2024/05/20

ビジュアルIVR

小規模コールセンターがシステムを導入するメリットと選ぶポイント

小規模なコールセンターでは、人手不足や業務の属人化といった課題を抱えているケースがよくあります。目的に合ったコールセンターシステムを活用することで、業務の負担軽減や応対品質の向上につながります。

本記事では、小規模コールセンターにおけるシステム導入のメリットや選び方のポイントなどを解説します。小規模のコールセンターでよくある課題を解消し、業務効率化を促すためにぜひお役立てください。

この記事の内容
  • 小規模なコールセンターでは、人手不足や業務の属人化などの課題を抱えやすく、大企業と同等の応対品質を維持することが困難な場合がある
  • 小規模コールセンターにおいてシステムを導入することで、応対品質の向上やオペレーターの負担軽減、属人化の防止といった効果が見込める
  • コールセンターの業務効率化に役立つシステムは、CRM(顧客管理システム)やPBX、CTI、チャットボット、SMS送信サービスなどがある
  • コールセンターシステムは、企業規模や費用対効果、機能性を比較検討し、オペレーターが操作しやすいものを選ぶ必要がある

小規模なコールセンターによくある課題とは?

オペレーター数が数人から数十人の小規模コールセンターでは、人数が少ないがゆえに人手不足や業務の属人化といった課題を抱えやすくなります。また、予算やリソースが不十分になりやすい中で、大企業と同等のサービス品質を提供することが難しい場合もあります。

ここでは、小規模なコールセンターにおける課題を詳しく見ていきましょう。

人手不足になりやすい

小規模コールセンターはオペレーターの数が少ないため、人手不足に悩まされるケースが多く見られます。そのため、問い合わせ件数が増えると業務負担が増え、応対品質の低下を招く恐れがあります。

また、クレーム対応や激務による身体的・精神的なストレスからオペレーターが離職し、さらなるリソース不足に陥ることも考えられます。

業務が属人化しやすい

小規模コールセンターはオペレーターの数が少ないがゆえに、業務が属人化しやすい傾向があります。少人数のチームでは日々の問い合わせ応対に追われ、チーム全体での情報共有や体制の整備が後回しにされがちです。

その結果、仕事内容や仕事量に偏りが生じ、専門知識が必要な問い合わせに対応できる人が限られ、特定の社員だけ負担が増える可能性があります。また、休職や退職の際に引き継ぎが困難になることも考えられます。

大規模コールセンターと同等の品質が求められる

小規模コールセンターであっても、大企業のコールセンターと同等のサービス品質を求められます。顧客は「すぐに解決したい」「わかりやすく説明してほしい」といった思いで連絡をしてきています。

しかし、オペレーター数が少ない場合、問い合わせが重なった際に顧客を待たせてしまう可能性があります。また、情報共有の仕組みがないなどの理由でオペレーターの応対品質に偏りがあると、結果的に顧客満足度が低下することも考えられます。

予算やリソースが不十分な傾向がある

小規模コールセンターでは、予算やリソースが限られます。そのため、日々の業務をこなすのが手一杯で、労働環境やシステムの整備など多くの課題を解消できていないコールセンターも少なくありません。

また、社員教育やシステム導入など新しい取り組みを始めようとしても、予算が不十分でなかなか実施に至らないケースもあります。

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コールセンターにシステムを導入するメリット

コールセンターシステムは、顧客の問い合わせ対応を効率化するためのシステムです。小規模コールセンターにシステムを導入することで、オペレーター側と顧客側それぞれにプラスの効果が期待できます。ここでは、主な4つのメリットについて解説します。

応対品質の向上につながる

コールセンターシステムにはさまざまな機能が搭載されており、導入によって顧客への応対品質の向上が期待できます。例えば、受電時に顧客情報が表示される機能により、顧客の属性や過去の問い合わせ履歴を閲覧しながら無駄のない対応ができます。

また、通話中にトークスクリプトや社内用FAQを参照できる機能を用いることで、新人でも応対業務をこなせるようになります。

オペレーターの負担軽減につながる

コールセンターシステムを導入することで、業務の自動化が進み、オペレーターの負担軽減につながります。例えば、FAQシステムを活用し、頻繁に寄せられる質問とその回容を自動提示するWebサイトを整備すれば、問い合わせ件数の削減が見込めます。

空いた時間をナレッジ共有やチーム体制の整備などに充てることが可能です。また、業務負担が軽減されれば離職率が低下し、人手不足の解消にもつながるでしょう。

属人化の防止につながる

コールセンターシステムは、業務の仕組み化を促進するため、属人化の防止にも役立ちます。システムを活用すれば、顧客の問い合わせ履歴や業務の進め方などの情報共有が効率化され、個人の能力に頼らない業務体制を構築できます。

また、社員の急な休職や退職時にスムーズに引き継ぐことができるため、応対品質の向上にもつながります。

事業拡大にも対応しやすい

コールセンターシステムの導入は、将来的な事業拡大を見越した設備投資としても有用です。
規模が小さい段階でシステムを導入し、柔軟に対応できる仕組みを構築しておくことで、事業成長時に現場が混乱することを避けられます。

コールセンターの規模が大きくなってから導入すると、ルールが定着するまでに時間がかかり、日常業務に影響が及ぶ可能性もあります。新体制への移行をスムーズに行えるよう、ルールを柔軟に変更しやすい状況でシステムを導入すると良いでしょう。

コールセンターに活用できるシステムの種類

コールセンターに活用できるシステムは多数あり、機能や特徴もそれぞれ異なります。ここでは、代表的なコールセンターシステムの種類や機能を紹介します。

CRM

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報を一元管理できるシステムのことで、「顧客管理システム」とも呼ばれます。

CRMの導入により、顧客情報の検索が効率化され、顧客の属性やニーズに合わせた応対が実現します。また、CRMにより顧客情報を管理する仕組みを構築しておくことで、業務規模が拡大した後もスムーズに移行できるでしょう。

PBX

PBX(Private Branch eXchange)とは、複数の電話を統括管理する電話交換機のことです。内線と外線の接続制御や内線同士の連携などを担います。

PBXには、専用機器を用いる「レガシータイプ」や、IPネットワークを利用する「IP-PBX」などの種類があります。近年主流となりつつあるのが、クラウド上のPBXを利用する「クラウドPBX」です。

クラウドPBXはインターネット接続を使用するため、従来の電話回線を使うPBXよりもスピーディに納入でき、初期導入コストを抑えられます。クラウドPBXを活用することで、外出先からスマートフォンで会社宛の電話に出ることも可能です。

CTI

CTI(Computer Telephony Integration)とは、電話機やFAXとコンピューターを連携させるシステムのことです。企業規模によらず、顧客情報や電話番号をデータベースに保存し、必要なタイミングで検索、閲覧できます。また、通話内容の録音にも対応しています。

CRMやPBXとCTIを組み合わせることで、さらなる業務効率化が見込めます。例えば、CRMとCTIを連携すれば、架電時に顧客情報を自動で表示でき、オペレーターが自ら検索する手間を省けます。また、PBXとCTIを連携することで、発着信や通話内容の管理を自動化できるため、業務効率化につながります。

チャットボット

チャットボットは、入力された質問に対し、ロボットがチャット形式で自動応答するシステムです。チャットボットを活用して、顧客から頻繁に寄せられる簡単な質問はシステムが自動処理する仕組みを構築すれば、問い合わせ業務の効率化を促すことができます。

また、ホームページ上で24時間稼働しており、コールセンターの営業時間によらず対応が可能です。結果として、顧客満足度の向上や休み明けの架電集中の防止に役立ちます。

関連記事:チャットボットを導入するメリットと失敗しない選び方

FAQシステム

FAQシステムは、よくある質問とその回答を管理するためのシステムです。FAQシステムを活用すると、Q&A集を作成・追加・編集できる他、企業のホームページやブランドサイトにFAQページを組み込めるタイプもあります。

顧客がキーワードや質問内容を入力することで回答を閲覧できるため、問い合わせ件数の削減につながります。また、コールセンター内向けのFAQシステムを整備することで、スピーディな応対が実現します。

関連記事:FAQを作成するメリットと作り方の手順・ポイントを解説

SMS送信サービス

SMS送信サービスとは、携帯電話番号宛に送受信するショートメッセージサービス(SMS)の法人向けサービスです。SMSは携帯電話の番号がわかれば短文テキストを送信でき、受診時にポップアップ通知が入る設定のため、高い到達率や開封率を打ち出しています。

また、短縮URLを本文に掲載し、リンク先に誘導して自己解決を促すといった使い方も可能です。コールセンターが混み合っている際に、顧客へSMSで案内を送信し、FAQを見てもらうことで顧客の待ち時間を短縮できます。

さらに、チャットボットに誘導して自動回答で疑問が解消しなかった場合のみオペレーターに接続する、という使い方も可能です。

IVR

IVR(Interactive Voice Response)とは、顧客からの問い合わせに対して録音音声が自動で応答するサービスのことです。IVRを活用することで、顧客から問い合わせが多い「よくある質問へ」の対応を自動化でき、オペレーターの負担の軽減につながります。

また、オペレーターが対応すべき問い合わせについても、IVRを活用することでどのオペレーターにつなぐべきかという優先順位をつけることが可能です。顧客の問い合わせに対して必要なスキルを持ったオペレーターが対応することで、顧客満足度の向上につながります。

関連記事:IVRとは何か?コールセンターに導入するメリットや導入方法

ビジュアルIVR

ビジュアルIVRは、IVRの音声の代わりに画面上に選択肢が表示され、ユーザーが選択した項目に応じたWebページを案内できる仕組みです。

ビジュアルIVRでは音声ではなくWebページやアプリのガイダンスで案内するため、顧客は求める情報に素早く辿り着けます。最近では、顧客の操作ミスなどによって疑問解消につながらない場合も考慮し、AIチャットボットなどと組み合わせるケースも増えています。

関連記事:ビジュアルivrとは?メリットや導入事例を解説!

小規模コールセンターがシステムを選ぶときのポイント

コールセンターシステムは種類や数が多く、どれを選ぶべきか迷う場合もあるでしょう。ここでは、小規模コールセンターに合ったシステムを選ぶためにチェックすべきポイントを紹介します。

企業の規模にあったシステムか

企業規模に合ったコールセンターシステムを導入することが大切です。小規模コールセンターに大企業向けのシステムを導入しても、スペックが高すぎて費用がかさんでしまいます。

コールセンターシステムには、主にオンプレミス型とクラウド型の2種類があります。小規模コールセンターには、初期費用やランニングコストが抑えられており、大規模な設備が必要ないクラウド型がおすすめです。

システムによって最低席数などの設定が異なるため、必要な席数をカバーしているかどうかも導入前に確認しましょう。

初期費用や費用対効果は適切か

予算内で無理なく導入できるコールセンターシステムを選びましょう。ハイスペックなシステムを選んでも、料金が高額だと経営を圧迫する可能性があります。契約前に初期費用や利用料金をチェックし、機能やサービスが費用に見合っているかどうか確認することが重要です。

クラウド型システムの場合、定額で使える固定課金制や使った分だけ課金される従量課金制の2種類が主流です。また、システムや契約プランにより、1席単位で契約できるか、まとまった席数でのみ契約できるかは変わります。

機能は必要十分か

自社のコールセンターに必要な機能が使えるかどうかは契約前に必ず確認しましょう。コールセンターシステムや契約プランによって、使える機能は異なります。基本的に使える機能が多いほど費用は高額になるため、不要な機能が多いと費用対効果が悪くなります。

また、多機能すぎると使い方が複雑で、オペレーターが使いにくく感じる可能性もあるでしょう。機能を柔軟に選択できるシステムや、基本機能にオプションで必要なものだけ追加できるシステムは、コストを抑えて必要な機能を導入できます。

オペレーターが操作しやすいか

コールセンターシステムは、オペレーターが使いやすいものを選定する必要があります。オペレーターにとって使い勝手が良くないと、新しいシステムを導入しても形骸化してしまう可能性があります。

初めてでも直感的に操作できるか、表示がわかりやすいか、といった点を確認しましょう。導入前にデモやトライアルが利用できる場合は、オペレーターに実際に試してもらうと良いでしょう。

拡張性や既存システムとの連携は十分か

機能の拡張性や既存システムの連携が可能かどうかも、確認が必要です。将来的に事業やコールセンターが拡大した際に、座席や機能の追加が必要になる可能性があります。

コールセンターシステムの拡張性が十分であれば、その時々で最適な仕様にアップデートでき、スムーズな移行が実現します。また、既存のCRMなど外部システムと連携できるものなら、コストの節約にもつながります。

サポート体制は十分か

新しいコールセンターシステムを導入する際には、サポート体制が充実したものを選ぶのが無難です。システムは導入して終わりではなく、安定した運用が求められます。

日々の業務でトラブルや不具合が発生した際に、アフターフォローが付帯している場合、すみやかな対処が期待できます。契約前に、具体的なフォロー内容やサポート範囲について確認しておきましょう。

システムを導入してコールセンターの課題を解決しよう

小規模コールセンターの限られたリソースを有効活用するためには、業務効率化が不可欠です。コールセンターシステムを導入することにより、人手不足や業務の属人化といった課題の解消につながります。また、オペレーターの業務負担を軽減でき、将来的に事業拡大する際にもスムーズな移行が期待できます。

コールセンターシステムと一口に言っても、CRMやPBX、チャットボット、ビジュアルIVRなど多くの種類があり、機能や特徴もさまざまです。自社のコールセンターで必要な機能を洗い出し、費用対効果や拡張性などを総合的に考慮して最適なシステムを選びましょう。

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