2023/10/17

ビジュアルIVR

ペインポイントとは?ビジネスへの活用例や見つけ方について解説

ビジネスを進めるうえで、ユーザー目線を意識することは欠かせません。ユーザーの意見を製品開発などに取り入れる際に活用したいのが、「ペインポイント」です。ペインポイントとは、コストをかけてでも解決したいユーザーの悩みや課題のこと。

本記事では、ペインポイントの概要やその他のビジネス用語との違い、ビジネスへの活用例などを解説します。ペインポイントを見つけるためのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の内容
  • ペインポイントはユーザーが「お金をかけてでも解決したい」と思っている悩みや課題のことで、ペインポイントを知ることでユーザーが求める製品やサービスを提供できる
  • ペインポイントは、新製品・新サービスの開発や営業活動、他社との差別化など、さまざまなビジネスシーンで活用されている
  • ペインポイントを見つけるにはユーザー視点に立つことが大切で、ユーザーの生の声を集めるためには手軽に実施できるWebアンケートの活用がおすすめ
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ペインポイントの意味

ペインポイントとは、ユーザーが「お金を払ってでも解決したい」と考えている悩みや課題のことです。ペインとは英語で「痛み」のことで、その痛みを取り除くためにコストをかけるのはやむを得ないと思うほどの悩みをペインポイントと呼びます。

ここでポイントとなるのが、「お金をかけてでも」という点です。ペインポイントである悩み・課題を解決できる製品・サービスを提供すれば自社の顧客になってもらえる可能性があり、ビジネスやマーケティングを進めるうえでペインポイントが注目されています。

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ペインポイントと対になるゲインポイントとは

ペインポイントと対になる言葉に、「ゲインポイント」があります。ゲインは英語で「得る」「獲得する」という意味で、ゲインポイントとはユーザーにとっての付加価値のことです。「現状をより良くしたい」という内容のニーズで、ゼロからプラスにするポイントを指します。

一方ペインポイントは取り除きたい悩みのことで、マイナスをゼロにしたいニーズのことです。例えば勤怠管理システムを販売する場合、「毎月の労働時間の計算に多くの手間と時間がかかっている」がペインポイントで、「既存の勤怠管理システムにはない残業時間のアラート機能が使える」がゲインポイントになります。

ペインポイントとカスタマーエフォートスコア

カスタマーエフォートスコアとは、製品やサービスを利用するために顧客側に必要となる努力のことをいいます。例えば、製品を購入するために店舗まで足を運んだり、詳しい使い方を調べたりするのは、代表的なカスタマーエフォートスコアの例です。

これは、「ペインポイントを解決するためにどの程度の努力が必要だったか」という指標にもなります。カスタマーエフォートスコアが高いほど、顧客は少ない努力でペインポイントを解決できたことになり、リピート率や顧客満足度の向上が図れます。

一方、カスタマーエフォートスコアが低く顧客に多くの努力を強いることになると、たとえペインポイントを解決できたとしても継続的な利用は見込めないでしょう。ビジネスでは、「ペインポイントを解決できるかどうか」だけでなく、「解決までに必要になる努力や労力」にも着目しなければなりません。

関連記事:顧客離れを防ぐ!カスタマーエフォートスコアとは何か?

ペインポイントとその他用語の違い

ペインポイントと混同されやすい用語に、以下のようなものがあります。

  • ニーズ
  • シーズ
  • ウォンツ
  • インサイト

ここでは、上記4つの用語の意味を解説します。

ニーズ

ニーズとは、顧客が持つ欲求のことです。ペインポイントも、広い意味ではニーズに含まれます。

ニーズには顕在ニーズと潜在ニーズの大きく2種類があり、顕在ニーズは顧客が自覚している欲求、潜在ニーズは顧客自身が気づいていない欲求のことです。例えば「勤怠管理にかかる手間や時間を減らすためにシステム化したい」というニーズは、課題が明確になっている顕在ニーズに分類できます。

一方、勤怠管理システムを導入したい理由が「残業時間を減らしたい」だった場合、企業のニーズを掘り下げてみると「従業員満足度を向上させたい」「人件費を節約したい」など真のニーズが見えてくることがあります。このような、表面化しているニーズの奥に潜在ニーズが隠れているケースも少なくありません。

シーズ

シーズとは英語で「種」のことで、ビジネスの世界では「企業が持つ技術や素材、ノウハウなど、製品やサービスを開発するための素となるもの」という意味で使われる言葉です。自社が持つ独自技術を使って製品開発を進めるなど、シーズを軸にビジネスを進めるケースも多いでしょう。

ペインポイントやニーズが顧客側が持つ欲求や悩みのことであるのに対して、シーズは企業側が持つ技術やノウハウのことで、そもそもの視点が異なります。

ウォンツ

ウォンツは、ニーズを満たすため必要な製品やサービスに対する欲求を指す言葉です。ウォンツは、以下の3つに分類されます。

  • 基本ウォンツ:ニーズを満たすための具体的な手段に対する欲求
  • 条件ウォンツ:よりニーズに合う手段を選択するための条件
  • 期待ウォンツ:製品やサービスに期待する内容

例えば「喉が乾いている」というニーズに対する基本ウォンツは、「飲み物がほしい」になります。条件ウォンツとしては、「水分補給のための水」「熱中症対策のためのスポーツドリンク」など、ニーズにより合う製品を選ぶための具体的な条件が該当します。期待ウォンツは、「購入した飲料はその場ですぐ飲める」のように、顧客が当然満たされると考えている条件のことです。

ウォンツはニーズと密接な関係がありますが、顧客の課題や悩みを示すペインポイントとは明確に異なるものです。

インサイト

インサイトは「洞察」「直感」といった意味を持つ言葉で、顧客が製品やサービスを選ぶときの無意識な動機や根拠のことです。ポイントは、「顧客自身が気づいていない」という点です。例えば、「明確な理由はないものの、いつも同じ製品を買ってしまう」といったケースでは、インサイトが作用しているのかもしれません。

ペインポイントは、「お金をかけてでも解決したい」と意識的に考えている課題や悩みです。インサイトは顧客が自覚していないのが特徴で、この点がペインポイントと大きく異なります。

ペインポイントのビジネスへの活用例

ペインポイントは、以下のようなビジネスシーンで活用されます。

  • 新製品・新サービスの開発
  • 営業活動
  • 他社製品・サービスとの差別化

上記3つの活用例について、以下で詳しく見ていきましょう。

新製品・新サービスの開発

「顧客のペインポイントを解決できるもの」という視点で企画を進めることで、顧客に選ばれる製品・サービスを開発するのに役立ちます。ペインポイントは「お金をかけてでも解決したい」と考えられているため、その悩みを解決できる製品・サービスを提供できれば売上を伸ばしたり市場シェアを拡大できたり、さまざまな成果が期待できます。

営業活動

営業担当者が見込み顧客のペインポイントを把握しておけば、顧客の課題や悩みを解決するための的確な提案が可能になります。相手に「この製品・サービスなら自社の課題を解決できる」と具体的にイメージしてもらうことができれば、成約率を高められるでしょう。顧客ニーズを意識した営業を取り入れている企業は多いかと思いますが、もう一歩踏み込んでペインポイントの把握に力を入れることで、より高い営業成果が期待できます。

他社製品・サービスとの差別化

ペインポイントを解決する自社独自の製品・サービスを提供することで、競合他社との差別化につながります。解決策の内容や製品・サービスの利用によって期待される成果がペインポイントを意識した独自のものであれば、顧客からの注目を集められるでしょう。ビジネスにおいて他社との差別化は重要な要素であるため、ペインポイントを軸に差別化戦略を検討する企業も少なくありません。

ペインポイントの見つけ方とは?活用できるフレームワークを紹介

「ペインポイントの重要性は理解したものの、ペインポイントをどうやって見つけたらいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ペインポイントを見つけるには、以下のようなフレームワークを活用するのがおすすめです。

  • カスタマージャーニーマップ
  • ペインストーミング
  • 共感マップ
  • バリュー・プロポジション・キャンバス

上記4つのフレームワークの概要について、以下で解説します。

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーとは、顧客が製品やサービスを認知してから購入・利用するまでの過程を旅になぞらえたものです。このカスタマージャーニーを図表で可視化したものを、カスタマージャーニーマップといいます。

カスタマージャーニーマップを作成するには顧客の行動や思考を可視化する必要があり、この作業はペインポイントを見つけるのにも役立ちます。ターゲットとなる顧客像が複数ある場合は、それぞれの顧客像に対してカスタマージャーニーマップを作成し、状況に応じたペインポイントを探りましょう。

ペインストーミング

ペインストーミングは、顧客のペインポイントを見つけるためのフレームワークです。以下の4点を分析し、ペインポイントの洗い出しと掘り下げを行います。

  • Person:ターゲット像
  • Activities:ターゲットの毎日の行動
  • Insights:ターゲットが目的達成のために行っている行動や使っているツール
  • Needs:ターゲットが満たせていないニーズやストレス、気がかり

ペインストーミングを行う際に重要となるのが、ターゲット像を明確にすることです。毎日の行動や使っているツールなどを掘り下げるにはターゲットの属性や職業、価値観などを絞り込んでおく必要があり、これによってより具体的なペインポイントを見つけやすくなります。

共感マップ

共感マップは、顧客の行動や体験を整理することで顧客の感情やニーズを深く理解するためのフレームワークです。顧客が何を考えてどのように製品・サービスを選んでいるのかを理解すると、ペインポイントも見えてくるでしょう。

共感マップは、顧客について以下の6つを整理します。

  • 何を見ているか
  • 何を聞いているか
  • 何を考えているか
  • 何を言っているか
  • 何に痛みを感じているか
  • 何を欲しているか

共感マップは、顧客視点でニーズやペインポイントを探るために活用されています。

バリュー・プロポジション・キャンバス

バリュー・プロポジション・キャンバス は、自社の製品・サービスが提供する価値と顧客のニーズが合致しているかどうかを把握するためのフレームワークです。1枚のキャンバスに顧客への提供価値と顧客の課題や悩みを描き、自社製品とターゲット層との相性を分析します。

バリュー・プロポジション・キャンバス を活用すると、提供価値と顧客ニーズとのギャップを明確にでき、適切な対策がとれるようになります。また、顧客のペインポイントに対して製品・サービスが的確な価値を提供できているかどうかの把握も可能です。

ペインポイントを見つけるためのポイント

実態に即したペインポイントを見つけるには、以下の2つのポイントを意識してください。

  • ペルソナを設定する
  • ユーザーの声を調査する

上記2つのポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。

ペルソナを設定する

ペインポイントを見つけるには、顧客目線で分析を進めることが大切です。その際、大まかなターゲット層ではなく具体的なペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、製品やサービスのユーザー像として設定する一人の架空の人物のことです。

例えば「30代・女性・会社員」というターゲットを設定したとしても、家族構成や製品を選ぶときの基準、価値観や休日の過ごし方などは人それぞれです。このような詳細な情報が定まっていないと、具体的なペインポイントは見えてきません。

より実態に近いペインポイントを見つけるために、ターゲットは属性だけでなくペルソナを作り込むようにしましょう。

ユーザーの声を調査する

顧客目線を意識して分析しようとしても、企業側からだけでは見えない部分もあるでしょう。企業側の視点ではどうしても製品・サービスの機能や価値に注目してしまいがちですが、顧客は必ずしもその価値を求めているとは限りません。そのため、顧客の本音を知るためにユーザーの声を調査することも大切です。

ユーザーの生の声を調査する方法として代表的なのが、アンケート調査です。多くのユーザーにアンケートに回答してもらえれば、これまで見えてこなかった顧客のペインポイントやニーズが見えてくるでしょう。

郵送や対面、電話やWebなどアンケートにはさまざまな方法がありますが、簡単に回答できてなるべくユーザーの手を煩わせないWeb調査がおすすめです。手軽に実施できるので、特に対象の規模が大きい調査にはWeb調査を活用しましょう。

関連記事:アンケートはどう作る?作り方のコツを9ステップで解説

ユーザーの声を調査し、ペインポイント見つけよう

ペインポイントはユーザーが「お金をかけてでも解決したい」と考えている悩みや課題のことで、新製品・新サービスの開発や営業活動など、ビジネスのさまざまなシーンに活用できます。ペインポイントを正しく把握してそれを解決できる製品・サービスを提供すれば、顧客から選ばれる存在になれるでしょう。

ペインポイントを見つけるには、ユーザー目線で分析を行う必要があります。ペインポイントの発見に役立つフレームワークは複数ありますが、どの方法でも重要になるのがユーザーの声を正しく知ること。

ユーザーの生の声を集めるには、アンケート調査がおすすめです。NTTコム オンラインが提供するモバイルウェブのアンケートフォームは、着眼率や到達率の高いSMSを使ってアンケートを送信できます。アンケートフォームの作成や回答結果の集計などは、管理画面で簡単に操作が可能です。この機会に、モバイルウェブの活用をぜひご検討ください。