける重要性

少しでもコールセンターの生産性を上げるには、オペレーターの作業効率を高めなくてはなりません。そのための仕組みがコールフローです。この段落では、その意味と重要性を解説します。

入電を正しく振り分けること

コールセンターのオペレーターは顧客からの入電を受け、解決に導くまでを担当業務としています。そして、入電を適切なオペレーターに振り分けてスムーズに解決するまでの流れがコールフローです。定められたコールフローにより、入電は解決できる能力を有するオペレーターの元へと振り分けられます。コールフローはオペレーターのスキル、問い合わせ内容などのルールに従って決められます。そうやってコールセンターではコールフローに従いながら日々の業務がなされていくのです。

どうしてコールフローは重要?

第一に「顧客満足度の向上」です。顧客が望む解決を担当オペレーターができない場合、別の人間に振り分け直さなくてはなりません。しかし、このような振り分けを繰り返していると顧客はストレスを感じて満足度を下げていきます。逆に、顧客がすぐ問題解決できたとすれば、企業への信頼度は高まってロイヤリティが育まれていくでしょう。

第二に「対応時間の短縮」です。限られたオペレーターで入電にしっかり対応するには、1件あたりの対応時間を短縮しなければなりません。つまり、専門外の案件に手間取って時間を割かれることは無駄だといえます。コールフローが適切に作成されていれば、オペレーターは専門の案件に集中できるので対応時間も短くなります。その分、多くの入電を受けられるのです。さらに、少ない人数でも効率的にコールセンターを運営していくことが可能です。

コールフローと密接な関係を持つIVRとは何か?

実際にコールフローを構築して現場を回していくとき、重宝される技術のひとつが「IVR」です。IVRとは「Interactive Voice Response」の略で「自動音声応答」と訳されることが多い言葉です。IVRはあらかじめ録音しておいた音声を、顧客に対して自動的に流すシステムを指します。顧客はコールセンターに電話をかけるとまず、IVRによって応答されます。そして、IVRから示された選択肢をプッシュボタンで進んでいくのが一般的です。最終的にIVRは顧客の抱えている問題、希望を絞り込みます。そのうえで、問題解決のスキルを持ったオペレーターと顧客を接続するのです。

IVRが導入されていれば、混雑時に顧客がコールセンターへとつなげなくなる事態を防げます。オペレーターが忙しくても、とりあえずはIVRが顧客の要望をヒアリングしてくれます。仮に電話を折り返さなくてはならない状況でも、IVRから案内することが可能です。このように、IVRはコールセンターに電話してきた顧客を放置しません。しかも、よくある質問や資料請求の対応などのルーティーンワークならIVRだけでも行えます。顧客満足度の維持とコールセンター側の生産性向上、いずれの面でもIVRは役立つシステムです。

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何を基準に考える?コールフロー図作成のポイント

コールフローを作成するにあたって、もっとも大切な考え方は「適材適所の入電がなされる」ことです。顧客が求める能力を有するオペレーターが対応すれば、効率的に問題解決まで導けます。ここからは、コールフロー図作成のポイントを説明していきます。

サービスや商品の利用前と利用中の入電を分配する

入電の内容はサービスや商品利用前と利用中の顧客によって大きく異なります。ご利用前であれば、サービスや商品の詳細を聞きたいと思っている顧客が多いでしょう。一方、利用中の顧客は使用上の不明点やトラブルなどについて聞いてくることが多いといえます。コールフローでは、最初に顧客を利用前と利用中の2つに分類することが大事です。

利用者を認証する

もしも入電してきた相手がサービス利用中の顧客だった場合、本人認証が必須となります。氏名や住所、生年月日といった個人情報を確認して認証を進めましょう。ここで注意したいのは、基本情報だけでは「なりすまし」を見抜きにくいことです。悪意のある第三者がなりすまして、コールセンターから顧客情報を抜き出そうとしている可能性もゼロではありません。そこで基本情報に加えて、より強固なセキュリティ対策となる認証を行うことが肝心です。会員ページのログインIDやパスワードなど、本人しか知らない情報を顧客から提示してもらいましょう。これらのデータと基本情報を組み合わせれば、第三者が身元を偽装しにくくなります。

過去の入電数を参考に分配する

顧客の振り分けが終われば、次に適切なオペレーターとつないであげなくてはなりません。この分配がコールフローでは非常に大切です。分配の参考に、オペレーターごとに過去の入電数をチェックしてみましょう。多くのコールセンターで、オペレーターの入電数にはばらつきが生じています。なぜなら、オペレーターによって1件あたりの対応時間がまちまちだからです。入電数の少ないオペレーターは、スキル不足の案件に手を焼かされている可能性があります。あるいは、サービスの初心者に難しい説明をして困らせていることも考えられます。

入電数をチェックしたら、オペレーターの仕事ぶりを現場で確かめてみるのもひとつの方法です。そうやってオペレーターたちの得意分野を把握し、的確な分配がなされるようにコールフローを調整します。

対応者のスキルも考慮する

コールフローでは原則的に、オペレーターごとの入電数を均等にするよう意識します。ただし、オペレーターのスキルに差がある場合には多少の調整をしてみてもいいでしょう。たとえば、新人オペレーターがベテランと同じだけの仕事をこなすのは難しいといえます。特定のサービスや商品について、深い知識を持っているオペレーターもいるでしょう。対応者が成長過程にあるのなら、あえて入電数を少なくするのもポイントです。その一方で、スキルが優れているオペレーターに入電を多く分配すると、現場がスムーズに回っていきます。

トラブルシューティングも重要

コールフローは一度決めてしまえば固定されていくものではありません。いざ現場で実践してみると、うまくいかない場面も出てくるでしょう。こうした問題の原因を考え、現場を改善しようとする「トラブルシューティング」は不可欠です。問題に応じてコールフローを調整し、入電の分配を工夫しながら最適の仕組みを導き出しましょう。

顧客の目線を意識しよう!コールフロー作成時の注意点

コールフローを作るとき、意識したいのが顧客の目線です。現場の都合だけで作り上げたコールフローは顧客に受け入れられにくいといえます。顧客の考えを想像しながらコールフローを築き上げるようにしましょう。ここからは、コールフロー作成の注意点を挙げていきます。

顧客の状況に応じた案内文を

IVRによってコールフローを実践しようとする現場は多いでしょう。ただし、自動音声の案内文はオペレーターと違い、顧客が途中で遮ることはできません。最後まで聞かなければ次のステップまで進めない案内文もたくさんあります。顧客からすれば、黙って案内文を聞いてるだけの時間がストレスになりかねないのです。そのうえ、案内文の内容が分かりづらければより不快な気持ちになっていくでしょう。最悪の場合だと、顧客が案内文の途中で電話を離脱してしまいかねません。顧客にあまり時間がないときは、余計に案内文を聞くのが煩わしくなっていくはずです。

こうした事態を避けるため、コールフローの時点で案内文はできるだけ簡潔にしておきます。まわりくどい挨拶を省き、自動音声が要件から切り出すように設定しましょう。また、顧客が短時間で問題解決できることも大切です。コールフローの階層は少なくして、IVRによる選択肢の数も増えすぎないよう注意します。

コールフローを複雑にしない

IVR方式では特に、複雑なコールフローは顧客から敬遠される傾向にあります。たとえば、自動音声だと顧客は複数のメニューから自身の問題にあてはまるものを選ぶことになります。こうした選択を何度か行えば、適切なオペレーターにまでつながれるシステムです。しかし、メニュー数が多すぎると顧客はどれが何番のボタンだったか覚えられません。たくさんのメニューを聞いているだけでもストレスになるでしょう。

専門用語が多いコールフローも厳禁です。オペレーター相手なら、顧客はその都度、意味を確認しながら電話を続けられます。それに対して、自動音声だと意味が分からない単語を確認することができません。顧客は問題があって入電したにもかかわらず、新しい疑問を抱えてしまうことになるのです。コールフローでは専門用語を避け、平易な言葉遣いに置き換えて案内しましょう。

そのほかでよく起こる問題として、「たらい回し」も挙げられます。フローが複雑化したコールセンターだと、入電に対応する部門も多くなりすぎてしまいます。顧客が長い時間をかけてオペレーターにつながれたにもかかわらず、別の人間に回されるケースも珍しくありません。たらい回しにされてなかなか対応してもらえない状態が続くと、顧客は企業への信用を失ってしまいます。たらい回しが行われないよう、コールフローの終着点は最低限の数に留め、それぞれの担当案件を明確にしておきましょう。

そのうえで、すべての案件を自動音声だけで対応しようとしないことを意識します。コールセンターの作業効率でいえば、IVRだけで問題が解決されていくと楽ではあります。しかし、顧客からすれば自動音声から得られる以上の情報がないため、不満を覚えかねません。顧客がオペレーターとつながり会話できる選択肢を設けておくことで、顧客満足度低下を抑えられます。

コールセンターをオムニチャネル化する

顧客と企業側の接点を「チャネル」とも呼びます。コールセンターの場合、電話回線が顧客とのチャネルになっているといえるでしょう。ただし、すべての顧客がいつでも電話で問い合わせできるわけではありません。仮に公共の交通機関を利用していれば、その間は電話を使用できなくなってしまいます。また、オペレーターと会話する時間を面倒だと感じる人もいるでしょう。さまざまな顧客の事情に対応するためには、チャネルを複数設ける「オムニチャネル化」が不可欠です。

電話以外の代表的なチャネルが「Webサイト」「Webフォーム」と「Eメール」です。ノートパソコンやスマホがあればどこからでも問い合わせできるので、場所を選ばないチャネルだといえます。より手軽に問い合わせをできるチャネルとして、「チャット」を設けているコールセンターもあります。2010年代になってからはビジネスシーンでも「LINE」を利用する人が増えてきました。コールセンターに対しても、慣れた手法で問い合わせをしたいと考える人は少なくありません。

そして、コールセンター側はオムニチャネルを設けるだけでなく、それらで収集したデータを統合していくことも必要です。それぞれのチャネルで得た顧客情報をオペレーター間で共有できれば、今後のサービス向上へとつながっていくでしょう。

コールフローは定期的に振り返ろう

着実にコールフローの精度を高めていくには「PDCAサイクル」を取り入れてみるのも得策です。PDCAサイクルとは「計画(PLAN)「実行(DO)」「分析(CHECK)」「改善(ACT)」の4段階からなる業務の改善方法です。実行者は業務を4段階に分けて進めていき、それぞれのデータを収集します。そして、次のサイクルへと移るときに過去のデータを参照します。これらのサイクルを繰り返していくうち、業務内容は改善されていくのです。

なぜPDCAサイクルが重要なのかというと、コールフローはすぐに最適な方法が見つかるような仕組みではないからです。それに、優れたフローも時間が経てば、新しいニーズに対応できなくなることもありえます。だからこそ定期的にコールフローの現状を振り返り、欠点を克服していこうとする姿勢が欠かせないといえます。

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コールフロー改善にはモバイルウェブのビジュアルIVRを

ビジュアルIVRとはIVR(自動音声応答システム)の自動音声ガイダンスをWebページもしくはアプリで可視化したシステムのことです。顧客を電話口からSMS(ショートメッセージ)を用いてビジュアルIVRのURLを含むメッセージ送信を行い、Webへ案内します。ビジュアルIVRへアクセスすることで、利用者自身が課題解決することができます。モバイルウェブの「ビジュアルIVR」は、コールセンターの特徴に合わせて画面を設計できるのも大きな魅力です。導入支援も充実しており、初めてのビジュアルIVRとしてもおすすめです。