ヤマハ発動機株式会社

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https://global.yamaha-motor.com/jp/

NPS®で見えてきた課題を、世界の仲間と手をつなぎ改善していきたい

1960年代から世界市場に進出し、現在、200以上の国やエリアに自社製品を広げるヤマハ発動機。創業時よりお客さまへの思いを強く持ち続けてきたグローバル企業が、世界中のお客さまへ最善のサービスを提供するためのアクションとして導入したのがNPSでした。その経緯と導入後の展開について、同社CS本部の上田悟部長にうかがいました。

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CS本部 部品統括部長 上田 悟氏

お客さまと向き合う新たな調査手法としてNPSに注目

―はじめに、御社の事業とCS本部のビジョンについてお聞かせいただけますか。

ヤマハ発動機は1955年にオートバイを製造するメーカーとして創業しました。現在は二輪車事業を主力に、マリン事業、特機事業、産業用機械・ロボット事業などを展開しています。我々が扱うのはお客さまが長く愛用される製品です。「買うは一瞬、使うは一生」との考えのもと、お客さまとの接点が長い“使う”の部分で、しっかりとお付き合いさせていただけるよう、伝統的にお客さまを考える意識が根付いている企業なのです。こうした背景があるなかで、CS本部では本体製品をお買い上げいただいたお客さまに、メンテナンスや部品供給など永続的なサービスを提供することを目的に、サービス機能の充実や販売店の修理メンテナンス技術の向上・人材育成を行っています。さらに市場に出回っている製品の品質の問題を吸い上げて、次の開発に生かすことも役割のひとつです。

―NPS調査を導入されたきっかけはなんでしたか。

CS本部では、2016年から2018年の3年間の中期計画として、『次もヤマハ、次はヤマハ、だからヤマハ』をミッションとして掲げました。その中で今後のビジョンとして定めたのが「アフターサービス満足度1位」「再購入理由1位:サービス・部品」「本体1台あたり売上・利益向上」の3つです。しかしこうしたゴールを目指すためには、まず自分たちの現在の立ち位置を知る必要があります。そのためにはどのような調査が適しているのかを検討し、NPS調査を活用することになりました。
実は私自身、以前からNPSには高い関心を持っていました。2010年頃、ちょうどアメリカでNPSが普及しはじめた時期のことです。ブランド調査に関する調べ物をしていてNPSに目に留めたのですが、これまでの顧客満足度を図る調査に代わる新しい考え方であることを知り、とても興味を持ちました。弊社でもこれまでさまざまな調査を実施してきましたが、NPSには実践的な改善活動や施策につながっていくヒントを得られるのではないか、そんな印象を持ちました。その時は時期尚早でしたが、その後もNPSは欧米などを中心にさらに広がりを見せ、実績を重ねていたことから、今回は良いタイミングではないかと考えたのです。

世界8カ国でNPSを実施、さらにエリアを拡大中

―NPSは、どのように実施されたのですか。

NTTコム オンラインのコンサルタントの方にプログラムを設計していただき、2017年にインドネシア、インド、フィリピン、アメリカなど世界8カ国の販売会社で実施しました。2018年は、日本、ベトナムなどで調査を予定しています。弊社の場合、世界各地に販売会社があり、連結売上高では約90%を海外が占めています。当然調査にあたっては、海外の国々、そこで弊社の製品を購入していただいたお客さまが対象となります。また今回の調査は本社が主導し、すべての国で同じ質問項目で実施したのですが、これは国の違いがあっても本社として統一の指標を持っておくべきであるという考えによるものです。

―NPS調査後の成果と対応についてお聞かせください。

弊社ではこれまでもさまざまな調査を実施し、またKPIも導入していますが、お客さまへのアフターセールス、アフターサービスに注力した調査は行われていませんでした。NPSによって我々が実感していたのとは異なる、改めて見えてきた部分、課題としてあぶり出される部分が各所にあり、これが一つの成果ということができます。
こうした内容に関しては、すでに調査データをもとに、CS本部の社員が各拠点を回って内容を説明し、スタッフとの意見交換が行われています。「本社が調査をしました。こうした数値が出たからこのようにしなさい」では現場は動きません。彼ら自身の中で手応えを持って動くことが重要です。一つひとつのデータをもとに、各販売会社の事情を踏まえ、現場の声を聞きながら、より良い方向へと導くことができればベストでしょう。
今回の調査は、本社が俯瞰的な立場で実施したということもポイントです。今後は本社での気づきを共有しながら共に考えいくことが、本社と世界に広がる販売会社とのつながりをより強固にしていくものと確信しています。

NPSを活用し、さらにもうワンステップ前に進みたい

―今後の課題についてお聞かせください。

NPS調査によってあぶり出された課題を改善するために、本社としてどのような施策に落とし込むかには、さらにもう一段回、二段階の調査が必要となると考えています。ではどんな調査が必要なのか。こうした取り組みには、やはり調査の専門家による的確なアドバイスとプログラム設計が何よりも重要でしょう。

今回、初めてのNPS調査を導入するにあたり、NTTコム オンラインのコンサルタントが、全体企画から質問項目の一つひとつまで、我々の声に耳を傾けながら、誠実にきっちりと対応してくれました。こうした二人三脚で、より効果の高い調査を実施し、NPS調査をどのように具体的な活動まで落とし込んでいくか、プロフェッショナルとしてのこれまでの経験や知見をもとに、さらにアドバイスをいただきたいと思っています。

―最後に、今後に向けての思いをお聞かせください。

弊社の企業目的は「感動創造企業」、そしてブランドスローガンは“Revs your Heart(レヴズ ユア ハート)”です。お客さまの心を躍らせる、感動させる企業であることを求め続けます。アフターセールスの分野にあっても、お客さまにとってモノが直るだけでなく、さらに心の満足度を高められるように、そのためには何が必要なのかを探しながら、一人ひとりのお客さまに向き合っていきたいと考えています。そのためにもお客さまがどう考えているか、いろいろな手段でその思いを拾い上げていくことが私たちに課せられた使命です。

―本日はありがとうございました。

まとめ

お客様の課題

  • ビジョンとして定めた「アフターサービス満足度1位」「再購入理由1位:サービス・部品」「本体1台あたり売上・利益向上」の実現のために市場における自社の立ち位置を知る必要があった
  • ビジョンの実現に向けて実践的な改善活動や施策につながっていくヒントを得る必要があった

導入の効果

  • NPSによって実感していたのとは異なる、改めて見えてきた部分、課題としてあぶり出される部分が各所にあった
  • そのデータをもとに、各拠点スタッフの意見交換が行われ、世界中の現場のスタッフと共に考える動きにつながった

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。