NPS®ベンチマーク調査 業界横断分析シリーズ【第5弾】
顧客の声の反映状況に関する分析レポート

顧客アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されていると実感している人のロイヤルティは高い

NPSベンチマーク調査 業界横断分析シリーズ【第5弾】となる、顧客の声の反映状況に関する分析レポートに関する分析レポートを発表しました。
NTTコム オンラインが実施した「業界別NPSベンチマーク調査」の結果を基に、全15業界における、企業からの顧客アンケ―トの受け取り状況や、アンケート回答後に商品やサービスの改善に反映されている実感、またロイヤルティとの関連についてレポートします。

対象業界(以下15業界)
銀行、生命保険、代理店型自動車保険、ダイレクト型自動車保険、対面証券、ネット証券、クレジットカード、電力、都市ガス、自動車、白物家電、リフォーム、総合型旅行会社、ネット専業型旅行会社、セキュリティソフト

※本レポートで分析対象としているデータは2024年度のNPSベンチマーク調査の結果に基づきます

NPSベンチマーク調査 業界横断分析レポートの過去シリーズはこちらからダウンロードいただけます
【第1弾】「NPS時系列分析レポート」
【第2弾】「NPS導入状況分析レポート」
【第3弾】「口コミ貢献度分析レポート」
【第4弾】「顧客のクレーム行動とNPS®の関係性分析レポート」

<結果のポイント>

1.リフォームや総合型旅行会社、対面証券業界で顧客アンケートを受け取った経験率が高い

NTTコム オンラインが実施している「業界別NPSベンチマーク調査」においては、推奨度や継続意向、ロイヤルティ構成要素ごとの満足度のほか、企業から送られてくる顧客アンケ―トの受け取り状況や、アンケート回答後にアンケート声が商品やサービスの改善に反映されている実感についても調査を行っています。

調査対象の企業から送付される、商品やサービスの改善や品質向上を目的とした顧客向けのアンケートを受け取ったことがあるかどうかを調査したところ、15業界平均では38.5%がアンケートを受け取った経験があると回答しました。業界別にみると、最も高いのはリフォーム(59.6%)、次いで総合型旅行会社(51.6%)、対面証券(49.0%)と続きました。一方で白物家電(21.7%)や都市ガス(27.8%)、銀行(28.8%)においては割合が低い結果となりました。

図:業界別にみた、対象企業から顧客アンケートを受けとった経験があると回答した割合

図:業界別にみた、対象企業から顧客アンケートを受けとった経験があると回答した割合
※NPSベンチマーク調査の回答者における、顧客アンケートを受け取った経験があると回答した割合であり、企業が実際に送付している顧客アンケートの割合とは異なる

2. Webアンケートは電力やクレジットカード、紙アンケートはリフォームや生命保険で回答率が高い

顧客アンケートを受け取った経験がある人における、アンケートの回答状況を分析したところ、15業界平均でのWebアンケートの回答率は60.7%となり、紙アンケートの回答率(20.3%)と比較して高くなりました。業界別にみると、Webアンケートの回答率が最も高いのは電力(77.5%)、次いでクレジットカード(75.6%)となりました。一方でリフォームや生命保険においては紙の回答率も比較的高い結果となりました。

図:顧客アンケートを受け取った経験がある人におけるアンケートの回答率

図:顧客アンケートを受け取った経験がある人におけるアンケートの回答率

3.顧客アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されていると実感している人のロイヤルティは高い

アンケートに回答した後に、アンケートの声が対象企業の商品やサービスの改善に反映されている実感があるかを調査したところ、最も多いのは「どちらでもない」(51.7%)となり、「とてもそう感じる」や「ややそう感じる」と回答した割合は36.2%にとどまりました。

図:アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感(15業界全体)

図:アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感(15業界全体)
※業界別の構成比はダウンロード資料でご覧いただけます

さらに、アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感別にNPSを分析したところ、「とてもそう感じる」と回答した人のNPSは50.7ポイントと高く、反映されている実感があるほどロイヤルティが高くなりました。顧客アンケ―トを通じた商品やサービスの改善サイクルにより、顧客の声が改善に反映されている実感を醸成することがロイヤルティ向上に寄与することを示唆する結果となりました。

図:アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感別にみたNPS(15業界全体)

図:アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感別にみたNPS(15業界全体)

4.NPSが高い企業においてはアンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感も高い傾向に

アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感について、各業界のNPSトップ企業とボトム企業との差を分析したところ、NPSトップ企業のほうがその実感が高い傾向がみられました。

図:NPSトップ・ボトム企業における、アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感(15業界全体)

図:NPSトップ・ボトム企業における、アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感(15業界全体)

また、NPSトップ企業においてアンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感が高かった企業としては、セキュリティソフト部門1位のESETや、銀行部門の住信SBIネット銀行、対面証券部門の三菱UFJモルガン・スタンレ―証券などとなりました(詳細のデータはダウンロード資料にてご覧いただけます)。

これらの企業においては、顧客アンケートの受け取り率も高く、定期的なアンケートだけでなく手続きの直後や問い合わせの直後といったタッチポイントごとの調査の受け取り率が高い傾向がみられました。このような顧客アンケートを通じて、顧客の声を把握しスピーディな改善サイクルを構築することが、ロイヤルティ向上に向けて重要となります。住信SBIネット銀行におけるNPSアンケートを通じた改善の取り組みについてはこちらでご覧いただけます。:【NPSトップ企業に聞く顧客ロイヤルティ向上の秘訣2023】銀行部門 第1位 住信SBIネット銀行株式会社 様