2023/07/11

ビジュアルIVR

呼損率とは?計算方法や呼量を削減するための対策と事例を紹介

コールセンターでよくある課題の1つに、呼損率の改善が挙げられます。電話回線の混雑などにより電話が接続されなかった割合を意味する「呼損率」を適正に保つことで、顧客満足度の向上やオペレーターの業務負担の軽減といったメリットが期待できます。

本記事では、コールセンターで重要な指標である呼損率やアーランB式の意味、呼損率が高いことによるデメリットなどについて解説します。呼損率の低減に役立つビジュアルIVRの導入事例も紹介しますので、自社における業務改善に向けてぜひお役立てください。

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コールセンターで押さえておきたい呼量と呼損率

「呼量」と「呼損率」は、いずれもコールセンター業務の改善を考える上で押さえておきたい指標です。それぞれの意味や定義について詳しく解説します。

呼量の意味と計算式

「呼(こ)」とは、1回のやり取りを指す概念で、電話の場合は1回の通話のことを「呼」と言います。コールセンターにおける「呼」は、顧客の電話がつながってから切るまでの1回あたりの通話を指し、「呼量」とは一定時間に通信回線を使用していた割合を意味します。

呼量は「アーラン」と呼ばれる単位で表され、以下の計算式で求めます。

呼量 = 呼数 × 平均利用時間 / 対象時間

例えば、1時間(3,600秒)の間に10回の通話(呼数)があり、平均利用時間が5分(300秒)だった場合、呼量は「0.8333アーラン」と算出できます。

コールセンターでは、曜日や時間帯などによって呼量は変わります。回線数の不足やオペレーターの対応中で接続できなかった「放棄呼」や、回線数を上回る入電があり電話がつながらなくなる「あふれ呼」といったコールセンターにおける課題を解消する上でも、呼量は重要なデータとなります。

放棄呼の解消や課題解決については、下記記事をご覧ください。

呼損率の意味と計算式

「呼損率」とは、「呼」のうち接続されなかった割合のことです。コールセンターでは、電話回線や設備の不足により電話がつながらかった割合を数値化したもので、「放棄呼」の割合と言い換えることもできます。

呼損率は以下の計算式で算出します。

呼損率 = 接続できなかった回数 / コール数

例えば、10回電話をかけて2回つながらなかった場合、呼損率は「0.2」です。

呼損率が高いほど、かかってきた電話の回数に対して通話できた回数が少ないことを意味します。ただ、単純に入電数が多すぎると判断できないため注意が必要です。

電話回線の契約数を増やすことで、より多くの同時通話が可能になりますが、回線利用コストなどの兼ね合いを考慮すると難しい場合もあります。そこで、呼損率を用いて適切な回線数を考えることが大切です。

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呼損率が高いことによるデメリット

コールセンターの呼損率が高いと、顧客側だけでなくオペレーター側にも悪影響が出る場合があります。ここでは、呼損率が高いことによって考えられるデメリットについて詳しく解説します。

顧客満足度の低下

コールセンターの電話がつながらないことで、顧客満足度が低下する可能性があります。呼損率が高いということは、架電が集中しているものの電話がつながらずに保留音で待たされる時間が長いことを意味します。よって、顧客の利用満足度が下がってしまいます。

また、商品やサービスついて詳しく聞きたい場合、オペレーターと通話ができなければ購買意欲が薄れてしまうでしょう。結果として、売上機会の損失や企業のイメージ・信頼性の低下といったリスクが考えられます。

オペレーターの負担の増加

呼損率が高い状態は、オペレーター側の負担を増加させる要因にもなります。電話がつながらないことによって長時間待たされた顧客のクレームを受ける可能性が高まるため、オペレーターのストレス蓄積につながります。

また、顧客に怒鳴られるなど心理的な負担が大きくなると、職場環境が悪いと感じたオペレーターが辞めてしまい、離職率が上がる可能性もあります。適切な就労条件や環境を整備するためにも、呼損率を適正に保つ対策が必要です。

呼損率を予想する「アーランB式」とは

コールセンターでは、呼損率を正しく予測し、適切な対策を取り入れることが管理者に求められています。そこで、呼損率を予想するために役立つ「アーランB式」の理論を紹介します。

「アーランB式」とは、電話が通話中になる確率を予測する理論のことです。呼量の単位「アーラン」を用いて「呼量・呼損率・回線数」の関係を予測し、求めている呼損率に対して適切な電話回線数を算出します。

電話回線数が同じ場合、呼量が増えるほど電話がつながりにくくなるため、呼損率が高まります。よって、呼損率を下げるためには電話回線数を増やす必要があるとわかります。

アーランB式は計算式を使って割合を数値化しますが、複雑で難しいため、自動計算ツールや呼損率表と呼ばれる早見表を用いる方法が一般的です。

呼損率表では、縦軸に回線数を、横軸に呼損率を取り、呼損率を減らすための必要な回線数を照らし合わせてます。企業や現場によって電話の統計データを集め、早見表を作成して対策を考えていきます。

呼損率を下げるためには呼量の削減も重要

呼損率を下げるために電話回線を増やすとなると、費用がかかります。そこで、コストを抑えつつ、他の方法も併用することで、呼損率を効率的に抑えることが可能です。

具体的な手法としては、以下が挙げられます。

  • IVR(自動応答システム)を活用する
  • CRM(顧客管理)システムを活用する
  • FAQ(よくある質問)を充実させる
  • 有人チャット/チャットボットを活用する
  • AI電話サービスを活用する

「コールセンターに電話をかける」以外の問題解決方法や購入方法を顧客に提供することで、呼量削減が見込めます。また、顧客自ら問題を自己解決できるよう誘導できれば、顧客満足度の向上にもつながります。

ビジュアルIVRを活用したコールセンターの事例

呼損率を下げるための有効な対策の1つが、ビジュアルIVRの導入です。ここでは、NTTコム オンラインが提供する「ビジュアルIVR」を活用し、自社コールセンターにおける課題を効率的に解消した事例を紹介します。自社における導入・運用を検討する際に、ぜひ参考にしてください。

株式会社ピーチ・ジョン

女性向けランジェリーやファッション雑貨を扱う株式会社ピーチ・ジョンでは、お客様窓口(リレーションシップセンター)への電話問い合わせが、全体の問い合わせの6割以上を占めていました。

コロナ禍でリモートワークなど柔軟対応の必要性が高まったこともあり、窓口を止めることなくリソースの最適化を図りたいと考え、ビジュアルIVRを導入。

3ヶ月後には、問い合わせ全体の13%が電話からメールやチャットへと移行し、電話オペレーターの業務負担の削減に成功しました。また、顧客自身が使いやすい手続き方法を案内でき、ユーザーの利便性向上にもつながっています。

T&N保険サービス株式会社

T&N保険サービス株式会社様では、主に自動車メーカー関係会社の従業員に向けて損害保険商品を販売しています。自動車保険の満期更新など、コールセンターでは常時多くの電話問い合わせを受けていました。

ご高齢の顧客が多い沖縄コンタクトセンターでは、コールが集中して電話がつながりにくい状態が続きやすく、一時は応答率が7割前後まで落ちこんでしまうこともありました。

お客様の待ち時間や待ち呼を減らすために、ビジュアルIVRの導入を決断。2ヶ月経ち、プレゼントキャンペーンなどと併用する中で、電話からWeb手続きへの移行が徐々に増えていることを実感されています。

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呼損率を下げるために「ビジュアルIVR」を活用しよう

呼損率を下げるためには、電話回線の契約数を増やすこと以外にも、チャットボットやIVRなどを活用した「呼量の削減」という選択肢があります。自社に最適なシステムを導入することで、顧客満足度の向上やオペレーターの負担軽減といった効果が期待できます。

NTTコム オンラインが提供する「ビジュアルIVR」は、SMSを使ってWebページに誘導するコールセンター向けサービスです。電話でのお問い合せをSMSからWeb手続きへと移行させ、顧客の自己解決を促すことでオペレーターの業務負担の削減も期待できます。自社向けカスタマイズもご提案しますので、お気軽にお問合せください。