
2023/11/14
ビジュアルIVR
【2023年度版調査レポート】事前のWEB検索は当たり前!性年代別に見るコールセンターに電話をかける前の顧客行動とは
コールセンターではコロナ禍の間、在宅勤務をせざるを得ない状況となり、対応可能なオペレーター数が限定されることがありました。オペレーター数に頼らない応対を迫られたことで、デジタルチャネルの導入が急速に進みました。
これらの対応により、人材不足の解消にも繋がると期待が高かったものの、「チャットボットの利用率が上がらない」「FAQサイトが活用されていない」等、導入したデジタルチャネルについて、新たな課題が顕在化しました。
こうした背景から、コールセンター部門の応答率改善、オペレーター不足、導入済のデジタルチャネルを有効活用するために、顧客の自己解決を促進する手段として、ビジュアルIVR(ランディングページ)を導入し、顧客を適切なデジタルチャネルへ誘導するコールセンターが増えています。
>ビジュアルIVRに関するご紹介はこちら
顧客の自己解決手段として、企業の公式Webサイトは、重要なコンテンツとなります。果たして企業の公式Webサイトは、顧客に活用されているのでしょうか。
NTTコム オンラインでは、日常生活において、コールセンターに電話をすることがある20代以上の男女1053名に調査を行いました。
このレポートでは、「コールセンターに電話をかける前にどんな行動をとるか」について、性年代別に分析した結果について、報告します。
このレポートはこんな方におすすめです。
- コールセンター部門の企業担当者の方
- 応答率の低さにお悩みの方
- お客様自身で課題解決できる方法を模索されている方
顧客はコールセンターに電話をかける前にどんな行動をとるのか

2023年調査の結果、70.9%の人が「Webで検索して解決を試みる」と回答しました。
昨年の調査結果より、やや減少していますが、問い合わせを行う前に、まずはWebで検索ことが一般的になりつつあるようです。このことからも、顧客の自己解決力を向上するには、まずWebに必要な情報が掲載されているか、検索した時その情報をすぐに見つけられるか、見直す必要がありそうです。一方で、「特に行動はとらず、いきなり電話をする」と回答した人は7.0%で、昨年よりわずかに増えています。
回答について、男女別、世代別に集計しました。


男女による回答差は大きくありませんでしたが、「企業の問い合わせフォームを探す」を選択した人は、男性より女性の方が多い結果となりました。問い合わせフォームは、問い合わせをする時間帯に制約がない事、質問したいことを文章で入力できる事、要件や疑問を直接伝えられる、といったメリットがあります。電話でなくても、企業へダイレクトに質問が届き、顧客に沿った回答がされるため、一定の支持があるツールと言えそうです。

20~50代までの世代と、60代以上で、回答の分布が大きく異なります。「Webで検索して解決を試みる」世代は、40代をピークに山なりとなり、60代以上では大きく減少しています。
60代以上では「Webで検索して解決を試みる」が52.9%と最多であり、続いて「手元の資料を確認してみる」「企業の問い合わせフォームを探す」「いきなり電話する」という結果になりました。Webで検索して解決を試みるという行動は、世代を問わず一般的になってきていますが、60代以上では他の自己解決方法を試す人も多いようです。
Webで検索して解決を試みるのはどんな顧客なのか
次に、回答率の一番多い「Webで検索して解決を試みる」と回答した人の割合を、昨年度の結果と比較しつつ、性年代別に分析してみました。


40代男女と50代女性では昨年度より伸びていますが、全世代でみると、前述の通り、Web検索で解決を試みる人は、やや減少しています。とはいえ、60代女性以外のすべての世代で、半数以上の人たちはWeb検索を試みていることが分かります。Web検索で疑問が解決できるよう、企業側は見つけやすいWebサイトを用意する必要があります。
なぜWebを使った解決を試みましたか?

「電話だと時間がかかりそうだから」「場所と時間を選ばずに問題解決できそうだから」が、ほぼ同率となりました。
なお「その他」を選んだ理由について、自由回答を調べたところ「通話料金がかかるため」という回答が最多となりました。コールセンターへ電話で問い合わせをする際に、顧客が通話料金を負担する場合、電話をかけることを躊躇すると思われます。
男女/世代別で集計してみましょう。


世代により多少の差はありますが、「電話だと時間がかかりそうだから」は、男性に多い回答となり、「電話で質問するのが苦手だから」は、女性に多い回答となりました。
男性の回答で多かった、時間がかかるという懸念からは、オペレーターへ繋がるまでの導線を短縮する、問い合わせへ的確に回答し応対時間を短くする工夫が必要といえそうです。
女性の回答で多かった、電話で質問するのが苦手な顧客に対しては、オペレーターからの問いかけで顧客の疑問を引き出す工夫が求められます。
おわりに
今回の調査では、世代を問わず多くの顧客がWeb検索を活用していることがわかりました。スマートフォンの普及とともに、世代を問わず、顧客自身がWeb検索で問題解決に取り組む行動は、さらに一般的になりつつあるといえそうです。
しかし、顧客が自己解決を望んでいても、問題解決に結びつくWebサイトへ辿り着いているかどうか、検証する必要がありそうです。
企業の公式サイトには、顧客が知りたい情報の他にも、様々な情報が掲載されています。顧客が企業に問い合わせをする前に解決できるよう、準備する必要があります。
モバイルウェブのビジュアルIVRなら、既存顧客向けに、コールセンターでよく受ける問い合わせ(よくあるご質問や各種手続き方法等)を、分かりやすいUIでメニュー化することが可能です。
画面デザインに関する制約が少なく、編集や更新作業も簡単です。さらに、画面は複数ページ作成することができるため、お問い合わせ内容に応じて分類・整理して、最適なメニューを案内することができます。
ビジュアルIVRのWebサイトは、自動音声ガイダンスで希望された方にだけSMS(ショートメッセージサービス)を利用して案内できます。スマートフォン上で問題解決が完結するため、顧客にとっても即時性と利便性が高いです。NTTコム オンラインでは、モバイルウェブ ビジュアルIVRだけでなく、SMS送信サービス「空電プッシュ」も合わせて、ご提供可能です。
次回は、「問題解決を試みるために使った手段」について、報告します。
調査概要
- 調査テーマ:日常生活に関する調査
- 調査対象:20代以上の男女1053名
- 調査実施期間:2023年8月28日~2023年8月29日
- 総回答数:1053サンプル
- 調査方法:インターネット調査
- 調査機関:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
NTTコム リサーチ
このレポートにはこんな設問が記載されています。
- コールセンターに電話を掛ける前にどんな行動をとりますか。
- なぜWebを使った解決を試みましたか?
- 解決を試みるために使った手段を選択してください。
- コールセンターに電話を掛けた理由を教えてください。
- コールセンターに問い合わせて、問題が解決しましたか?
- 問題解決にはオペレーターへの相談が必要でしたか?
- オペレーターへの相談が必要であった理由をお答えください。
- 電話がつながらなかった場合、どのような対応を期待しますか?
- コールセンターに電話をかけた時に、もし営業時間外だった場合、どのような誘導を期待しますか。
- 営業時間外に、実際に利用したことがある問い合わせ方法は何ですか?
- オペレーターによる電話での対応以外で実際に問題解決に繋がったツールはどれですか。
- 今後(も)利用したい手段をご選択ください。