トレンドマイクロ株式会社様

NPS調査だけでは改善につながらない。弱点を明確化し、施策へ落とし込むにはNPX Proが不可欠

セキュリティソフトウェア業界のリーディングカンパニーとして、多くの人々をインターネット上の脅威から守り続けているトレンドマイクロ株式会社。同社で、NPSをより実効的な指標として活用するために導入されたのが「NPX Pro」でした。ここではその経緯と導入後の活用ぶりについて、コンシューマ営業本部 オンラインセールスグループのグループ長 マネージャー 千葉泰久氏、マネージャー 田中淳一氏、シニアスペシャリスト 片桐唯氏にうかがいました。

トレンドマイクロ株式会社
コンシューマ営業本部 オンラインセールスグループ
グループ長 マネージャー 千葉 泰久 氏
マネージャー 田中 淳一 氏
シニアスペシャリスト 片桐 唯 氏

NPS調査の結果だけでは「何をするべきか」が見えてこない

― はじめに、貴社ならびに事業内容についてお聞かせいただけますか。

千葉 : 情報通信業界で、法人向け、コンシューマ向けのコンピュータ及びインターネット用セキュリティ関連製品・サービスの開発・販売を手掛けております。日本では外資系企業と認識されがちですが、実は日本に本社があり、日本で上場しているグローバルカンパニーです。
おかげさまで国内において高いシェアを占めておりまして、ウイルスバスターシリーズは、(公社)日本PTA全国協議会推薦セキュリティソフトとなっておりますし、グローバルでは国際刑事警察機構(インターポール)とサイバー犯罪撲滅のために協業するなどの活動も行っております。

田中 : 従来ですと、法人向けはさまざまなレイヤーで多くの製品群があり、コンシューマ向けは「ウイルスバスター」シリーズに絞る形で展開していたのですが、近年はコンシューマ向けの製品群も増えてきています。例えば、今力を入れている「ウイルスバスター for Home Network」は、ご家庭のルーターに接続し、ホームネットワーク全般を一括して守る製品なのですが、このように従来の「クライアントPCを守る」役目だけではなく、さまざまなデバイスを包括して「ホームを守る」方向へシフトしつつあります。

― 従来から他社でNPS調査を実施されていたそうですが、NPX Proを導入するに至ったきっかけは何だったのでしょうか。

千葉 : 私たちコンシューマ営業本部オンラインセールスグループ更新担当は、名前を聞くとライセンス更新に関する部署のように聞こえるのですが、実はお客様がアクティベーションされた直後から更新時までを網羅する、いわばCRM的な活動をしている部署です。NPSにも以前から注目しており、3年ほど前から年1回調査を委託し、結果レポートを受け取る形で実施し始めたのですが……結果を見て現状を把握することはできるものの、「じゃあ、この結果を受けてどう動けば改善するの?」というところがわかりませんでした。

田中 : 最初は自社や業界の様子がわかって興味深かったのですが、年1回というスパンが微妙で……1年後、2回目の調査で前回よりもスコアが上がっても、それが何による効果だったのかがふわっとしていて、よくわからない。逆に下がったら慌てるものの、下がった原因もよくわからない。その状況のまま、数年が過ぎてしまった、と。

片桐 : 3回目の調査結果が出たころ、私がNTTコム オンラインのセミナーに参加しまして。そこでドライバー項目の優先度のファイルを見て「これがまさに欲しかったものだ!」と感じました。それまで実施していたNPS調査は、部分ごとの満足度を聞く形に近かったので、調査自体の造りの違いにとても驚きましたね。調査後を見据えた設計ができる御社であれば「どんなアクションをとればNPSが上がるのか」や、「関連部署にはどうして欲しいと伝えれば良いか」まで明示していただけるのではないかと思えたんです。

NPX Proのドライバーチャートによって「何をするべきか」が明確に

― NPS調査はどのような内容で行われているのですか。

片桐 : 現在、年1回のリレーショナル調査と、新規登録開始直後のオンボーディング調査の2種類を実施中です。さらに今後、ライセンス更新後の調査も実施に向けて準備しており、お客様の声を収集できるタッチポイントを増やしていく予定です。

リレーショナル調査は、今までの体験や、現時点でのおすすめ度、保護効果(セキュリティ製品によって脅威から守られていると感じるかどうか)などについて聞いています。
リレーショナル調査は健康診断のようなもので、カスタマージャーニーマップのどこがペインポイントになっているのか当たりをつけるものという考え方が非常にしっくりきました。来年はいよいよ第2回の調査を実施するので、その間の取り組みによって結果がどう変わってくるのか、遷移を見ていきたいですね。

オンボーディング調査では、リレーショナル調査と同様の設問で結果にどう差が出るかを見るのに加え、購入してから使い始めるまでのカスタマージャーニーマップに合わせて、どういうところで不満に思ったり、良いと思ったりするのかをドライバー項目として用意して、そことNPSとの相関性を見ています。例えば、インストール中に不明な点はなかったか、サポートは利用しやすかったか……といったことです。
調査のタイミングである「新規登録開始後」は、従来実施した調査でもユーザーにとって非常に大切なポイントのひとつだとわかっていた一方で、そこで「何をするべきか」は明確ではなかったのです。そこにオンボーディング調査を導入することによって「何をするべきか」を明確化するというのが主な役目ですね。

ライセンス更新後の調査は、まさに私たちに最も関わりが深い部分でもありますので、従来から施策を積み重ねてきたのですが、ただ「私たちが正解だと思う施策を、ユーザーは実際どう受けとめているか」に特化して調べたことがなかったのです。そこで、私たちが気づいていないユーザーの不満を明確化するというのが主な目的です。

― 当初の目的通り、何をするべきかが明確化してきているとお感じですか。

片桐 : そうですね。「どこが悪いのか」の当たりがつくので、改善するべきポイントもはっきりしてきました。これまで「○○に不満があるのでは?」と、考察するしかなかった点が、特にリレーショナル調査で「明らかにここに不満を持っている」と、ペインポイントが明確化しました。
それによって、他部署のスタッフと同じ方向を見て動けるようなったことも大きいです。例えばマーケティングは、NPSで明確化したペインポイントを次バージョンで改良していこうと動いていますし、上層部のミーティングでもNPSを指標として共有しています。するべきこととして、まず「NPSに全社で取り組むべきだ」と明確化しました。

― 調査結果レポートを受け取る形から、NPX Proを導入して社内で直接調査結果を見る形へ移行されたわけですが、この点はいかがですか。

千葉 : 調査結果を日々タイムリーに見られるところは非常に良いですね。それに、他チームに協力を仰ぐといった時にも、タイムリーなNPSのデータを持って話ができる。年1回の調査だと、結果が出た時はなんとかしようと思うものの、日々それを維持することは難しいですから。

片桐 : ダッシュボードで結果を見たい期間を絞り込んだり、製品ごとの結果を見たり、切り口を変えたい時も自分で簡単にできるので、すごく見やすいです。例えば何か施策をしたので、どう変わったか前後比較をしたいといった時も、日付を変えるだけで比較できますし。

田中 : MAツールとの連携がスムーズなのも良かったですね。他社ツールだと、NPX Pro ほど多くのパラメータを引き渡すことはできませんでした。だからMAツールから情報をダウンロードして、渡して、つなげてという人力での作業が発生してくる。一方NPX Pro だと、MAツールの中にある情報をパラメータとして引き渡せて、それを分析の際の分析軸に使える。調査の配信もMAツールのシナリオ設定で自動化できますし、非常に使い勝手が良いですよね。

― 社内での調査結果共有などはどのようになさっていますか。

片桐 : 例えば私は、現在Webサイト系の設問に深掘りするための項目を入れていて、専用のダッシュボードを作ってもらったので、関係者ミーティングの資料にしたりしています。また、マーケティングの担当者は、保護効果を見るために、独自のダッシュボードを作っています。そこで、今後製品がアップデートした際に保護効果がどう変わっていくか注目していくそうです。
フリーコメントは、定期的に私がNPX Pro 内のコメントを関係者に共有しています。それを見たサポートセンターが「このコメントはフォローをした方が良い」と提案してくれることもあるので、お客様の情報を渡して返信してもらいます。定性的なデータではありますが、それまで「こういう意見が多いような……」とぼんやり思っていたことが、ルーティン化することで「毎週この意見が届くということは、やはりここが課題なのではないか」というような形で明確化してきたと感じます。
NPSになじみのないメンバーに対しては、ドライバーチャートが大活躍しています。取り組みをシェアする時に「今課題となっているのはどういう点で、だからこういう点を一緒に頑張ってほしい」と、データを根拠にわかりやすく伝えられるので。加えて、NTTコム オンラインのコンサルタント(笠岡 秀輝)の存在も大きいですね。ミーティングに参加されたり、分析結果を発表していただいたりする際に、何を聞いても論理的に腹落ちする形で答えてくださるので、納得感が大きいのではないでしょうか。

田中 : やはりドライバー項目での分析の仕方が、誰でも納得しやすいですよね。以前の調査方法だと、いくつもの項目の結果が「良い・悪い」で並んでいて、「悪い項目は直さないとね、でもそれってNPSに影響するの?」という、つかみどころのない感じで。そこに「ドライバー項目はこれです」と出してもらえたことで、腹落ち感もあったし「ここを改善しよう」とシンプルに方向付けができました。

― 千葉様が「他チームに協力を仰ぐ」とおっしゃっていましたが、他チームとはどのように連携していますか。

片桐 : 調査結果によって明確化した改善施策ごとに、サポートが関係するのであればサポートのNPS担当、マーケティングが関係するのであればマーケティングのNPS担当を窓口として必要な人材をピックアップし、それぞれのサークルでミーティングをして、実際施策を打った後はそのレビューのミーティングをして……という感じで回しています。全員を毎回呼んでとなるとなかなかですが、窓口を設けたことでスムーズに進んでいます。今取り組んでいるものですとWebサイトの改善や、新規登録直後の早い段階で機能を使っていただくための施策といったところでしょうか。

NPX Pro導入でNPSが本来の「会社全体で追っていける指標」に

― 部署やグループを超えて、NPSが全社へ浸透しつつあるのですね。

千葉 : コンシューマ営業本部では「“個”客の利用シーンに応じた価値体験を提供することで、推奨者を増やす」をビジョンとして掲げています。顧客ではなく“個”客、1組1組のお客様を見ていこうと。そしてNPSを導入したことにより、目標は売上ではなく「推奨者を増やす」ことになりました。
そもそもNPS導入のきっかけも「会社全体で追っていける指標である」ということでした。NPS導入以前は、あちこちの部署が独自に顧客調査をしていて、まったく結びついていなかった。何度も違う調査を依頼されるお客様には負担がかかるし、データもノウハウも共有されず、非常にもったいないことをしていたんです。それが、NTTコム オンラインに出会ったことで、NPSが本来の「会社全体で追っていける指標」として浸透してきました。お客様の負担も減って、それもロイヤリティ向上につながっているかもしれません。

田中 : グローバルの開発メンバーとミーティングしていた時も、次のウイルスバスターの強化ポイントを挙げる中で「NPSを向上させる」というワードが出てきて。NPSを向上させるための機能強化、つまり製品を作るところからNPSというワードが出てきたことがとてもうれしかったですね。そのくらいNPSが浸透してきていると感じました。

― 今後のNPS活用について、お聞かせいただけますか。

千葉 : 実は今春に組織変更があり、私たちのグループに新規販売のチームもジョインしました。そこで今後は、新規販売にもNPSを活用したいと考えています。そうすることで、新規という入口から出口まで、より長いところを見る使い方ができるようになる。もっと言えば、我々はオンラインセールスだけではなく、店頭販売にもNPSは生かせるだろうと見ています。

― 単純に売上を追うだけではなく、お客様と1to1で向き合う姿勢に感服いたしました。今後もぜひ、ビジョン実現やNPS活用拡大のお力になれればと思います。本日はありがとうございました。

まとめ

お客様の課題

  • 年1回の調査では改善サイクルを回すにはスピードが遅く、優先順位がつけられない
  • 各部署が独自に顧客調査をしていて、 連携があまりとれていなかった

導入の効果

  • NPSが「会社全体で追っていける指標」として社内で浸透
  • 部署横断で結果を共有したり、改善活動の進捗を共有

お客様プロフィール

トレンドマイクロ株式会社

トレンドマイクロ株式会社

https://www.trendmicro.com/ja_jp/forHome.html

※ 記載内容は2020年6月現在のものとなります。