2018/04/10

【NPSトップ企業に聞く顧客ロイヤルティ向上の秘訣2017】

不動産情報サイト部門 NPS 第1位 SUUMO(株式会社リクルート住まいカンパニー)様
~スタッフやユーザーなどSUUMOに関わる全ての人のロイヤルティアップにNPSを活用~

NPS®ベンチマーク調査2017、不動産情報サイト部門で第1位に輝いたSUUMO(株式会社リクルート住まいカンパニー)。SUUMOサイトのユーザーである「カスタマー」、不動産情報の広告出稿をおこなう「クライアント」、立場の違う双方の“顧客”から高いロイヤルティを得るに至った同社の行動指針、お客さまとの向き合い方についてお伺いしました。

カスタマーエクスペリエンスを極限まで高め、次の住まい探しもSUUMOで

― 今回のNPSベンチマーク調査において、不動産情報サイト部門でSUUMOが1位を獲得されました。誠におめでとうございます。今日はSUUMOの顧客ロイヤルティに関する取り組みについてお聞かせください。

(左)株式会社リクルート住まいカンパニー ネットビジネス統括本部  執行役員 秋山 純 様
(右)NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 代表取締役社長 塚本 良江

(以下敬称略)

秋山 : SUUMOは賃貸も購入も、マンションも一戸建ても、さらにリフォームも注文住宅も、と、トータルで住まいに関する各領域のコンテンツがしっかり揃っているところが、競合他社に比べての特徴だと思います。例えば進学や就職を機に一人暮らしをするため、賃貸住宅を探すというのがよくある”住まいの入り口”ですが、SUUMOはその後結婚して新築マンションを買う時も、子どもができて一軒家を建てる時も、トータルでその方の人生の住まい探しに寄り添うことができます。

― エンゲージメントを高め、長くお付き合いしていくということですね。

秋山 : 高めるというよりはエンゲージメントを継続していくことだと考えています。SUUMOで見つけて頂いた賃貸住宅に2~3年住んでいるというだけで、そのカスタマーに「SUUMOで一軒家を建てませんか?」というCRMを唐突に施してもあまり刺さらないはずです。むしろ1回1回の引っ越しを満足度の高い状態で終えていただければ、次に引っ越すときに「またSUUMOで探そうか」と思い出してもらえると考えます。カスタマーにとって日常的に利用し続けるサービスでない分、毎回最大まで満足度を高めないと、忘れられて次はありません。そういった意味では、緊張感を持って取り組んでいます。

― 満足度を高めるために、カスタマーにどう働きかけているのでしょうか。

秋山 : コンバージョンレートなどの定量データや、ABテストをしながらユーザーの満足度を測っています。それと同時に、ツールを使って、資料請求を完了した方とか、サイトを離脱されそうな方に定性的な評価もつけてもらっています。住まいの領域はカスタマーが幅広いこともあり、時には、どこを直せばいいかはっきりしないこともある。そこで定性的な声を聞くと「そういう観点は確かにあるな」といった気付きがかなり出てきます。なので、得られた声は全部分類して、定期的に関係者で共有しています。

― リクルートグループといえばアクセスログを中心としたデータ解析、データマイニングが有名ですが、やはりカスタマーの情報はかなり細かく分析しているのでしょうか。

秋山 : 基本的にはカスタマーの回遊導線や、サイト上でのアクション情報はすべて取得していますし、属性が似ているカスタマーの行動傾向といった情報を使って、サイトを改善しています。
それに加えて、リクルートグループ内でも情報共有していますね。ホットペッパーグルメも、ホットペッパービューティーも、じゃらんもゼクシィもカーセンサーも同じように、日々使いやすい UI、UXの研究をしていますから、サイト改善に関する情報はどんどん入ってきます。

「カスタマー」からも「クライアント」からも高いNPSの評価を得る

― SUUMOはメディアになりますが、メディア事業では、物件情報を広告としてご出稿いただく不動産事業者などの「クライアント」と、集まっている情報を見に訪れる「カスタマー」と、お客さまが二種類いらっしゃいます。両方のお客さまの満足度をどう両立させるかは、常に大きな課題だと思います。SUUMOでは、そのためにどのようなことに力をいれていますか。

秋山 : どちらに寄りすぎてもいけないところが、僕らのビジネスの難しいところであり、面白いところでもありますね。ただ、まずはカスタマーにとって極限まで使いやすいサービスにするのが基本だと考えています。
クライアントに対して僕らが提供している価値は、たくさんの優良なカスタマーをクライアントへお送りすることですし、カスタマーにとって使いやすいサービスであれば、送客につながるはずです。
同時に、クライアントの資産である様々な物件情報を、どうすればカスタマーにとって価値があるものに仕立てられるか、といったことを考えるのは僕らの役割ですし、そうやってクライアントとカスタマーの両輪をしっかり回すのが基本戦略ですね。

― ターゲット顧客は、どのような方たちになりますでしょうか。

秋山 : クライアント側については、領域によって違いますが、新築マンションであればマンションディベロッパー様、賃貸であれば不動産管理会社様や仲介会社様など。カスタマー側でいったら、全部ですね。住まいを探しておられる皆様が、あまねくターゲットになるという感じです。

― ある意味、インフラのような規模感になってきたということですね。

秋山 : そうですね。何か住まいのことを考えようと思ったときに、使っていただけるメディアとして選ばれ続けるために、SUUMOでは、常に信頼できる情報が載っていて、サクサク使える、使いやすいサービスを提供していなくちゃいけないなと。

― カスタマーには誰にでもちゃんとリーチするように情報を整え、高いカスタマーエクスペリエンス(CX)を提供しているということですね。また、SUUMOでは広告出稿しているクライアントサイドのNPS調査も実施されていますが、そちらはさらに高い値となっていらっしゃいます。

秋山 : クライアントには営業がしっかり寄り添って期待に応えるべく日々向き合わせて頂いている、というところがNPSに反映されているのかもしれません。クライアントからの声や評価も、営業がヒアリングしてきているので、例えば、クライアントさんが接客する上で必要な項目をSUUMOのフォームで記入できるようにしたり、といった形でクライアントのご要望に対応して改善することもあります。

eNPSも活用して、社員もお客さまもファンになるブランドに

― 顧客ロイヤルティは、御社にとってどのような位置づけになりますでしょうか。

秋山 : 実は社内でも、従業員ロイヤルティを測るeNPSで組織コンディションをチェックしています。いいプロダクトを作るためには、社員が気持ちよく働いて、自らもっといいサイトにしたいというやる気を持ってもらうことが大切だし、いい環境はいいもの作りに繋がる。ですから、リクルート全社的に、比較的高い頻度でeNPSを取っています。グループ他社の同部署をベンチマークにできるので、相対的に見ることで課題がすぐ明らかになって、具体的な対策が取りやすいですね。

― クライアントも、カスタマーも、社員も……まさに、日本におけるNPSのリーディングカンパニーですね。最後に、今後SUUMOで取り組みたいことを教えてください。

秋山 : カスタマー1人1人にもっと寄り添いたいですね。現在は、「どこに住む、予算はいくら」と条件をある程度決めた後でしかSUUMOでサポートできないことは、課題と思っています。その前後の住まい探しにもっと寄り添うことができれば、SUUMOはもっといいサービスになるのではないかと思います。

― 今や、ライフスタイルに合わせて住み替えていく時代になっていますから、住生活に関する悩みに応えてくれるページがあれば本当にありがたいです。ユニバーサルに安定したサービスを提供することと、個別ニーズに応えていくこと、その2つを両立させようというのは素晴らしい事業ビジョンですね。実現されるのを楽しみにしております。
本日はありがとうございました。

【インタビュー後記】by NPSベンチマーク調査担当
NPSベンチマーク調査2017不動産情報サイトから読み取れる、SUUMOの魅力

NPSベンチマーク調査2017不動産情報サイトでは、ブランドイメージのよさ、物件情報の正確さ、検索のしやすさ、表示スピード、アプリの使いやすさなど、16の要因別に重要度および満足度を聞いています。SUUMOは「ブランドイメージのよさ」や「サービスの信頼性」といった信頼感、「物件情報の豊富さ」、「物件情報の正確さ」といった情報への満足度、「物件情報のみやすさ」、「検索のしやすさ」、「ウェブサイトのわかりやすさ」、「表示スピード」といったユーザビリティの項目などで、業界トップの評価を得ていました。
「推奨者」の推奨理由(自由記述)としても同様の傾向が見られ、「大手なので安心感があり、信頼できる情報が満載」といった信頼感、「扱い件数が非常に多く、物件の情報が詳細に記載されている」といった物件情報への高評価、「住居に関する情報が広くわかりやすく掲載されているのでどんな人にも使いやすいと思う」、「検索などサイトの使い勝手がすこぶる良い」といったユーザビリティのよさに関する高い評価が見られました。

NPSベンチマーク調査レポート最新版【不動産情報サイト】

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