2022/12/09

ソーシャルリスク対策

SNS監視の重要性と具体的な4つの方法・炎上対策や対処法も解説

SNS上に自社のリスクとなる投稿がないかをチェックする「SNS監視」。企業がSNSを監視することでリスクマネジメントになるだけでなく、収集・分析した情報をマーケティングにも活用できるとあって注目を集めています。

この記事では、SNS監視の概要や重要性、SNS監視の具体的な方法について解説します。またあわせて、炎上対策や対処法、実際に起こった炎上事例なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

SNS監視とは?

SNS監視とは、SNSアカウントでの炎上や誹謗中傷などの問題が起こらないように企業が実施するリスクマネジメントの一つです。自社への不適切で悪意ある投稿などを放置してしまうと、企業にとって大きな被害が出る可能性があります。SNS監視は企業や従業員へのアカウントに届くコメントや投稿内容、ユーザーが発信する自社に関する投稿などをチェックし、被害が大きくなる前にリスクに備える役割を果たします。

また、SNS監視はリスクマネジメント以外に、情報収集に役立つ側面も見逃せません。定常的に情報を収集・分析することで、企業にとって有益な情報を得られるでしょう。それらの情報はマーケティングや商品開発に活用できることから、SNS監視に注力する企業も増えています。

企業におけるSNS監視の重要性

SNS監視が重要とされる背景の一つにSNSの拡散力が挙げられます。たった一つのクレーム投稿が瞬く間に拡散し、企業が打撃を受けて存続の危機に追い込まれる可能性もあるでしょう。また、従業員がSNSに何気なく投稿した内容が誤解を招き、予想以上に炎上してしまうケースも。一度炎上してしまうと鎮火するまでに時間がかかるため、予防もしくは早い段階で問題のある投稿への対処が必要です。

SNS監視において、特に注意したいのがX (旧Twitter)やInstagramです。X (旧Twitter)には「リツイート」機能があり、投稿が拡散されやすいのが特徴。ネガティブな内容は炎上に発展しやすいので注意が必要です。また、Instagramには24時間で投稿が消える「ストーリーズ」機能がありますが、第三者によって録画・保存された投稿が拡散されるといった例もあります。

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SNS監視の具体的な4つの方法

ここでは、SNS監視の具体的な方法を4つ紹介します。

1|担当者による検索

企業担当者が検索ボックスにキーワードを入力し、検索結果に表示された投稿を目視で確認する方法です。SNS監視でよく活用されているのが「Yahoo!リアルタイム検索」でしょう。Yahoo!トップページの「リアルタイム」ボタンをクリックし、キーワードを入力するだけでX (旧Twitter)の最新投稿や過去30日間程度の投稿をチェックできます。

気になるワードがどれくらい検索されているか、投稿内容がポジティブかネガティブかなどを手軽に調べられるとあって便利です。単体の単語だけでなく、複数の単語を組み合わせたキーワードやハッシュタグ、IDなどでの検索も可能。運用方法としては、自社名や自社サービス、商品名などのキーワードを入力し、なるべくこまめにチェックします。

また、X (旧Twitter)やInstagramなどのSNS内検索もよく活用されています。X (旧Twitter)には、検索したいユーザーや期間などを指定できる「検索コマンド」、ブラウザからより詳細な検索条件を指定できる「高度な検索」などがあります。一方のInstagramではIDやハッシュタグで検索する方法が一般的でしょう。ただし、いずれの方法も膨大な情報が得られるため、企業がSNS監視で活用するには手間がかかるほか、精度に難がある点がデメリットといえます。

2|Googleアラートの設定

Googleアラートは、気になるキーワードを事前に登録しておくと、キーワードに関する情報がネット上に流れた際に通知してくれるサービスです。通知方法はメールもしくはRSSフィードとなり、通知頻度は自身で設定できます。自動通知のため検索する手間が省け、収集できる情報量が多いのはメリットですが、精度が低くチェックに手間がかかる点はデメリットです。

また、X (旧Twitter)やInstagramなどの情報は得られずニュース記事が中心なので、ほかのツールと併用して活用したほうがよいでしょう。例えば、Googleアラートに加え、Yahoo!リアルタイム検索を毎日1回活用するなどがおすすめです。

3|SNS監視を外注する

自社でSNS監視をすると時間や手間がかかるため、監視を外注し、第三者にSNSの情報をチェックしてもらう手もあります。方法としては、SNS監視サービスを提供する企業に依頼するか、求人を出してSNS監視を行うアルバイトを雇うなどです。SNS監視サービスはスタッフが常時監視しているもの、システム監視と組み合わせているものなどさまざまなので、精度や予算に応じて選びましょう。

ただし、外注の場合も人が目視でチェックするため、まれにミスが生じる可能性もあります。アルバイトを雇用する際には、自社の運用体制を整えたうえでの2次チェック的な活用方法でないとリスクがあるといえるでしょう。

4|ソーシャルリスニング・モニタリングツールを導入する

ソーシャルリスニングツールとは、SNS上の情報を収集・分析し、企業のマーケティング活動などに役立てるためのツールです。商品やサービス、企業のイメージや評判などのリアルな声を収集・分析できるため、情報をもとに商品開発やキャンペーン・広告の方針を決定したりなど、消費者へダイレクトに響く戦略を立てられます。

なかには特定のキーワードを検知した際にアラートで知らせてくれるものや簡単にレポート作成ができるもの、複数のSNSを一元管理できるものなどもあります。特に拡散力の高いX (旧Twitter)に注力して監視したい場合は、X (旧Twitter)全量データをリアルタイムで収集できるツールがおすすめです。

関連記事:ソーシャルリスニングとは?その仕組みやメリットなどを解説

SNS監視と同じく重要な炎上対策とは?

SNS炎上とは、誹謗中傷や風評被害が拡大し続けること。被害が大きくなると企業活動に悪影響を与えるため見過ごせないものです。ここでは、SNSの炎上対策4つについて解説します。

SNSのルール策定と従業員のリテラシー向上

炎上を防ぐためには、炎上の原因把握と回避するためのルール策定が重要です。炎上するには必ず原因があるため、SNS運用担当者はNGワードリストやテンプレートの作成などにも注力しましょう。ルールがあることで不適切な言動を防げ、炎上のリスクを抑制できます。

また、ルールによりアカウントの運用が属人化しづらくなるのもメリット。従業員にはソーシャルメディアリテラシーの研修を実施し、安全な発信ができる考え方から教育していくことが大切です。

センシティブな話題は避ける

特定の人に不快感を与えると炎上する場合が多いため、センシティブな話題は避けるほうがよいでしょう。特に、政治やジェンダー、宗教などに関する話題や、批判的な表現などには注意が必要。些細な表現を取り上げられて騒がれるケースもあるため、少しでも投稿に迷いが生じた表現があれば排除しておくのが無難です。

また、特に社会的影響が大きな災害時や事件が発生したときなどは人々が敏感になりやすく、些細な内容でも炎上しやすいので気をつけましょう。

複数人がチェックする体制を作る

いくらしっかりと確認したつもりでも、一人の視点では見落としが出やすいものです。投稿する際には、2人以上もしくは複数回のチェック体制を作りましょう。チェックシートなどを作成し、抜け漏れがないようにしておくと安心です。

ソーシャルメディアリテラシーの研修と合わせて行い、正しい認識を持つ担当者が複数人・複数回チェックすることでより安全にSNSを運用できるでしょう。

関連記事:炎上対策とは?企業における主な炎上原因と対策

SNS監視で炎上を見つけたときの対処方法4ステップ

ここからは、SNS監視で炎上を見つけたときの対処方法4ステップについて見ていきましょう。

ステップ1|炎上したツイートを保存する

まずは、炎上した投稿のURLと投稿画面を保存しておきましょう。炎上した投稿は拡散されていくなかで加工される可能性もあるため、オリジナルの投稿を削除する前に保存しておくことをおすすめします。

ステップ2|原因を正確に把握する

続いて、炎上の原因を特定し規模や事態を正確に把握することが必要です。投稿が炎上するとつい焦ってしまい、状況を把握しないままに行動を起こしてしまうことも。しかし、把握しないままに行動すると的外れな対応をしてしまい、さらに炎上してしまう可能性があります。

何が炎上の原因なのか、ユーザーがどのように批判しているのかなどをしっかりと把握することが重要です。また、時間が経つにつれて炎上が拡大する可能性もあるため、迅速な情報収集が必要になります。

ステップ3|対応の方針を決めて謝罪する

炎上の対応には一貫性が必要です。途中で発言内容をコロコロ変えると良くない印象を与えてしまうので、まずは方向性を明確にしてから行動しましょう。社内に炎上対策のマニュアルがある場合は、それに則り迅速に進めます。

集めた情報をもとに自社に非がある場合は、謝罪やサイトの一時閉鎖などの検討も必要です。謝罪する場合は言い訳を一切せず、謝罪に徹します。また、再発防止策の提示や公式サイトへの謝罪文の掲載なども効果的です。ただし、炎上した投稿が完全な捏造の場合は、弁護士や警察に相談することも検討しましょう。

ステップ4|検索補助キーワードの削除を依頼する

炎上が起きた場合、ネット検索時に表示される補助キーワードに、ネガティブな内容が出る場合があります。ネガティブなワードが表示されてしまうと求人の応募や商品・サービスの売上に悪影響があるため、検索エンジンを運営している企業に削除依頼を申請しましょう。

SNS監視で炎上を見つけたときのNG行動

炎上してしまった場合、つい焦って投稿を削除するのはNG。対応を誤ると炎上が拡大してしまう可能性があるので、慎重な対応が必要です。ここでは、炎上を見つけたときのNG行動について解説します。

投稿を削除する

炎上の発端となった投稿をすぐに削除したい気持ちはわかりますが、実はNG行動です。投稿の削除は事実の隠蔽と捉えられる可能性もあり、事態が悪化することがあります。炎上が判明した時点で投稿が保存・拡散されているため、なかったことにはできません。

むしろ、削除することでコピー画像に付加価値が生まれ拡散が加速する場合もあるため、すぐには削除しないほうが賢明です。ネガティブなイメージを持たれると炎上が長引くこともあるので注意しましょう。やむなく投稿を削除・変更する場合は、削除する旨をホームページに掲載したり、取り消し線を用いたりなど、削除や変更がわかるようにしておくことをおすすめします。

炎上を放置する

炎上に気づかなかったり情報収集が遅れたり、またあえて問題となる投稿を放置したりなどで対応が遅れると、事態が悪化する可能性が高くなります。何らかの対応をするつもりであっても、それが伝わらないとユーザーは放置されていると感じるでしょう。問題を放置し続けることはせず、企業側から謝罪や改善への取り組みなどで誠意を表すことが大切です。

謝罪に徹しない

拡散された情報がすべて事実とは限りませんが、釈明ばかりすると正論であっても炎上が悪化するリスクがあります。ユーザー心理を考慮して謝罪に徹し、反省の意が伝わる対応をすることが大切です。補足すべき内容があれば補足し、誤解があればきちんと説明しましょう。言い訳をすればするほど、火に油を注ぐ結果になるので注意が必要です。

SNSで起こった炎上事例

ここでは、SNS上で実際に起こった炎上事例を2つ紹介します。

トラベル会社の炎上事例

2015年、某シンガーソングライターがX (旧Twitter)に投稿した自撮り写真に対し、トラベル会社の公式アカウントから「ぶさいく」というコメントが投稿されました。本人が「〇〇(トラベル会社)からブサイクと言われちゃった」と投稿したことで炎上が発生。該当ツイートはすぐに削除されたものの同情の声が高まり、トラベル会社への批判の声が殺到しました。

会社側は謝罪を行いましたが原因は不明とし、なりすましの可能性や担当者がプライベートアカウントと公式アカウントを間違えたまま投稿した可能性などが推測されています。該当シンガーソングライターから「誠意ある対応を見せてくださったので、もう責めないであげてください」と投稿があり、事態が収束した事例です。

不動産会社の炎上事例

2014年に某不動産会社の公式X (旧Twitter)で、「社畜さんいわく、残業のことを「二次会」って言うんだって♪そう言うとなんかすごく楽しそうな感じがするねっ二次会がんばって!ぼくはもう寝るよ~」という投稿が炎上しました。公式アカウントでありながら、自社の社員に対し「社畜」といった不適切なワードを使用したことが炎上の発端に。この投稿は3,000回以上リツイートされ、ネット上に拡散しました。

テ「社員のことを社畜と呼ぶ」「とんでもない会社」などの批判が殺到し、「〇〇(競合サイト)で物件を探します」などの批判めいたコメントも見られました。

関連記事:企業のSNSアカウントが炎上する理由とリスク回避の対策とは

SNS監視を効率化できるツール「Buzz Finder」

SNS監視を効率化したいという企業様におすすめなのが、10年以上の実績を誇るソーシャルリスニングツール「Buzz Finder」です。炎上や風評被害によってツイート数が急増した際には該当する投稿をほぼリアルタイムで検出し、アラートメールで通知してくれます。SNSを常時監視するのは難しいため、アラートメールにより迅速な対応が可能になるのは魅力です。

また、業界最速レベルでX (旧Twitter)公式全量データをほぼリアルタイムで収集・分析できるのも特徴。毎日送られてくるデイリートピックメールは、前日の主な話題とツイート量を知らせてくれます。わざわざツールにログインする必要がなく、メールチェックだけで手軽に状況を把握できる点もメリットです。「SNSの炎上リスクを軽減したい」「自社でモニタリングを実施したい」という企業様に活用されています。

SNS監視の徹底・正しい対応で炎上リスクは抑えられる

SNSでは日々、実に多くの投稿が行われており、なかには企業活動に打撃を与えるものもあります。炎上被害が大きくならないよう、SNS監視を実施して問題のある投稿には迅速に対応しましょう。企業担当者による目視のSNS監視には限界があるため、ソーシャルリスニングツールを活用するのがおすすめです。

企業のリスクマネジメントに効果的なBuzz Finderは、ソーシャルCRMの経験豊富なコンサルタントが開発・監修したツールです。操作や設定もシンプルでわかりやすいBuzz Finderをぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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