2023/05/17

ビジュアルIVR

CSATとは?メリット・デメリットや測定の方法について解説

ビジネスの成功に欠かせない顧客満足を実現する上で、重要視される指標の1つが「CSAT」です。CSATを使って顧客満足度を数値化し、スコアを分析・改善することで、マーケティング施策の強化や売上向上といった効果が期待できます。

本記事では、CSATの概要から似た意味で用いられる用語との違いをはじめ、スコア計算方法や測定方法まで詳しく解説します。CSATを有効活用するために必要な情報を網羅していますので、顧客満足度を最大化し、企業の業績アップにつなげるためにぜひお役立てください。

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CSATとは

「CSAT」とは、顧客が自社の商品やサービスにどのくらい満足しているかを示す指標のことで、「Customer Satisfaction Score(顧客満足度)」の頭文字を取ってつけられた呼称です。

一般的には、「非常に満足・満足・どちらでもない・不満・非常に不満」という5段階評価で計測され、顧客アンケートなどの調査結果から得られたデータを数値化したものは、CSATスコアとしてパーセンテージ(%)で表します。

CSATは、企業のブランド力やロイヤルティの向上にも直結するため、あらゆる業種のビジネスにおいて重要な業績評価指標として使用されています。

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CSATと関連用語の違い

CSATと同様に、顧客満足度を表す用語に「NPS」「CES」「GCR」があります。これらの用語CSATと似たシーンで活用されるものの、異なる定義を持つため、正しく意味を理解して適切に使い分ける必要があります。各用語の意味とCSATとの違いについて詳しく説明します。

NPSとの違い

「NPS(Net Promoter Score)」とは、顧客が自社サービスや商品に対して愛着を感じているか、といういわゆる顧客ロイヤリティを測るための指標です。「商品やサービスを友人や知人にどの程度推奨したいか」などの質問を通して計測します。

CSATとNPSは、いずれも顧客との関係構築を通して、着実に売上アップを達成するために活用できる指標です。ただ、CSATは顧客が自社サービスや商品に対する満足度の変化を確認できるのに対し、NPSは競合他社との比較や新しい改善点の発見といった目的でも利用されます。

自社サービスや商品の具体的な評価を知るためにCSATを活用し、継続的に使用してくれるリピーターを増やすためにNPSを計測して施策を考える、といった使い分けが有用です。

CESとの違い

「CES(Customer Effort Score/カスタマーエフォートスコア)」とは、顧客が目的を達成するために費やした努力(顧客努力)の度合いを表した指標のことです。

顧客努力とは、顧客が自社サービスや商品を利用するまでに行った、ネット検索による情報収集や口コミチェック、販売店舗への来店、コールセンターへの問い合わせといった行動の量や程度を意味します。

CESスコアは、自社商品やサービスが顧客にとってどの程度使いやすいのかを示し、CESのスコアが高いほど、顧客は多くの努力を行ったことを示しています。CESの計測と改善を通して、顧客が不親切や使いにくさを感じている点について改善を図ることで、顧客満足度の向上につながります。

CESの測定方法や分析を通した改善事例などについて、下記記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

関連記事:顧客離れを防ぐ!カスタマーエフォートスコアとは何か?

GCRとの違い

「GCR(Goal Completion Rate)」とは、自社の商品やサービスが顧客の目的やニーズを満たしているかを表す指標です。例えば、顧客がWebサイトのよくある質問(FAQ)ページにおけるCV(コンバージョン率)を測定する方法があります。

また、カスタマーサポート用のチャットボットを利用した際、操作を終えたタイミングで「目的を達成できましたか?」といった質問を表示し、回答からGCRを計測することも可能です。

ここで、目的を達成できていない場合に「何を求めているか」をあわせて質問することで、商品やサービスだけでなく、Webサイトやオンラインサポートシステムにおける改善にもつなげられます。

CSATの計測方法と計算方法

CSATの計測方法には、決まった形式はありませんが、一般的には5段階フィードバックを使って測定します。

例として、「あなたが受け取った[商品/サービス]に対する全体的な満足度はどれくらいですか?」という質問を出し、以下5つの選択肢から顧客に回答を選んでもらいます。

  • 1:非常に不満
  • 2:不満
  • 3:どちらでもない
  • 4:満足
  • 5:非常に満足

集めたデータを使って、以下の計算式でCSATのパーセンテージを算出します。

CSAT(%)=[満足した顧客の数(回答4と5の合計数) /アンケート全体の回答数] ×100

上記方法でCSATの数値を定期的に観測し、検証と改善を通じて顧客満足度の向上を目指します。

CSATだけでなく、顧客アンケートを作成する際には、ターゲットの設定や回答しやすい設問など、精度の高い回答を集めるための工夫が必要です。下記記事で、アンケート作成時のポイントをまとめていますので、参考にしてください。

関連記事:アンケートはどう作る?作り方のコツを9ステップで解説

CSATのスコアの基準とは

CSATのアンケートを実施し、結果が出た際に、CSATスコアが良好であるかの判断も重要です。CSATのスコアの基準として、業界全体やベンチマークしている競合他社などのスコアをACSIなどのリソースでチェックすることができます。

ACSI(American Customer Service Index)は、世界規模で顧客満足度指数を研究しているアメリカの専門機関です。民間企業だけでなく、連邦政府や自治体のサービスに関する調査データも公表しています。業界の標準とされるCSATスコアと自社スコアを比較することで、改善点の洗い出しが可能です。

調査時点でのスコアが低くても、定期的に計測を続けていく中で成長が見られれば、適切な施策が実施できているといえます。

CSATのメリット

CSATは、顧客満足度を簡単に測定できる上、調査対象となる顧客の負担も抑えられるといったメリットがあります。また、認知度が高い指標であり、幅広い業界や業種に関して活用できます。ここでは、CSAT活用の主な3つのメリットについて解説します。

簡単に測定でき、活用しやすい

CSATは、測定が簡単に行えるという大きな特徴があります。「体験の満足度はどの程度ですか?」という1つの質問と評価スケールだけで、回答データを得られるため、すばやくアンケートを実施できます。

また、WebサイトやSMS、メールなどさまざまなチャネルにて質問を行い、取得した回答結果を集計しやすい点もメリットです。

顧客の負担が少ない

CSATは、対象者である顧客側の負担も軽減されています。一般的なCSAT調査では、シンプルな質問に対して、5段階あるいは10段階の評価スケールのうち、該当するものを選択するだけで完了します。

多くの質問に答える必要がなく、回答に時間がかかる、あるいは回答に疲れてしまうといったことが少ないでしょう。

指標として認知度が高い

CSATは、顧客満足度を測るための世界的な標準指標として高い認知度を誇ります。多彩な統計テストを用いて簡単に分析できる数値データのため、さまざまなシーンでの活用が期待できます。他社とのベンチマークに加えて、マーケティングやプロモーションなどにも有用です。

CSATのデメリット

CSATには多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。回答に対象者にバイアスがかかりやすい点や、回答全体に偏りが出やすい点はあらかじめ理解した上で、アンケートを実施する必要があります。

また、肯定的か否定的かの判断以外の詳細は聞き取れないため、ニュアンスまで把握したい場合には、個別インタビューなどが必要でしょう。ここでは、CSATのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

自己申告のため偏りが生じる可能性がある

CSAT調査への回答は自己申告のため、偏りが生じる可能性があります。CSATの設問は「対応に満足できましたか?」といったシンプルなものが多いですが、対象者自身の判断基準や回答時の気分などの条件でバイアスがかかりやすいため、その点を考慮して回答データを扱う必要があります。

詳細な部分までは把握できない

CSAT調査では、ポジティブかネガティブかを把握するおおまかな尺度を把握できますが、細かな部分までは測ることが難しくなります。自社商品やサービスを通した体験のニュアンスや解釈といった詳細も集めたい場合は、電話や対面による直接的なインタビューなどの機会が必要でしょう。

回答者にバイアスがある可能性がある

CSAT調査のリクエストに回答する人は、ポジティブな体験をした人、あるいはネガティブな体験をした人のいずれかである可能性が高く、回答にバイアスが見られる場合があります。ポジティブやネガティブに偏らない中立的な意見を持つ人は、アンケートに参加するモチベーションが低く、回答数が少なくなることも考えられます。

アンケート調査を行う際には、このことを念頭に置いた上で、設問やアンケート方法を考える必要があるでしょう。

CSATを測定するためのアンケートの方法

CSATを測定するためのアンケート方法には、さまざまな手段があります。回答数を確保し、高精度なCSATスコアを得るためには、ターゲットとなるユーザー層や商品・サービスの特性などの条件により、適した調査手段を選ぶことが大切です。ここでは、CSAT測定に活用できる4つのアンケート方法について詳しく解説します。

Webサイトでアンケート

Webサイト調査は、多くの企業が採用しているアンケート方法です。アンケートの作成から配信、回答の回収までをオンライン上で完結できるため、効率的にCSATを測定できます。

一般的には、自社商品やブランドのWebサイト内にアンケート専用フォームを設置し、回答を募るやり方が挙げられます。アンケートツールを使って「[商品/サービス]にどの程度満足しましたか?」といった質問を設置し、5段階あるいは10段階評価で回答を入力してもらう方法です。

また、「使いやすさ」「購入しやすさ」など個別の項目をカスタマイズして追加できます。最後に「その他ご意見・ご要望があればお送りください」といった、自由解答欄を設けることで、アンケート項目で拾いきれなかった情報も集められます。

スマホやパソコンからいつでも手軽に回答できるため、顧客にとっても手軽で便利ですが、インターネットを普段から利用しない層には不向きなので、対象者が限定されやすい傾向があります。

SMSやメールでのアンケート

SMSやメールでのアンケートは、過去に購入履歴や使用履歴のある顧客に対して一気に調査を依頼できる点がメリットです。アンケートフォームのリンクを相手に送信して、スマホやタブレットなど好きな端末から回答してもらいます。

SMSは到達率や開封率が高いため、まとまった回答数が期待できるでしょう。アンケート機能付きのSMS送信サービスの中には、一斉送信機能や回答集計、データ分析まで1つのツールで完了できるものもあり、業務効率化に役立ちます。

はがきや郵送でのアンケート

はがきや手紙など郵送でのアンケートは、高齢者などインターネット利用が少ない人や、インターネットサービスに馴染みがない人にも依頼しやすいというメリットがあります。また、細かな質問項目や自由記入項目を設置できるため、より具体的で詳しい回答を得やすいでしょう。

一方で、顧客側が返送しなければならず、オンラインアンケートに比べると手間がかかるため、回収率が低くなる可能性があります。

コールやチャット後のアンケート

企業のコールセンターやWebサイトに設置されたオンラインチャットを利用した際に、アンケートを行う方法も普及しています。問い合わせ窓口でのやり取りが終わった後に「今回の対応にご満足いただけましたか?」と質問し、顧客の意見を直接聞き出すことができます。

また、チャットボットなどのオンラインチャットシステムにおいて、最後にIVR(自動音声応答システム)を通してアンケートの協力をお願いして、満足度を5段階あるいは10段階の評価から回答してもらうことも可能です。

オンラインショップや会員サービスなど、オンライン上で顧客が利用する商品やサービスのCSATスコアを調べる際に適した方法です。

電話や対面でのアンケート

上記以外にも、電話や対面によるアンケートも使われています。顧客に電話をかけてアンケートへの回答を依頼する場合、その場で回答をもらえる上、遠方でも電話ひとつで直接話ができます。質問の量や内容は限定的になりやすいですが、期間内にできるだけ多くの回答を集めたい場合に有用です。

調査員が対象者の自宅や職場を訪問して、対面でアンケートを行う場合、回答率は自然と高くなります。また、顔を見ながら話ができるため、意思の疎通を図りやすく、複雑な質問もしやすい点はメリットです。ただし、調査員の人件費や移動費などのコストがかかります。

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モバイルウェブ Webアンケートを活用してCSATの測定を効率化

CSATは、顧客満足度を表す数値で、世界的な指標として広く活用されています。CSATの回答データを元に自社商品やサービスを改善する施策を実施することで、売上向上や顧客満足度アップにつなげられます。

CSAT調査のためのアンケートは、WebサイトやSMS、電話などさまざまなチャネルを使って実施できますが、ターゲット層や活用目的などの条件に合った方法を選ぶ必要があります。

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