2022/09/29

ビジュアルIVR

VOCとは?顧客の声を効率的に収集・活用する方法を解説

VOCは、企業に寄せられる顧客のフィードバックのことです。貴重な顧客の声を受け止め、自社商品やサービスを改善していくことは事業成長において不可欠であり、VOCの活用方法に注目が集まっています。

この記事では、VOCの意味やVOC活動を行うメリット、効果的なVOCの活用ポイントなどを解説します。VOC収集に便利なツールも紹介しますので、顧客体験価値向上を目指す企業の担当者をはじめ、VOC活用に興味がある方はぜひお役立てください。

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VOC(Voice of Customer)とは

VOC(Voice of Customer)とは、日本語で「顧客の声」という意味のフレーズで、言葉の通りお客様の声を意味します。VOCは、自社のコールセンターに寄せられる要望やクレームをはじめ、お客様アンケートへの回答や電話、メールでの問い合わせなど、企業に直接寄せられるものや、SNSや個人のブログにおけるレビューなどの総称として使われます。

さまざまな方法で届けられる顧客の声には、自社の商品・サービスの改善につながるヒントやアイデアが多数含まれています。商品やサービスの品質向上を通して、顧客の満足度をさらに高めるためにVOCをどう活用するかが重要です。

VOC活動のメリット

VOCを集めるだけでなく、顧客の体験価値を高めることを目的とし、VOCの分析結果を自社の商品・サービスに反映させる活動を「VOC活動」と呼びます。ここでは、企業がVOC活動を行うメリットについて解説します。

顧客満足度の向上

VOC活動を通して、顧客満足度の向上が期待できます。ユーザーの声を集め、意見やアイデアを既存の商品・サービスに反映させることで、利用者の満足度を高めることが可能です。また、既存顧客との信頼関係を構築できるため、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつながります。

多くの企業では、安定的な事業成長にはLTVの向上が重要であると考えています。定期的なVOC活動を行うことで、ユーザーのリピート率の低さや顧客満足度の伸び悩みといった課題の解決が見込めます。

商品やサービスの開発・改善のヒントを得られる

VOC活動を行うことで、商品・サービスの開発・改善のヒントが得られます。ユーザーからのフィードバックを受けずに自社内だけで改良しても、客観的な評価が受けられないため、顧客満足度の向上は難しいでしょう。

商品・サービスへの提案や意見、感想などのVOCを集めることで、ユーザー目線での問題点の明確化や顧客や市場のニーズの把握が可能です。VOCを反映した商品・サービスの開発や改善は売上アップにもつながります。

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VOCの活用する際のポイント

ここからは、VOCの活用ポイントについて解説します。VOC活動を効果的に進めるにあたって、単純にVOCを集めて意見を取り入れても、思うような効果が得られない可能性があります。長期的な事業成長に向けて、計画的にVOC活動を実施するために、ポイントを把握しましょう。

目的を明確にする

最初に、なぜVOC活動を行うのか、VOC活動の目的を明確化することが重要です。目的があいまいなままVOCを集めても、商品・サービスの改善に役立つ情報は得られにくいでしょう。

「VOC活動を通して何を実現するのか」という目的が明確になることで、VOCを集める手法や収集すべき情報が定まります。また、より適切な方法で集めたVOCを分析して、必要な施策を実施することで、効率的な改善が期待できます。決定したVOC活動の目的は、社内全体に周知させて、スムーズな計画の遂行を促しましょう。

適切な収集方法やチャネルを決める

VOC活動の目的に合わせて、VOCの収集方法やチャネル(収集経路)を決めます。VOC活動における目的を達成するためには、価値あるVOCを聞き逃さず、分析に十分なデータ量を集めることがポイントです。自社がほしい情報やターゲット層に合わせて、どのチャネルからどういった方法でVOCを収集するべきか決定しましょう。

チャネルには、コールセンターへの電話やメール、DMでのアンケート回答、X (旧Twitter)やFacebookを含むSNSを活用する方法といったさまざまな選択肢があり、主要なユーザー層や得られる情報がそれぞれで異なります。適切なチャネルを選ぶことで、VOCの取り逃しを防げるでしょう。

関連記事:アンケート調査の平均回答率とは?目標と目安の設定を解説

収集する内容や項目を決める

収集方法が決まったら、収集する項目やヒアリング内容を決定します。VOC活動を成功させるためには、具体的で明確な回答が得られる質問項目を提供することが大切です。よくある利用者アンケートのように「ご意見をお寄せください」といった記載では、質問が漠然としていて回答しにくい上、回答の焦点もぼやけてしまいます。

さまざまな観点から具体的な内容の質問を準備することで、回答率アップにもつながります。多くの企業が採用しているアンケート手法「NPS(企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるかを測る指標)」などを活用して、ユーザーの本音を得られるよう工夫しましょう。

関連記事:アンケートはどう作る?作り方のコツを9ステップで解説

必要に応じてシステムを導入する

必要に応じて、システムの導入も検討しましょう。VOC活動に有用なシステムとしては、コールセンターシステムやCRM(顧客関係管理)などがあります。コールセンターでは、収集するためのトークスクリプトを設計しておくと、効率的なVOC収集が可能です。

CRMは、顧客の属性や利用履歴などの情報を一元管理できるツールで、顧客との信頼関係の構築やパーソナライズしたアプローチなどに役立ちます。こうしたシステムの導入と並行して、VOC活動に向けた社内体制の構築にも取り組むと良いでしょう。

分析と改善を続ける

先ほど紹介した仕組みを運用しながら、分析と改善を継続します。収集したVOCを定量的かつ定性的に分析し、担当部署にフィードバックする、そして次の施策やアクションを決定する、というサイクルを繰り返すことで、自社の商品・サービスの品質や顧客満足度の向上へつながります。自社での分析が難しい場合は、外部へアウトソーシングすることも可能です。

また、VOC活動では少数意見も見逃さないことが大切です。大多数の意見はもちろんのこと、過去になかった感想や似た事例がなかった不満の声を軽視した場合、後に重大な問題に発展するリスクもあります。内容によっては寄せられたVOC全体に目を通して、施策に活かしましょう。

VOCを収集するための方法

VOC活動におけるポイントを掴んだところで、実際にVOCを集める方法を紹介していきます。先述の通り、VOCの収集手段ごとに、適したユーザー属性や得られやすい内容が異なるため、VOC活動の目的や改善したい項目に応じて収集方法を選ぶことが重要です。

コンタクトセンター

コンタクトセンターとは、電話やメールなど多彩なチャネルによる顧客や消費者の問い合わせ対応窓口のことです。電話でのマンツーマンの顧客対応を行うコールセンターと異なり、コンタクトセンターは、メールやオンラインチャット、SNS、ハガキなど幅広い手段を扱います。

あらゆるチャネルを一括管理するコンタクトセンターでは、ユーザーとの直接的なコミュニケーションを通して得られた生の声が集約されます。

モバイルウェブ > 利用シーン:Webアンケート

アンケートやインタビュー

アンケートやインタビューによる情報収集は、従来よく使用されているチャネルの1つです。Webサイトでの商品購入の際、アンケートを設けて回答者にクーポンを進呈するといったアンケート手法はよく見られます。

Webアンケートなら、メールやSNS上でターゲット層の顧客にアンケートを実施できます。回答数を確保したい場合は選択形式を使う、内容の濃いVOCを集めたい場合は記述形式を使うというように、目的にあわせてアンケート形式を変えることで、精度の高いVOC収集が可能です。

また、実際に商品・サービスを購入した顧客にインタビューを行うことで、直接顧客の声を聞くことができます。ただ、中には不満を持っていても、わざわざアンケートに回答しないことも考えられるので、SNSのリサーチ結果やコンタクトセンターのやり取りも併せて、包括的にVOCを把握する必要があるでしょう。

SNS(ソーシャルリスニング)

SNSを活用したソーシャルリスニングも情報収集に有用です。ソーシャルリスニングとは、X (旧Twitter)やInstagramなどのSNSや口コミサイトからVOCを集める手法です。匿名や顔出しなしで利用できるSNSでは本音を書き込む人も多く、VOCの収集に役立ちます。

ソーシャルリスニングは収集量が多い反面、顧客1人あたりから得られる情報は少なく、内容も浅くなりがちです。また、関連性の低い情報や虚偽が含まれる可能性もあるので、精度を高める絞り込みを行うと良いでしょう。

関連記事: ソーシャルリスニングとは?その仕組みやメリットなどを解説 

VOC活動を促進させる技術

近年急速に発展を遂げているIT技術の中には、VOC活動で目的に合ったデータを収集し、分析するために役立つものも登場しています。VOC活動を促進させる代表的な技術として、テキストマイニングと音声認識技術について解説します。

テキストマイニング

テキストマイニングとは、大量のテキストデータから有益な情報を取り出す技術です。「自然言語処理」という解析手法を用いて、自由形式の回答文章を単語や文節に区切り、単語の出現頻度や単語同士の相関関係などを分析・抽出します。

特定のキーワードを含む投稿を効率よく抽出できるため、口コミサイトのレビューや大量のアンケート回答、SNSでのVOC収集に役立ちます。「(商品名)+使いづらい」といった複合検索で必要なデータを瞬時に絞り込むことも可能です。

音声認識技術

音声認識技術とは、人の声をデジタルデータに変換し、テキスト化する技術です。スマートスピーカーに使われている技術としても有名で、AI技術の発達により精度が向上してきました。企業のコンタクトセンターに音声認識技術を導入することで、会話をテキスト化して自動保存するなど、サポート機能として活用できます。

従来はオペレーターが対話への対応とテキスト入力を並行してこなす必要がありましたが、音声認識システムを導入することで、担当者の負担が軽減され、ヒューマンエラーの削減も見込めるでしょう。

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顧客の声を商品・サービスに活かそう

VOC(顧客の声)を活用するVOC活動により、自社の商品・サービスの品質や顧客満足度の向上が期待できます。VOC活動を導入する際は、最初に目的を明確にし、VOC収集のチャネルや内容を検討することが大切です。必要に応じてシステムやツールを導入し、社内体制を整えておくと長期的な運用に役立ちます。

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