2024/05/30
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、NPSベンチマーク調査2024生命保険部門を実施しました。この結果、最もNPSが高いのはプルデンシャル生命となりました。有効回答数は6,016件でした。
※NPSのベンチマーク調査を通じて、対象の生命保険会社の契約者が、友人や同僚、家族にその生命保険会社を「どのくらいおススメしたいか」が分かります。
<調査対象企業(アルファベット順、50音順)>
SOMPOひまわり生命、アクサ生命、アフラック、オリックス生命、かんぽ生命、住友生命、ソニー生命、第一生命、東京海上日動あんしん生命、日本生命、プルデンシャル生命、明治安田生命、メットライフ生命
対象の生命保険会社13社のうち、NPSのトップはプルデンシャル生命(-36.4ポイント)となりました。2位はソニー生命(-37.6ポイント)、3位は東京海上日動あんしん生命(-38.0ポイント)となりました。対象13社のNPS平均は-48.0ポイント、またトップ企業とボトム企業との差は20.6ポイントとなりました。
生命保険業界全体のロイヤルティを醸成する要素を20の項目で分析したところ、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」や「保険商品の魅力」、また「保険金請求時のお客様に寄り添った対応」がロイヤルティを醸成する項目となりました。
一方でロイヤルティ向上のために優先的に改善が期待される項目としては「企業の寄り添う姿勢・お客さまの声を大事にする姿勢」のほか、「加入後のアフターフォローの手厚さ」、「自分に合った保険商品を提案してくれる」といった企業姿勢やアフターフォローの対応面に関連する項目となりました。このほか、「特約の充実度」、「Webサイトでの商品説明のわかりやすさ」といった保険商品に関連した項目においても今後の改善が期待される結果となりました。
図:業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
※詳細はダウンロード資料をご参照ください:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/lifeinsurance/inquiry/
NPSおすすめランキング1位のプルデンシャル生命においては、「担当者の商品説明のわかりやすさ」や「担当者からの中立的なアドバイス・リスクやデメリットに関する説明」といった、担当者に関連する項目での評価が高くロイヤルティの醸成につながりました。2位のソニー生命においては、「コストパフォーマンス」や「保険商品の魅力」といった保険商品の商品性が、また3位の東京海上日動あんしん生命は「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」や「企業の寄り添う姿勢・お客さまの声を大事にする姿勢」がそれぞれロイヤルティの醸成要因となりました。
生命保険会社に加入することを考えるきっかけになったものについて調査をしたところ、最も高くなったのは「家族・親戚・友人・知人との会話」(43.9%)となり、次いで「SNSやWeb記事などのWeb媒体」(11.2%)、「勤め先や労働組合の担当者」(8.0%)と続きました。
図:生命保険に加入することを考えるきっかけになったもの
生命保険について加入すること考えるきっかけとして、「家族・親戚・友人・知人との会話」に次いで割合が高くなった「SNSの投稿やWeb記事などのWeb媒体」について年代別に分析したところ、20代では29.4%、30代でも19.9%と他年代に比較して回答した割合が高い傾向となり、若年層においては保険契約を考えるきっかけとしてWebが重要な媒体となっている傾向がみられました。
図:「SNSの投稿やWeb記事などのWeb媒体」が生命保険会社に加入するきっかけとなった割合(年代別)
一方で、生命保険会社から提供されるアフターフォロー(訪問、連絡、情報提供)について今後希望する形態を調査したところ、20代においては他年代に比較して「自宅への訪問による面談」や「オンラインによる面談」といった担当者との面談によるフォローを求めている傾向が高くなりました。
図:今後希望するアフターフォローの形態(年代別)
※「アフターフォローを希望しない」と回答した人は除く
さらに、アフターフォローとして担当者との面談を希望する契約者に対し、面談を希望する理由について年代別にも分析をしたところ、20代においては「資産形成に関する相談や金融に対する知識を得ることができるため」、また30代においては「ライフスタイルや将来設計について気軽に相談することができるため」の割合が他年代に比べて高い傾向となりました。20代から30代の若年層においては、SNSをはじめとしたWeb媒体が保険を検討する重要な接点となり、また将来設計や資産形成・金融に対する不安感を払拭するために、担当者との面談によるフォローなどを希望する傾向がみられました。
図:面談でのアフターフォローを希望する理由(年代別)
昨今の円安傾向や、2024年1月より開始された新NISAを背景に、現在、社会的に資産形成・資産運用に対する関心が高まってきており、生命保険会社においても、保険以外の金融商品をはじめとした資産形成に関する知識を身に付けた人員育成などの取り組みを進めています。
担当者との面談や、生命保険会社から送られてくる案内や情報を通じて、契約者自身の金融や資産運用に対する知識や理解は向上していると感じるか調査したところ、全体では「非常にそう感じる」もしくは「そう感じる」と回答した契約者は40.4%であるのに対し、20代以下においては61.7%、30代においても49.5%と他の年代に比較しても高い割合となりました。
図:担当者や保険会社からの案内を通じた、自身の金融知識の向上に対する印象(年代別)
※「面談や案内を受けた経験はない」と回答した人は除く
これらの印象別にNPSも分析したところ、「非常にそう感じる」と回答した利用者のNPSは39.3ポイント、また「そう感じる」と回答した契約者も-17.7ポイントとなり、「あまりそう感じない」、「まったくそう感じない」と回答した契約者のNPSよりも高い傾向となりました。若年層を中心に、資産形成などの金融に対する不安や相談を受けることができるアフターフォローを提供していくことの重要性が示唆される結果となりました。
図:担当者や保険会社からの案内を通じた、自身の金融知識の向上に対する印象別NPS
※「面談や案内を受けた経験はない」と回答した人は除く
生命保険会社においては、契約者の健康状態に応じた保険料が連動する健康増進型保険の提供や、社会的な健康意識の向上から、契約者の健康をサポートする取り組みを進めています。これらを背景に生命保険会社が契約者に提供している健康増進への取り組みについて体験したことがあるか調査したところ、全体の33.1%が経験したことがある結果となりました。
また、これら健康増進の取り組みについて経験したことがある利用者に対し、生命保険会社が提供する健康増進への取り組みを通して自身の健康に気を遣うようになったか調査したところ、「非常にそう思う」と回答した契約者は12.6%、「そう思う」と回答した契約者は46.8%となりました。これらの印象別にNPSも分析したところ、「非常にそう思う」と回答した契約者のNPSは30.6ポイント、「そう思う」と回答した契約者も-22.5ポイントとなり、生命保険会社による健康増進の取り組みの重要性がうかがえる結果となりました。
対象の生命保険会社において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.3ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.8ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.7ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となりました。
図:推奨セグメント別継続利用意向
【生命保険】
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。