2019年12月3日開催 ファンマーケティングを実践するライオンズのNPS活用ポイント ~年間72試合のホーム試合で実践する効率的なファンの声の見える化と改善活動~ セミナーレポート

12月3日に開催した『ファンマーケティングを実践するライオンズのNPS活用ポイント~年間72試合のホーム試合で実践する効率的なファンの声の見える化と改善活動~』セミナーは、NPSの改善PDCAを支援するクラウドサービス「NPX Pro」を導入し、ファンサービス向上支援の一環としてNPSを活用し、成果を出されている株式会社西武ライオンズ 事業部リーダー 事業企画グループの清田様にご登壇いただき、同社が顧客満足度を測る指標としてNPS取り入れた経緯から、どのように活用されているのか、またどのような成果が出ているのかまで、「NPX Pro」導入当初から西武ライオンズ様を担当している弊社のNPSコンサルタントの笠岡との対談形式でお話を伺いました。

1.顧客満足度向上を支援する「システムとしてのNPS」

第一部は、笠岡より、「システムとしてのNPSとはなにか」をご説明しました。
NPSは「親しい人にこのサービス/ブランドを勧めますか」を0から10の11段階で評価し、その理由を聞くという、シンプルな質問で成り立っており、0から6までを「批判者」7、8を「中立者」、9、10を「推奨者」の3つのセグメントに分類します。
NPSをすでに取り入れている方に話を伺うと、「1年に1度アンケートを実施しているが、前回の結果と比較しているだけ」ということがかなりあります。しかし、測って比較するだけでは改善にはつながりません。
そこで、弊社が提案しているのは「NPSを“ネットプロモータースコア“から“ネットプロモーターシステム“として活用し、結果を出す」ということです。つまり、アンケートの結果から改善項目を見つけ出し、素早いアクションにつなげ、満足度改善につなげていく活動を1つのシステムとしてPDCAを回していくのです。
そのためには、以下の2つが重要なポイントとなります。

  1. PDCAにつながる調査設計を行う
  2. 調査結果から改善活動の優先順位をつける

お話を伺った西武ライオンズ様も、まさにこの2つを実践し、NPSを活用されています。

2.西武ライオンズ様のNPS向上、顧客満足度向上の取り組み

西武ライオンズ様は従来よりスポットでCS調査を実施されていましたが、調査同士のつながりがなく比較できない、という課題をお持ちでした。その後、収益性との親和性、課題領域の特定、口コミとの関連性といった特徴からNPSを導入されました。
NPS導入当初は自社で調査を実施されていましたが、調査結果から次のアクションにつながる改善ポイントが見つからないという課題があり、弊社から以下を見直すことをご提案しました。

  1. 重要なロイヤルティ構成要素がもれていないか
  2. 回答者にとって具体的な聞き方ができているか

上記を見直すために、ユーザー目線でカスタマージャーニーを描き、NPSへのインパクトが大きい要素を洗い出すことから始め、さらに「NPX Pro」というNPS運用システムを導入され、現在は1年に1回のブランド調査と、ホームで行われる72試合の多くでアンケートを実施されています。
自力でNPS調査を行っていた当時と比較し、以下の3点が変化/改善されたそうです。

1.調査構造・設問

「調査設問」では、回答のノイズを取り除くため、設問を具体的にする、注釈をつけるといった工夫で改善につなげる回答を得られるようになったそうです。また、弱点を見える化できる項目を回答者が適切に選択できるよう、「誰に何を聞くのか」を具体的にすることにより、課題が見えやすくなったとのことでした。

2.分析の精緻化・リアルタイム化

調査の分析は、コンサルタントの笠岡のサポートやポイントの確認、調査結果と自社のCRMデータの突合分析などにより、より精緻に行うことができるようになりました。以前、調査から分析までをご自身で行っていた際にあった「この分析は正しいのか?」という不安は、こういった精緻な分析やCRMツールでのPDCAの結果確認、NPSが改善していることなどより実証できたとのことでした。
また、日々の調査結果などはダッシュボードでリアルタイムに確認できるので、次の改善策の立案や実施までの時間が大幅に短縮したそうです。

3.システムの活用による稼働削減

従来、アンケートを配信、回収、集計して分析する、フィードバックするといったことにかかっていた稼働が、システム導入により半分以下に削減でき、その時間を次のアクションにあてることができたことも、大きな変化の1つとして挙げていただきました。

セミナーでは、西武ライオンズ様の実際のNPX Proの調査結果を拝見しながら、どのタイミングでどのような施策を行っているのか、NPSとの相関がどのように出ているのかなどを具体的にご説明いただきました。

また、継続的に調査することにより外的要因や内的要因を把握でき、それぞれをカバーする施策を検討できるようになった、NPSが高い層、低い層の特定できたこと、ロイヤルティを高める要素、阻害している要因などを特定できたことにより、NPSを改善する課題に優先的に取り組むことができているとのことでした。
笠岡からのポイント解説として、このようにアンケートの結果を分析する際、全体を3軸、4軸と小さく分けるとサイロ化してしまい、全体で俯瞰した場合にはロイヤルティに影響がない活動に時間をかけることになりかねないため、最初は1軸~2軸から分析を始めて、どこでロイヤルティのギャップが生じているのかを特定することが大切との話がありました。

また、NPSと口コミとの関連性について、NPSが高いお客様ほどポジティブな口コミをしているだけでなく、チケットやグッズなどの年間の購入金額も大きいこともCRMのデータから明らかになったとのことでした。

最後に、今後の抱負として「勝ち負けに依存しない観戦環境をつくる」ことを目標としている、勝った時だけでなく、負けた時も勝った時と同じような気持ちで球場を後にすることができる環境づくり、サービスの実践を実現するために、今後もNPSを活用していきたいとのお話で、セミナーを締めくくっていただきました。

3.NPS改善を支援するクラウド「NPX Pro」

NTTコム オンラインでは、顧客ロイヤルティ向上のための改善サイクル支援に特化した「NPX Pro」をご提供しています。
プログラム設計、アンケートによる顧客の声の収集、NPS把握、要因分析、改善アクションの展開まで一連のプロセスをNPX Proだけで実現できます。

NTTコム オンラインはSatmetrix社と日本市場において唯一の独占販売代理店契約を締結しており、ノウハウやナレッジをクライアント様に提供する事が可能です。NPSアンケートの設問設計や課題を発見するための分析など、豊富な経験を持つNPSコンサルタントがお客様を強力にご支援いたします。

顧客ロイヤルティ向上、NPSに関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。