ブランドロイヤルティ分析レポート
【ブランド認知浸透度分析編】

~純粋想起と助成想起に基づき自社のポジションを把握することが重要~

NTTコム オンラインが実施した「NPSベンチマーク調査 生命保険部門」の生命保険会社13社を対象に、純粋想起率や助成想起率、パーチェスファネルを用いたブランド認知浸透に関する分析の内容をレポートします。

ブランド認知浸透度を分析することにより、自社の認知度向上や新規顧客獲得に向けた戦略立案が可能となります。

<調査結果のポイント>

1.生命保険13社の純粋想起率平均は15.6%

 生命保険のブランド認知度を分析するにあたり、ブランド認知を測る指標である「純粋想起」と「助成想起」について調査を行いました。純粋想起とはヒントなしにブランドを思い出すことをいい、自由回答形式で聴取します。純粋想起の中でも、1番最初に思い出されるものを「トップ・オブ・マインド」と呼びます。一方で助成想起とは、ブランド名を提示した上で知っているものを選択形式で聴取します。

図:トップ・オブ・マインドおよび純粋想起、助成想起について

図:トップ・オブ・マインドおよび純粋想起、助成想起について

生命保険といえばどの会社を思い出すかを思い出した順に5つまで自由に回答を求めたところ(純粋想起)、1番目に思い出したトップ・オブ・マインド率の対象13社*平均は6.5%となりました。トップは日本生命(32.3%)、次いでアフラック(11.3%)、第一生命(11.1%)が続きました。

また、5番目までに思い出した純粋想起率の平均は15.6%となりました。トップは日本生命(52.5%)、次いで第一生命(31.5%)、アフラック(27.8%)が続きました。

図:生命保険会社の純粋想起率

図:生命保険会社の純粋想起率
※社名ありのデータは有料レポートにてご覧いただけます

2.生命保険13社の助成想起率平均は76.6%

対象13社生命保険会社を列挙した上で、知っている生命保険会社(助成想起)を調査したところ、助成想起率の平均は76.6%となりました。トップはアフラック(87.4%)、次いでかんぽ生命(86.1%)、日本生命(85.4%)が続きました。

図:生命保険会社の助成想起率

図:生命保険会社の助成想起率

3.純粋想起と助成想起に基づき自社のポジションを把握することが重要

純粋想起率と助成想起率をもとに、各企業をポジショニングしたところ、助成想起も純粋想起も高い「リーダー」に位置するのは日本生命をはじめとする5社となりました。また助成想起は高いものの純粋想起は低い「レガシー」に位置するのは3社、純粋想起も助成想起も低い「マイノリティ」に位置するのは5社となりました。

自社が「マイノリティ」に位置する場合は、ブランドの認知度が低いため、まずは助成想起をいかに高めるかが課題になります。一方で「レガシー」に位置する場合は、ブランドが市場に浸透しているものの、消費者に強い印象を残せていない状況にあります。このように、純粋想起と助成想起に基づき、自社のポジションを把握することで、認知度向上に向けた戦略立案に役立てることが可能となります。

図:純粋想起・助成想起マトリクス
図:純粋想起・助成想起マトリクス

図:純粋想起・助成想起マトリクス

4.生命保険業界においては、認知から探索へのフェーズで脱落を防止することがポイントに

生命保険の契約プロセスを把握することを目的に、消費者の行動を「認知」、「探索」、「検討」、「契約」に区分しパーチェスファネル分析を行いました。パーチェスファネル分析とは、消費者の購買・契約行動プロセスをろうとに見立てて、認知や探索、検討などのフェーズごとの消費者の脱落状況を特定する分析手法です。どのフェーズにおいて課題があるかを把握することで、最終的な購買・契約獲得に向けて施策を検討することに役立ちます。

図:パーチェスファネル分析に基づく施策の検討例

図:パーチェスファネル分析に基づく施策の検討例

分析の結果、生命保険業界全体では「認知→探索」フェーズにおいて離脱率が最も高くなりました。生命保険業界においては、最終的な契約獲得に向けて「認知→探索」フェーズにおける脱落を防止することがポイントであることがうかがえる結果となりました。また、認知度上位企業においては、「探索」「検討」「契約」フェーズにおいても業界全体より脱落率が低く、最終的な契約を実現していることがわかりました。

このように、パーチェスファネル分析を行うことにより、どのフェーズで自社の顧客離脱率が高いかを把握することができ、最終的な契約に向けた課題を抽出することができます。さらに各フェーズごとに顧客が脱落した理由を把握することで、自社が次に取るべきアクションにつなげることも可能となります。

図:生命保険業界におけるパーチェスファネル分析

図:生命保険業界におけるパーチェスファネル分析
※各フェーズを分類するための詳細設問はダウンロード資料にてご覧いただけます

<調査概要>

  • 調査対象者: 国内に在住する18~74歳
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間:2023/5/26(金) ~ 2023/5/30(火)
  • 有効回答者数: 19,528名
  • 回答者の属性:
    【性別】男性:48.9%、女性:50.3%、不明:0.8%
    【年代】20代以下:15.4%、30代:16.9%、40代:20.9%、50代:18.8%、60代以上:28.0%

*分析対象企業(アルファベット順、50音順):SOMPOひまわり生命、アクサ生命、アフラック、オリックス生命、かんぽ生命、住友生命、ソニー生命、第一生命、東京海上日動あんしん生命、日本生命、プルデンシャル生命、明治安田生命、メットライフ生命
※「NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査生命保険部門」対象企業

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