2021/08/27

ビジュアルIVR

顧客体験を充実!コールセンターのエフォートレス体験とは

コールセンターでは顧客満足度が非常に大切です。企業と顧客の貴重な接点であるコールセンターは、可能な限りストレスのない対応を心がけなければなりません。そこで生まれた考え方が「エフォートレス」だといえます。この記事では、コールセンターのエフォートレス体験の意味や重要性、実現のポイントなどを解説していきます。

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エフォートレス体験の概要!顧客の不安を軽減しよう

そもそもエフォートとは「努力」「尽力」を意味する英語の「effort」のことです。すなわち、エフォートレスとは「努力をなくす」という意味です。この段落では、コールセンターに関するエフォートレス体験について概要を解説します。

顧客の努力を減らしてサービス向上

エフォートレスとは主にサービス業で顧客の努力を少なくする工夫のことです。顧客がサービスを利用する際、努力がゼロになることはありません。手順が分からなかったり、画面の操作が難しかったりして、克服のための努力を行うことは多いでしょう。企業側はこれらの努力が最小限になるよう働きかけることが必要です。その結果として、顧客はエフォートレス体験を得られます。これは顧客がサービス利用時にストレスを感じていない状態であり、企業側の大きな目標です。

あらかじめ顧客の不安や不満を遠ざける

企業がエフォートレス体験を実現するには、「カスタマージャーニー」を分析することが大事です。カスタマージャーニーとは、顧客がサービスや商品を知り、購入に至るまでの道のりです。その過程で、顧客はさまざまな努力に直面しています。サービスに上手く登録できるかどうか分からない不安や、購入にかかる手間暇への不満など、すべては顧客の努力だといえます。こうした不安や不満を事前に調査し、取り除いていくことがエフォートレスな体験を導き出すのです。

エフォートレス体験実現で押さえておくべき「顧客の努力」とは

顧客がサービスや商品について感じている努力はさまざまです。エフォートレス体験実現にはそれらを掘り下げ、解消しなくてはなりません。ここからは、顧客の努力について具体例を挙げていきます。

不明点の多さ

代表的な顧客努力のひとつが、そもそもの分かりづらさです。サービスや商品そのものが難解で、利用方法をすぐに理解できないのは問題です。顧客自身が自分で仕様を調べ、正確に利用できるまでの努力を重ねなくてはなりません。一度問い合わせしただけでは問題が解決せず、何度もコールセンターに電話する場合もあります。その時間はとてもストレスであり、顧客ロイヤリティーを低下させていきます。また、疑問点についての問い合わせ先が分かりにくいサービスに対しても、顧客は大きな不満を抱くでしょう。

分かりづらいFAQやIVR

カスタマーサービスとして企業が用意したはずのFAQやIVRが、新たな顧客努力を生んでしまう可能性もあります。FAQとはよくある質問への答えをまとめたものです。そして、IVRとは自動音声による応答機能です。本来なら、これらのサービスを利用すれば顧客の不満や不安はスムーズに解消されるはずです。しかし、FAQの文章が専門的で難解だと、顧客は内容を読み取れません。自分で用語を調べたり、何度も読み直したりする手間がかかってきます。さらに、IVRで手順が多すぎて、問題解決まで時間を要するのも不満につながるでしょう。

より問題なのは、FAQやIVRに辿り着くこともできないケースです。商品のパッケージやホームページでも問い合わせ先を確認しづらいと、顧客は疑問点を抱えたまま放置されてしまいます。こうして、企業への愛着は薄まっていくのです。

問い合わせが制限されている

顧客から企業への問い合わせ方法が限られているのも改善点といえるでしょう。顧客の事情はいろいろで、人によって望んでいる問い合わせ方法は違います。口頭で丁寧に解決方法を教えてほしい場合、カスタマーセンターに電話をする人が多いでしょう。文章で解決方法を理解したい人にとってはメールが便利です。手軽さを求める人にとっては、SNSが使いやすいはずです。ただ、自分が望んでいる問い合わせ方法が採用されていない場合、顧客は不本意なプロセスを踏まなくてはなりません。それは面倒な顧客努力であり、大きな不満を生み出してしまうのです。

サービス部門から別部門への転送

問い合わせた部門から、別の部門へと転送されるのも顧客努力の一部です。多くの場合、カスタマーセンターに電話した顧客はまずサービス部門のオペレーターと会話することになります。それでも、サービス部門で対応できない案件は、テクニカル部門などに回さなくてはなりません。その間、顧客は待機状態になってしまいます。そのうえ、テクニカル部門でも解決できなくて別の部門へとたらい回しにされるようなら、顧客の不満はどんどん膨らんでいくでしょう。最初に話をした部門で問題が解決しないのは、顧客にとって無視できないストレスだといえるのです。

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エフォートレス体験が重要な理由

エフォートレス体験を実現するには、企業側も相応の努力をしなければなりません。ときには、業務フローを大幅に変えることもあるでしょう。そこまでしてでもエフォートレス体験が重要なのは、顧客にさまざまな影響をもたらすからです。ここからは、エフォートレス体験の重要性について説明します。

顧客体験

他社との差別化を図るという意味で、エフォートレス体験は見逃せません。通常、顧客はサービスや商品の利用体験に価値を見出します。あるいは、安く購入できることで深い満足感を得るでしょう。ただ、競合他社が多い業界では、サービスや商品の差別化が難しくなっています。価格競争に力を入れたとしても、自社の利益を少なくする事態になりかねません。そこで、カスタマーセンターのような顧客接点で、エフォートレス体験を提供することが大切になってきました。ストレスなく顧客の問題が解決されれば、満足度は向上します。そして、サービスや商品のリピートにもつながっていくのです。

エンゲージメント(愛着)

ロイヤルカスタマー獲得のためにもエフォートレス体験は大事です。ロイヤルカスタマーとは、企業に特別な愛着を抱いている顧客を指します。ロイヤルカスタマーはサービスや商品をリピートしてくれるので、LTV(顧客生涯価値)がかなり高いといえます。しかも、彼らは周囲の人間にサービスや商品を宣伝してくれる存在です。企業の魅力を自動的に広めてくれるので、ロイヤルカスタマーは新しい顧客を連れてきてくれるでしょう。

そして、ロイヤルカスタマー獲得に必要なのがエンゲージメントの向上です。質の高い体験によって、顧客のエンゲージメントを高めていかなくてはなりません。カスタマーサポートでのエフォートレス体験はエンゲージメント向上に強く関係しています。「スムーズかつ丁寧に対応してもらえた」という感想が、顧客の思い入れを膨らませていくでしょう。

顧客努力指標「CES(カスタマーエフォートスコア)」

「Customer Effort Score」の略が「CES」で、「顧客努力指標」と日本語で表記されることもあります。CESは顧客がサービスや商品を利用するにあたり、どれだけの努力を要したかの指標です。CESが高ければ高いほど、顧客は多くの努力をしたことになります。当然ながら、CESを低下させる工夫は顧客体験向上に大きく関係してくるでしょう。そして、エフォートレス体験はCESを考えるうえでの重要な基準になります。

多くの顧客は優れたサービスや商品を購入するよりも、努力を要しなかったことに満足感を覚えます。その結果として企業への愛着を強め、リピーターになっていくのです。エフォートレス体験はCESを抑え、顧客と企業の関係性を強めていく際に大事な役割を果たします。

顧客のニーズに応える!エフォートレス体験のポイント

エフォートレス体験のためには、顧客目線に立つことが大事です。顧客のニーズを踏まえながらコールセンターやカスタマーサポートを見直していきましょう。この段落では、エフォートレス体験実現のためのポイントをまとめていきます。

24時間365日顧客が問題を自己解決できるように

顧客が問題を感じるタイミングは、コールセンターの営業中と限りません。真夜中や早朝に問い合わせをしたい顧客もいるでしょう。彼らにとって、連絡をしたいときにコールセンターが開いていないのは大きなストレスです。そして、問題解決に向けてかなりの顧客努力をしなければなりません。そのままでは、顧客のエンゲージメントが薄れていく一方です。そこで、カスタマーサポートは24時間365日体制を目指しましょう。オペレーターの営業時間外でもIVR/ビジュアルIVR、問い合わせフォームによって、顧客が連絡できる仕組みを整えておきます。

エフォートレスなコールセンターを実現する取り組みの一つとして、「ビジュアルIVR」をご紹介します。
(関連ページ:モバイルウェブ ビジュアルIVR

FAQへの案内と内容の充実

ある問題が解決されたからといって、カスタマーサポートの役割は完了ではありません。次の問題の防止も大切な役割のひとつです。想定される問題を未然に忠告しておけば、顧客は余計な努力を行わなくてもよくなります。そうなるには、カスタマーサポートを利用した顧客にFAQを案内してみましょう。よくある疑問、不満への解決策を示すことで顧客体験の向上を目指せます。それと同時に、FAQの内容を充実させることも肝心です。顧客の疑問点を的確に捉えるのはもちろん、分かりやすい文章で解決に導けるように努めます。

コールセンターでCES(カスタマーエフォートスコア)を評価してもらう

エフォートレス体験を実現させるには、顧客の意見を反映させるのがもっとも効率的です。そのためには、コールセンターの利用者にアンケートをとってみましょう。サービスに関するアンケートを実施し、顧客の率直な感想を集計していきます。ここで注意したいのは、顧客にとって答えやすい設問を用意することです。「どう思いましたか」「何か不満がありましたか」のように、深く考えなければ答えられない質問は厳禁です。的確な答えを返してもらえないだけでなく、アンケートそのものがストレスになりかねません。

逆に、「サービスの満足度を5段階でお答えください」など、選択肢のある質問なら顧客もすぐに答えられます。データも集計しやすく、エフォートレス体験の具体的な対策について参考にできるでしょう。

カスタマーエフォートスコアを改善するための測定方法として、「Webアンケート」を紹介します。
(関連ページ:「Webアンケート」回収率3倍以上!SMSを活用したWebアンケートソリューション

さまざまな顧客接点チャネルの確立

カスタマーサポートにおいて、顧客接点チャネルは複数ある状態が理想的です。たとえば、コールセンターはもっとも一般的な顧客接点です。ただ、電車やバスに乗っている顧客は電話よりメールを好むでしょう。また、パソコンで問い合わせはできても、携帯端末に対応していないカスタマーサービスは不評を被りかねません。さまざまな状況に合わせて、顧客接点の選択肢を増やすようにします。

VOC分析を導入

顧客の声をマーケティング用語で「VOC(voice of customer)」と呼びます。そして、顧客の声を集計して掘り下げていくことが「VOC分析」です。VOC分析はカスタマーサポートに寄せられた声をマーケティングに活用するための手法です。VOCを分類し、整理していくことで初めて見えてくる顧客のニーズもあるでしょう。それをカスタマーサポートやサービス、商品に反映させれば顧客のエフォートレス体験を生み出せます。

顧客中心としたビジネスモデルでエフォートレス体験を実現させよう

企業がエフォートレス体験を考えるときは、顧客中心であることを意識しましょう。自分たちが売りたいもの、宣伝したい内容よりもまず、顧客の気持ちありきです。そこから逆算してビジネスモデルを確立できたなら、充実したエフォートレス体験を提供可能です。ここでは、顧客中心の考え方について説明します。

パーソナライズされた顧客体験がもたらす未来

顧客ごとの事情に合わせて、サービスを変えていくことを「パーソナライズ」と呼びます。そして、パーソナライズはエフォートレス体験に密接な関係を持っているといえるでしょう。たとえば、カスタマーサポートで顧客をFAQに誘導したとします。このとき、顧客が無関心なFAQを見せられても満足度を得られません。むしろ、余計な手間を強いられている状態です。しかし、履歴をもとにパーソナライズされたFAQを提供できれば、顧客は問題を未然に防げます。高度なエフォートレス体験へと導かれ、企業を信用できるようになるでしょう。

ピーチ・ジョン様事例に学ぶ コールセンターの新常識!ビジュアルIVRで実現するCX向上と効率化

エフォートレス体験は顧客と企業の絆を強めてくれる

顧客ロイヤリティーを高めるために、企業は満足感を提供しなければなりません。そのためには、優れた商品以上に顧客努力の解決が重要になることもあるのです。コールセンターをはじめとした接点でエフォートレス体験が実現すれば、顧客はその企業に競合他社よりも強い思い入れを抱いてくれます。企業と顧客の絆が強まり、リピーターを増やしていくことが可能です。