2025/03/25

ビジュアルIVR

IVR+SMSの連携で何ができる?メリットや活用例を紹介

IVRとSMSは、それぞれ顧客対応を効率化する強力なツールです。さらにこれらを連携させることで、より効果的なコミュニケーションが実現できるため、IVRとSMSを組み合わせて活用する企業が増えています。

この記事では、IVRとSMSを組み合わせることによるメリットや、実際の活用例を紹介します。業務効率化と顧客体験の向上をどのように図れるかについて見ていきますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の内容
  • IVRとは自動音声応答システム、SMSとは短いテキストを送受信するサービスを指す
  • IVRとSMSを組み合わせることにより、業務効率の向上、待ち呼(あふれ呼)の減少、コスト削減などが期待できる
  • IVRとSMSの活用例として、予約確認やリマインダーの送信、アンケートの実施、フォローアップメッセージの送信、販促活動の強化などが挙げられる

関連記事:あふれ呼とは?対策を行うメリットと7つの対策法、事例を解説

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IVR・SMSとは?

IVRとSMSは顧客対応を効率化し、業務負担の軽減に役立つツールです。まずは、両者の概要を解説します。

IVRとは「顧客対応を自動化するシステム」

IVRは「Interactive Voice Response」の略で、一般的に「自動音声応答システム」を指します。IVRはコールセンターで活用されることが多く、事前に設定された情報に基づいて顧客の電話に対応します。さらに、着信内容に応じて適切に振り分け、最適なオペレーターへと通話を接続することも可能です。

消費者はIVRの音声ガイドに従って適切な番号を押すことで、関連する部署に接続される仕組みです。また、音声ガイドが自動的に問題解決の方法を案内することもできます。

IVRはコールセンターの一部業務の自動化や最適化に活用されています。

【関連記事】IVRとは何か?コールセンターに導入するメリットや導入方法

SMSとは「短いテキストを送受信するサービス」

SMSは電話回線を利用し、携帯電話番号宛てに短い文字メッセージを送信できるサービスです。顧客への情報提供やキャンペーンの案内、認証コードの送信などにも利用されます。

SMSとメールでは、送信方法と送信できる内容が異なります。SMSは携帯電話番号を宛先として、携帯電話同士で短い文字メッセージをやり取りするサービスです。それに対し、メールはメールアドレスを使用して、文字メッセージだけでなく、画像や動画などのファイルも送受信できるサービスです。

SMSには画像やファイルの添付はできず、一度に送信できる文字数にも制限があります。そのため、要件を端的に伝え、公式サイトのURLなどをメッセージ内に貼り付けるなどの使われ方をします。

IVRとSMSの組み合わせ方

IVRとSMSを組み合わせることで、電話やメールの業務プロセスの効率化につながります。例えば、IVRで自動音声案内を行い顧客の情報を取得した後、必要に応じてSMSで確認メッセージや追加の情報を送るなど、よりスムーズな対応が可能になります。

また、問い合わせに応じてオペレーターにつなぐ設定もでき、コールセンターの業務負担の軽減や顧客の利便性向上に効果的として、多くの企業で活用されています。

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IVRとSMSを組み合わせることによる6つのメリット

ここからは、IVRとSMSを組み合わせることによる6つのメリットを説明します。

1|正確な情報を提供できる

IVRとSMSを組み合わせることで、顧客に対して正確な情報を迅速に提供することができます。

IVRを使って音声案内を行い、顧客が必要な選択肢や情報を入力すると、IVRで得た情報に基づき詳細な情報や関連するリンクを含むSMSを送信します。これにより、顧客は正確な情報を迅速に取得できます。

例えば、予約の確認や購入した商品の配送状況などを把握できることで、顧客は安心してサービスを利用できるわけです。IVRとSMSの組み合わせにより、情報伝達の精度と速度が向上します。

2|待ち呼(あふれ呼)が減少する

待ち呼(あふれ呼)とは、コールセンターなどでオペレーターの対応を顧客が待っている状態を指します。待ち呼が増える問題点として、顧客の満足度や信頼度の低下につながる、見込み客を逃してしまうなどが挙げられます。

IVRとSMSの連携により、コールセンターの待ち時間を短縮し、顧客満足度を高めることが可能です。待ち時間が長くなる場合は、IVRから顧客にSMSで対応方法やFAQのリンクを送信し、自己解決を促すことで待ち呼を減少させることができるでしょう。

顧客は迅速に問題を解決できて満足度が向上すると共に、コールセンターの負担も軽減され、機会損失も回避できます。

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3|業務効率が向上する

IVRとSMSを組み合わせることで、業務効率化に大きく貢献できます。

IVRを使用しない場合、顧客からの問い合わせ内容を一からオペレーターがヒアリングしなければならず、時間がかかります。また、SMSを使わない場合、解決策をオペレーターがすべて口頭で伝える必要があるため、業務が非効率になるでしょう。

しかし、IVRで基本的な情報を自動的に収集し、その後にSMSで詳細な手続きや確認を行うことで、オペレーターの負担を軽減できます。結果、業務プロセスの効率化につながると共に、オペレーターはより注力すべき問題に集中できます。

IVRとSMSを組み合わせることで人的リソースの最適化も進み、業務全体の効率向上が実現しやすくなります。

4|コスト削減につながる

IVRとSMSの活用は、企業のコスト削減にもつながります。

IVRでの自動応答とSMSでの情報提供により、基本的な情報提供や問い合わせ対応が自動化され、オペレーターの対応時間を削減できます。結果、人件費の低減が期待できるでしょう。

さらに、紙媒体での通知や郵送にかかるコストも減らすことができ、全体的な経費削減を実現できます。

5|開封率が高く情報が伝わりやすい

SMSはメールなどに比べて開封率が高いツールとして知られています。2023年にNTTコム オンラインが実施した「SMSの内容を確認する割合」についての調査結果によると、全体の93.4%がSMSを開封して内容を確認すると回答しました。このことからも、多くの人がSMSを見ていることがわかります。

SMSは、重要な情報や緊急の連絡を顧客に高い確率で届ける手段として非常に有効です。

出典|【2023年度版】SMSの内容を確認する割合

6|24時間対応できる

IVRとSMSの組み合わせにより、24時間体制の顧客対応が可能になります。

自動化されたシステムにより、営業時間外でも顧客からの問い合わせや手続きを受け付けることができ、必要な情報を提供できます。平日勤務の顧客の場合、企業の営業時間内に問い合わせができないことも多く、ストレスを感じてしまうこともあるでしょう。

24時間対応できることにより、顧客満足度向上や企業の信頼性強化につながります。また、問い合わせが分散され、オペレーターの負担軽減による対応品質の向上も期待できるでしょう。

IVRとSMSの組み合わせで何ができる?活用例を紹介

続いて、IVRとSMSの組み合わせで何ができるか、その活用例を紹介します。

予約確認やリマインダーの送信

IVRとSMSを活用した予約確認やリマインダー送信は非常に効果的です。

例えば、予約日前日までにIVRで自動音声確認を行い、その後、詳細情報や確認リンクを含むSMSを送信することで、顧客は手軽に予約内容を確認できます。顧客は予約内容を簡単に把握でき、リマインダーとしても機能するのもメリットです。

IVRとSMSを活用することで顧客の手間を減らし、業務の効率化にも貢献できます。

アンケートの実施

IVRとSMSを組み合わせたアンケートの実施は、効率的に顧客の意見を収集する手段として有効です。

サービス利用後にIVRで簡単な満足度調査を実施し、その後、詳細なフィードバックを求めるリンクを含むSMSを送信します。SMSは着眼率と回収率が高いため、より多くのアンケートを収集でき、顧客の貴重な意見を高い確率で得ることができます。

収集したフィードバックを活用してサービス改善に役立てることで、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

フォローアップメッセージの送信

IVRとSMSを活用したフォローアップメッセージの送信は、顧客との関係を深めるために効果的です。

電話での商品購入・サービスの申し込みがあった際に、まずIVRで感謝のメッセージを伝えます。その後、関連情報や特典を含むSMSを送信したり、電話対応が必要だった場合は後日担当者から連絡をする旨を伝えたりします。この方法により顧客との関係性を強化し、リピート利用を促進することが可能です。

緊急通知の配信

IVRとSMSを組み合わせた緊急通知を配信することで、迅速かつ効果的に重要な情報を伝えることができます。

緊急時には、まずIVRで自動音声通知を行い、続いて詳細な情報や避難指示を含むSMSを送信します。この方法により、緊急時でも確実に必要な情報を伝達し、顧客が適切な行動を取る助けとなります。

緊急時の情報伝達は、顧客の利益や安全に関わる重要な要素です。IVRとSMSの組み合わせにより、大切な顧客を守り、より良い関係を築くきっかけにもなります。

固定電話ユーザーへの情報提供

IVRとSMSを活用することで、固定電話ユーザーにも効率的に情報を提供できます。例えば、URLなどの口頭では伝えにくい内容を視覚的に伝えられるため非常に便利です。

固定電話からの問い合わせに対して、IVRが自動で基本的な情報を提供し、さらに必要に応じてSMSで詳細な情報やリンクを携帯電話に送信します。もし携帯電話番号が分からない場合でも、IVRで入力を促すことでSMSを送信出来るようになります。この方法により、固定電話ユーザーにも迅速かつ的確な情報提供が可能です。

販促活動の強化

IVRとSMSを組み合わせることで、販促活動の強化も期待できます。

IVRでキャンペーンやイベント情報を音声案内し、その後、クーポンコードや詳細情報を含むSMSを送信します。このアプローチは顧客の関心を高めると共に、クーポンや特典を活用して購買意欲を促進する効果があり、販促活動の成功につながります。

また、クーポンなどで得をする経験をしたユーザーは、その後の案内を確認する可能性が上がることも期待できるでしょう。

サポート情報の提供

IVRとSMSを活用し、顧客に効率的にサポート情報を提供できます。

製品の使用方法やトラブルシューティングに関する基本的な情報をIVRで音声案内し、その後、詳細な手順や関連リンクを含むSMSを送信します。公式サイトなどで視覚的に解決策を確認できるので、解決までの手順や具体的な方法を把握しやすく、満足度向上にもつながるでしょう。

また、問題解決に必要な情報を迅速かつ簡単に取得でき、自己解決も促進できます。このアプローチは顧客のサポートニーズに対応できるうえ、サポート体制の強化にもつながります。

IVRとSMSを導入する手順

IVRの導入には一定の時間を要するため、スケジュールに余裕を持たせておく必要があります。ここでは、IVRとSMSを導入する手順について解説します。

ステップ1|目的を設定する

IVRとSMSを導入する際には、明確な目的設定が重要です。目的が曖昧だと、適切なシステムの選定や効果的なシナリオの作成が難しくなります。自社の課題を洗い出し、顧客満足度の向上、業務効率化、コスト削減など、具体的な目標を設定しましょう。

例えば、「問い合わせが多くオペレーターが対応しきれていない」という課題がある場合は、IVRを使って「よくある質問」を自動案内し、オペレーター対応件数の削減を目指すなどが有効です。

このように目標を明確にすることで、導入後の効果測定が容易になり、改善点を把握しやすくなります。

ステップ2|システムを選定する

目的に合ったIVRとSMSのシステム選定には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、操作性や機能性、拡張性を確認し、システムが自社のニーズにどれだけ対応できるかを考慮することが必要です。また、既存システムとの連携性やコスト、サポート体制なども考えるべき要素です。

さらに、システムの導入方法としてオンプレミス型(自社運営型)とクラウド型があり、オンプレミス型は自社で管理するためカスタマイズ性が高い一方、クラウド型は初期投資が少なく、迅速な導入が可能といった特徴があります。選定の際には、システムのメリット・デメリットを総合的に検討することが大切です。

ステップ3|シナリオを設計する

顧客体験を向上させるためには、IVRとSMSの適切なシナリオ設計が欠かせません。

顧客の問い合わせフローや情報提供のタイミング、メッセージ内容を詳細に設計することで、スムーズな対応が可能になります。必要な選択肢をもれなく用意するべきですが、顧客が混乱しないように選択肢は必要最小限に留めることがポイントです。複雑すぎるシナリオは顧客を迷わせ、効率的な対応を妨げてしまうためです。

適切なシナリオを設計することで顧客の負担を減らし、システムの効果的な運用が実現できます。その結果、顧客満足度が向上し、業務の効率化にもつながるでしょう。

ステップ4|音声・電話転送時の動作設定

IVRシステムでは、自動音声の種類やテンポを設定できるものもあります。あわせて、海外の問い合わせに対応する場合には、言語の設定も必要になるでしょう。これらの設定をすることで顧客が聴き取りやすく、ストレスなく操作できるようになります。

また、特定のオペレーターや部門に転送する場合、ダイヤルボタンに割り振り先を設定し、顧客が最適なオペレーターや部門にスムーズに転送されるようにします。これにより、効率的かつ効果的な顧客対応の実現が可能です。

ステップ5|実装・テスト運用を行う

設計したシナリオや設定を実際のシステムに実装した後、テスト運用を行います。

テスト運用では、想定されるさまざまなシナリオをシミュレーションし、システムが意図した通りに動作するかを確認します。この過程で、問題点や改善点を洗い出しましょう。

問題が見つかれば迅速に修正を行い最適な状態でシステムを稼働させることで、円滑な顧客対応を実現できます。

ステップ6|運用を開始して必要に応じて改善を行う

本格的な運用を開始した後は、システムのパフォーマンスや顧客の反応を継続的にモニタリングします。システムが期待通りに機能しているか、顧客がスムーズに対応できているかを確認する段階です。

収集したデータや顧客のフィードバックを基に、シナリオや設定の改善を行い、より効果的な運用を目指します。改善を繰り返すことでシステムの精度が高まり、顧客満足度の向上にもつながります。

IVRを超える利便性を持つ「ビジュアルIVR」

ビジュアルIVRは、従来の音声のみで対応するIVRシステムとは異なり、スマートフォンの画面上に視覚的なメニューを表示し、顧客が直感的に選択できる仕組みです。

従来のIVRでは、顧客が長時間音声ガイダンスを聞き続ける必要があり、時間効率が悪いのが課題でした。一方のビジュアルIVRは音声案内だけでなく視覚的なメニューも提供するため、顧客は迅速に必要な情報にアクセスできる他、スムーズに操作を行えます。

ビジュアルIVRの導入により顧客体験が向上することに加え、問い合わせ対応の効率化にも期待できるでしょう。

【関連記事】ビジュアルIVRとは?メリットや導入事例、IVRとの違いを解説

IVR・SMSの活用をサポートする「モバイルウェブ」

NTTコム オンラインの「モバイルウェブ」は企業の顧客接点を強化し、DXを推進するためのWebマーケティングツールです。アンケート機能やフォーム作成、SNSやメールなどによるメッセージ配信といった機能を備えています。

メッセージ配信では1時間に100万通の大量高速メール配信ができることに加え、SMS送信やPush通知配信も可能です。また、コールセンター向けサービス「ビジュアルIVR」も提供しています。ビジュアルIVRを活用することで問い合わせを適切なチャネルに誘導でき、応答率向上、オペレーターの稼働削減、24時間対応なども実現可能です。また、データベース機能も備えているため、データを基にした多様なマーケティング活動にも利用できます。

導入事例|株式会社ピーチ・ジョン 様

株式会社ピーチ・ジョン様は、女性向けのランジェリー、ルームウェア、ファッション、コスメ、雑貨などを展開している企業です。同社は、電話、メール、チャットの問い合わせのうち電話が約6割を占めており、常に対応できるスタッフが必要でした。また、電話からメール・チャットへの移行を進め、リソースの最適化と業務効率化を図りたい、お客様に適切なチャネルを案内することで利便性を向上したいといった目標がありました。

ビジュアルIVRを導入後は、3カ月で問い合わせ全体の13%がメール・チャットに移行。さらに、電話対応時間を削減してリソースをシフトすることで、業務効率化を実現しました。結果、お客様の利便性向上につながったと満足しています。

IVRとSMSの組み合わせは顧客・オペレーター双方にメリットをもたらす

IVRとSMSを組み合わせて活用することで、顧客は迅速かつ効率的な対応に満足でき、オペレーターは負担軽減や業務効率化が実現するなどのメリットがあります。両者にとってメリットがあるため、ユーザー・従業員どちらも満足度の向上が期待できるでしょう。

IVRやSMSの活用をサポートする「モバイルウェブ」は、お客様に直感的でスムーズな操作を提供します。問い合わせや対応の効率化をサポートして利便性を高め、より満足度の高い顧客体験を実現できるよう支援します。

NTTコム オンラインではモバイルウェブに関するお役立ち資料を各種ご用意しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

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