2022/09/30

ビジュアルIVR

FAQを作成するメリットと作り方の手順・ポイントを解説

自社における顧客対応をスムーズに行うために、FAQの作成を検討している企業の担当者は多いのではないでしょうか。FAQを作成し活用することで、電話などの問い合わせ件数の削減につながるなどさまざまなメリットを享受できます。

この記事では、FAQの意味や種類、作成するメリット、ポイントなどを詳しく解説します。ぜひ、FAQを作成する際の参考にしてください。

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FAQとは

FAQとは、「Frequently Asked Questions」の略語のことで、「顧客からよく尋ねられる質問」を意味します。一般的にFAQは、顧客からの質問と、質問に対する企業からの回答を対にしてまとめた形で、自社のWebサイトや商品紹介ページに設置します。

次からFAQの構成要素やQ&Aとの違いについて詳しく解説します。

FAQの構成要素

FAQを構成する要素は主に以下の4つが挙げられます。FAQを作成する際は、これらの要素を意識する必要があります。

  • 質問本文
  • 回答本文
  • 参考URL
  • 関連FAQ

質問本文とは、顧客の疑問を端的に表現したものです。作成する際は、必ず想定されるキーワードを盛り込むことがポイントになります。キーワードを盛り込むことで顧客は求めている情報に辿り着きやすくなります。

回答本文は、その名の通り質問に対する回答のことを指します。顧客がすぐ理解できるように質問に対する回答は、結論を先に記載し、その後に細かな解説をする形式にすることが大切です。また、箇条書きも適宜活用するとよりわかりやすくなります。

参考URLは、回答に必要な補足情報や、関連する情報が記載されたページへ誘導するために記載します。最後に関連FAQですが、あわせて確認してもらいたい他のFAQがあれば用意します。

FAQとQ&Aの違い

FAQと似た用語として「Q&A」という言葉があり、違いを理解しておくことが大切です。Q&Aとは、「Question and Answer」の略語のことで、直訳すると「質問と回答」となります。

FAQとの違いは、「頻繁に問い合わせがある質問なのかどうか」です。Q&Aは、FAQのように頻繁に問い合わせがある質問のみを対象とするのではなく、問い合わせがくる可能性が高い質問もあらかじめ想定したうえで掲載します。

実際のところ、FAQとQ&Aには明確な線引きはないですが、Q&Aは質問の頻度を限定せず幅広い質問を網羅することから情報量は多いという特徴があります。

FAQの種類は大きく分けて3つ

FAQは大きく3つの種類にわけられ、目的によって使い分けをすることが一般的です。

  • 顧客向けのFAQ
  • 社内向けのFAQ
  • コールセンターのオペレーター向けのFAQ

それぞれのFAQについて詳しく解説します。

顧客向けのFAQ

顧客向けのFAQとは、自社のWebサイトやECサイトなどに設置するものです。例えば、ECサイトなら支払い方法や返品方法などの質問と回答が記載されたページを見たことがある人は多いのではないでしょうか。このようなFAQを見ることで、顧客は時間と手間をかけずに自己解決することができます。

関連記事:自己解決率が低いコンタクトセンターの原因と対策

顧客向けのFAQを作成する際には、箇条書きなどを積極的に活用し、一目でわかる質問文と回答文を掲載することがポイントです。

社内向けのFAQ

社内向けのFAQとは、社員に向けてITシステム・ツールの使用方法や、各種申請方法、社内ルールなどに関する質問と回答をまとめたものです。

社内向けのFAQを設置することで、社員はすぐに業務における疑問を解決することができるため、業務効率化につなげられます。

近年社内向けのFAQは、企業における働き方改革を推進するためにも活用されています。

コールセンターのオペレーター向けのFAQ

コールセンター向けのFAQとは、コールセンターで勤務するオペレーターに特化したFAQのことです。例えば、顧客からのさまざまな質問に対して、どのような回答をすればいいのかを整理して活用します。

オペレーターには、日々多くの顧客からたくさんの質問がきます。あらかじめFAQでマニュアル化しておくことで、顧客に対してスムーズに回答することができます。

コールセンター向けのFAQを用意しておけば、新人オペレーターも対応しやすくなるでしょう。その際、誰でも理解しやすいような内容にしておくことが大切です。

FAQを作成するメリット

自社でFAQを作成することでさまざまなメリットを享受できます。具体的には以下の4つです。

  • 問い合わせ対応のコストを削減できる
  • 顧客満足度の向上につながる
  • SEO対策につながる
  • ノウハウの共有と蓄積の効率化

それぞれのFAQを作成するメリットについて詳しく解説します。


問い合わせ対応のコストを削減できる

まずFAQを作成するメリットは、企業側で問い合わせ対応のコストを削減できることです。
頻繁に問い合わせがくる質問は、FAQで顧客に自己解決してもらうことで問い合わせ件数が減ります。

そしてFAQの活用によって余った人的リソースを、コア業務や重要な問い合わせ業務にあてることができます。また、FAQを作成することで従業員の負担が減り、労働時間の削減にもつながるため、働き方改革推進にも活用することが可能です。

また、携帯電話からの問い合わせが多い場合は、「ビジュアルIVR」でウェブ上のFAQに誘導することができます。

顧客満足度の向上につながる

2つめのメリットは、顧客満足度の向上につながることです。

顧客は、コールセンターやメールでの問い合わせにおいてなかなか繋がらなかったり、返信が遅かったりするとストレスを感じてしまいます。またそもそも問い合わせ先を調べたりすること自体が面倒だと感じているケースも多いです。

FAQを設置し最適な回答を用意しておくことで、顧客の要望に素早く応えられるため顧客満足度の向上が期待できるでしょう。

さらに、自社の商品やサービス検討中の顧客に対して必要なFAQコンテンツを用意しておくことで、不安を払拭できるため購買促進にもつなげられます。

SEO対策につながる

FAQの設置は、SEO対策の施策としても活用できます。FAQコンテンツは、「ユーザーが求めている情報」です。

つまり、顧客のニーズに応えたFAQコンテンツを用意することは、結果的にFAQ設置サイトのSEO対策を強化することにつながるのです。

そのため、先述のとおり必ず想定されるキーワードをFAQ内に盛り込むことが大切です。FAQの設置によってSEOが強化されることで、サイトへのアクセス数が増加し、FAQページ以外の商品紹介ページなどのコンテンツもユーザーに見てもらいやすくなるでしょう。

ノウハウの共有と蓄積の効率化

社内向けFAQやコールセンター向けのFAQを作成することで、ノウハウの共有と蓄積を効率化できます。

例えば、ITシステムの使用方法やエラーの解決方法、各種申請手続きについてはそれぞれで資料を作成するよりも、FAQでまとめて記載したほうが管理がしやすく、使う側は欲しい情報にすぐに辿り着けます。

また、コールセンターならよくある問い合わせ内容に関する対応方法をマニュアルとしてまとめておくことで対応がスムーズになります。クレームなどがあった場合は、事例集として蓄積しておくことで今後の対策として役立つでしょう。

さらに、FAQは新人オペレーターを育成する際にも活用できます。

FAQを作成するための5つの手順

FAQの概要やメリットについて解説してきました。では、実際にFAQを作成するためにはどうすればよいのでしょうか。具体的な作成の手順は以下になります。

  1. 情報の収集
  2. 情報の分析
  3. 質問と回答の紐付け
  4. FAQの作成
  5. FAQの内容のチェック

各ステップについて詳しく解説します。

1. 情報の収集

まずFAQを作成するために必要な材料を集めます。具体的には、顧客やユーザーからどういった問い合わせが多いのかを調査しましょう。

情報は過去に電話やメール、Webフォーム、チャットなどで顧客とやりとりした内容から収集します。

また、営業担当者へのヒアリングや、直接顧客にアンケートをとることも、有効な情報収集の方法として挙げられます。

2. 情報の分析

情報は集めるだけでなく、分析を行い必要な情報を抽出する必要があります。

FAQに掲載する情報を抽出するためには、ABC分析の活用がおすすめです。ABC分析とは、問い合わせ回数や頻度を評価軸として用いて、FAQに掲載する情報をAクラスからCクラスまで分類して優先順位を決定する分析手法です。

ABC分析を活用することで、どのような質問が多いかなど顧客の問い合わせ内容の傾向を把握しやすくなります。

3. 質問と回答の紐付け

質問に関する情報の収集・分析が終わったら、質問に対する回答の紐づけ作業を行います。回答に関する情報は、基本的に製品やサービスの仕様書やマニュアル、カタログ、Webサイトなどから収集し、より専門的な情報は詳しい情報を保有している部署と連携をとりながら収集していきます。

また、回答に関する情報を収集する際は、参考ページURLや関連FAQも活用することを想定しながら必要な情報のみをピックアップする意識を持つことも大切です。

4. FAQの作成

FAQで掲載する質問や回答、優先順位が決定したら、実際にFAQを作成するフェーズに入ります。

まずレギュレーションを作成し、使用する用語や呼称などを統一します。難しい専門用語は顧客やユーザーが理解できるようわかりやすく表現を変えることが大切です。

また、当然ですが質問に対して誤った回答を記載するとクレームなどトラブルに発生する可能性があるため注意が必要です。

5. FAQの内容のチェック

FAQの作成が終わったら、内容のチェックを行います。「誤字脱字はないか?」「必要な情報は確実に掲載されているか?」などダブルチェックなどを通して徹底的に確認します。

また、コンテンツ掲載後は効果検証を実施します。「FAQページのアクセス数はどうか?」「FAQ設置前と比べて問い合わせ件数が減ったか?」などさまざまな視点で分析を行います。

分析から課題が見つかったら場合は、早急に施策を考え、改善に努めることが重要です。例えば、FAQを設置しても問い合わせ件数が減らない場合は、必要な情報が掲載されていない、情報にたどり着けていないなどの可能性があります。課題発生の原因を追求し、常に分析と改善を繰り返す意識を持ちましょう。

FAQを作成するポイント

顧客満足度を高める質の高いFAQを作成するにはさまざまなポイントを意識しなければなりません。ここでは、FAQを作成するポイントについて詳しく解説します。

顧客目線を忘れない

FAQを作成する際は、「顧客がどのような情報を求めているのか?」「顧客にとって読みやすく、見やすいページはどういうものか?」という顧客視点を忘れてはいけません。

自社目線でFAQを作成してしまうと、質の低いFAQが完成してしまい、期待した効果は得られないでしょう。

顧客目線を意識するためには、ペルソナをしっかり認識しておくことです。FAQを読む人はどのような人なのかを常に意識することで、情報を取捨選択し、最適なコンテンツを掲載できるでしょう。

専門用語はできるだけ使わない

FAQを作成する際は専門用語はできる限り避け、誰もが理解できるような表現を意識する必要があります。

顧客が理解できないような専門用語を使用してしまうと、反対に問い合わせが増えてしまう要因にもなります。

実際に顧客がどのような言葉を使っているかは、過去の問い合わせ内容などを参考にすることもおすすめです。専門的な内容に関する説明により、文章が長くなってしまう場合は、参考ページURLなどへ誘導するとよいでしょう。

ユーザーのアクションにつなげる工夫を行う

FAQは、コンバージョン獲得にも有効です。単なる疑問解決のためのFAQではなく、コンバージョンを意識した導線設計を行いましょう。

例えば、FAQ内に商品購入ページにすぐにアクセスできるリンクや、資料ダウンロードリンクなどを設置しておくとコンバージョン数の獲得向上が期待できます。

FAQを設置する際は、最終的にユーザーをどのページに誘導したいかまで考えておくことが大切です。

レイアウトを工夫する

「顧客視点」を意識した際、レイアウトを工夫することも大切です。例えば、文章では理解しづらい専門的な内容は、イラストや図、写真などを挿入すると顧客にとってわかりやすい内容となるでしょう。

また、顧客が読みやすいように文章の行間隔や文字数など細かい箇所にもこだわり、サイトのデザインは見やすく、かつ使いやすい仕様にしましょう。

検索機能をつける

FAQに検索機能を搭載しましょう。FAQの数が増えれば触れるほど、顧客は目的の情報にたどり着くまでに時間がかかってしまいます。最悪、情報を探し出せずにサイトから離脱するか、電話やメールでの問い合わせにつながってしまいます。

FAQに検索機能があれば、キーワードを入力することで知りたい情報にスピーディーに辿り着けるため、顧客満足度向上につながります。

定期的に更新を行う

FAQは一度作って終わりではなく、定期的に内容の更新を実施します。例えば、自社で新しい製品やサービスを提供する場合は、それにあわせて新しいFAQを用意する必要があります。

また、FAQを運用するなかで、問い合わせ内容に変化が出てくるケースも少なくありません。日々顧客の動きを分析しながら、最適なFAQを設定しましょう。

参考として、当社モバイルウェブ ビジュアルIVRで提供しているスマホ画面のFAQ作成のポイントをご紹介します。

モバイルウェブ > 利用シーン > ビジュアルIVR:最適な画面メニューの作成のポイント

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FAQ作成には情報収集が欠かせない

FAQは、自社における問い合わせ対応業務を効率化したり、顧客満足度を向上させたりするために重要なコンテンツです。SEO対策にも効果的であるため、コンバージョン向上を目的として活用することもできます。

ただ、FAQを作成しても「顧客に見てもらえない」「電話やメールの問い合わせ件数が減らない」などの課題が発生する場合は、「ビジュアルIVR」の検討をおすすめします。「ビジュアルIVR」は電話問い合わせから適切なチャネルへ誘導し、顧客の自己解決を促すソリューションです。顧客から電話で問い合わせがあった場合に、SMSを送信し、直接該当のFAQページへ誘導することができます。

FAQ導入とあわせてぜひご検討ください。