2025年度 電力会社の選択に関する調査
~新電力から一般電気事業者へ切り替えの動きがみられる~
~新電力から一般電気事業者へ切り替えの動きがみられる~
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:稲葉 秀司、以下NTTコム オンライン)は、電力会社の選択に関する意識や行動についての調査をおこないました。電力会社の契約変更意向や選択時の重視点、また消費者の意識に基づくクラスター分析によるセグメンテーションの結果についてレポートします。本調査は主要15社の電力会社を契約している人を対象とした調査となり、2023年度に引き続き2度目の実施となります。
1年以内の電力会社の契約変更に関する検討状況を調査したところ、最も多いのは「変更を検討していないし今後変更する予定はない」(66.0%)となりました。「電力会社を変更済みである」は6.6%、「現在変更を検討中である」は4.7%、「変更を検討していないが今後変更を検討したい」は17.8%となり、約2割が契約変更意向があることがわかりました。2023年と比較すると、「変更を検討していないが今後変更を検討したい」がやや増加しました。
図:1年以内の電力会社の契約変更に関する検討状況(経年比較)
また、事業種別に分析したところ、新電力では一般電気事業者と比較して、1年以内に契約を変更した人や契約変更意向がある人の割合が高い結果となりました。
図:事業種別にみた、1年以内の電力会社の契約変更に関する検討状況(2025年)
1年以内の新電力からの変更先を調査したところ、「新電力から一般電気事業者に変更した」人は28.2%となりました。また、現在新電力契約者で変更意向がある人に対し、変更検討先を調査したところ、「新電力から一般電気事業者に変更を検討している」人は37.7%となり、新電力から一般電気事業者への切り替えの動きが一部みられました。
左図:新電力からの変更先(1年以内経験)
右図:新電力からの変更検討先(意向)※未定を除く
また、現在新電力を契約しており、契約変更の意向がある人に対しその理由を調査したところ、「現在契約している電力会社の電気料金が高くなったため」が他の理由と比較しても突出して高くなりました。また、「新電力から一般電気事業者に変更を検討している」人は「新電力から一般電気事業者に変更を検討している」人と比較して、「現在契約している電力会社の対応に不満があるため」(16.9%)や「地震などの自然災害における電力復旧などに懸念があるため」(9.4%)といった理由も高くなりました。
図:新電力契約者における契約変更意向の理由
※一般電気事業者契約者における契約変更意向の理由はDL資料にてご覧いただけます
電力会社の契約見直しが進む中、電力会社を選択する際に重視することを調査したところ、全40項目のうち「重視する・やや重視する」が最も高いのは「月々の料金が適切であること」(88.1%)となり、次いで「信頼性の高い企業であること」(85.0%)、「災害時の復旧が早いこと」(82.6%)が続き、料金や信頼・安定性が上位となりました。また2023年と比較して上位項目に大きな違いはなく、電力会社を選択する際の重視点に変化はみられませんでした。
図:電力会社を選択する際の重視点(重視する+やや重視する)
※全40項目のうち上位10項目を掲載。下位項目についてはダウンロード資料をご覧ください
電力会社の選択する際における重視点の特徴をもとに消費者を分類するために、クラスター分析*を行ったところ、6つの選択重視点別クラスターに分類されました。各クラスターの特徴は以下の通りとなります。
図:選択重視点別クラスターの特徴
※ダウンロード資料にてクラスターのプロフィールをご覧いただけます
*クラスター分析とは:集団の中から、似た傾向を持つ人同士をグループ化する統計的な手法。消費者の意識や行動特性によりグループ化する際に用いられ、マーケティングのターゲティング戦略などに活用される。
6つの選択重視点別クラスターのうち、最も割合が高いのはコスパ重視層(34.7%)であり、次いでサービス重視層(14.7%)、信頼性重視層(14.6%)となりました。また、2023年と比較すると、「コスパ重視層」がやや減少し、「地域密着重視層」が増加しました。
図:選択重視点別クラスターの構成比(経年比較)
事業種ごとに選択重視点別クラスターの構成比を分析したところ、一般電気事業者ではサービス重視層の割合が高く、新電力ではコスパ重視層の割合が高くなりました。また、企業別にも構成比に違いがみられました。
図:選択重視点別クラスターの構成比(事業種別)
※企業別のクラスターの詳細データは、有料のクロス集計表にてご覧いただけます。
選択重視点別クラスター別にロイヤルティを測る指標であるNPS(Net Promoter Score)を分析したところ、最もNPSが高いのはサービス重視層(-31.2)となりました。次いで「地域密着層」(-41.2)、信頼性重視層(-42.8)が続きました。自社の顧客が重視する層の特徴やボリュームを把握し、クラスターごとのニーズに合わせたサービスを提供することがロイヤルティの観点からも重要であることが示唆される結果となりました。
図:選択重視点別クラスター別のNPS
Net Promoter®およびNPS®、Predictive NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
また、eNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の役務商標です。