自動車の所有と利用に関する調査

~自動車を手放した人における、自動車サブスク・カーリースでの所有意向は14.8%に~

近年自動車のサブスクリプションサービスや個人向けカーリースの利用などが進んでいます。このことを背景に、本調査では自動車の所有や利用に関する意識や今後の自動車の所有意向について調査しました。また、自動車に対する意識に基づき消費者を分類し、各層の特徴についてもレポートします。
ダウンロード資料では、各クラスターの詳細データなどもご覧いただけます。調査対象者は普通自動車の運転が可能な免許を保有する、18歳~74歳の男女2,814名となります。

<調査結果のポイント>

1. 自動車所有者は全体の74.4%、自動車サブスク・カーリースで所有する人は1.4%にとどまる

現在の自動車の所有状況について調査したところ、自動車を所有している割合は全体で74.4%となりました。また「自動車のサブスクリプションサービス・カーリースにて所有している人」は1.4%、「以前に自動車を所有していたが現在は所有していない人」は9.1%となりました。

また、自動車を所有している人に対し、所有している台数を調査したところ、複数台所有している人は26.9%になりました。

図:現在の自動車の所有状況

図:現在の自動車の所有状況

2. 自動車を手放した人における、自動車サブスク・カーリースの利用意向は14.8%に

「以前に自動車を所有していたが現在は所有していない人」に対し自動車を手放した理由を調査したところ、最も高いのは「自身が就職・転勤・転職で自動車が不要となったから」、「自動車に乗る機会がなくなったため」(いずれも22.7%)となり、次いで「税金やメンテナンス、保険などの維持費が高いため」(21.1%)、「経済状況が変化したから」(19.9%)といった項目が続きました。

図:「以前に自動車を所有していたが現在は所有していない人」における自動車を手放した理由

図:「以前に自動車を所有していたが現在は所有していない人」における自動車を手放した理由
※上位10項目を掲載。下位項目についてはダウンロード資料をご覧ください

また、今後の自動車所有意向について調査したところ、現在自動車を所有している利用者においては「今後も自動車を所有したい」と回答する割合が94.5%となった一方、現状自動車を所有していない人においては割合が低い傾向となりました。

「以前に自動車を所有していたが現在は所有していない人」においては、「今後自動車のサブスクリプション・カーリースで自動車を所有したい」と回答した割合が14.8%となり、自動車を手放したことのある人における自動車のサブスクリプションサービス・カーリースへのニーズがうかがえる傾向となりました。

図:今後の自動車の所有意向

図:今後の自動車の所有意向

3. 自動車で意識していることの上位は「操作性のよさ」、「燃費のよさ」、「安全性」

自動車や運転に対する意識や考えについて全40項目で調査を行い、肯定的回答(「当てはまる」・「やや当てはまる」と回答)の割合を分析したところ、最も高くなったのは「操作性のよさなど、運転しやすい自動車がよい」(80.0%)となりました。次いで「常に交通安全を気にかけている」(78.6%)、「燃費がよい自動車がよい」(78.3%)が続きました。また上位項目としては「運転する際はドライブレコーダーを付けたい」(73.1%)、「安全性に対する評判がいい車に乗りたい」(72.7%)、「バックモニターや衝突防止機能などの安全支援機能が付いた自動車を選びたい」(67.4%)といった項目も挙がり、安全性に対する意識が高い傾向がみられました。

図:自動車や運転に対する意識や考えについて

図:自動車や運転に対する意識や考えについて
※全40項目のうち上位10項目を掲載。下位項目についてはダウンロード資料をご覧ください
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/carspecialreport/inquiry/

4. 自動車や運転に対する意識と自動車保有有無の状況に基づき消費者を7つのクラスターに分類

自動車や運転に対する意識と自動車の保有有無の状況に基づき、クラスター分析を行い消費者を分類したところ、全部で7つのクラスターに分類されました。

図:自動車意識別クラスターの特徴

図:自動車意識別クラスターの特徴
※ダウンロード資料にてクラスターのプロフィールをご覧いただけます
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/carspecialreport/inquiry/

*クラスター分析とは:集団の中から、似た傾向を持つ人同士をグループ化する統計的な手法。消費者の意識や行動特性によりグループ化する際に用いられ、マーケティングのターゲティング戦略などに活用される。

図:自動車に対する意識別クラスターの構成比

図:自動車に対する意識別クラスターの構成比

5. 「価格敏感層」や「こだわりシェアリング層」では、カーシェアリングサービスへの期待も高い傾向に

各クラスターにおける過去1年間におけるカーシェアリングサービスの利用経験を調査したところ、自動車を所有していない「こだわりシェアリング層」(18.6%)が最も高く、次いで自動車を所有している「カーライフ重視層」(16.1%)が続きました。

図:過去1年間におけるカーシェアリングサービスの利用経験

図:過去1年間におけるカーシェアリングサービスの利用経験

カーシェアリングサービスの利用で期待していることを調査したところ、全体で最も高くなったのは「自分にあった料金プランであること」(46.7%)となり、次いで「自宅の近くにステーションがあること」(34.8%)、「貸出・返却が簡単であること」(31.1%)と続きました。

図:カーシェアリングサービスの利用で期待すること

図:カーシェアリングサービスの利用で期待すること

また、自動車非所有のクラスターにおけるカーシェアリングサービスで期待することの選択個数を分析したところ、「価格敏感非所有層」および「こだわりシェアリング層」は全体よりも選択した個数が多くなりました。特に「価格敏感非所有層」のおいては5.1個と選択した個数が最も多くなっており、他のクラスターに比べて「貸出・返却が簡単であること」や「利用ルールが分かりやすいこと」のほか、「アプリの操作や予約の仕方が分かりやすいこと」や「事故・トラブル発生時の対応がよいこと」といったことが多く選択されていました。自動車の非所有層においては、カーシェアリングサービスへの期待も高い傾向がみられる結果となりました。

図:自動車非所有のクラスターにおける、カーシェアリングサービスで期待することの数

図:自動車非所有のクラスターにおける、カーシェアリングサービスで期待することの数

6. 「スペック・環境重視層」では、今後所有を希望する自動車のタイプはハイブリッド車・電気自動車が多い傾向に

自動車を所有しているクラスターにおける今後希望する自動車のタイプを調査したところ、カーライフ重視層また生活必需品層ではガソリン車を希望する割合が高かったのに対し、「コスパ・安全重視層」および「スペック環境重視層」においてはハイブリッド車・電気自動車を希望する割合が高くなりました。特に「スペック・環境重視層」においては過半数がハイブリッド車を希望しており、同クラスターにおける環境負荷が小さい自動車に対するニーズの高さがうかがえる結果となりました。

図:自動車を所有するクラスターにおける、今後希望する自動車のタイプ

図:自動車を所有するクラスターにおける、今後希望する自動車のタイプ

<調査概要>

  • 調査対象者: 国内に在住し、普通自動車の運転が可能な免許を保有している18~74歳
  • 調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間: 2024/10/18(金)~ 2024/10/23(水)
  • 有効回答者数: 2,814名
  • 回答者の属性:
    【性別】【性別】男性:52.7%、女性:47.3%
    【年代】20代以下:13.2%、30代:16.1%、40代:21.6%、50代:22.9%、60代以上:26.2%

有料版にて本調査の単純集計や、クラスター別のクロス集計もご提供しています。お気軽にお問い合わせください。

Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。