2023/09/21

ビジュアルIVR

問い合わせ対応を効率化するコツとは?課題や具体的な対策を解説

多くの企業が電話による問い合わせ窓口を設置していますが、「問い合わせの件数が多く、対応しきれていない」といった課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。問い合わせ対応が不十分ではお客様に迷惑をかけてしまうため、対策が必要です。

本記事では、問い合わせ対応に関する課題と具体的な対策について解説します。ツールを活用して問い合わせ対応を効率化した事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の内容
  • 問い合わせ対応を充実させると、顧客満足度の向上や商品・サービスの差別化、売上のアップなどが期待できるため、重要性が高い
  • 問い合わせの件数が多く迅速に対応できなかったり、オペレーターごとの対応品質にばらつきがあったり、課題を抱える企業が多い
  • FAQの充実・マニュアルの改善・IVRやチャットボットといったツールの導入に取り組むことで、問い合わせ対応の効率化を目指すことができる
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問い合わせの種類

企業に寄せられる問い合わせは、お客様や取引先など社外からの問い合わせと、社内の従業員からの問い合わせの2種類に分けられます。それぞれ担当する部署や対応すべき内容が異なるため、まずは上記2つの問い合わせの特徴を把握しておきましょう。

以下で、社外からの問い合わせと社内からの問い合わせについて、それぞれ解説します。

社外からの問い合わせ

社外からの問い合わせの主な内容は、以下のようなものがあります。

  • 商品やサービスについての質問
  • 商品や接客に対する不満・クレーム
  • 商品の新規購入やサービスの新規契約申し込み
  • 注文内容、契約内容の変更・キャンセル など

社外からの問い合わせの窓口になるのは、主に営業やコールセンターといった対外的な部署です。自社の商品やサービスについて詳しく把握しておく必要があり、お客様や取引先を相手にするため丁寧な対応が求められます。

クレームやイレギュラーな対応を求められることもあるため、問い合わせ内容に応じて柔軟に対応しなければなりません。

社内からの問い合わせ

社内からの問い合わせ内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • システムの使い方がわからない
  • 経費精算の手順がわからない
  • 産休や育休を申請したい など

上記のような問い合わせを受けるのは、主に情報システム部や経理、人事などです。それぞれの部署が担当する範囲について、従業員からのさまざまな疑問・質問に答える必要があります。

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問い合わせ対応の重要性

問い合わせ対応は、とても重要な仕事です。特に社外からの問い合わせについては、問い合わせ対応に力を入れることで以下のようなメリットがあります。

  • 顧客満足度向上につながる
  • 商品・サービスの差別化につながる
  • 商品・サービスの改善につながる
  • 売上アップにつながる

以下で、上記4つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

顧客満足度向上につながる

問い合わせ対応は、お客様との重要な接点のひとつです。商品やサービスについての問い合わせに対して手厚くサポートすることで、顧客満足度の向上が目指せます。

商品やサービス自体の質だけでなく、接客や購入後のサポートも顧客満足度を左右する重要な要素です。いくら商品やサービスの質が良くても、問い合わせをしたときに満足な対応が受けられなければ、「次は別の会社の商品を購入しよう」と思ってしまう人も少なくありません。

顧客と良好な関係を築くには、丁寧な問い合わせ対応による顧客満足度の向上が求められます。

商品・サービスの差別化につながる

問い合わせ対応に力を入れることで、競合他社との差別化にも効果があります。競合他社が多い業界では、商品やサービス自体に大きく差をつけるのが難しいケースもあるでしょう。この場合、問い合わせ対応やアフターサポートを充実させることで、自社商品を選んでもらえる可能性を高められます。

商品やサービスに大きな差がないとき、アフターサポートやトラブル対応が充実している企業とそうでない企業なら、当然前者を選ぶ人が多いでしょう。

お客様に自社を選んでもらうためには、商品・サービスそのものの質を高めるだけでなく、問い合わせ対応を充実させることも大切です。

商品・サービスの改善につながる

カスタマーサポートなどの窓口には、お客様からの貴重な声が集まります。例えば、使い方に関する質問や機能の不満が多く寄せられているものがないかチェックしてみると、商品の改善のヒントが得られるでしょう。

このように、問い合わせ対応は商品やサービスのユーザーの生の声を蓄積できるのが大きなメリットです。問い合わせ内容を参考に新商品の開発や既存商品の改善を行えば、よりユーザーニーズに合ったものを生み出せるでしょう。

売上アップにつながる

問い合わせ対応が売上につながるというイメージはないかもしれませんが、問い合わせ対応に力を入れることで得られるさまざまなメリットは、最終的に売上もアップさせてくれます。

例えば、顧客満足度の向上や商品・サービスの改善ができれば、長期に渡って自社商品を利用してくれるリピーターを増やせるでしょう。近年のマーケティングではLTVを重視するケースも多く、売上を伸ばすには既存顧客にいかに継続利用してもらうかが重要です。

また、競合との差別化によって、新規顧客の獲得も目指せます。丁寧な問い合わせ対応が評判になれば、競合から自社に乗り換えてくれるユーザーが出てくるかもしれません。

問い合わせ対応の主な課題

社外から多くの問い合わせを受ける部署では、以下のような課題を抱えているところも少なくありません。

  • 問い合わせが多く迅速に対応できない
  • 問い合わせ対応に時間がかかる
  • オペレーターの対応品質にばらつきがある
  • 問い合わせに関する情報の共有ができていない

ここでは、問い合わせ対応の主な課題について詳しく見ていきましょう。

問い合わせが多く迅速に対応できない

問い合わせを受ける従業員の数に対して問い合わせ数が多いと、なかなか電話がつながらずにお客様を待たせてしまうことになります。トラブルなど緊急性の高い問い合わせの場合は特に、迅速に対応できなければお客様に不安や不信感を抱かせてしまうかもしれません。

毎日多くの問い合わせがあると従業員にも負担がかかり、作業効率が低下してさらに対応スピードが落ちるなど、悪循環に陥ってしまう可能性もあります。

問い合わせ対応に時間がかかる

商品やサービスが多様化したことで、企業にはさまざまな問い合わせが寄せられます。なかにはオペレーターだけでは対応できないような問い合わせや、複数の部署に確認が必要な問い合わせもあり、対応に時間がかかるケースも少なくありません。

問い合わせ対応に時間がかかると、次のアクションや問題の解決につながるまでの時間が長くなってしまい、顧客満足度やロイヤルティが下がってしまう可能性があります。

マーケティングでは商品やサービスの利用にかかった時間や労力を示す「カスタマーエフォートスコア(CES)」という考え方があり、問い合わせへの回答がなかなか得られないとCESが高くなってしまいます。CESが高い状態は顧客にストレスを与えていると判断されるため、CESの観点からも問い合わせ対応に時間がかかるのは問題です。

オペレーターの対応品質にばらつきがある

オペレーターの対応品質にばらつきがあるのも、よくある課題のひとつです。近年はSNSなどに口コミを書かれることも多いため、ほかのユーザーの書き込みを見て「同じ問い合わせをしたのに自分だけフォローが薄かった」と感じる人がいるかもしれません。

オペレーターによって回答する内容が違ったり、誤った情報を伝えたりするのは、お客様に不満や不信感を与えてしまいます。誤った対応をしたのが1人のスタッフだったとしても、そのお客様にとっては「企業としての回答」です。対応品質にばらつきがあると、企業イメージの損失を招く可能性が高いでしょう。

問い合わせに関する情報の共有ができていない

特定の担当者だけが問い合わせの対応状況を把握しているなど、情報の共有化ができていないケースも見られます。情報共有が適切にできていないと対応が属人化してしまい、特定の担当者に負担が偏ってしまうため、注意しなければなりません。

必要な情報が共有されていないと、オペレーターごとの対応品質にばらつきが出る可能性もあります。「最新の情報を把握していないオペレーターが誤った回答をしてしまった」といった事態を招くこともあるため、担当部署内で情報共有の仕組みを確立しておくことも大切です。

問い合わせ対応効率化のコツと対策

先ほど紹介したような課題を解消するには、問い合わせ対応の効率化が必要です。問い合わせ対応を効率化するには、以下のような対策に取り組みましょう。

  • 問い合わせ内容を分析する
  • FAQを充実させる
  • マニュアルの改善やオペレーターの教育を行う
  • 問い合わせ対応をアウトソーシングする
  • IVRやチャットボットなどツールを導入する

それぞれのコツと対策について、以下で詳しく解説します。

問い合わせ内容を分析する

はじめに、「どういった問い合わせが多いのか」「問い合わせ1件あたりにどのくらいの時間がかかっているのか」など、問い合わせの数や内容、対応時間などを分析しましょう。現状を正しく把握することで、どのような対策を取るべきか検討しやすくなります。

例えば、特定の商品の機能に関する問い合わせが多いなら、その機能の解説用Webページを自社サイトに用意したり、取扱説明書の記載を見直したりすると、問い合わせの件数を減らせる可能性があります。

現状把握をしないまま進めると、対策内容が見当違いになってしまうおそれがあるため、最初に問い合わせの種類別の数や内容をしっかり分析することが大切です。

関連記事:自己解決率が低いコンタクトセンターの原因と対策

FAQを充実させる

FAQは問い合わせの多い内容と回答をまとめたもので、企業のサイトによく用意されている「よくある質問」などが該当します。FAQを充実させることで顧客が自己解決できるようになり、問い合わせの件数を減らせます。

商品やサービスについて不明な点が出てきたとき、問い合わせをする前にインターネットで解決方法を検索する人は少なくありません。検索したときにFAQがヒットして解決方法がすぐに見つかれば最低限の手間で問題を解決できるので、お客様にとってもメリットの大きい施策です。

関連記事:FAQを作成するメリットと作り方の手順・ポイントを解説

マニュアルの改善やオペレーターの教育を行う

オペレーターごとの対応品質のばらつきを少なくするには、マニュアルの改善やオペレーターの教育が効果的です。問い合わせの多い内容をわかりやすくまとめたマニュアルを作ったり、回答のテンプレートを用意したりして、誰が担当をしても同じ品質の対応ができるようにしておきましょう。

マニュアルの内容が不十分では、オペーレーター個人のスキルや知識によって対応品質に差が出てきてしまいます。「マニュアルでわかりにくいところはないか」「マニュアルに記載がないのに問い合わせが多い内容はないか」など、実際にマニュアルを使っているオペレーターにも確認しながら改善に取り組みましょう。

また、スキルの高いオペレーターの対応内容を全体に共有するのも効果的です。これにより、問い合わせ対応の属人化が防げます。

問い合わせ対応をアウトソーシングする

そもそも問い合わせ対応を担当する従業員の数が足りない場合は、アウトソーシングするという方法もあります。サポートデスクやコールセンターを外注できるサービスは多く存在するため、自社では対応が追いつかない場合はアウトソーシングを検討してみましょう。

問い合わせ対応をアウトソーシングすれば自社で問い合わせを受ける必要がなくなり、別の業務に時間をかけられるようになります。「問い合わせが多く、ほかの業務に手がつけられない」といった悩みを抱える部署には、特におすすめです。

IVRやチャットボットなどツールを導入する

IVRやチャットボットといったツールを導入するのも、問い合わせの効率化につながります。

IVRは「Interactive Voice Response」の頭文字を取ったもので、顧客からの電話に自動音声で応答するシステムです。顧客が自動音声に従ってボタンを押していくと、問い合わせ内容に応じたオペレーターにつながるように設定できます。

チャットボットは自動応答が可能なチャットプログラムのことで、顧客が問い合わせ内容を送信するとチャットボットが自動で回答します。チャットボットだけで問題を解決できれば、オペレーターにつなぐ必要がなく問い合わせ件数の削減が可能です。

関連記事:ビジュアルivrとは?メリットや導入事例を解説!

関連記事:チャットボットを導入するメリットと失敗しない選び方

ビジュアルIVRを活用し、問い合わせを効率化した事例

株式会社ピーチ・ジョンでは、コールセンターの業務効率化と顧客の利便性向上のために「ビジュアルIVR」を導入しました。電話による問い合わせをメールやチャットに誘導することで、複数の問い合わせの並行対応や在宅勤務を可能にすることが目的です。

ビジュアルIVRを活用して、スマートフォンからの問い合わせに対してWebメニューで解決できることを案内し、コールセンターにつなぐかWebで手続きをするかをお客様に選んでもらえるようにしました。

これにより、導入後3ヶ月で問い合わせの13%が電話からメールに移行しています。また、営業時間外の問い合わせにもWebページを案内できるようになり、顧客の利便性向上にもつながっています。

ビジュアルIVRで問い合わせを効率化

問い合わせ対応を充実させることで顧客満足度の向上や売上アップが期待できるため、企業にとって重要度の高い業務のひとつです。しかし、「対応に時間がかかる」「オペレーターの対応品質に差がある」といった課題に悩まされているケースも少なくありません。

問い合わせ対応を効率化して対応品質を向上させるには、「IVR」と「ビジュアルIVR」の導入がおすすめです。電話(音声)とメール、チャット、FAQといったデジタルチャネルを連携し、顧客の課題対応できる解決手段を提示することが重要です。NTTコム オンラインが提供する「ビジュアルIVR」は、電話での問い合わせをWebに誘導して顧客による自己解決をサポートします。

誘導先のWebページの画面は自由に設計できるため、利便性やブランドイメージを考慮したオリジナルのページに仕上げることが可能。応答率の向上やオペレーターの負担軽減などさまざまなメリットがあるため、この機会に「ビジュアルIVR」をぜひご検討ください。