2025/10/23
Webアンケート
コールセンターの顧客満足度アンケートは重要?実施メリットや成功ポイントを解説
コールセンターの役割は、顧客が抱える疑問や課題を解決へと導くことです。単なる問い合わせ窓口ではないので、顧客満足度アンケートの結果に基づき、対応品質を高める必要があります。
本記事では、コールセンターで顧客満足度アンケートが重要な理由を踏まえつつ、実施のメリットや主なアンケート方法、成功のポイントについて解説します。コールセンターの品質向上を図るためのノウハウを掲載しているので、ぜひご一読ください。
- コールセンターでの対応は、企業やブランドに対する印象を良くも悪くも大きく変える。
- コールセンターで顧客満足度アンケートを行えば、顧客満足度の向上や従業員のスキル・モチベーション向上につながる。
- 顧客満足度アンケートを実施する場合、ビジュアルIVRシステムやアンケートフォームを用いる方法がある
- 顧客満足度アンケートを成功させるためには、調査の目的や対象を明確化したり、質問内容の質を高めたりすることが重要。
コールセンターで顧客満足度アンケートが重要な理由
コールセンターは顧客との重要な接点であり、企業の顔として機能する存在です。コールセンターでの対応は、企業やブランド全体の印象を大きく左右します。
仮に顧客がコールセンターでネガティブな体験をした場合、企業・ブランドへの印象が悪化し、購入停止や他社への乗り換えが発生するリスクを負ってしまいます。その結果、売上減少や信用低下につながりかねないため、企業にとって重要な非常に接点です。
PwCの調査データによれば、全顧客のうち32%は「一度でも悪い経験をすれば、愛用していたブランドとの取引をやめる」と回答しています。
出典:Experience is everything. Get it right.|PwC
また、emplifiの調査データでは、消費者の70%は、わずか2回の悪い経験でブランドから離れると回答しています。
出典:Emplifi reveals 70% of consumers will abandon a brand after just two negative experiences|emplifi
上記のデータが示すように、コールセンターは企業・ブランドの存続に欠かせない極めて重要な存在です。コールセンターでの対応品質は「顧客満足度」に直結するので、継続的な改善を行うことにより、企業の競争力を維持・向上できます。
コールセンターで顧客満足度アンケートを実施するメリット
コールセンターで顧客満足度アンケートを実施した場合、以下のメリットを享受できます。
- 改善すべきポイントが明確になる
- 顧客満足度の向上につながる
- 既存顧客の維持につながる
- 従業員のスキル・モチベーション向上につながる
各メリットの詳細もまとめました。
改善すべきポイントが明確になる
顧客満足度アンケートの結果から課題が明確になれば、適切な改善策を立案・実行できることがメリットです。顧客が満足している点と不満を感じている点を具体的に把握することで、オペレーター個人のスキルや対応に関する課題が明確になり、適切な改善策を実施できます。
待ち時間の長さや問い合わせ先のたらい回しなど、コールセンター全体の運営課題も特定できるため、品質向上や業務効率化に向けた改善を進めやすくなることもメリットです。
顧客満足度の向上につながる
顧客の生の声をアンケートで収集することにより、顧客のニーズを正確に理解できます。「顧客が何を求めているのか」という点に基づき継続的な改善を繰り返せば、コールセンターの対応品質が高まり、顧客満足度の向上につながることがメリットです。
顧客満足度が向上すれば、企業やブランドに対する評価が高まるので、最終的に売上アップやリピート率アップが見込めます。
顧客の期待を上回るサービスを提供できれば、さらに高い顧客満足度を実現できるでしょう。
既存顧客の維持につながる
満足度の高い顧客は自社サービスを継続利用しやすい傾向にあるため、既存顧客の維持につながることがメリットです。顧客の不満を早期に発見しつつ、必要な改善策を講じることで、サービスの停止や解約を防げるようになります。
顧客との良好な関係を構築すれば、ブランドロイヤリティ(ブランドへの愛着度や忠誠心)の向上が見込めることもメリットです。Zoomの調査データによると、顧客が肯定的なサポート体験をしたあと、企業から商品・サービスを購入する可能性は、否定的なサポート体験のあとよりも2倍以上高くなることが判明しています。
出典:Survey: High consumer expectations for customer support|Zoom
また、LTV(顧客生涯価値)が向上することで、長期的な利益増加も期待できます。
従業員のスキル・モチベーション向上につながる
顧客からの評価を知ることで、従業員のスキル・モチベーション向上につながります。なぜなら、アンケート結果をもとに個別のフィードバックを実施したり、研修や勉強会を開いたりできるためです。
オペレーター全体のスキル底上げにつながる具体的な改善点を把握できるほか、ポジティブなフィードバックを共有することで、モチベーション向上が見込めます。対応品質の継続的な向上を続けると、従業員の成長をさらに促進できるでしょう。
コールセンターにおける顧客満足度アンケート質問の例文
コールセンターで顧客満足度アンケートを実施する際の質問例は、以下のとおりです。
- オペレーターの対応にどの程度満足しましたか?
- 商品やサービスに関する説明はわかりやすかったですか?
- 問題は解決しましたか(はい・いいえ)?
- 待ち時間はどの程度でしたか?
- 電話のつながりやすさはいかがでしたか?
- 今後も弊社のサービスを利用したいと思いましたか?
- オペレーターの言葉遣いや態度はいかがでしたか?
- 今回の対応で最も良かった点は何ですか?
- 改善してほしい点があれば教えてください など
上記は必要最低限の内容なので、現状の課題やアンケートの目的に応じて他の質問も設けましょう。
コールセンターの顧客満足度アンケートを実施する方法
顧客満足度アンケートの実施方法は、主に以下の6つです。
-
SMS調査
SMS経由でアンケートのURLを送信し、顧客のスマートフォンから回答してもらう方法。NTTコムオンラインのモバイルウェブの調査により、SMSは開封率が高いことが判明している。 -
IVR/ビジュアルIVR
入電後にIVRを使用し、効率的にビジュアルIVRへ誘導し、Webアンケートを案内する方法。 -
メール調査
電子メールでアンケートフォームのURLを送付する方法。顧客は自分のペースで回答できるため、複雑な質問にも応じてもらいやすいが、アンケート回収に時間とコストがかかる。 -
インターネット調査
Webサイト上にアンケートフォームを設置し、顧客が任意で回答できるようにする方法。低コストで調査できるが、顧客に一定のスキルを要求される。 -
対面インタビュー
一人または複数の顧客と対面し、意見を集める方法。複雑な質問を投げかけやすいが、実施には時間とコストがかかる。 -
電話インタビュー
顧客に電話をかけて、アンケートを実施する方法。対面インタビューより時間とコストはかかりにくいが、複雑な質問はしにくい。
それぞれ一長一短なので、目的やシーンに応じて選ぶ必要があります。
ビジュアルIVRとは?メリットや導入事例、IVRとの違いを解説
アンケートは紙とWebのどちらで行うべき?シーン別に解説
コールセンターの顧客満足度アンケートを成功させるためのポイント
顧客満足度アンケートを成功させるためには、以下のポイントを実践することが重要です。
- 調査の目的・仮説を明確にして実施する
- 調査対象を明確にする
- アンケートの意図や報酬を冒頭で伝える
- 10分以内で回答できる内容にする
- 回答しやすい順番で質問する
- 選択式と自由記述式どちらも入れる
- 回答必須の項目は極力設けない
- 使いやすいアンケートフォームを利用する
各ポイントの概要や注意点も解説します。
調査の目的・仮説を明確にして実施する
顧客満足度アンケートは「最終的にどのような結果を得たいか」をイメージしつつ、具体的な目的を設定することから始めましょう。以下のような目的を明確にすれば、必要なデータと質問すべき内容が明らかになります。
- 顧客満足度を数値化したい
- オペレーターに対する評価が知りたい
- 顧客のニーズを把握したい など
目的を設定しないままアンケートを実施した場合、知りたかった情報や収集したかったデータを得られず、時間とコストを浪費してしまうリスクがあります。
目的とセットで仮説も立て、検証すべき項目を明確にしましょう。仮説を設定することで、より具体性のあるアンケートを設計できるので、本当に必要な情報の収集にフォーカスしやすくなります。
調査対象を明確にする
顧客満足度アンケートを実施する際は、あらかじめ調査対象(ターゲット)を明確に定義しておきましょう。調査目的に応じて適切な対象者を選定すれば、質問の精度が高まるので、データの偏りが生じにくくなります。
年齢・性別・職業・居住地など、回答者の属性も合わせて収集し、データ分析に活用しましょう。
また、代表性を確保できるよう、適切なサンプルサイズ(実際にアンケートを引き受けてもらう人数)を設定することも大切です。
アンケートの意図や報酬を冒頭で伝える
冒頭で「なぜアンケートを実施するのか」という目的を説明すれば、顧客は安心して回答しやすくなります。途中離脱を未然に防げるよう、回答にかかる時間も事前に伝えておきましょう。
また、回答者に対するメリットやインセンティブがあれば、回答率の向上につながるため、きちんと明記しておくことが大切です。
プライバシーの保護についても説明すると、安心感と信頼感を与えられます。
10分以内で回答できる内容にする
回答者の負担を最小限に抑えるため、顧客満足度アンケートの質問数はできる限り厳選し、10分以内にすべて回答できるボリュームで設計します。アンケートの実施方法によりますが、複雑で回答に時間を要する質問は避けたほうが無難です。
5択前後の選択式を中心に、誰でも回答しやすい形式を採用しましょう。「時間がかかりそう」「面倒くさい」と思われない、シンプルな構成にすることが大切です。
回答しやすい順番で質問する
簡単な質問から難しい質問へと段階的に進むよう設計すると、アンケートに回答しやすくなります。ただし、最初の質問への評価や判断が基準となり、それ以降の質問に影響する「アンカリング効果」には注意が必要です。
アンカリング効果による回答精度の低下を防ぐために、抽象的な質問から具体的な質問へと移行しましょう。また、論理的な流れを感じられる順番で質問を配置し、回答者が自然に答えられる環境を整えることも重要です。
選択式と自由記述式どちらも入れる
顧客満足度アンケートは選択肢と自由記述式を組み合わせることで、回答率の向上やデータ分析の精度が高まります。
選択式とは、あらかじめ用意した選択肢から回答を選んでもらう形式です。定量的なデータを効率的に収集できる、回答者の負担が少ないといったメリットがあります。
一方、自由記述式はフリースペースに自由な意見を書いてもらう形式です。より詳細な情報やフィードバックを収集できますが、集計やデータ分析に時間がかかります。
自由記述式は回答者にかかる負担も大きいため、任意項目として設けることをおすすめします。選択式で基本的な満足度を測りつつ、自由記述式で具体的な改善点を押さえましょう。
回答必須の項目は極力設けない
顧客の時間と手間を最小限に抑えるため、回答必須の項目は厳選しましょう。必須項目を減らせば、特定の質問のみ答えたくない顧客も回答しやすくなります。
必須項目が多いと、顧客が途中で回答を諦めてしまう可能性が高くなります。また、アンケートに回答したものの、必須項目に気付かず送信できないなど、顧客のストレスにつながりがちです。
回答者(顧客)の負担を軽減することで、アンケート回収率の向上が期待できます。
使いやすいアンケートフォームを利用する
アンケートフォームは自社で作成しても構いませんが、使いやすいアンケートフォームを作るには知見とリソースが必要です。フォーム作成ツールを活用すると、比較的簡単に作成できます。
使いやすいアンケートフォームの特徴は、以下の通りです。
- 1画面ですべての設問を確認できる(レイアウトの視認性が高い)
- スマートフォンからも回答しやすいレスポンシブデザインに対応している
- ドラッグ&ドロップなどの簡単操作で質問項目を設定できる
- リアルタイムで集計結果を管理画面で確認できる機能を持っている
- セキュリティ対策が充実している
- データ分析の機能が充実している
- アンケートの作成をサポートしてくれる
- URLで簡単にアンケートフォームを配布できる仕組みがある
上記を参考に、自社にとって使いやすいアンケートフォームを探してみて下さい。
顧客満足度アンケートの結果に応じてコールセンターの改善を行うことが重要
顧客満足度アンケートが完了したら、その結果をもとにオペレーターの個別フィードバックや研修を実施しましょう。センター全体の運営課題に関しては、管理者間で課題を共有しつつ、改善策を検討・実行する必要があります。
入電数分析による人員配置の最適化やシステム改善など、具体的な対策を講じることが重要です。継続的なPDCAサイクルを回すことで、顧客満足度の向上および対応品質の改善につながります。
アンケート結果は関係部署と共有し、VOC(顧客の声)を企業全体の改善に活用しましょう。
また、コールセンターへの問い合わせにつながる理由を特定し、事前に解決できる改善策を講じることも大切です。問い合わせ理由や解決手段に関しては、以下の調査データをご確認ください。
出典:【2023年度版】コールセンターへ電話で問い合わせた理由と問題解決率|NTTコム オンライン
出典:【2023年度版】問題解決を試みるために使った「手段」について|NTTコム オンライン
コールセンターの顧客アンケートの効率・精度を高める「モバイルウェブのアンケートフォーム」
NTTコム オンラインが提供するWebマーケティングツール「モバイルウェブ」では、「アンケートフォーム機能」を搭載しています。回収率が高いSMSを活用しつつ、応対内容とオペレーターの紐づけができるため、コールセンターの顧客満足度アンケートに最適です。
アンケートフォームは管理画面から簡単に作成できるほか、メールやチャットを経由したアンケートも実施できるので、顧客接点ごとに顧客満足度を分析できます。画面のカスタマイズ機能やデータ分析機能、セキュリティ対策も充実しているため、アンケートの効率・精度向上に有用です。
待ち呼(あふれ呼)とは?コールセンターで発生するリスク・原因・改善方法を解説
導入事例|東京海上日動火災保険株式会社 様
東京海上日動火災保険株式会社 様は、年1回の電話アンケートを実施していましたが、満足のいく内容を収集できず、膨大なリソースに見合う結果を得られていない状況でした。
モバイルウェブのWebアンケートを導入した結果、今まで年1回にとどまっていたアンケートを通年で実施できるようになり、回収件数が倍化。さらに、トータル50時間のオペレーターロードを大幅に削減でき、オペレーターの負担が減少しました。
また、SMSによるアンケートに切り替えたことで、顧客の負担軽減も実現しています。
コールセンターの顧客満足度アンケートは対応品質を高める重要な施策
コールセンターの対応品質を高めたい場合、顧客満足度アンケートを実施したうえで、その結果に基づく改善策を講じる必要があります。適切な改善策を実行するためには、目的や調査対象を明確にしつつ、精度の高いアンケートを作ることが大切です。
アンケートフォームの作成にはノウハウが必要なので、自社でゼロから設計するより、フォーム作成ツールの活用を推奨します。「モバイルウェブ」のアンケートフォームはコールセンターと相性のよい設計になっているため、ぜひご検討ください。


