ドリルダウン機能【応用編】

このコンテンツでは、データのマークとドリルダウンについて説明していきます。
なお、本コンテンツで利用したバージョンはSpotfire10.10/11.4となります。ご利用環境によって、一部画面構成が異なる可能性があります。ご了承ください。

サンプルデータについて

本コンテンツで利用するサンプルデータは、こちらからダウンロードしSpotfireに読み込んでください。野球に関するデータです。

ドリルダウン機能とは

ドリルダウン機能とは、グラフ上で選択したデータのみを集計し別のグラフに表示する機能です。
この機能の基本について紹介したドリルダウン機能では、1つのグラフをドリルダウンする方法について紹介しました。
今回は応用編ということで、2つのグラフをそれぞれ独立したものとしてドリルダウンする方法を紹介します。

下記イメージのように、1つのページに作成した棒グラフと散布図をそれぞれマークすることで円グラフにドリルダウンできるようにします。このとき、棒グラフと散布図のマークが連動しない設定にしていきます。

ドリルダウンの実行

まず、1つ目のドリルダウンするための棒グラフを作成します。
横軸を「Team」、縦軸を「Salary」の合計に設定し、どのTeamがどのくらい給料を支払っているか見てみます。

すると、NY Yankeesが一番多く給料を支払っていることが分かります。
このグラフをドリルダウンし、どのポジションに給料を多く支払っているのか見ていきましょう。

NY Yankeesをマーク（選択）します。棒グラフのNY Yankeesの上で左クリックするとデータがマークされ、NY Yankeesのみハイライト表示されます。
NY Yankeesをマークした状態のまま右クリックし、ビジュアライゼーションの詳細を作成 > 円グラフ を選択します。

この円グラフは、先ほどマークしたNY Yankeesのデータのみを使って作成されています。
円グラフの色の基準を「Position」に変更することで、NY Yankeesがどのポジションに多く給料を支払っているかわかります。
SSというポジションが最も多く給料を受け取っているようです。

ここまでで、1つ目のドリルダウンが完成しました。

次に、2つ目のドリルダウンをするための散布図を同じページに作成します。
横軸を「At Bats」、縦軸を「Hits」に設定し、打数とヒットの関係性を見てみます。

ここからは散布図に対してドリルダウンしていきますが、いくつかの注意点があります。

棒グラフと散布図のマークを連動させず、それぞれのグラフで独立したドリルダウンを行いたい場合、マーキング設定を変更する必要があります。
デフォルトでは、同じデータを使用するグラフのマークは全て連動します。
下記イメージは、マーキング設定を変更する前のデフォルトでのドリルダウン結果です。
棒グラフ上でマークされたデータが散布図上でもマークされ、マークに連動して円グラフが2つともドリルダウンされています。

今回はマーキング設定を変更し、棒グラフ上でのマークを散布図や右下の円グラフに連動させないことで、下記イメージのように棒グラフと散布図で独立したドリルダウンをしていきます。

マーキング設定の変更

マーキング設定は、プロパティ > データ > マーキング から変更できます。
デフォルトでは全てのグラフのマーキングが「マーク」になっており、これにより同じデータを使用するグラフのマークは全て連動します。

今回は、散布図をデフォルトの「マーク」から「マーク（2）」に変更します。
これで散布図と棒グラフのマークが連動しない設定にできました。

マーキング設定の変更ができたので、ここからは散布図のドリルダウンを行っていきます。
散布図上で、ヒット数が180本以上の選手をマークします。

散布図上でマークした状態のまま右クリックし、ビジュアライゼーションの詳細を作成 > 円グラフ を選択します。

この円グラフは、先ほどマークしたヒット数180本以上の選手のデータのみを使って作成されています。
円グラフの色の基準を「League」に変更することで、ヒット数180本以上の選手の所属リーグを見ることができます。
ヒット数が多い選手はナショナルリーグよりアメリカンリーグの方に多く所属していることがわかります。ちなみに、母数としてはナショナルリーグ所属選手の方が多いです。

このようにマーキング設定を変更することで、複数のグラフでマークが連動せず、それぞれ独立したものとしてドリルダウンすることができます。