2024/04/16

ビジュアルIVR

コールセンターの無人化対応とは?メリットと無人化の方法を解説

「オペレータの数が少なくあふれ呼が発生している」「受付時間を伸ばしたいのに人手が足りない」といった悩みを抱えているコールセンターも多いのではないでしょうか。限られた人手でコールセンターを運営するには、コールセンター業務の無人化対応が効果的です。

この記事では、コールセンターが抱える課題と無人化するメリット、無人化に役立つツールやサービスを紹介します。コールセンターの運営に課題を感じている方は、ぜひチェックしてみてください。

この記事の内容
  • 多くのコールセンターでは「人材の確保が難しい」「あふれ呼が発生している」「深夜・早朝の対応が難しい」といった課題を抱えている
  • コールセンターの一部業務を無人化すると人材不足解消につながり、顧客満足度の向上も期待できる
  • コールセンター業務を無人化するには、ビジュアルIVR・SMS・チャットボット・AI自動応答システム・受付代行といったツール・サービスの利用がおすすめ

コールセンターで発生しやすい課題

コールセンターにはさまざまな課題がありますが、特に以下のような課題に悩まされているケースが多く見られます。

  • 人材の確保が難しい
  • あふれ呼が発生してしまう
  • 深夜・早朝の対応が難しい
  • オペレータの応対品質に差がある

上記4つの課題について、以下で詳しく見ていきましょう。

人材の確保が難しい

コールセンターは離職率が高い業界の一つで、人材の確保が難しいという課題があります。顧客からクレームを受けることも多く、ストレスを感じて辞めてしまうオペレータも少なくありません。

コストをかけて人材を採用しても、定着率が低いと人手がすぐに足りなくなってしまいます。近年は業界を問わず人手不足が加速しているため、そもそも人材の採用に苦労しているコールセンターも多いでしょう。

オペレータが足りないとお客様からの入電に対応できず、販売機会の損失やクレームにつながることもあり、さまざまな問題の原因になります。そのため、人手不足はコールセンターが早急に解決すべき課題の一つです。

あふれ呼が発生してしまう

入電の数がコールセンターの電話回線やオペレータの数を上回ると、お客様からの電話に応答できない「あふれ呼」が発生します。あふれ呼が発生する原因は複数ありますが、よくあるのは特定の時間帯に入電が集中するケースです。

例えば、顧客にビジネスパーソンが多い企業は、平日の昼休みの時間帯に入電が集中します。通信販売の電話受付なら、商品の紹介をした直後は多くの入電があるでしょう。このようなケースでは一時的に電話回線やオペレータの数が足りなくなってあふれ呼が発生します。

また、先ほど紹介した通りコールセンターは人手不足に陥りやすく、そもそも十分なオペレータを確保できずにあふれ呼が常態化してしまっているケースもあります。

関連記事:あふれ呼の意味とは?問題点や原因・対策法を解説

深夜・早朝の対応が難しい

職業や生活リズムによって、コールセンターに電話をかけやすい時間帯は人それぞれです。すべてのお客様のニーズをカバーするなら24時間365日対応が理想ですが、実現するのは簡単なことではありません。

コールセンターの受付時間を長くするほど多くのオペレータが必要で、その分人件費もかかります。人材やコストを確保できないために「平日の9時から17時」のように受付時間を区切っているコールセンターもあるでしょう。

しかし、受付時間内に電話をするのが難しい人や、トラブルなど受付時間外に緊急で問い合わせをしたいという人もいます。受付時間外は一切対応しないという状況のままでは、顧客満足度が低下してしまうかもしれません。

オペレータの応対品質に差がある

コールセンターのよくある課題として、「オペレータによって応対品質に差がある」という点も挙げられます。複数人のオペレータが在籍していると、どうしても人によって経験やスキルに差が出てきます。

特にオペレータの定着率が低いコールセンターでは人の入れ替わりが激しく、オペレータごとの経験年数に大きな開きがあったり、教育に十分な時間をかけられないまま業務に就かざるを得なかったりするケースもあるでしょう。

人間が対応している以上、多少の差が出るのは仕方ないことですが、オペレータによって回答内容や回答までにかかる時間が大きく変わるのは好ましくありません。スキルの高い人に業務が集中してしまうなど、業務効率の低下やオペレータへの負担増加などを招くおそれもあります。

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コールセンターを無人化対応するメリット

先ほど紹介したような課題は、コールセンターの一部業務を無人化することで解決できる可能性があります。無人化すると、以下のようなメリットがあります。

  • 人材不足を補うことができる
  • 入電が増えても顧客対応が可能
  • 24時間対応の実現につながる
  • 顧客満足度の向上につながる場合がある
  • コストの削減につながる

上記5つのメリットについて、以下で解説します。

人材不足を補うことができる

コールセンターの業務を無人化対応すると、少ない人数のオペレータでも多くの問い合わせに対応できるようになります。例えば、よくある質問にシステムで自動応答できる仕組みを導入すれば、オペレータはより複雑な問い合わせにだけ対応すれば良いため、同じ人数でもより多くの問い合わせに対応できるようになるでしょう。

このように一部の業務だけでも自動化できれば、人手を思うように集められない場合でも応対件数を落とさずに済みます。

入電が増えても顧客対応が可能

受付機能を無人化すると、入電が増えてもあふれ呼の発生を防げます。オペレータにつながるまで自動音声を流してそのまま待つように伝えられれば、お客様側にも「何度も電話をかけずに済む」というメリットがあります。

ただし、自動音声のままお待たせする時間が長くなるほどお客様のストレスになるため、「SMSでWeb問い合わせフォームを案内する」「コールセンター側からの折り返しを提案する」などの対策も検討しておきましょう。

24時間対応の実現につながる

コールセンターの時間外業務を無人化できれば、オペレータの対応が難しい深夜や早朝の応対も可能になり、24時間対応の実現につながります。オペレータのように完全な受け答えは難しいとしても、公式サイトのよくある質問に誘導したり折り返し希望時間を聞き取ったりするだけで、お客様の不安や不満を軽減できるでしょう。

さまざまな要因から24時間対応を諦めているコールセンターも、無人化のためのツールを活用することで実現できる可能性があります。

顧客満足度の向上につながる場合がある

コールセンターの無人化であふれ呼の防止や24時間対応が可能になると、顧客満足度の向上が期待できます。

例えば、自動応答によってあらかじめ問い合わせ内容ごとに接続先を振り分けられれば、問い合わせ内容に精通したオペレータにつなげられてスムーズな対応が可能です。お客様は不明点や疑問をすぐに解決でき、対応に満足してもらえるでしょう。

また、Webの問い合わせフォームや公式サイトのFAQの存在を知らずにコールセンターに電話をしている人もいるため、自動音声やSMSでこれらを案内すると活用してもらえるかもしれません。FAQなどはオペレータにつながるのを待つ必要がないため、電話以外のツールに案内することで問題を早急に解決できる可能性もあります。

コストの削減につながる

無人化によってコールセンターの業務を効率化すると、少ないオペレータでも問題なく業務をこなせるようになります。顧客数や入電数が増えてもオペレータの人数を増やさずに対応でき、結果として人件費などのコスト削減につながります。

より多くの業務を無人化できれば、今よりも少ない人数のオペレータでコールセンターを運営できるかもしれません。最低賃金が上昇して人件費が上がっている昨今において、無人化によるコスト削減は大きなメリットでしょう。

ChatGPTでコールセンターの無人化対応は可能?

テキストでのやりとりができるAI「ChatGPT」は、2022年の登場以来さまざまな業界で活用が進められています。そのため、「ChatGPTをコールセンターの無人化に活用できないか」と考えている人もいるかもしれません。

結論から言うと、ChatGPTでコールセンターを無人化するのは現時点では困難です。ChatGPTは問い合わせ内容の背景や商品・サービスについての特性などを完全に理解しているわけではないため、お客様が求める回答を提供できない可能性があります。

また、お客様の個人情報や商品に関する機密情報などをChatGPTに学習させるのはセキュリティ上の懸念もあり、現時点では現実的ではありません。

ChatGPTはテキストの作成や要約を得意とするAIのため、FAQやトークスクリプトの原案作成など、一部業務の補助ツールとして活用するのがおすすめです。

コールセンターを無人化対応する際に活用できる代表的なツールやサービス

コールセンターの無人化対応を進めるには、以下のようなツールが役立ちます。

  • IVR/ビジュアルIVR
  • SMS
  • チャットボット
  • AI自動応答システム
  • 受付代行

上記5つのツールの概要について、以下で解説します。

IVR

IVRは、顧客からの入電に対して自動音声で対応する仕組みです。問い合わせ内容に応じた番号をプッシュするようアナウンスを流し、問い合わせ内容に合った専門のオペレータに接続します。多くの企業が導入していて、実際に顧客として利用したことがある人も多いでしょう。

IVRを導入すると、コールセンターの一次受付を無人化できます。これによりあふれ呼を防ぎ、オペレータも問い合わせ内容をある程度予測してスムーズな対応が可能です。

IVRは自動音声でアナウンスをするものの、最終的にはオペレータが対応することに変わりありません。そこで近年は、電話以外の解決方法も案内できるビジュアルIVRの活用も進んでいます。

ビジュアルIVRは、問い合わせ内容に応じてFAQやチャットボットなど適切な窓口を視覚的なメニューで案内できるツールです。コールセンターに電話をしなくてもお客様自身での問題解決が可能になるため、入電数の削減が期待できます。

関連記事:ビジュアルivrとは?メリットや導入事例を解説!

SMS

近年はSMSのビジネス利用が進んでいて、コールセンターでも活用されています。例えば、あふれ呼が発生したときや受付時間外の入電に対して、SMSを送信するケースです。コールセンターからの折り返し希望時間をWebフォームで受け付けたり、よくある質問を掲載している公式サイトにURLを案内したりできるので、オペレータが対応できなくても顧客に対して何らかのアクションを起こせます。

IVRとSMS送信サービスを連携することで上記のようにSMSを自動送信することが可能です。

チャットボット

チャットボットは、チャットでお客様に自動応答するツールです。Webブラウザやスマートフォンアプリから問い合わせ内容をテキストで入力すると、自動で回答が返ってきます。コールセンターが混み合っているときや受付時間外にチャットボットに誘導するようにすれば、お客様を早く解決に導けるでしょう。

また、最初からチャットボットを活用してくれるお客様が増えれば、コールセンターへの入電数を抑えられるという効果も期待できます。

ただし、チャットボットだけではイレギュラーな内容や複雑な問い合わせなど対応が難しいものもあるため、「問題が解決しなかった場合はコールセンターへ」など場合によっては電話への誘導も必要になります。

関連記事:チャットボットを導入するメリットと失敗しない選び方

AI自動応答システム

AI技術の発展によって、相手が話した内容を理解して音声で回答するAI自動応答システムも登場しています。これには、以下の3つの技術が使われています。

  • 相手が話した言葉を認識する音声認識技術
  • 音声認識技術で取り込んだ内容を理解する自然言語処理技術
  • 回答内容を音声として出力する音声合成技術

AI自動応答システムを使うと、人間のオペレータに問い合わせをしているときと同じように会話でのやりとりが可能になります。折り返しを希望したりチャットで問い合わせをしたりする必要がないため、お客様に手間をかけさせない無人化ツールといえるでしょう。

受付代行

受付代行サービスを利用して、コールセンター業務をアウトソーシングするのも方法の一つです。人間のオペレータが対応するため、複雑な問い合わせにも対応できます。対応内容はマニュアル化されてしっかり共有されるので、応対品質に差が出にくいというメリットもあります。

ここまで紹介してきたツールとの大きな違いは、人間のオペレータが対応する点です。そのため、「内容が複雑な問い合わせが多い」「トラブル対応を主に受け付けている」といったコールセンターでは、受付代行の利用も検討してみましょう。

ビジュアルIVRでコールセンターの無人化を実現

コールセンターには人材確保の難しさやオペレータごとの応対品質の差など、さまざまな課題があります。近年は業界を問わず人手不足が加速しているため、特に人材確保に悩んでいるコールセンターも多いでしょう。

コールセンターが抱えるこれらの課題を解消するには、無人化を実現するツールの導入が効果的です。コールセンター業務の一部でも無人化できれば、少ないオペレータでも効率的にコールセンターを運営できます。

コールセンターにおすすめの無人化ツールの一つが、ビジュアルIVRです。電話以外の問題解決手段を視覚的に案内し、お客様による自己解決を促せます。

NTTコム オンラインが提供する「ビジュアルIVR」は、お客様が入電してきた電話番号に対してSMSでURLを送信し、ビジュアルIVRに誘導します。自由度の高いメニュー画面を作成でき、導入時のワンストップサポートにより安心してご導入いただけます。この機会に「ビジュアルIVR」をぜひご検討ください。