
2024/12/26
VOCマネジメント
SNSのエンゲージメントとは?メディア別の計算方法や向上させる方法を解説
SNSのエンゲージメントは、ユーザーが投稿に対してどれくらい積極的に反応しているかを示す指標です。SNSマーケティングの成果を測る上で重要な指標であり、高い数値を維持することが企業・ブランドの認知度向上や信頼構築につながります。
この記事では、SNSのエンゲージメントの基本的な考え方から、プラットフォームごとの計算方法、エンゲージメントを高める具体的な方法まで、詳しく解説いたします。SNSを活用して効果的なマーケティングを行いたい方はぜひ最後までご覧ください。
- SNSのエンゲージメントは単なるリーチ数では測れないユーザーの関与度を示す重要な指標
- SNSのエンゲージメントを向上させる方法はアカウント設計に始まり多岐に及ぶ
- 各種SNSごとに平均エンゲージ率は異なり、業界や毎年の傾向を加味した対策が重要
- 実際にSNSのエンゲージメント向上に成功した企業の取り組み内容
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SNSのエンゲージメントとは?
SNSのエンゲージメントはSNS上の投稿に対して示されるユーザーの反応や関与度を指し、具体的には「いいね」やコメント、シェア、保存、投稿内のリンクをクリックするなどのアクションが含まれています。単なるリーチ数では測れない、投稿への興味や信頼度を示す重要な指標です。
一般的なエンゲージメント率の計算方法は「エンゲージメント数 ÷ リーチ数 × 100」で、たとえば投稿が1,000人にリーチして50件の反応があれば、エンゲージメント率は 5%です。この数値がSNS運用の成功・不成功を判断する基準となり、今後のSNS戦略やユーザーとコンテンツの結びつきを深める上で重要な鍵となります。
リーチ・インプレッションとは?
リーチとは投稿を見たユーザー数、インプレッションは投稿が表示された総回数を指します。たとえば、1人のユーザーが同じ投稿を3回見た場合、リーチは1、インプレッションは3です。
エンゲージメントはこれらとは異なり、ユーザーが「いいね」やコメント投稿など、実際の反応や行動を測る指標です。
リーチやインプレッションが多くてもエンゲージメントが低い場合、投稿が注目を集めきれていない可能性があります。逆に少ないリーチでもエンゲージメント率が高ければ、効果的なコンテンツを提供できていると言えます。
SNSのエンゲージメントはなぜ重要?
ここからは、SNSのエンゲージメントが重要な理由について解説します。重要性をよく理解してからエンゲージメント向上のための施策を行うことで、投稿のリーチを効果的に拡大できます。
アルゴリズムの影響で表示されやすくなる
SNSのアルゴリズムは、ユーザーに最適なコンテンツを表示するためにエンゲージメントを重要な指標として使用しています。エンゲージメントが高い投稿は、ユーザーに関心を持たれていると評価され、優先的に表示されやすくなるのです。
例えば、X(旧Twitter)では「いいね!」や「共有」がスコア化され、タイムラインや「For You」タブで表示されやすくなります。また、Instagramではユーザーが関心を持つ投稿やアカウントが優先されます。動画SNSであるYouTubeでは、エンゲージメントに加え、視聴時間やクリック率などが重視されています。
ブランド認知やロイヤルティ醸成につながる
SNSのエンゲージメントが高いとより多くのユーザーに投稿が表示され、結果的にブランド認知やロイヤルティの醸成につながります。現代においてSNSは拡散力が高いメディアとなっており、エンゲージメントを高めることは認知の獲得に非常に有効です。
新規顧客獲得のベースにもなるため、継続的に認知を獲得していくことは重要な施策と言えるでしょう。また、エンゲージメントの高さはコンテンツの質の高さにも関連しています。ユーザーにとって有益なコンテンツを提供するほど、ロイヤルティの醸成につながります。
コンテンツの拡散につながる
SNSのエンゲージメントが高いとコンテンツがより広く拡散されることにつながります。エンゲージメントには投稿のシェアやリポストなどの行動も含まれるため、そうしたユーザーの行動によりコンテンツが自然に拡散され、フォロワー以外のユーザーにも情報を届けられるのです。そして新しいユーザー層にリーチする機会も拡大できます。
このような状態を意図的に生み出すには、キャンペーンを実施するのも1つの方法です。興味を引く投稿を作成することでエンゲージメントを獲得し、拡散を狙うことができます。
SNSで拡散される秘訣とは?拡散の仕組みや成功事例5選も紹介
コンテンツの質を定量的に評価できる
SNSは投稿に対するエンゲージメントを定量的に確認できる機能を搭載しています。 内容が同様の投稿でも、複数のパターンを投稿して各投稿のエンゲージメント率を確認すれば、より効果の高い訴求方法を検討することができます。
分析を深めることでどのようなコンテンツがユーザーから求められているのか認識できるようになり、投稿のタイミングやターゲット層に合わせた最適化も可能です。効果的な投稿の傾向を正確に把握できれば、有料広告を出稿する際などにも応用でき、ひいては広告予算の効率的な運用も期待できます。
エンゲージメント率の目安は?SNS別・業種別の平均を紹介
ここからは、アルコール、ファッション、金融サービスなど14の主要産業を対象に調査されたSNS別の平均エンゲージメント率を紹介します。
出典ː2024 Social Media Industry Benchmark Report
X(旧Twitter)の平均エンゲージメント率
業界 | 平均エンゲージメント率 |
---|---|
アルコール飲料業界 | 0.040% |
ファッション業界 | 0.018% |
金融業界 | 0.026% |
飲食業界 | 0.030% |
健康・美容業界 | 0.011% |
高等教育業界 | 0.053% |
インテリア業界 | 0.012% |
インフルエンサー業界 | 0.040% |
メディア業界 | 0.009% |
NPO業界 | 0.044% |
小売業界 | 0.015% |
スポーツ業界 | 0.072% |
IT技術・ソフト開発業界 | 0.036% |
旅行業界 | 0.016% |
平均 | 0.029% |
X(旧Twitter)のエンゲージメント率は0.029%と他のSNSに比べて低い状態にあります。
もともとリアルタイムの情報発信に強みがあり、速報性を重視したコンテンツが多いため、長期的なエンゲージメントが少なく、主に時事性の高い投稿が関心を集める傾向にあります。
また、Xのエンゲージメント率は2024年、前年度に比べて約20%減少しましたが、2023年にTwitterからXに改名されてサービス全体が変革過程にあることが背景にあると推測されます。
Instagram(インスタ)の平均エンゲージメント率
業界 | 平均エンゲージメント率 |
---|---|
アルコール飲料業界 | 0.45% |
ファッション業界 | 0.19% |
金融業界 | 0.28% |
飲食業界 | 0.45% |
健康・美容業界 | 0.18% |
高等教育業界 | 2.43% |
インテリア業界 | 0.20% |
インフルエンサー業界 | 0.75% |
メディア業界 | 0.56% |
NPO業界 | 0.62% |
小売業界 | 0.23% |
スポーツ業界 | 1.57% |
IT技術・ソフト開発業界 | 0.44% |
旅行業界 | 0.40% |
平均 | 0.43% |
Instagram(インスタ)における全業界の平均エンゲージメント率は0.43%です。高等教育業界では2.43%、スポーツ業界は1.57%と高いエンゲージメントを出しています。
Instagramはビジュアルコンテンツやインフルエンサーマーケティングに強いSNSで、美しい画像や動画で注目を集めることでブランドの認知度向上を促進しています。
Facebookの平均エンゲージメント率
業界 | 平均エンゲージメント率 |
---|---|
アルコール飲料業界 | 0.11% |
ファッション業界 | 0.02% |
金融業界 | 0.04% |
飲食業界 | 0.03% |
健康・美容業界 | 0.02% |
高等教育業界 | 0.16% |
インテリア業界 | 0.04% |
インフルエンサー業界 | 0.16% |
メディア業界 | 0.04% |
NPO業界 | 0.07% |
小売業界 | 0.04% |
スポーツ業界 | 0.30% |
IT技術・ソフト開発業界 | 0.03% |
旅行業界 | 0.063% |
Facebookにおける全業界の平均エンゲージメント率は0.063%で、全業界の中で最も高いスポーツ業界のエンゲージメント率でも0.30%です。
企業や個人が広告を使わずにより自然にユーザーと関わることが難しくなっていること、Facebookのアルゴリズムがオーガニックコンテンツのリーチを制限していることなどが、こうした数値の背景として考えられます。
とはいえFacebookは未だ幅広い層のユーザーを持つプラットフォームであり、広告主にとってはターゲット層への効果的なリーチ手段として引き続き活用されています 。
Tik Tokの平均エンゲージメント
業界 | 平均エンゲージメント率 |
---|---|
アルコール飲料業界 | 1.84% |
ファッション業界 | 1.41% |
金融業界 | 2.43% |
飲食業界 | 3.95% |
健康・美容業界 | 1.38% |
高等教育業界 | 9.23% |
インテリア業界 | 1.91% |
インフルエンサー業界 | 1.51% |
メディア業界 | 2.05% |
NPO業界 | 2.85% |
小売業界 | 1.80% |
スポーツ業界 | 4.43% |
IT技術・ソフト開発業界 | 1.85% |
旅行業界 | 2.63% |
Tik Tokにおける全業界の平均エンゲージメント率は2.63%です。全業界の中で最も高い高等教育業界のエンゲージメント率では9.23%と非常に高い数値を出しています。短時間で視覚的にインパクトのあるコンテンツが、ユーザーの関心を引きエンゲージメントを促進している要因と考えられます。
実は2024年、TikTokのエンゲージメント率は前年に比べて平均で50%以上減少しましたが、それでも平均エンゲージメント率は他のSNSをはるかに上回っています。
【SNS別】エンゲージメント率の計算方法
次に、SNS別のエンゲージメント率の計算方法や確認方法を紹介します。ソーシャルメディアマーケティングの効果を測定し、戦略を最適化するために活用できます。
X(旧Twitter)のエンゲージメント率の計算方法
X(旧Twitter)のエンゲージメント率は、「エンゲージメント総数÷インプレッション数×100」で算出できます。
X(旧Twitter)におけるエンゲージメントは以下の通りです。
- リポスト
- いいね
- 返信(リプライ)
- ハッシュタグのクリック
- リンクのクリック
- 画像・動画などメディアのクリック
- 「詳細表示」のクリック
- プロフィールの閲覧
X(旧Twitter)におけるインプレッションは、投稿がユーザーのタイムラインや検索結果などに表示された回数です。一人のユーザーが複数回表示すれば、その回数すべてがカウントされます。
X(旧Twitter)のエンゲージメント率を確認する方法
X(旧Twitter)のエンゲージメント率を確認するには、メニューから「Xプレミアム」→「アナリティクス」にアクセスして「ツイート」タブでエンゲージメント率を含む詳細なデータを確認します。
アナリティクスは有料プラン利用者専用で、未加入のユーザーには閲覧できません。
有料プランではない場合、投稿画面で「ポストのエンゲージメントを表示」を選択すると、エンゲージメントの簡易データ(どのユーザーがアクションしたか)を見ることができます。
X (旧Twitter)で拡散を狙うには?ツイートの時間帯や投稿のコツを紹介
X (旧Twitter)のビジネス活用方法や注意したいポイントなどを解説
Instagram(インスタ)のエンゲージメント率の計算方法
Instagramのエンゲージメント率は、「エンゲージメント総数÷インプレッション数×100」で算出できます。
Instagramにおけるエンゲージメントは以下の通りです。
- いいね
- コメント
- 返信
- シェア
- 投稿の保存
Instagramにおけるインプレッションは投稿が表示された回数、つまりユーザーが実際に投稿を目にした回数です。ただし、正式なエンゲージメント率が定義されているわけではないので、投稿を見たユニークユーザー(個別のアカウント)数である「リーチ数」やアカウントの「フォロワー数」などを分母に算出します。
Instagram(インスタ)のエンゲージメント率を確認する方法
Instagramのビジネスアカウントを持っている場合、各投稿のインサイト画面で、エンゲージメント数とインプレッション数、リーチ数、フォロワー数などを確認できます。これらのデータを使用して、エンゲージメント率を手動で計算できます。ビジネスアカウントへの切り替えは自分のプロフィールページで「設定」にアクセスし、「アカウント」を選び「プロアカウントに切り替え」をタップします。
Facebookのエンゲージメント率計算
Facebookのエンゲージメント率は、「エンゲージメント総数÷リーチ数×100」で算出できます。
Facebookにおけるエンゲージメントは以下の通りです。
- いいね
- コメント
- シェア
- 投稿の保存
- 画像・動画などメディアのクリック
- 「もっと見る」のクリック
- アイコンのクリック
Facebookにおけるリーチは、投稿、ストーリーズ、広告などのコンテンツがどれだけのユニークユーザーに表示されたかを示す数値です。
Facebookのエンゲージメント率を確認する方法
Facebookのエンゲージメント率は、Facebookページのインサイトでリーチ数やエンゲージメント数を確認することで手動で算出できます。もしくはMeta Business Suiteのインサイトを利用する方法もあります。Meta Business Suiteなら、エンゲージメント率を含む詳細なパフォーマンスデータが確認できます。
TikTokのエンゲージメント率計算
TikTokのエンゲ―ジメント率はエンゲージメント総数 ÷ ビュー数×100で算出されます。
TikTokにおけるエンゲージメントは以下の通りです。
- いいね
- コメント
- シェア
TikTokのエンゲージメント率の算出においては「ビュー数」が使用されます。ビュー数とは、その投稿動画がユーザーによって再生された回数です。もし同一のユーザーがその動画を1回ではなく何度も再生した場合には、複数回分としてカウントされます。
Tik Tokのエンゲージメント率を確認する方法
エンゲージメント率を確認するには、メニューから「クリエーターツール」→「インサイト」を選択するだけです。
インサイトでは、いいね、コメント、シェアの数や、フォロワー数、プロフィールの表示回数などが確認できます。各投稿のインプレッションやエンゲージメントを表示して、エンゲージメント率を手動で計算します。
SNSのエンゲージメントを高める具体的な方法
ここからは、SNSのエンゲージメントを向上させる具体的な方法について解説します。10に及ぶ方法があるので、自社に必要な方法を複数選んで掛け合わせて、より効率的にエンゲージメントを高めましょう。
アカウント設計を入念に行う
アカウント設計とは、SNSの運営において目標や戦略を明確にし、フレームワークを作成することです。アカウント設計を行うことで、発信内容の一貫性を担保できる、チーム内で共通の認識を持ち運営できるなどのメリットがあります。
アカウントを設計する上での具体的なポイントは、 認知拡大、販売促進といったアカウントの「目的設定」 、ターゲット顧客を具体化する「ペルソナ設定」 、業界内の成功事例や他社アカウントの特徴を分析する「競合調査 」、ブランドイメージに合った内容や表現方法を統一する「発信の方向性やトンマナ等の設定」です。
ユーザー目線のコンテンツを作成する
自社の商品・サービスを一方的に宣伝する投稿ばかりではSNSのエンゲージメント向上は困難です。直接的な宣伝につながらずとも、まずはユーザーが求めるコンテンツを提供する必要があります。アカウント設計で定めたペルソナや発信の方向性を基に、ユーザーファーストなコンテンツを投稿しましょう。 ユーザーが求めるコンテンツが分からない段階であれば、仮説を立ててデータを確認しながらブラッシュアップしていくとよいでしょう。
効果的なタイミングに投稿する
同じ内容をSNSに投稿するにしても、その時間帯によってエンゲージメントが異なってきます。そのため、アクティブユーザーが多い時間に投稿することが重要です。ターゲットの年齢や属性によってアクティブな時間帯が異なるため、自社の設定したペルソナに合わせて投稿する時間帯を検討しましょう。
ちなみにX(旧Twitter)のアクティブユーザーが多いとされる主な時間帯は下記の通りです。
- 平日7時~8時・土日8時~10時(ビジネスパーソン、学生)
- 平日・土日12時~13時(主婦)
- 平日・土日15時~17時(ビジネスパーソン、学生)
- 平日・土日20時~22時(学生)
ハッシュタグを有効活用する
ハッシュタグは特定のテーマやトピックに関連したキーワードを「#」で前置きして表現するタグです。投稿を特定の検索結果に表示させ、ターゲットオーディエンスにリーチするための重要なツールです。
ハッシュタグをつけると検索で見つかりやすくなり 、フォロワー以外のユーザーにもコンテンツが届きやすくなります。多くのユーザーに表示されれば、エンゲージメントが高まる可能性もその分向上します。さらに、ハッシュタグとキャンペーンと併用すると効果的で、特定の目標達成の促進に役立つでしょう。
トレンドを投稿に取り入れる
リアルタイム性の高いメディアであるSNSでは、現在のトレンドを取り入れることも効果的です。多くのユーザーが興味のあるトレンドほど拡散される可能性が高くなります。SNS内で流行していることや、世間で話題になっていることなどを上手に活用しましょう。
SNSでトレンドを調査するには、ソーシャルリスニングやVOC(顧客の声)分析ツールを使ってユーザーの関心や意見を収集することも有効です。情報収集の効率化だけでなく、分析の精度が高まり、効果的な施策の立案にもつながります。
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SNSの特性に合わせたコンテンツを制作する
各SNSにはそれぞれ異なった特性があるため、どのSNSにも同一のコンテンツを投稿するのではなく、その特性にあったコンテンツを作成して投稿することがエンゲージメント向上につながります。
例えば、InstagramとX(旧Twitter)を取り上げてみましょう。Instagramはビジュアル中心で、魅力的な画像や動画が重要です。対してXはリアルタイムな情報発信が特徴で、短文やハッシュタグの活用が有効でしょう。こうした特性を考慮した上で、自社の商品やサービスと相性のよいメディアを選択することが重要です。
ユーザーとコミュニケーションを図る
SNSは双方向のやり取りがしやすくユーザーとの距離が近いメディアです。 SNSでの相互コミュニケーションが積極的になるほど、ユーザーは企業やブランドに対し親しみを持ちやすくなります。
例えば、自社の商品やサービスに言及したユーザーの投稿に反応したり、企業側の投稿に対してリアクションをしてくれたユーザーにお礼を伝えたりすることもコミュニケーションの一環です。また、キャンペーンを通してコミュニケーションを図ったり、接触回数を増やすのも関係構築に効果的です。
アルゴリズムに合わせてコンテンツを制作する
既に解説した通り、エンゲージメント向上を図る上でアルゴリズムは非常に重要な要素です。各SNSでどのような投稿が上位に表示されているのかを日々チェックしながら、自社のコンテンツ作成、投稿に反映していく必要があります。 SNSのアルゴリズムは時間と共に変化していくので、継続的に確認したうえで、アルゴリズムの変更に合わせて戦略を見直し、仮説検証を繰り返していきましょう。
過去データの分析と改善を行う
これまでの投稿からエンゲージメント率の高い投稿を分析・改良してコンテンツに取り入れることも、エンゲージメントの更なる向上につながります。例えば、反応のよい訴求の仕方や、コメントが伸びる問題提起の仕方など、表現方法や切り口などを具体的に分析すると、エンゲージメントが伸びる投稿の傾向が見えてきます。
また、投稿メディア、投稿日時などでエンゲージメント率を比較するのも1つの分析方法です。ターゲットの属性や生活習慣などを考慮したうえで、仮説を基にエンゲージメントの違いをチェックしましょう。
画像・動画を活用する
SNSにおいては、テキストより画像・動画コンテンツの方がエンゲージメント率が高いことが明らかになっています。実際に、InstagramやTik Tokなどの画像や動画中心のプラットフォームは、 X(旧Twitter)などのテキスト中心のプラットフォームに比べてエンゲージメント率が高いです。
特に、動画はエンゲージメント率が高いため、積極的に活用することをおすすめします。 ただし画像や動画の作成には時間がかかるため、こだわりすぎると手軽に投稿できるSNSの特性を十分に活かせません。テキストの投稿とバランスをとりながら投稿することが肝心です。
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フォロワーを増やしてインプレッション数を上げる
エンゲージメントを増やすには、より多くのユーザーに情報を届ける必要がありますが、 そのためには、まずフォロワーを増やすのが効果的です。
どんなに質の高い投稿をしても、そもそもフォロワーが少なければインプレッション数(投稿が表示される回数)も少なく、その効果は限定的でエンゲージメントの向上はあまり期待できません。積極的なキャンペーン活動、インフルエンサーや非競合ブランドとのコラボレーションなどフォロワーを増やす取り組みもあわせて行うことが重要です。
SNSのエンゲージメント向上に成功した事例
ここではX(旧Twitter)、Instagram(インスタ)、TikTokにおいてSNSのエンゲージメント向上に成功した企業の事例を紹介します。
X(旧Twitter)の成功事例
まずはX(旧Twitter)での成功事例を紹介します。NTTドコモと英国のコスタコーヒーの事例です。
NTTドコモ
NTTドコモでは、X(旧Twitter)のフォロワーを増やすべくインスタントウィンを活用したフォロー&リツイートキャンペーンを複数回実施。さらにプロモアカウントやプロモツイートといった広告プロダクトも活用しました。
オーガニック運用では「世の中のモーメントを捉えたツイート」「キャラクター・タレントとコラボしたツイート」「通信障害や災害情報などの緊急アナウンスツイート」「製品に関するシナリオツイート」という4つの軸でツイートを投稿。こうした取り組みの結果、1年間でフォロワーの数は約20万人増加、1ヵ月当たりのリツイート数が3万件近くになるなど大きく伸びました。
コスタコーヒー
英国のコスタコーヒーは、新シーズンのドリンクメニュー発売にあたり注目を集めたいと考え、X(旧Twitter)を活用して盛り上がりを創出しアクションを促す計画を立てました。
そこでX(旧Twitter)の通知機能、トレンドテイクオーバープラス、カルーセル広告、カンバセーションボタン、アプリインストール広告と複数のクリエイティブを次々使用しながら段階的なキャンペーンを展開。その結果、英国のX(旧Twitter)上でコーヒー愛好家の注目を集めることに成功し、インプレッション合計は4,100万に上り、エンゲージメント率はベンチマークより3倍も高い9.1%となりました。
X (旧Twitter)企業アカウント成功事例4選!運用メリットとコツを解説
Instagram(インスタ)の成功事例
次に Instagram(インスタ)での成功事例を紹介します。人気の美容系動画ブロガーのふくれな氏が創設した日本の化粧品ブランドCipiCipi、100円ショップのダイソーの取り組みです。
CipiCipi
CipiCipiはInstagramでの商品の関心を高めるために、Metaのビジネスパートナーであるwevnalと連携し、Messenger APIを活用した自動応答機能を導入。この機能を用いたキャンペーンではInstagram Direct誘導広告を利用し、A/Bテストで従来の広告戦略と比較しました。
誘導広告にはクリックやスワイプでメッセージ送信を促すCTAを採用。性格診断を受けてみるように自動応答機能で案内し、性格診断を経て最適な商品のランディングページへ案内しました。
その結果、従来の広告に比べ、Instagram Direct誘導広告を追加した場合ではコンテンツビューが大幅に増加し、ウェブサイトへのアクセスも73%向上したことがわかりました。
ダイソー
ダイソーInstagram公式アカウントは販売している商品の紹介や使い方の解説などを中心に投稿。投稿ペースはおよそ1日1回ほどで、インスタライブも定期的に開催しています。
Instagramのユーザー層は20代〜30代の女性が最も多いとされていることから、女性をターゲットにした投稿が多く見られます。投稿の特徴は、サムネイル画像でどんな商品なのかひと目でわかるようになっていることと、使用例や解説があることで商品の使い方もわかりやいことです。こうした様々な工夫の結果、フォロワーは現在(※2024年12月時点)190万人を越えています。
TikTokの成功事例
最後に、Tik Tokでの成功事例を紹介します。大手コンビニエンスストアのローソン、デリバリーピザチェーンのドミノピザの事例です。
ローソン
ローソンではハッシュタグチャレンジ企画を実施。「#いつでもLチキチャレンジ」というハッシュタグを使ったキャンペーンで、ローソンが提供するオリジナル楽曲「いつでもLチキ」に合わせてダンスを投稿するというもの。人気商品の「Lチキ」をハンドサインで表現した誰もが簡単にできて可愛らしい動きのダンスに、人気TikTokerやアイドルグループも参戦。その結果「Lチキ」の大きなPRと販売拡大につながりました。
ドミノピザ
大成功を納めたドミノピザの動画投稿キャンペーン「求ム! ドミノ 最高チーズ責任者」。その目的はドミノ・ピザの商品「ウルトラチーズ」のPRで、内容は「ウルトラチーズがどれくらい伸びるか」というチャレンジ動画を「#ドミノチーズ100万」のタグをつけて投稿してもらうというものでした。採用された「最高チーズ責任者」には報酬100万円を支給するというベネフィット付き。TikTokだけでなくTwitterやInstagram等でも開催し、新商品の認知と同時に商品購買にまで結びつけました。
SNSのエンゲージメント向上をサポートするNTTコム オンラインの「VoCソリューション」
「VoCソリューション」はSNSにおけるエンゲージメント向上を支援するツールで、顧客の声(VoC:Voice of Customer)を効果的に収集・分析します。これにより、ブランドとの関係強化や、効果的なマーケティング戦略の策定が可能となります。
「VoCソリューション」の特長は、X(旧Twitter)やInstagram、ブログサイトなど豊富なデータソースに対応していることや、大量の投稿から高精度な分析ができること、過去データにも対応していることなどです。
ユースケースは、SNSにおけるエンゲージメントの向上やマーケティング施策の最適化、ブランド価値の向上、危機管理などが挙げられます。初めて導入する企業向けに無料トライアルも用意されているので、機能を実際に体験しながらビジネスへの適用可能性を確認・検討することができます。
導入事例|情報通信サービス業 様
情報通信サービス業の某社では、顧客サービス部門においてSNS上のお客様の声を自社のサービス改善に活かしたいという課題がありました。そこで、「VoCソリューション」を導入したところ、関係社員から幹部までお客様の声を広く共有できるようになり改善意識が向上。さらに、「広報部門で的確なメディア対応や迅速なプレスリリースが可能となった」「お客様センターで変化への対応力が向上した」などの成果が得られました。
SNSはエンゲージメントを意識した運用が重要
SNSは単なる情報発信の場ではなく、顧客との関係を深めるための重要なプラットフォームです。この記事で解説した通り、SNS運用におけるエンゲージメントの重要性は高く、事業やブランドの成功に影響する要素となっています。エンゲージメントを意識した戦略的な運用により、ビジネスの成長を最大化しましょう。そのために、まずはSNS上の顧客の声を収集・分析することも効果的なファーストステップです。
ぜひこの機会にSNSにおけるエンゲージメント向上を支援するツール「VoCソリューション」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。検討に役立つ資料は以下からダウンロード可能です。
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